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婦人病と「気」の関係|東洋医学の古典に学ぶ心と身体の整え方

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東洋医学では、婦人科の不調を考える際に、身体の状態だけでなく、感情や心身の緊張を含めて捉えてきました。

宋代の医学書『済生方』には、
「婦人氣盛於血、所以無子」
という言葉があります。

これは当時の東洋医学において、「気」と「血」のバランスが女性の健康や妊娠と関係すると考えられていたことを示す表現です。

ただし、これは現代医学における不妊症の原因を説明する言葉ではありません。現代では、妊娠には年齢、排卵、卵管、子宮、精子、ホルモン、治療内容など多くの要素が関係すると考えられています。

この記事の要点まとめ
  • 東洋医学では、婦人科の不調を「気」と「血」だけでなく、心身の状態を含めて捉えてきました。
  • 「婦人氣盛於血、所以無子」という言葉は、宋代の医学書『済生方』で確認できます。
  • 古典の考え方を、現代医学における不妊の直接原因として解釈することはできません。
  • ストレスやイライラがあるから妊娠できない、という意味ではありません。
  • 妊活中は、治療と並行して心身が休める時間を確保することも大切です。

東洋医学で考える気と血、心と身体の関係

東洋医学では「気」と「血」をどのように考える?

東洋医学には、身体を構成し働かせる要素として「気」「血」という考え方があります。

「血」は身体を養うもの、「気」は身体のさまざまな働きや巡りに関係するものとして捉えられてきました。

婦人科領域では特に月経や妊娠と「血」との関係が重視される一方、ストレスや緊張などによって「気」の巡りが滞る状態についても古くから注目されてきました。

例えば東洋医学では、気の巡りが滞った状態を「気滞(きたい)」と表現することがあります。

  • イライラしやすい
  • 気分が落ち込みやすい
  • 胸やお腹が張る感じがある
  • ため息が増える
  • 月経前に心身の不調を感じやすい

これらは東洋医学における体質や状態の捉え方であり、西洋医学の診断名ではありません。

古典医学では心と身体を切り離さずに考えてきました

中国の婦人科医学では古くから、月経や妊娠といった身体の状態だけでなく、感情や生活環境なども含めて女性の身体を捉えてきました。

清代の婦人科関連文献をまとめた『婦科秘書八種(ふかひしょはっしゅ)』も、その時代の婦人科医学を知るための文献のひとつです。

こうした古典を現代の言葉に置き換えると、「身体の症状だけを見るのではなく、その人がどのような生活を送り、どのような心身の状態にあるのかも含めて考える」という視点につながります。

ストレスがあると妊娠できないの?

ここは、東洋医学の考え方と現代医学を分けて考えることが大切です。

ストレスやイライラがあるから妊娠できない、ということではありません。

不妊症には、排卵、卵管、子宮、精子、年齢などさまざまな要素が関係します。また、検査をしても明確な原因が見つからないこともあります。

一方、不妊治療そのものが大きな心理的負担になることは知られています。

治療結果への不安、通院や仕事との両立、周囲との比較、費用、採卵や胚移植の結果を待つ時間などによって、気持ちが休まりにくくなることがあります。

そのため、ストレスを「妊娠できない原因」として自分を責めるのではなく、妊活や不妊治療を続けるために心身の負担を軽くするという視点でケアすることが大切です。

「心を穏やかにしなければ」と頑張りすぎなくて大丈夫です

古典には、怒りや心配などと婦人科の不調との関係を重視する記述があります。

しかし、現代の妊活中の方が「イライラするから妊娠できない」「もっと穏やかな性格にならなければ」と考える必要はありません。

妊活や不妊治療を続けていれば、不安になったり、落ち込んだり、人の妊娠報告がつらくなったりすることもあります。

心を整えるとは、感情を我慢することではなく、睡眠を確保したり、誰かに話したり、治療から少し離れる時間をつくったりして、心身が休める時間を確保することと考えてみてください。

月経不順や無月経を「ストレスだけ」と決めつけないことも大切

強いストレスや生活リズムの変化などが月経周期に関係することはありますが、月経不順や無月経にはさまざまな原因があります。

排卵障害、甲状腺機能の異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、急激な体重変化などが背景にある場合もあります。

月経が長期間来ない、周期の乱れが続いている、妊活をしていて排卵しているか分からないといった場合は、「ストレスのせい」と自己判断せず、婦人科で相談することをおすすめします。

東洋医学では「心と身体」を一緒にみていきます

東洋医学では、同じ月経不順や妊活中の不調でも、月経の状態だけではなく、睡眠、冷え、胃腸の調子、疲れ、気分の変化などを含めて身体全体を捉えます。

鍼灸も、不妊治療そのものに代わるものではありません。

医療機関での検査や治療を基本としながら、睡眠や疲労、冷え、緊張など、その時々の体調に合わせて妊活中の身体づくりやコンディション調整をサポートする方法のひとつとして取り入れることができます。

当院からひとこと

古典の「心を整える」という言葉を読むと、「自分がイライラするから妊娠できないのでは」と感じてしまう方もいるかもしれません。

しかし、妊活や不妊治療では、結果を待つ時間や治療の負担から気持ちが揺れることは珍しくありません。感情を無理に抑え込む必要はありません。

東洋医学の考え方は、自分を責めるためではなく、身体だけでなく睡眠や疲れ、気持ちの余裕などにも目を向けるためのひとつの視点として活用していただければと思います。

当院でよく受けるご相談

Q. ストレスが多いと妊娠しにくくなりますか?

A. ストレスだけが不妊の原因になるとはいえません。不妊にはさまざまな要因が関係します。ただ、強いストレスが続くと睡眠や生活リズムなどに影響することがあるため、心身の負担を軽くすることは大切です。

Q. 妊活中にイライラする自分を変えた方がよいですか?

A. イライラするから妊娠できないわけではありません。治療中に感情が揺れることは珍しくないため、「穏やかでいなければ」と自分を責めすぎないことも大切です。

Q. 生理が遅れるのはストレスのせいでしょうか?

A. ストレスが関係する場合もありますが、排卵障害やホルモンの問題など他の原因もあります。周期の乱れが続く場合や無月経の場合は、婦人科で相談してください。

Q. 妊活中のストレスや睡眠の悩みも鍼灸で相談できますか?

A. はい。治療状況を確認しながら、緊張、疲れ、冷え、睡眠などを含めた体調管理についてご相談いただけます。鍼灸は医療機関での不妊治療に代わるものではなく、妊活中のコンディション調整を支える方法のひとつとして行っています。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊活中、気持ちも身体も休まりにくいと感じている方へ

妊活や不妊治療では、結果を待つ不安や通院の負担などから、身体だけでなく気持ちまで緊張した状態が続くことがあります。「もっと穏やかにしなければ」と無理をする必要はありません。

大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、病院での治療状況を確認しながら、睡眠、疲れ、冷え、緊張など、その時々の体調に合わせて妊活中の身体づくりやコンディション調整をサポートしています。

病院での治療と並行して身体を整えたい方や、「最近なかなか心と身体が休まらない」と感じている方も、お気軽にご相談ください🍀

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