
妊活中のタンパク質はどれくらい必要?プロテインの選び方と注意点
妊活中は、葉酸や鉄、ビタミンDなどに注目が集まりやすいですが、実はタンパク質も妊娠に向けた身体づくりに欠かせない栄養素です。
「妊活中はタンパク質をどれくらい摂ればいいの?」「食事だけで足りないとき、プロテインを飲んでも大丈夫?」「ソイプロテインとホエイプロテイン、どちらがいい?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、妊活中のタンパク質は、まず肉・魚・卵・大豆製品などの食事から摂ることが基本です。そのうえで、食事が不規則な方や食が細い方は、補助的にプロテインを活用してもよい場合があります。
この記事では、妊活中にタンパク質が大切な理由、1日にどれくらい必要なのか、プロテインを選ぶときの注意点について、医学的に誤解のないようにわかりやすく解説します。
- 妊活中のタンパク質は、卵子・子宮内膜・ホルモン・血液・筋肉など、妊娠に向けた身体づくりを支える大切な栄養素です。
- 成人女性では、まず1日50g前後を目安にし、体格や運動量に合わせて調整するとよいでしょう。
- タンパク質は1食でまとめて摂るよりも、朝・昼・夜に分けて摂ることで、無理なく必要量に近づけやすくなります。
- プロテインは、食事でタンパク質が不足しやすいときの補助として活用できますが、食事の代わりにするものではありません。
- 妊活中の男性は、通常の大豆食品を過度に避ける必要はありませんが、ソイプロテインや大豆イソフラボンを大量に摂っている場合は、摂りすぎに注意してもよいでしょう。


目次
妊活中にタンパク質が大切な理由
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、血液、酵素、ホルモンなど、身体をつくる基本の材料です。
妊活中の方にとって、タンパク質は次のような点で大切です。
- 卵子や子宮内膜を含めた身体づくりの土台になる
- ホルモンや酵素の材料になる
- 血液や筋肉、代謝の維持に関わる
- 妊娠後は胎児の身体の発育にも必要になる
ただし、「タンパク質をたくさん摂れば妊娠率が上がる」という単純なものではありません。
妊活では、タンパク質だけでなく、炭水化物、脂質、鉄、葉酸、ビタミンD、亜鉛、カルシウムなどを含めた全体の栄養バランスが大切です。
妊活中のタンパク質は1日どれくらい必要?
日本人の食事摂取基準では、18歳以上の女性のタンパク質の推奨量は1日50gがひとつの目安です。
妊活中の方は、まずは1日50g前後を下回らないように意識するとよいでしょう。
体格や運動量によって必要量は変わるため、実用的には体重1kgあたり約1.0g前後を目安にすると考えやすいです。
- 体重45kg:1日45〜50g程度
- 体重50kg:1日50g程度
- 体重55kg:1日55g程度
- 体重60kg:1日60g程度
ただし、腎臓の病気がある方や、医師からタンパク質制限を指示されている方は、自己判断で増やさず、主治医に確認してください。
タンパク質は1食でまとめず、3食に分けて摂る
タンパク質は、1日分を夜だけでまとめて摂るよりも、朝・昼・夜に分けて摂るほうが現実的です。
目安としては、次のように分けると1日50g前後に届きやすくなります。
- 朝:10〜20g
- 昼:15〜25g
- 夜:15〜25g
特に妊活中の方では、朝食がパンやコーヒーだけになっていると、タンパク質が不足しやすくなります。
朝に卵、ヨーグルト、納豆、豆腐、魚、鶏肉などを少し加えるだけでも、1日の栄養バランスは整いやすくなります。
タンパク質を多く含む食品の目安
日常の食事では、次のような食品を組み合わせるのがおすすめです。
- 卵1個:約6g
- 納豆1パック:約7g
- 豆腐半丁:約10g前後
- 鶏むね肉100g:約20g前後
- 魚1切れ:約15〜20g前後
- ヨーグルト100g:約3〜4g
- 牛乳200ml:約6〜7g
妊活中は、どれか1つに偏るのではなく、魚・肉・卵・大豆製品・乳製品を組み合わせることが大切です。
魚にはDHA・EPA、肉類には鉄、大豆製品には食物繊維など、それぞれ異なる栄養面のメリットがあります。
妊活中にプロテインは飲んでもいい?
