
インフルエンザの感染対策|マスク・手洗いだけで大丈夫?妊活・妊娠中の予防ポイント
インフルエンザが流行する時期になると、「手洗いをしているのに感染しないか心配」「マスクをしていれば大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に妊活中・妊娠中の方は、発熱した場合の身体への影響や、治療中のスケジュールへの影響が気になることもあるでしょう。
インフルエンザ対策では、マスクや手洗いのどちらか一つだけに頼るのではなく、手洗い・咳エチケット・換気・適度な湿度・ワクチン・休養などを組み合わせることが大切です。
- インフルエンザは飛沫や細かい粒子などを介して広がります
- 手洗い・マスクだけでなく、換気も重要です
- 室内では乾燥しすぎないよう適度な湿度を保ちましょう
- ワクチンには発症や重症化を抑える効果が期待できます
- 妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいため、症状があれば早めに医療機関へ相談しましょう
インフルエンザはどうやって感染する?
インフルエンザは、感染した人の咳やくしゃみ、会話などによって排出されたウイルスを含む粒子を吸い込んだり、ウイルスが付着した手で鼻・口・目などを触ったりすることで感染します。
- 咳やくしゃみなどによる飛沫を吸い込む
- 会話や呼吸などで生じる細かい粒子を吸い込む
- ウイルスが付着した手で鼻・口・目などを触る
特に、人が多く、換気が十分でない室内で長時間過ごす場面では感染する機会が増える可能性があります。
そのため、「手洗いをしているから大丈夫」「マスクをしているから絶対に感染しない」と考えるのではなく、複数の対策を組み合わせることが重要です。
インフルエンザの感染対策7つ
インフルエンザの流行時期には、次のような基本的な感染対策を意識しましょう。
- こまめに手を洗う
- 咳やくしゃみがあるときはマスクを着用する
- 室内を定期的に換気する
- 室内が乾燥しすぎないようにする
- 流行時は人混みでの長時間の滞在をできる範囲で避ける
- 十分な睡眠・休養をとる
- インフルエンザワクチンを検討する
手洗い
流水と石けんによる手洗いは、手についたウイルスなどを物理的に取り除く基本的な感染対策です。
外出後だけでなく、食事前や鼻をかんだあとなども手洗いを意識しましょう。
マスク・咳エチケット
マスクは感染を完全に防ぐものではありませんが、咳やくしゃみなどによって周囲へ飛沫が広がるのを抑えるために役立ちます。
特に自分に咳・くしゃみなどの症状がある場合や、流行時に人が多い場所へ行く場合には、不織布マスクの着用も選択肢になります。
換気
インフルエンザなどの呼吸器感染症では、室内の換気も大切です。
窓を開けるだけでなく、24時間換気設備や換気扇を利用するなど、無理のない方法で室内の空気を入れ替えることを意識しましょう。
適度な湿度
冬は空気が乾燥しやすく、鼻やのどの粘膜も乾燥しやすくなります。
厚生労働省では、乾燥しやすい室内では50~60%程度の湿度を保つことを感染対策の一つとして紹介しています。
ただし、加湿だけでインフルエンザを防げるわけではありません。換気や手洗いなどと組み合わせることが大切です。
インフルエンザ予防ではワクチンも重要
インフルエンザワクチンを接種しても、感染を完全に防げるわけではありません。
一方で、インフルエンザの発症を一定程度抑えることや、発症した場合の重症化を予防する効果が期待されています。
毎年流行するウイルスのタイプが変化するため、そのシーズンのワクチン接種については、かかりつけ医などと相談して検討しましょう。
妊活中のインフルエンザ対策
妊活中だからといって、特別な感染対策が必要になるわけではありません。
基本は、手洗い・換気・咳エチケット・十分な休養など、一般的な感染対策を続けることです。
採卵や胚移植などの治療を予定している時期に発熱やインフルエンザの症状が出た場合は、治療スケジュールに影響することもあります。
無理に予定通り進めようとせず、不妊治療を受けているクリニックへ早めに連絡し、指示を確認するようにしましょう。
