妊活中のホルモンバランスの乱れサイン7つ|基礎体温・生理周期で気づく変化
「最近、生理周期が短くなった気がする」「高温期がはっきりしない」など、妊活を始めると、これまで気にしていなかった身体の小さな変化が気になることがあります。
こうした変化には、ホルモンバランスが関わっている場合があります。
ただし、症状だけでホルモンの異常を判断することはできません。
大切なのは、いつもと違う変化に気づき、必要に応じて医療機関で確認することです。
この記事では、妊活中に気づきやすいホルモンの変化を7つのパターンに分けて解説します。
生理周期や基礎体温の見方、婦人科を受診する目安、医療機関で行われる検査についても紹介します。
- 生理周期や基礎体温の変化は、ホルモンの状態を考える手がかりになります。
- FSH・エストロゲン・プロゲステロン・プロラクチン・男性ホルモン・甲状腺ホルモンなどが妊活に関わっています。
- 生理不順、乳汁分泌、ニキビ、ほてり、疲労感などがみられることがありますが、症状だけで診断はできません。
- 月経周期が24日以内、39日以上になるなどの変化が続く場合は婦人科で相談しましょう。
- 気になる症状がある場合は、記録をつけながら、必要な検査を医療機関で受けることが大切です。
妊活とホルモンバランスの関係
妊娠に向けた身体のリズムは、脳と卵巣がホルモンを通じて連携することでつくられています。
脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)は卵胞の発育を促し、成長した卵胞からはエストロゲンが分泌されます。
排卵後には黄体からプロゲステロンが分泌され、子宮内膜や基礎体温に変化が生じます。
また、プロラクチンや甲状腺ホルモン、男性ホルモンなども、排卵や月経周期に関係しています。
妊活に関わる主なホルモンと役割
| ホルモン | 主な分泌場所 | 主な役割 |
|---|---|---|
| FSH(卵胞刺激ホルモン) | 下垂体 | 卵胞の発育を促す |
| エストロゲン(卵胞ホルモン) | 卵巣 | 子宮内膜の増殖や頸管粘液の変化に関わる |
| プロゲステロン(黄体ホルモン) | 卵巣(黄体) | 排卵後の子宮内膜を維持し、基礎体温を上昇させる |
| プロラクチン | 下垂体 | 乳汁分泌に関わり、高値では排卵に影響することがある |
| テストステロン | 卵巣・副腎など | 女性にも必要なホルモンで、過剰になると排卵に影響することがある |
| 甲状腺ホルモン | 甲状腺 | 全身の代謝を調整し、月経や排卵にも関わる |
これらのホルモンは互いに関係しているため、一つのホルモンの変化が、月経周期や体調に影響する場合があります。
ただし、ホルモンの数値は月経周期や年齢、服薬状況などによっても変化するため、血液検査の結果は医師による総合的な判断が必要です。
ホルモン別|妊活中に気づきやすい乱れのサイン7つ
ここからは、妊活中に知っておきたいホルモンの変化を7つのパターンに分けて紹介します。
いずれも「そのホルモンに変化があるときに見られることがある症状」であり、当てはまるからといって必ず異常があるわけではありません。
1.FSHが高いときのサイン|生理周期の短縮・ほてり
- 生理周期が以前より短くなった
- ほてりやのぼせを感じる
- 寝汗が増えた
FSHは、脳の下垂体から分泌され、卵胞の発育を促すホルモンです。
年齢などに伴って卵巣の働きが変化すると、卵胞を育てるためにFSHの分泌が増えることがあります。
そのような変化に伴い、卵胞の発育が早まり、生理周期が短くなる場合が報告されています。[1]
また、エストロゲンが低い状態では、ほてりや寝汗など、更年期に似た症状がみられることがあります。[2]
ただし、生理周期の短縮だけでFSHが高いと判断することはできません。
FSHの数値は月経周期の時期によっても異なり、必要に応じてエストロゲンなどの検査結果とあわせて評価します。
2.プロラクチンが高いときのサイン|乳汁分泌・生理不順
- 妊娠・授乳中ではないのに乳汁が出る
- 生理が遅れる、または止まる
- 排卵が不規則になる
プロラクチンは、主に乳汁の分泌に関わるホルモンです。
妊娠や授乳をしていない時期にプロラクチンが高くなると、排卵に関わるホルモンの分泌が抑えられ、生理不順や無排卵につながることがあります。[3]
また、ストレスや一部の薬剤、甲状腺機能の低下などが関係している場合もあります。
乳汁が出る場合や月経不順が続く場合は、婦人科などで原因を確認しましょう。
3.エストロゲンが低いときのサイン|経血量・おりものの変化
