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妊活中・妊娠中のコリンとは?卵・鶏肉の含有量とサプリの必要性を解説

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「妊活中はコリンを摂ったほうがいいの?」

「妊娠中にコリンのサプリを飲んでも大丈夫?」

「卵や鶏肉には、どのくらいコリンが含まれている?」

コリンは、日本では葉酸や鉄ほど広く知られていませんが、細胞膜の材料や脂質代謝、脳・神経の働きに関わる大切な栄養素です。特に妊娠中は、胎児の成長や脳・神経系の発達を支える栄養素として注目されています。

一方で、「コリンを摂れば卵子の質が上がる」「妊娠しやすくなる」と断定できるほどの医学的根拠は、現時点では十分ではありません。

この記事では、妊活中・妊娠中に知っておきたいコリンの働きや摂取量、卵・鶏肉に含まれる量、サプリメントを利用するときの注意点についてわかりやすく解説します。

この記事の要点まとめ
  • コリンは、細胞膜の形成や脂質代謝、神経伝達に関わり、妊娠中は胎児の脳・神経系の発達を支える大切な栄養素です。
  • 妊活中は1日400~425mg程度、妊娠中は450~480mg程度が、海外の基準による摂取量の目安です。
  • 卵1個には約147mg、鶏むね肉約85gには約72mgのコリンが含まれています。
  • 卵、鶏肉、魚、大豆製品、乳製品、野菜などを組み合わせることで、食事から無理なく補えます。
  • コリンを摂れば卵子の質や妊娠率が上がるとは断定できないため、一つの栄養素に偏らず、食事全体を整えることが大切です。
  • コリンのサプリメントは妊婦全員に必要なものではありません。不足が心配な場合は、自己判断で追加せず医師や管理栄養士、薬剤師に相談しましょう。

コリンとはどのような栄養素?

コリンは、ビタミンB群に似た性質をもつ栄養素です。体内でも一部つくられますが、必要量のすべてを補えるわけではないため、食事からの摂取も必要とされています。

コリンは体内で、主に次のような働きを担っています。

  • 細胞膜を構成するリン脂質の材料になる
  • 神経伝達物質「アセチルコリン」の材料になる
  • 脂質の運搬や代謝を助ける
  • 遺伝子の働きを調節する仕組みに関わる
  • 胎児の脳や神経系の発達を支える

卵子を含め、私たちの体を構成する細胞には細胞膜があります。コリンはその材料の一つですが、コリンを多く摂るほど卵子の膜が強くなるという単純な関係ではありません。

コリンは妊活にどのように関係する?

妊活中は、妊娠後の胎児の発育も見据えて、特定の栄養素だけに偏らない食生活を整えておくことが大切です。

コリンは、細胞膜の形成や脂質代謝、体内でメチル基を受け渡す代謝経路に関わっています。この代謝経路では、葉酸やビタミンB12などの栄養素とも関連しながら働いています。

そのため、妊娠前からコリンが不足しないように食事を整えることには意味があると考えられます。

ただし、現時点では、人を対象とした研究によって次のような効果が明確に確認されているわけではありません。

  • コリンを摂ると卵子の質が上がる
  • 排卵や月経周期が整う
  • 受精率や着床率が上がる
  • 妊娠率が高くなる

したがって、コリンを「卵子を守る栄養」「妊娠しやすくする栄養」と断定するのではなく、妊娠前から不足を避けたい栄養素の一つとして考えるのが適切です。

当院でお伝えしていること

当院でも、「妊活のために、どの栄養素を摂ればよいですか?」「卵や肉は毎日食べたほうがよいですか?」といった食事のご相談をよくいただきます。コリンをはじめとする栄養素は大切ですが、一つの食品や成分だけを増やすのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせ、無理なく続けられる食事を意識することをお伝えしています。

また、食事だけでなく、月経周期の変化、冷え、睡眠、ストレス、疲れやすさなども一緒に確認しています。鍼灸や良導絡測定、東洋医学的な体質の見方も活用しながら、現在の体調を整理し、日常生活で取り入れやすいセルフケアを一緒に考えていきます。

