
妊娠中の胸やけ・胃もたれ対策|食事・辛いもの・脂っこいものの工夫
妊娠中の胸やけ・胃もたれは、ホルモンの変化や、大きくなった子宮によって胃が圧迫されることで起こりやすくなります。
妊娠中のどの時期にもみられますが、妊娠週数が進むにつれて「食後に胸がムカムカする」「胃が重い」「喉のあたりが焼けるように感じる」といった症状が気になる方もいます。
辛いものや脂っこいもの、甘いもの、食べすぎなどがきっかけになることもありますが、「妊娠中だから何も食べてはいけない」と不安になりすぎる必要はありません。
大切なのは、今の体調に合わせて、食べ方・量・タイミングを少し調整することです。
- 妊娠中は、ホルモンの変化や大きくなった子宮による胃の圧迫で、胸やけ・胃もたれが起こりやすくなります。
- 胸やけは妊娠中のどの時期にも起こる可能性がありますが、妊娠週数が進むにつれて気になる方もいます。
- 辛いもの、脂っこいもの、食べすぎ、食後すぐ横になることが、症状を強めることがあります。
- 1回の食事量を少なめにし、数回に分けて食べると胃の負担を減らしやすくなります。
- 強い胃痛、吐き気、水分がとれないなどの症状がある場合は、自己判断せず医師や助産師に相談しましょう。


妊娠中の胸やけ・胃もたれはなぜ起こる?
妊娠中は、ホルモンの影響によって胃腸の動きがゆっくりになったり、胃酸が逆流しやすくなったりすることがあります。
また、妊娠週数が進んで子宮が大きくなると、胃が下から押されやすくなります。そのため、食後に胃が重く感じたり、胸のあたりがムカムカしたりすることがあります。
特に妊娠後期は、少し食べただけでも胃が圧迫されて苦しく感じる方もいます。
これは珍しいことではありませんが、毎日の食事がつらくなると不安も大きくなります。無理に我慢するのではなく、食べ方を工夫しながら、必要に応じて医師に相談することが大切です。
妊娠中の胸やけ・胃もたれはいつ頃から起こりやすい?
胸やけや胃もたれは妊娠中のどの時期にも起こる可能性がありますが、妊娠週数が進むにつれて症状を感じる方が増える傾向があります。[1]
妊娠中期から後期になると、大きくなった子宮によって胃が圧迫されやすくなるため、「妊娠中期になってから胃もたれしやすくなった」「少し食べただけでも苦しい」と感じることがあります。[1][4]