妊活中でも、食事でタンパク質が不足しやすい場合は、補助的にプロテインを使うこと自体は選択肢のひとつです。
たとえば、次のような方はプロテインを活用しやすい場合があります。
- 朝食を食べる時間がない
- 食が細く、肉や魚をあまり食べられない
- 外食やコンビニ食が多い
- 運動習慣があり、タンパク質が不足しやすい
- 妊娠に向けて栄養バランスを整えたい
ただし、プロテインはあくまで補助食品です。
食事の代わりではなく、足りない分を補う目的で使うようにしましょう。
妊活中のプロテイン選びのポイント
甘味料や添加物が多すぎないものを選ぶ
味付きのプロテインには、人工甘味料、香料、着色料などが含まれていることがあります。
すべてが悪いわけではありませんが、毎日飲む場合は、できるだけシンプルな原材料のものを選ぶと安心です。
タンパク質量を確認する
プロテインは、1回あたり15〜20g程度のタンパク質が摂れるものが多いですが、商品によって差があります。
食事で不足している分を補う意識で使いましょう。
妊娠中も使う可能性がある場合は安全性を確認する
妊娠中は、ハーブ成分や過剰なビタミン添加があるものには注意が必要です。
妊娠が分かった後も続けたい場合は、産婦人科で確認しておくと安心です。
ホエイプロテインとソイプロテイン、どちらがいい?
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳由来のタンパク質です。
吸収が比較的早く、運動後や朝食の補助として使いやすいのが特徴です。
妊活中の女性だけでなく、男性にも使いやすいタイプです。ただし、乳製品でお腹がゆるくなりやすい方は、体質に合わない場合があります。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆由来のタンパク質です。
吸収が比較的ゆるやかで、乳製品が苦手な方や植物性タンパク質を選びたい方には使いやすい選択肢です。
大豆製品そのものは、妊活中の食事にも取り入れやすい食品です。ただし、サプリメントやプロテインとして大豆由来成分を大量に摂る場合は、偏りすぎないよう注意しましょう。
妊活中の男性はソイプロテインの摂りすぎに注意?
妊活は女性だけのものではなく、男性側の栄養状態も大切です。
Chavarroらの研究では、不妊治療施設を受診した男性99人を対象に、大豆食品やイソフラボン摂取量と精液所見の関係が調べられました。
その結果、大豆食品の摂取量が多い群では、摂取していない群と比べて精子濃度が低い傾向が示され、特に過体重・肥満の男性で関連が強くみられたと報告されています。
ただし、この研究だけで「大豆を食べると男性不妊になる」と断定することはできません。対象者数は限られており、観察研究であるため、因果関係を証明するものではありません。
そのため、妊活中の男性に対しては、納豆や豆腐などを普通の食事で食べる程度は過度に心配しすぎなくてよいでしょう。
一方で、ソイプロテインや大豆イソフラボンを大量に摂る習慣がある場合は、摂りすぎになっていないか見直してもよいかもしれません。
男性がプロテインを使う場合は、迷うならホエイプロテインを選ぶほうが無難です。
タンパク質を増やすときの注意点
妊活中にタンパク質を意識することは大切ですが、多ければ多いほど良いわけではありません。
タンパク質を増やすときは、次の点に注意しましょう。
- 主食を極端に減らさない
- 肉ばかりに偏らない
- 加工肉を摂りすぎない
- プロテインだけで食事を済ませない
- 腎臓病がある方は医師に相談する
- 妊娠初期や妊娠中は食品衛生にも注意する
特に、妊活中は糖質制限のような食事を自己判断で強く行う方もいますが、炭水化物はエネルギー源として大切です。
タンパク質を増やす場合も、主食・主菜・副菜のバランスを崩さないようにしましょう。
妊活中におすすめのタンパク質の摂り方
無理なく続けるなら、まずは次のような工夫がおすすめです。
- 朝食に卵や納豆を足す
- 昼食に魚や鶏肉のおかずを選ぶ
- 間食をお菓子だけでなくヨーグルトやチーズにする
- 味噌汁に豆腐を入れる
- ご飯を抜かず、主菜と一緒に食べる
- 食事で足りない日だけプロテインを使う