妊娠中にコリンが大切とされる理由

妊娠中は、胎児や胎盤、母体の組織が成長します。その過程では新しい細胞膜がつくられるため、妊娠していないときよりもコリンの必要量が増えると考えられています。

コリンは、胎児の成長や脳・神経系の発達に関わる栄養素です。一部の研究では、妊娠中のコリン摂取量や血中濃度が低いことと、胎児の神経管閉鎖障害との関連が報告されています。

ただし、研究結果は必ずしも一致しておらず、コリンを摂取するだけで神経管閉鎖障害を予防できるとは言えません。

また、コリンと葉酸は、それぞれ異なる栄養素です。コリンを摂っていても、妊娠前から推奨されている葉酸の摂取が不要になるわけではありません。

コリンが不足するとどうなる?

極端にコリンが不足した状態では、脂肪肝や肝機能障害、筋肉の障害などが起こる可能性があります。

一方で、健康な人に明らかなコリン欠乏症が起こることは、一般的には多くありません。体内でも一定量がつくられることや、多くの食品にコリンが含まれていることが理由と考えられています。

なお、次のような変化は、コリン不足による一般的な症状として確立されているわけではありません。

  • 月経周期が乱れる
  • 排卵しにくくなる
  • ホルモンバランスが崩れる
  • 冷えや血流低下が起こる
  • 卵子の膜が弱くなって受精しにくくなる

月経不順や冷え、排卵の問題などにはさまざまな原因が考えられるため、コリン不足だけに結びつけないことが大切です。

妊活中・妊娠中に必要なコリンの摂取量

コリンは、必要量を正確に算出できるだけの研究がまだ十分ではないため、海外では「推奨量」ではなく、栄養状態を保つための「目安量」が設定されています。

米国と欧州で示されている目安量は、次のとおりです。

対象米国の目安量欧州の目安量
成人女性425mg/日400mg/日
妊娠中450mg/日480mg/日
授乳中550mg/日520mg/日

妊活中は成人女性の目安である1日400~425mg程度、妊娠中は1日450~480mg程度が一つの参考になります。

ただし、目安量を下回った日があるからといって、すぐに欠乏症になるわけではありません。毎日の食事全体を見ながら、卵、肉、魚、乳製品、大豆製品、野菜などを組み合わせて摂ることが大切です。

卵や鶏肉に含まれるコリンの量

コリンは、卵や肉、魚、乳製品、大豆、豆類、ブロッコリーなど、さまざまな食品に含まれています。

米国国立衛生研究所が紹介している食品中のコリン含有量の目安は、次のとおりです。

食品1食分の量コリン含有量の目安
ゆで卵大1個約147mg
鶏むね肉・ロースト約85g約72mg
炒った大豆2分の1カップ約107mg
牛乳1カップ約43mg
ブロッコリー・ゆで2分の1カップ約31mg
赤いんげん豆・缶詰2分の1カップ約45mg

食品の種類や大きさ、調理方法によって数値は変わるため、厳密な量ではなく目安としてご覧ください。

卵1個のコリン含有量は約140mg前後

卵は、日常の食事に取り入れやすいコリン源です。

大きめのゆで卵1個には、約147mgのコリンが含まれています。卵2個では約294mgとなり、妊娠中の目安量である450mgの半分以上を補える計算です。

コリンは主に卵黄に含まれているため、卵白だけを食べている場合は、卵1個分と同じ量のコリンを摂ることはできません。

鶏むね肉100gでは約80~90mgが目安

ローストした鶏むね肉約85gには、約72mgのコリンが含まれています。100gに換算すると、約85mgが目安です。

鶏むね肉だけで1日の目安量を満たすことは難しいものの、卵、大豆製品、牛乳、魚、野菜などと組み合わせることで、コリンの摂取量を増やせます。

また、鶏むね肉はタンパク質を摂れる食材でもあります。妊活中・妊娠中の食事では、一つの栄養素だけに注目するのではなく、主食、主菜、副菜を組み合わせることを意識しましょう。