ただし、強い胃痛がある、食事や水分がとれない、嘔吐が続くなどの場合は、単なる胸やけや胃もたれと自己判断せず、産科で相談しましょう。
胸やけ・胃もたれがあるときに控えたい食べ方
一度にたくさん食べる
一度にたくさん食べると、胃がふくらみ、胃酸の逆流や胃もたれが起こりやすくなります。
妊娠中は「赤ちゃんのためにしっかり食べないと」と思う方も多いですが、食べすぎて苦しくなる場合は、1回量を少なめにして回数を分けるほうが体に合うことがあります。
脂っこいものを続けて食べる
揚げ物、こってりした肉料理、脂の多いカレー、クリーム系の料理などは、胃に長く残りやすく、胃もたれの原因になることがあります。
食べてはいけないわけではありませんが、胸やけが出やすい日は量を控えめにし、蒸す・煮る・焼くなど、油を使いすぎない調理にすると安心です。
辛いもの・刺激の強いものを食べる
唐辛子、スパイスの強い料理、辛いカレー、キムチなどは、胃が敏感になっているときに刺激として感じることがあります。
妊娠前は平気だった辛さでも、妊娠中は胸やけや胃のムカムカにつながることがあります。
辛いものを完全に禁止する必要はありませんが、食後につらくなる場合は、辛さを控えめにしたり、量を少なくしたりして調整しましょう。
食後すぐに横になる
食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなり、胸やけが強くなることがあります。
食後はすぐに横にならず、しばらく上体を起こして過ごすと楽になることがあります。
眠る前の食事量が多いと夜間の胸やけにつながることもあるため、夕食の時間や量も見直してみましょう。
妊娠中の胸やけ・胃もたれを防ぐ食事の工夫
1回量を少なめにして、数回に分けて食べる
胸やけや胃もたれがあるときは、1日3食にこだわらず、1回の食事量を少なめにして、数回に分ける方法があります。
「朝・昼・夕をしっかり食べる」と決めすぎると、胃が苦しくなることがあります。
小さなおにぎり、具だくさんスープ、ヨーグルト、卵、豆腐、野菜のおかずなど、食べやすいものを少しずつ取り入れましょう。
消化にやさしい調理を選ぶ
胃もたれが気になる日は、揚げ物よりも、煮物・蒸し料理・スープ・雑炊などのほうが食べやすいことがあります。
肉類を食べる場合も、脂の多い部位より、鶏むね肉、ささみ、赤身肉、魚、豆腐、卵などを選ぶと胃の負担を減らしやすくなります。
味つけを濃くしすぎない
濃い味つけは、ごはんが進みやすく、食べすぎにつながることがあります。
また、塩分が多い食事が続くと、妊娠中のむくみや体重管理が気になる方にとって負担になることもあります。
だし、野菜の甘み、酸味、香味野菜などを使いながら、薄味でも満足しやすい工夫をしてみましょう。
水分はこまめにとる
妊娠中は水分不足にも注意が必要です。
ただし、食事中に一度にたくさん飲むと、胃がふくらんで苦しく感じる方もいます。
胸やけや胃もたれがある場合は、食事中に一気に飲むより、食事の前後や日中にこまめに水分をとるほうが楽なことがあります。
辛いものが食べたいときの工夫
妊娠中でも、辛いものを一律に禁止する必要はありません。
ただし、胸やけがあるときに無理に食べると、胃の不快感が強くなることがあります。
辛いものを食べたいときは、次のような工夫をしてみましょう。
- 空腹時に食べない
- 辛さを控えめにする
- 一度にたくさん食べない
- 脂っこいトッピングを避ける
- 食後すぐに横にならない
- 胸やけが強い日は無理に食べない
「少し食べると満足できるけれど、たくさん食べるとつらくなる」という方もいます。自分の体調に合わせて、無理のない量に調整しましょう。
脂っこいものがつらいときの工夫
妊娠中に、揚げ物やこってりした料理を食べると胃が重くなる方もいます。
そのようなときは、食べる量を減らすだけでなく、調理法や組み合わせを変えることも大切です。
- 揚げ物より、焼く・蒸す・煮る料理を選ぶ
- 脂身の多い肉より、赤身肉・鶏肉・魚・豆腐を選ぶ
- こってりしたソースを控えめにする
- 野菜やスープを添えて、食事全体を軽くする
- 夜遅い時間に脂っこいものを食べすぎない
食べたいものを完全に我慢するより、量や頻度を調整しながら、体調に合う形で取り入れることが大切です。
甘いものや間食で胃もたれする場合
妊娠中は、甘いものが食べたくなる方もいます。
ただ、ケーキ、チョコレート、菓子パン、クリーム系のお菓子などは、脂質や糖質が多く、胃もたれにつながることがあります。
間食をとる場合は、量を決めて、食べすぎないようにすると安心です。
胃もたれしやすい方は、果物、ヨーグルト、小さなおにぎり、ふかし芋、ナッツ少量など、体調に合うものを選びましょう。
胸やけがある日の食事例
胸やけや胃もたれが気になる日は、胃に負担をかけすぎない食事を意識しましょう。
朝食の例
- 小さめのおにぎり
- 具だくさん味噌汁
- ヨーグルト
