
妊娠中に足がつるのはなぜ?こむら返りの原因とポカリでできる対策
「妊娠してから夜中に足がつるようになった」
「ふくらはぎが急につって、痛みで目が覚める」
「ポカリを飲むと楽になると聞いたけれど、妊婦でも飲んでいいの?」
妊娠中は、こむら返りに悩む方が少なくありません。特に妊娠中期から後期にかけて、夜間や明け方にふくらはぎがつりやすくなることがあります。
こむら返り自体が、すぐに赤ちゃんへ悪影響を与えるものではありません。ただし、水分不足やミネラル不足、血流の悪さ、冷えなどが関係している場合もあるため、妊娠中の体調管理として早めに対策しておくことが大切です。
この記事では、妊娠中に足がつりやすくなる理由、ポカリスエットが役立つ可能性、妊婦さんができるセルフケアについてわかりやすく解説します。
- 妊娠中のこむら返りは、妊娠中期から後期にかけて起こりやすく、夜間や明け方にふくらはぎがつる方も少なくありません。
- 主な原因には、水分不足、ミネラルバランスの乱れ、血行不良、冷え、筋肉疲労などが関係します。
- ポカリスエットは水分と電解質を同時に補えるため、汗をかいた日や入浴後、寝る前の水分補給として役立つことがあります。
- ただし、ポカリスエットには糖質も含まれるため、妊娠糖尿病や血糖管理が必要な方は、飲む前に医師や助産師に相談しましょう。
- 片足だけの腫れ、赤み、熱感、強い痛み、しびれなどがある場合は、こむら返り以外の原因も考えられるため、早めに産婦人科へ相談することが大切です。


目次
妊娠中のこむら返りとは?
こむら返りとは、ふくらはぎなどの筋肉が自分の意思とは関係なく急に収縮し、強い痛みを伴う状態です。
多くはふくらはぎに起こりますが、足の指、足裏、太ももなどに起こることもあります。夜間や明け方に起こりやすい一方で、日中の活動中や長時間立っていた後に起こることもあります。
妊娠中のこむら返りは比較的よくみられる症状で、妊娠週数が進むにつれて起こりやすくなるとされています。妊娠中のこむら返りに対する研究では、マグネシウムやカルシウム、ビタミンBなどの補充について検討されていますが、効果についてはまだ一定した結論には至っていません。
妊娠中に足がつりやすくなる主な原因
水分不足・脱水
妊娠中は血液量が増え、体の中で必要とされる水分量も変化します。汗をかいた日、入浴後、就寝中などは、気づかないうちに水分が不足していることがあります。
筋肉は水分が不足すると過敏に反応しやすくなり、こむら返りが起こりやすくなります。妊娠中は、のどが渇いてから一気に飲むのではなく、こまめな水分補給を意識しましょう。
ミネラルバランスの乱れ
筋肉が正常に縮んだりゆるんだりするためには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質が関わっています。
妊娠中は、赤ちゃんの成長や母体の変化により、栄養やミネラルの必要量が変化します。食事量が少ない、つわりで食べられるものが偏る、汗をよくかく、下痢や嘔吐があるといった場合は、ミネラルバランスが乱れやすくなります。
ただし、「足がつる=必ずマグネシウム不足」と決めつける必要はありません。こむら返りの原因は一つではなく、血流や冷え、筋肉疲労なども関係します。
血行不良・冷え
妊娠が進むと、お腹が大きくなることで下半身の血流が滞りやすくなります。また、長時間同じ姿勢でいる、足元が冷える、運動量が減ることなども、こむら返りのきっかけになります。
冷えや血流の悪さがあると、筋肉に酸素や栄養が届きにくくなり、筋肉が緊張しやすくなります。
筋肉疲労
妊娠中は体重が増え、姿勢や歩き方も変化します。そのため、ふくらはぎや足裏に負担がかかりやすくなります。
長時間の立ち仕事、歩きすぎ、運動不足による筋力低下なども、足がつる原因になることがあります。
妊娠中のこむら返りにポカリは効果がある?
「妊娠中に足がつるとき、ポカリを飲むとよい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
ポカリスエットは、水分と電解質を補給するための飲料です。汗をかいたときなどに失われやすい水分やナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを補うことができます。
そのため、汗をかいた日、入浴後、寝る前に水分不足を感じるときなどには、水分と電解質を同時に補える点で役立つ可能性があります。
ただし、ポカリスエットを飲めば必ずこむら返りが治る、というものではありません。こむら返りの原因は水分不足だけでなく、血流、冷え、筋肉疲労、姿勢、ミネラルバランスなど複数あります。
また、ポカリスエットには糖質も含まれています。妊娠糖尿病を指摘されている方、血糖値を管理している方、体重増加を注意されている方は、常用する前に医師や助産師に確認すると安心です。
妊婦さんがポカリを飲むなら、どんな飲み方がよい?