鶏肉を調理するときは、生焼けを避け、中心部まで十分に加熱してください。農林水産省では、中心温度75℃で1分間以上の加熱が目安として示されています。

レバーはコリンが多いものの妊娠中は注意

レバー類にはコリンが多く含まれていますが、同時にレチノール型のビタミンAも多く含まれています。

妊娠中にビタミンAを過剰に摂取すると、胎児に影響する可能性があります。そのため、コリンを摂る目的でレバーを日常的にたくさん食べることはおすすめできません。

妊娠中は、卵、鶏肉、魚、大豆製品、乳製品など、ほかの食品も組み合わせてコリンを摂るとよいでしょう。

食事からコリンを摂る組み合わせ例

例えば、次の食品を組み合わせると、コリンを無理なく補いやすくなります。

  • 卵2個:約294mg
  • 鶏むね肉約85g:約72mg
  • ブロッコリー2分の1カップ:約31mg
  • 牛乳1カップ:約43mg

合計は約440mgです。

このほか、ごはんや魚、豆類、野菜などにも少量ずつ含まれるため、1日の食事全体では妊娠中の目安量に近づきます。

ただし、必ず卵を2個食べなければならないわけではありません。卵を食べられない場合は、大豆製品、魚、肉、乳製品、豆類などを組み合わせましょう。

妊娠中にコリンのサプリは必要?

妊娠中だからといって、すべての人がコリンのサプリメントを飲む必要があるわけではありません。

現時点では、妊婦全員に対してコリンサプリメントを一律に使用するよう勧める公的な推奨はありません。まずは、コリンを含む食品を組み合わせて摂ることが基本です。

ただし、次のような方は、食事だけではコリンが不足しやすい可能性があります。

  • 卵をほとんど食べない
  • 肉、魚、乳製品を避けている
  • ヴィーガンなどの厳格な菜食を続けている
  • 食物アレルギーによって食べられる食品が限られている
  • つわりなどで食事量が大きく減っている
  • 多くの食品を避ける食事療法を行っている

このような場合は、自己判断でサプリを追加するのではなく、産婦人科の医師や管理栄養士、薬剤師に相談しましょう。

妊婦用サプリにもコリンが入っていないことがある

妊婦用のマルチビタミンや葉酸サプリであっても、必ずコリンが含まれているとは限りません。

米国で販売されていた妊婦用サプリメントを調査した報告では、コリンを含む製品は一部に限られ、含まれていても量が少ない製品が多いことが示されています。

すでにサプリを使用している場合は、パッケージの栄養成分表示で次の点を確認しましょう。

  • コリンが含まれているか
  • 1日分に何mg含まれているか
  • ほかのサプリと成分が重複していないか
  • 葉酸、鉄、ビタミンAなどの量が過剰になっていないか

コリンサプリの摂りすぎにも注意

米国では、19歳以上の妊婦を含む成人のコリンの耐容上限量は、食事とサプリメントを合わせて1日3,500mgとされています。

高用量を摂取すると、魚のような体臭、嘔吐、発汗や唾液の増加、血圧低下、肝臓への影響などが起こる可能性があります。

目安量の450mgと上限量の3,500mgには大きな差がありますが、多く摂るほど妊娠や胎児の発達に有利になるという意味ではありません。

複数のサプリメントを併用している場合は、それぞれの成分を確認し、合計量が多くなりすぎていないか注意しましょう。

当院でお伝えしていること

妊活中の方からは、「いろいろなサプリを飲んでいるけれど、このままでよいのか分からない」「食事で不足していないか心配」といったご相談もあります。サプリメントは食事を補う選択肢の一つですが、種類を増やしすぎると成分が重複することもあるため、まずは現在飲んでいるものと食生活を整理することが大切です。

月経不順が続く、食事を十分に摂れない、強いつわりがある、検査値や服用中の薬との関係が気になるといった場合は、自己判断でサプリを追加せず、婦人科や不妊治療クリニック、医師・管理栄養士・薬剤師へ相談しましょう。当院でも医療機関での検査や治療を大切にしながら、冷え、睡眠、自律神経の状態など、日々の体調管理を支える視点からお話ししています。