- 以前より経血量が少なくなった
- 排卵期のおりものが少ない
- 生理不順や無月経がある
エストロゲンは、子宮内膜の増殖や排卵期の頸管粘液の変化に関わるホルモンです。
急激な減量、過度な運動、強いストレスなどによって脳から卵巣への指令が弱まると、エストロゲンの分泌が低下し、生理不順や無月経につながることがあります。[4]
ただし、経血量が少ないからといって、必ずエストロゲンが不足しているわけではありません。
不妊治療で使用する薬や子宮内膜の状態など、さまざまな要因が関係します。
経血量の正常な目安や、生理の量が少ない・多い場合に考えられることについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 経血量の正常な目安とは?生理の量が多い・少ないときのチェックポイント
4.プロゲステロンが低いときのサイン|高温期が短い
- 排卵後から生理までの期間が短い
- 高温期が10日程度以下と短い周期がある
- 生理前に少量の出血がみられる
プロゲステロンは、排卵後に形成される黄体から分泌されるホルモンです。
子宮内膜を妊娠に適した状態に保ち、基礎体温を上昇させる働きがあります。
排卵後から次の月経までの期間が短い場合、黄体機能の問題が疑われることがあります。
米国生殖医学会(ASRM)では、黄体期が10日以下の状態を黄体機能不全に関連する所見の一つとして挙げています。[5][6]
ただし、黄体期が短いことや生理前の少量出血だけで、黄体機能不全と診断することはできません。
また、基礎体温が途中で一時的に下がったとしても、それだけでプロゲステロン不足を意味するものではありません。
黄体機能不全の診断基準や、不妊との関係については医学的にも検討が続いています。
気になる場合は自己判断せず、医師に相談しましょう。
5.テストステロンが高いときのサイン|ニキビ・多毛・生理不順
- あごまわりなどにニキビが増えた
- 顔や身体の毛が濃くなった
- 生理周期が長くなった
テストステロンは男性ホルモンの一種ですが、女性の身体にも存在しています。
男性ホルモンの作用が過剰になると、ニキビや多毛、生理不順などがみられることがあります。
こうした変化は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でもみられることがあります。[7]
PCOSは排卵障害の原因の一つですが、ニキビや多毛だけで診断できるものではありません。
月経周期の異常やホルモン検査、超音波検査などを組み合わせて診断します。
6.甲状腺ホルモンが低いときのサイン|寒がり・疲労感
- 以前より寒がりになった
- 疲れやすい、だるさが続く
- 経血量が多くなる、月経が不規則になる
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を調整する働きを持っています。
甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症では、寒がり、疲労感、むくみ、便秘などがみられることがあります。[8]
月経周期や経血量が変化する場合もあり、妊活に関わる重要な確認項目の一つです。[9]
ただし、冷えや疲労感だけで甲状腺の異常を判断することはできません。
気になる症状が続く場合は、婦人科や内科などで相談しましょう。
7.甲状腺ホルモンが多いときのサイン|動悸・発汗・体重減少
- 動悸がする
- 汗をかきやすい、暑がりになった
- 食事量が変わらない、または増えているのに体重が減る
甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症では、全身の代謝が高まり、動悸や発汗、体重減少などの症状がみられることがあります。[10]
また、月経周期が不規則になったり、経血量が変化したりする場合もあります。[9]
動悸や急な体重減少が続く場合は、妊活中かどうかにかかわらず、医療機関に相談することが大切です。
サインに気づいたら|記録と受診の目安
生理周期や体調に変化があった場合は、いつ頃から、どのような変化があったのかを記録しておくと、医療機関で相談するときの参考になります。
記録できる場合は、2〜3周期程度の経過を振り返ると変化を把握しやすくなります。
ただし、気になる症状があるときは、記録が十分にそろうまで受診を待つ必要はありません。
基礎体温と生理周期の記録方法
- 朝、目が覚めたら起き上がる前に婦人体温計で舌の下の温度を測る
- できるだけ同じ時間帯に測定する
- 生理の開始日と終了日を記録する
- 経血量やおりものの変化、気になる症状もメモする