妊娠中のこむら返り対策としてポカリを取り入れる場合は、「たくさん飲む」よりも「必要な場面で適量」が基本です。
たとえば、以下のような場面では選択肢になります。
- 汗をかいた日
- 入浴後にのどが渇くとき
- 寝る前に水分不足を感じるとき
- つわりや食欲不振で水分・塩分が不足しやすいとき
- 夏場や暖房で乾燥しやすい時期
一方で、日常的な水分補給は水や麦茶などを基本にし、ポカリは必要なときに補助的に使うとよいでしょう。
「夜中によく足がつるから、寝る前に少し飲む」という使い方は現実的ですが、糖分が気になる場合は量を控えめにする、糖質が少なめの飲料を選ぶなどの方法もあります。
足がつったときの対処法
ふくらはぎがつったときは、足首をゆっくり反らす
ふくらはぎがつったときは、つま先を体の方へゆっくり引き寄せ、ふくらはぎを伸ばします。
急に強く引っ張ると痛みが増すこともあるため、呼吸をしながらゆっくり伸ばしましょう。
お腹が大きくなって足先に手が届きにくい場合は、タオルを足裏にかけて無理のない範囲で伸ばす方法もあります。
温める・やさしくほぐす
筋肉がこわばっている場合は、温タオルや足湯、入浴などで温めると楽になることがあります。
つった後に痛みが残る場合は、ふくらはぎをやさしくさするようにほぐしてみましょう。
ただし、妊娠中は無理な姿勢でマッサージをするとお腹や腰に負担がかかることがあります。痛みが強いときは無理に押さず、楽な姿勢で行いましょう。
妊娠中のこむら返りを予防する対策
就寝前にふくらはぎを伸ばす
夜間に足がつりやすい方は、寝る前のふくらはぎストレッチがおすすめです。
壁に手をつき、片足を後ろに引いて、かかとを床につけたままふくらはぎを伸ばします。反動をつけず、気持ちよく伸びる範囲で行いましょう。
寝る前だけでなく、日中に長時間座った後や立ち仕事の後にも、軽くふくらはぎを伸ばしておくと血流のサポートになります。
こまめに水分をとる
妊娠中は、のどが渇いてから一気に飲むより、こまめに水分をとることが大切です。
特に、入浴後、起床時、外出後、汗をかいた後、暖房の効いた部屋で過ごした後は、水分が不足しやすくなります。
尿の色が濃い黄色になっている場合は、水分不足のサインになることがあります。水や麦茶などを基本に、必要に応じて電解質を含む飲料も活用しましょう。
食事からミネラルを意識する
妊娠中はサプリメントに頼りすぎるより、まずは食事からバランスよく栄養をとることが基本です。
カルシウムは乳製品、小魚、大豆製品、青菜などに含まれます。マグネシウムは海藻、大豆製品、ナッツ類、玄米、豆類などに含まれます。カリウムは野菜、果物、いも類、豆類などに多く含まれます。
ただし、腎臓の病気がある方、妊娠高血圧症候群などで食事指導を受けている方、医師から塩分やカリウム制限を指示されている方は、自己判断で摂取量を増やさず、必ず主治医に確認してください。
足元を冷やさない
冷えは血流低下につながり、筋肉のこわばりを招きやすくなります。
妊娠中は、足首やふくらはぎを冷やさないように、靴下やレッグウォーマー、入浴、足湯などを取り入れるとよいでしょう。
ただし、熱すぎる足湯や長時間の入浴は、のぼせや立ちくらみにつながることがあります。無理のない範囲で行いましょう。
無理のない範囲で体を動かす
軽いウォーキングやストレッチは、下半身の血流を助けることがあります。
ただし、切迫早産、出血、強いお腹の張り、医師から安静を指示されている場合は、運動やストレッチを始める前に必ず主治医へ確認してください。
漢方薬やサプリは自己判断で使ってよい?