- バナナ
- 卵料理
昼食の例
- 雑炊
- うどん
- 鶏肉と野菜のスープ
- 豆腐入りの野菜煮
- 白身魚と野菜のおかず
夕食の例
- ごはん少なめ
- 魚や鶏肉の蒸し料理
- 野菜スープ
- 煮物
- 豆腐や卵を使ったやさしいおかず
食べられる量には個人差があります。「これを食べなければいけない」と考えすぎず、体調に合わせて調整しましょう。
食後の過ごし方も大切です
胸やけ・胃もたれを防ぐには、食事内容だけでなく、食後の過ごし方も大切です。
- 食後すぐに横にならない
- 締めつけの強い服を避ける
- 前かがみの姿勢を長く続けない
- 夕食を寝る直前に食べすぎない
- 寝るときに上体を少し高くすると楽な場合がある
妊娠中は、姿勢やお腹の圧迫によって胃の不快感が出ることもあります。食後はできるだけゆったり過ごし、胃に負担がかかりにくい姿勢を意識しましょう。
こんな症状があるときは医師に相談を
妊娠中の胸やけや胃もたれはよくある症状の一つですが、強い症状が続く場合は自己判断せず、医師や助産師に相談しましょう。
- 強い胃痛がある
- 吐き気や嘔吐が続いて食べられない
- 水分がとれない
- 急に体重が減っている
- 胸の痛みや息苦しさがある
- 症状が長く続いて日常生活に支障がある
- 市販薬を使いたいが妊娠中に飲んでよいか迷う
妊娠中に薬を使う場合は、自己判断で選ばず、かかりつけ医や薬剤師に確認することが大切です。
「よくある症状だから」と我慢しすぎず、不安が強いときは早めに相談しましょう。
Q. 妊娠中の胸やけはよくあることですか?
A. 妊娠中は、ホルモンの変化や大きくなった子宮による胃の圧迫で、胸やけや胃もたれが起こりやすくなります。珍しい症状ではありませんが、つらい場合や長く続く場合は医師や助産師に相談しましょう。
Q. 妊娠中の胸やけはいつ頃から起こりますか?
A. 妊娠中のどの時期にも起こる可能性がありますが、妊娠週数が進むにつれて気になる方もいます。妊娠中期から後期になると、大きくなった子宮による胃の圧迫も影響しやすくなります。
Q. 妊娠中に辛いものを食べても大丈夫ですか?
A. 辛いものを一律に禁止する必要はありません。ただし、辛いものを食べたあとに胸やけ・胃痛・吐き気が出る場合は、辛さや量を控えめにしましょう。
Q. 脂っこいものを食べると胃もたれします。どうしたらいいですか?
A. 揚げ物やこってりした料理で症状が強くなる場合は、蒸す・煮る・焼くなどの調理法を選び、1回の食事量も少なめにしてみましょう。
Q. 胸やけがあるとき、食後に横になってもいいですか?
A. 食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなることがあります。できれば食後はしばらく上体を起こして過ごし、寝る直前の食べすぎも避けましょう。
Q. 妊娠中の胸やけに市販薬を飲んでもいいですか?
A. 妊娠中にも使用できる胃薬はありますが、薬の種類や妊娠週数によって判断が異なります。自己判断で選ばず、かかりつけ医や薬剤師に確認しましょう。
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📚参考文献
- [1] NHS「Indigestion and heartburn in pregnancy」
妊娠中に起こりやすい消化不良・胸やけの原因、起こりやすい時期、食事や生活習慣でできる対策について解説されています。 - [2] ACOG「Problems of the Digestive System」
胃酸の逆流や胸やけの仕組み、少量ずつ食べることや食後すぐ横にならないことなど、生活上の工夫について説明されています。 - [3] こども家庭庁「妊娠中と産後の食事について」
妊娠中・産後の食生活の基本や、妊娠中に意識したい食事バランスについてまとめられています。 - [4] 厚生労働省委託 母性健康管理サイト「妊娠中の身体の変化と対応ポイント」
妊娠中の身体の変化や、妊娠後半にみられる胸やけなどの症状、生活上の配慮について紹介されています。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊娠中の体調変化が気になる方へ
妊娠中の胸やけや胃もたれはよくみられる症状ですが、つらい症状が続く場合や、食事・水分が十分にとれない場合は、まず産科で相談することが大切です。
そのうえで、妊娠中の冷え、肩こり、腰の負担、睡眠など、さまざまな体調変化について、鍼灸も相談先の一つとして検討できます。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊娠週数や産科での経過、当日の体調を確認しながら、無理のない範囲で妊娠中のケアについてご相談をお受けしています。
「この時期に鍼灸を受けても大丈夫かな」と気になる方も、まずはお気軽にご相談ください🍀