コリンを食事から摂れる簡単レシピ

鶏むね肉のしっとり蒸し焼き

鶏むね肉は、卵や大豆製品と組み合わせやすく、妊活中・妊娠中の食事にも取り入れやすい食材です。

材料

  • 鶏むね肉:300g
  • 酒:大さじ2
  • はちみつ:小さじ1
  • 塩:小さじ2分の1程度

作り方

  1. 鶏むね肉の厚い部分を開き、全体の厚さをそろえます。
  2. 酒、はちみつ、塩をなじませ、冷蔵庫で15~30分置きます。
  3. フライパンに鶏肉を入れ、ふたをして弱めの中火で両面を加熱します。
  4. 火を止めて数分蒸らし、中心まで完全に火が通ったことを確認します。

妊娠中は特に加熱不足を避け、中心温度75℃で1分間以上を目安に、中心部まで十分に火を通してください。

ブロッコリーと卵のレンジサラダ

材料・2人分

  • ブロッコリー:2分の1株
  • 卵:2個
  • マヨネーズ:大さじ2
  • 酢:小さじ2分の1
  • 砂糖:小さじ1
  • 黒こしょう:少量

作り方

  1. ブロッコリーを小房に分けます。
  2. 耐熱ボウルに卵を溶き、ブロッコリーを加えます。
  3. 600Wの電子レンジで3分ほど加熱します。
  4. 卵が固まっていなければ、30秒ずつ追加で加熱します。
  5. 粗熱を取り、調味料を加えて和えます。

卵2個とブロッコリーを合わせた料理全体では、約320mg前後のコリンを摂れる計算です。ただし、食品の大きさや量によって含有量は変わります。

まとめ

コリンは、細胞膜の形成、神経伝達、脂質代謝、胎児の脳・神経系の発達に関わる大切な栄養素です。

海外の基準では、妊活中の成人女性は1日400~425mg程度、妊娠中は450~480mg程度が一つの目安とされています。

卵1個には約147mg、鶏むね肉約85gには約72mgのコリンが含まれています。卵、鶏肉、大豆製品、魚、乳製品、野菜などを組み合わせることで、普段の食事から補いやすくなります。

ただし、コリンを多く摂れば卵子の質や妊娠率が上がると断定できる根拠はありません。

妊活中の食事は、一つの栄養素に期待しすぎず、さまざまな食品を無理なく取り入れることが大切です。

妊娠中にコリンのサプリメントを検討する場合は、現在飲んでいる妊婦用サプリの成分量を確認し、産婦人科の医師や管理栄養士、薬剤師に相談したうえで選びましょう。

当院でよく受けるご相談

妊活中からコリンサプリを飲むと卵子の質が上がりますか?

現時点では、コリンサプリメントを飲むことで、人の卵子の質や妊娠率が上がることは確認されていません。

コリンは体に必要な栄養素ですが、特定の栄養素だけで卵子の状態や不妊治療の成績が決まるわけではありません。まずは食事全体を整え、不足が心配な場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。

コリンは葉酸の代わりになりますか?

コリンと葉酸は、体内の代謝の一部で関連していますが、それぞれ異なる栄養素です。

コリンを摂っていても、妊娠前からの葉酸摂取が不要になるわけではありません。妊娠を希望している方は、厚生労働省が推奨する葉酸の摂取についても意識しましょう。

妊婦は卵を毎日食べてもよいですか?

卵アレルギーがなく、医師から食事制限を受けていなければ、卵はコリンやタンパク質を摂れる食品の一つです。

ただし、卵だけに偏るのではなく、肉、魚、大豆製品、乳製品、野菜なども組み合わせることが大切です。

妊娠中は食中毒を避けるため、保存状態に不安がある卵や、十分に加熱されていない卵には注意しましょう。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子 (うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊活中の食事や体調について、一人で悩んでいませんか?

妊活中は、コリンや葉酸、鉄、タンパク質など、さまざまな栄養素が気になり、「今の食事で足りているのかな」「サプリを追加したほうがいいのかな」と迷うこともあると思います。

大切なのは、一つの栄養素だけにとらわれず、食事や睡眠、冷え、疲れ、月経周期なども含めて、無理なく体調を整えていくことです。

大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活や不妊治療の状況、現在のお体の悩みを丁寧にお伺いし、一人ひとりに合わせた鍼灸施術をご提案しています。

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