こむら返りに対して、芍薬甘草湯やマグネシウムサプリなどが使われることがあります。
ただし、妊娠中は「自然由来」「漢方」「サプリ」だから安全とは限りません。体質、妊娠週数、持病、服薬中の薬によっては注意が必要な場合があります。
そのため、漢方薬やサプリを使いたい場合は、産婦人科や薬剤師に相談してから始めるようにしましょう。
こんな症状があるときは早めに相談を
多くのこむら返りは一時的な筋肉のけいれんですが、妊娠中の足の痛みの中には、注意が必要なものもあります。
特に、片足だけが腫れる、赤くなる、熱を持つ、歩くとふくらはぎが強く痛む、片足だけ重だるいといった症状がある場合は、深部静脈血栓症などの可能性も考える必要があります。
また、足のつりが頻繁に起こる、痛みが長く残る、しびれや麻痺を伴う、むくみが急に強くなった、頭痛や血圧上昇を伴う場合も、自己判断せず産婦人科に相談しましょう。
まとめ
妊娠中のこむら返りは、多くの妊婦さんが経験する症状です。水分不足、ミネラルバランスの乱れ、血行不良、冷え、筋肉疲労などが関係して起こりやすくなります。
ポカリスエットは、水分と電解質を同時に補えるため、汗をかいた日や入浴後、寝る前の水分補給として役立つことがあります。ただし、糖質も含まれているため、妊娠糖尿病や血糖管理が必要な方は注意が必要です。
こむら返りを予防するには、就寝前のふくらはぎストレッチ、こまめな水分補給、食事からのミネラル摂取、冷え対策、無理のない運動を続けることが大切です。
足がつる症状が続くと、「何か悪いのでは」と不安になるかもしれません。多くの場合はセルフケアで軽くなることもありますが、片足だけの腫れや赤み、強い痛みがある場合は早めに医療機関へ相談してください。
妊娠中に足がつるのはよくあることですか?
妊娠中に足がつることは珍しくありません。特に妊娠中期から後期にかけて、お腹が大きくなることで下半身の血流が滞りやすくなったり、体重増加によりふくらはぎに負担がかかったりすることで、こむら返りが起こりやすくなります。
妊娠中のこむら返りにポカリは飲んでも大丈夫ですか?
基本的には、妊娠中でもポカリスエットを飲むこと自体は可能です。汗をかいた日や入浴後など、水分と電解質を補いたい場面では役立つことがあります。ただし、糖質も含まれているため、妊娠糖尿病を指摘されている方や血糖値・体重管理が必要な方は、医師や助産師に確認してから取り入れると安心です。
足がつったときは、どうすればよいですか?
ふくらはぎがつったときは、つま先を体の方へゆっくり引き寄せ、ふくらはぎをやさしく伸ばしましょう。急に強く引っ張ると痛みが増すことがあるため、呼吸をしながら無理のない範囲で行うことが大切です。温めたり、やさしくさすったりすることで楽になる場合もあります。
こむら返りを予防するには何をすればよいですか?
就寝前のふくらはぎストレッチ、こまめな水分補給、冷え対策、無理のない運動、バランスのよい食事を意識しましょう。特に、乳製品・大豆製品・海藻・野菜・豆類などから、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどを食事で補うことも大切です。
妊娠中のこむら返りで病院に相談した方がよい場合はありますか?
こむら返りが頻繁に起こる、痛みが長く残る、片足だけが腫れる、赤くなる、熱を持つ、しびれを伴う場合は、早めに産婦人科へ相談しましょう。多くは一時的な筋肉のけいれんですが、妊娠中は血栓など注意が必要な症状が隠れていることもあります。
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📚参考文献
- Cochrane「妊娠中のこむら返りに対する介入方法」
- MSD Manuals Professional「Muscle Cramps」
- NHS「Leg cramps」
- Mayo Clinic「Leg cramps during pregnancy: Preventable?」
- NHS「Exercise in pregnancy」
- NHS「Deep vein thrombosis in pregnancy」
- 大塚製薬「ポカリスエット基本情報」
- 渡邊 修. 筋クランプ(こむら返り)[私の治療]. 週刊日本医事新報. 2022年8月27日号:46.
- 佐藤 史弥. こむら返りに対する深腓骨神経内側枝ブロック―ケースシリーズ. 日本ペインクリニック学会誌. 2023;30(8):203-206.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊娠中の足のつりや冷えが気になる方へ
妊娠中のこむら返りは、水分不足やミネラルバランスだけでなく、下半身の血流低下や冷え、筋肉の緊張が関係していることもあります。
「夜中に足がつって眠れない」「ふくらはぎの張りや冷えが気になる」「妊娠中でも受けられるケアを知りたい」という方は、無理に我慢せず、体の状態に合わせたケアを取り入れてみるのも一つの方法です。
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