- 不妊治療中の場合は、使用した薬や治療日程も記録する
基礎体温は、排卵後のホルモン変化を推測する手がかりになります。
ただし、睡眠や測定条件によっても変動するため、基礎体温だけで排卵日やホルモンの異常を確定することはできません。
基礎体温の測定が負担になる場合は、無理に続ける必要はありません。
月経周期の記録だけでも受診時に役立ちます。
医療機関に相談したい5つの目安
日本産科婦人科学会では、正常な月経周期を25〜38日としています。[11]
次のような変化がある場合は、婦人科や不妊治療を行うクリニックに相談しましょう。
- ① 生理周期の異常:24日以内、または39日以上の周期が続く
- ② 生理がこない:妊娠していないのに3か月以上生理がない
- ③ 乳汁分泌:妊娠・授乳中ではないのに乳汁が出る
- ④ 高温期の変化:高温期が短い状態が続く、または排卵の有無がわかりにくい
- ⑤ 全身症状:動悸、急な体重減少、強い疲労感、寒がりなどが続く
生理周期が正常範囲内でも、以前と比べて明らかな変化が続いている場合は相談の対象になります。
また、妊活中で排卵障害が疑われる場合や不妊治療を希望している場合は、長期間様子を見続けず、早めに医療機関で確認することをおすすめします。
なお、妊娠の可能性がある場合は、まず妊娠の有無を確認することも重要です。
ホルモンバランスを確認する主な検査
ホルモンの状態は、主に血液検査で確認します。
検査するホルモンによって、採血に適した時期が異なります。
| 検査の時期 | 主な検査項目 |
|---|---|
| 月経開始から2〜5日目頃 | FSH・LH・エストラジオール(E2) |
| 排卵後約1週間頃 | プロゲステロン(P4) |
| 月経周期にかかわらず検査することがある項目 | プロラクチン・甲状腺機能(TSH・FT4)・AMHなど |
実際の検査項目や採血日は、症状や治療状況に応じて医師が判断します。
なお、プロラクチンは採血時の条件やストレスなどによっても数値が変動することがあります。
また、AMHは主に卵巣予備能を評価する参考指標であり、ホルモンバランス全体や妊娠の可能性を直接判定する検査ではありません。
不妊治療を受けている方は、検査結果を自己判断せず、主治医に確認しましょう。
東洋医学の視点と鍼灸院でできるサポート
ホルモンの状態を確認する検査や、異常が見つかった場合の治療は医療機関の役割です。
一方、東洋医学では、生理周期だけでなく、冷えやのぼせ、疲れやすさ、睡眠の質など、身体全体の状態にも目を向けます。
たとえば「手足は冷えるのに顔がほてる」「疲れやすく、眠りが浅い」といった状態について、東洋医学では気・血・水などの考え方を用いて身体の状態をとらえます。
ただし、東洋医学での見立ては、血液検査によるホルモン値の評価とは異なるものです。
宇都宮鍼灸良導絡院でのサポート
大阪市都島区の宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療中の患者さまのお身体の状態や治療スケジュールを確認しながら、施術を行っています。
- 良導絡測定を参考に、その日の身体の状態を確認します。
- 生理周期や不妊治療のスケジュールに合わせて施術内容を調整します。
- 基礎体温表や月経の記録を参考に、日常生活での養生についてお伝えします。
- 医療機関での確認が必要と思われる症状については、受診をおすすめします。
当院では、不妊治療を受けている方だけでなく、これから妊活を始める方のご相談も承っています。
鍼灸は、ホルモン異常の診断や医学的治療の代わりになるものではありません。
医療機関での検査や治療を大切にしながら、妊活中の体調管理や身体づくりをサポートしています。
不妊治療と鍼灸の併用については、以下の記事もご参考ください。
▶ 大阪で不妊鍼灸を受けるなら ― 医療機関との併用がなぜ安心なのか?
まとめ|妊活中のホルモンバランスの乱れサインを見逃さないために
妊活中のホルモンバランスの変化は、生理周期や基礎体温、肌の状態、疲労感など、さまざまな形であらわれることがあります。
今回紹介した7つのパターンは、身体の変化に気づくための参考情報です。
大切なのは、症状だけでホルモンの異常を決めつけず、必要に応じて医療機関で検査を受けることです。
日頃から生理周期や気になる症状を記録しておくと、いつもとの違いを把握しやすくなります。
当院では、医療機関での治療と並行しながら、一人ひとりのお身体の状態に合わせた妊活サポートを行っています。
Q1.サインが1つ当てはまったら、すぐに受診したほうがいいですか?