毎日完璧にする必要はありません。
妊活中の食事は、「できなかった日」を責めるよりも、不足しやすい栄養を少しずつ整えていくことが大切です。
まとめ
妊活中のタンパク質は、卵子や子宮内膜、ホルモン、血液、筋肉など、妊娠に向けた身体づくりを支える大切な栄養素です。
基本は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを組み合わせた食事から摂ることです。
プロテインは、食事で不足する場合の補助として活用できますが、食事の代わりにするのではなく、足りない分を補う目的で使いましょう。
妊活中のタンパク質は1日どれくらい摂ればいいですか?
成人女性では、まず1日50g前後がひとつの目安になります。
体格や運動量によって必要量は変わるため、体重1kgあたり約1.0g前後を目安に考えると分かりやすいです。たとえば体重50kgの方であれば、1日50g程度を意識するとよいでしょう。
妊活中にプロテインを飲んでも大丈夫ですか?
食事でタンパク質が不足しやすい場合は、補助的にプロテインを活用してもよいでしょう。
ただし、プロテインはあくまで補助食品です。基本は肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などの食事から摂り、足りない分を補う目的で使うことが大切です。
妊活中はホエイプロテインとソイプロテインのどちらがいいですか?
どちらもタンパク質補給の選択肢になりますが、体質や目的に合わせて選ぶことが大切です。
ホエイプロテインは牛乳由来で吸収が比較的早く、運動習慣のある方や男性にも使いやすいタイプです。ソイプロテインは大豆由来で、乳製品が苦手な方には選びやすい一方、大豆由来成分に偏りすぎないよう注意しましょう。
妊活中の男性はソイプロテインを避けた方がいいですか?
納豆や豆腐などの大豆食品を、通常の食事の範囲で食べる程度であれば、過度に心配しすぎる必要はありません。
ただし、ソイプロテインや大豆イソフラボンを毎日多量に摂っている場合は、摂取量が多くなりすぎていないか見直してもよいでしょう。妊活中の男性がプロテインを選ぶ場合、迷うときはホエイプロテインを選ぶのも一つの方法です。
タンパク質をたくさん摂れば妊娠しやすくなりますか?
タンパク質は妊娠に向けた身体づくりに大切な栄養素ですが、たくさん摂れば妊娠率が上がるというものではありません。
妊活では、タンパク質だけでなく、炭水化物、脂質、鉄、葉酸、ビタミンD、亜鉛なども含めたバランスが大切です。極端な食事制限や偏った食べ方は避け、無理なく続けられる食事を意識しましょう。
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📚参考文献
- 国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針|食生活の10のポイント」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
- Chavarro JE, et al. Soy food and isoflavone intake in relation to semen quality parameters among men from an infertility clinic. Human Reproduction. 2008.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中の食事や体づくりに不安がある方へ
妊活中は、「タンパク質をどれくらい摂ればいいのか」「プロテインを飲んでもよいのか」「今の食事で足りているのか」など、日々の食事について不安になることもあると思います。
タンパク質は妊娠に向けた身体づくりに大切な栄養素ですが、妊活では食事だけでなく、睡眠、冷え、血流、胃腸の働き、ストレスなど、さまざまな要素が関係します。
宇都宮鍼灸良導絡院では、東洋医学の視点からお身体の状態を確認し、妊娠に向けた体質づくりをサポートしています。
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