サインが1つあるだけで、ホルモンに異常があるとは限りません。ただし、月経が止まった、明らかな体調変化が続く、妊活中で排卵が心配といった場合は、記録が数周期分そろうのを待たずに医療機関へ相談しましょう。
Q2.生理周期が25日です。短すぎますか?
一般的には25〜38日が正常範囲とされています。ただし、以前は30日程度だった周期が徐々に短くなってきた場合などは、その変化も受診時の参考になります。
Q3.ストレスでホルモンバランスは乱れますか?
強いストレスや急激な体重減少、過度な運動などが、排卵や月経周期に関わるホルモン分泌に影響することがあります。ただし、生理不順の原因をすべてストレスと考えず、必要に応じて医療機関で確認することが大切です。
Q4.基礎体温がガタガタだとホルモンが乱れているのでしょうか?
基礎体温は睡眠時間や測定条件などによっても変動します。グラフがきれいな二相性にならないからといって、必ずしもホルモンに異常があるわけではありません。排卵の有無が気になる場合は、超音波検査なども含めて医師に相談しましょう。
Q5.ホルモンの検査はどこで受けられますか?
婦人科や不妊治療を行うクリニックなどで受けられます。妊活中の場合は、妊娠を希望していることを伝え、必要な検査や実施時期について相談するとよいでしょう。
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📚参考文献
-
[1] Davis GS, et al. Reproductive aging: accelerated ovarian follicular development associated with a monotropic follicle-stimulating hormone rise in normal older women. J Clin Endocrinol Metab. 1996.
加齢に伴うFSHの上昇と卵胞発育の変化、月経周期の短縮について検討した研究。 -
[2] U.S. National Library of Medicine. Premature ovarian failure. MedlinePlus.
卵巣機能の低下に関連する月経異常や、エストロゲン低下に伴う症状について解説した医学情報。 -
[3] Hyperprolactinemia. StatPearls. NCBI Bookshelf.
高プロラクチン血症の原因や、乳汁分泌・月経不順・排卵障害との関係を解説しています。 -
[4] Battipaglia C, et al. Low-Dose Estrogens as Neuroendocrine Modulators in Functional Hypothalamic Amenorrhea (FHA). Biomedicines. 2023;11(6):1763.
視床下部性無月経におけるホルモン調節の変化について考察した論文。 -
[5] Schliep KC, et al. Luteal phase deficiency in regularly menstruating women: prevalence and overlap in identification based on clinical and biochemical diagnostic criteria. J Clin Endocrinol Metab. 2014.
黄体期の長さやホルモン測定による黄体機能不全の評価について検討した研究。 -
[6] Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Diagnosis and treatment of luteal phase deficiency: a committee opinion. Fertil Steril. 2026.
黄体機能不全の定義、診断上の限界、不妊との関連について整理したASRMの委員会見解。 -
[7] Hirsutism. StatPearls. NCBI Bookshelf.
女性の多毛症と男性ホルモンの関係、PCOSなどの関連疾患について解説しています。 -
[8] Gaitonde DY, Rowley KD, Sweeney LB. Hypothyroidism: an update. Am Fam Physician. 2012;86(3):244-251.
甲状腺機能低下症の症状や診断、ホルモン検査について解説した総説。 -
[9] Krassas GE. Thyroid disease and female reproduction. Fertil Steril. 2000;74(6):1063-1070.
甲状腺疾患と女性の月経機能・生殖機能との関係についてまとめた総説。 -
[10] U.S. National Library of Medicine. Hyperthyroidism. MedlinePlus.
甲状腺機能亢進症による動悸、発汗、体重減少などの主な症状について解説しています。 -
[11] 北脇 城, 岩破 一博. 若年女性の月経周期異常. 臨床婦人科産科. 2009;63(8):1071-1075.
正常な月経周期の目安(25〜38日)や、月経周期異常の分類と考え方について解説しています。
この記事の監修者

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中のホルモンバランスや体調の変化が気になる方へ
「生理周期が以前より短くなった」「基礎体温が安定しない」「冷えや疲れやすさが気になる」など、妊活中は身体の小さな変化が気になることがあります。
ホルモンの状態は医療機関での検査が大切ですが、日々の体調管理や生活習慣を見直すことも、妊活中の身体づくりの一つです。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、生理周期や不妊治療の状況、お身体の状態を伺いながら、一人ひとりに合わせた鍼灸施術を行っています。
病院での検査・治療と並行して身体を整えたい方や、妊活中の体調について相談したい方もお気軽にご相談ください🍀