妊娠中はインフルエンザに注意が必要
妊娠中は、妊娠していないときと比べてインフルエンザが重症化しやすいことが知られています。
そのため、「妊娠しているから薬を飲まずに我慢しよう」と自己判断するのではなく、発熱、咳、強い倦怠感、筋肉痛などインフルエンザが疑われる症状がある場合は、早めに産婦人科や医療機関へ相談することが大切です。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊婦へのインフルエンザワクチンは予防に有効で、母体・胎児への危険性は妊娠全期間を通して極めて低いとされています。
ワクチン接種について迷う場合は、妊娠週数や体調なども含めて、産婦人科の主治医へ相談してみましょう。
インフルエンザかもしれないと思ったら
インフルエンザでは、突然の発熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、強い倦怠感などがみられることがあります。鼻水、のどの痛み、咳などが出ることもあります。
特に妊娠中の方、高齢者、基礎疾患がある方などは重症化リスクが高くなることがあるため、症状がある場合は早めに医療機関へ相談してください。
抗インフルエンザ薬は、一般的に発症後できるだけ早く治療を開始するほど効果が期待しやすいとされています。
妊娠中も使用できる抗インフルエンザ薬がありますので、自己判断で治療を控えず、医師の判断を受けることが大切です。
鍼灸はインフルエンザ予防になる?
鍼灸院としてお伝えしておきたいのは、鍼灸やお灸によってインフルエンザへの感染を予防できると断定することはできないという点です。
インフルエンザ対策の基本は、手洗い・換気・咳エチケット・ワクチンなどの感染対策です。
鍼灸は、それらの代わりとして行うものではなく、疲労感や冷え、睡眠など日頃の体調管理を目的として取り入れる方法の一つと考えましょう。
足三里は昔から養生に使われてきたツボ
足三里(あしさんり)は、胃腸の不調や全身の疲労などに対して、東洋医学で昔から用いられてきた代表的なツボです。
足三里への鍼灸刺激と免疫反応について研究も行われていますが、「足三里にお灸をすればインフルエンザを防げる」ということではありません。
セルフケアとしてお灸を行う場合も、感染症の予防や治療の代わりにはしないようにしましょう。
- 熱すぎるお灸は避ける
- 皮膚に赤み・痛み・かゆみが出たら中止する
- 発熱など体調が悪い日は無理に行わない
- 妊娠中は自己判断で強い刺激を行わない
- 妊娠中のお灸は鍼灸師や医療機関へ相談する
この記事のまとめ
- インフルエンザ対策は、マスクや手洗いだけに頼らず複数の方法を組み合わせることが大切です
- 手洗い・咳エチケット・換気・適度な湿度を意識しましょう
- インフルエンザワクチンには発症・重症化を抑える効果が期待できます
- 妊娠中は重症化しやすいため、症状が出たら早めに医療機関へ相談しましょう
- 鍼灸やお灸は感染予防の代わりではなく、日々の体調管理の一つとして考えましょう
インフルエンザは空気感染しますか?
インフルエンザは、咳やくしゃみなどによる飛沫だけでなく、会話や呼吸などで発生する細かい粒子を介して広がる可能性があります。そのため、人が多い室内では換気も重要です。
マスクをしていればインフルエンザを防げますか?
マスクだけで感染を完全に防ぐことはできません。特に咳やくしゃみがあるときの咳エチケットとして役立ちますが、手洗い・換気など他の感染対策と組み合わせましょう。
インフルエンザ予防に加湿は効果がありますか?
厚生労働省では、乾燥しやすい室内では50~60%程度の湿度を保つことを対策の一つとして紹介しています。ただし、加湿だけで感染を防げるわけではないため、手洗いや換気などもあわせて行いましょう。
妊娠中でもインフルエンザワクチンを受けられますか?
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊婦へのインフルエンザワクチンは予防に有効で、母体・胎児への危険性は妊娠全期間を通して極めて低いとされています。実際の接種については、かかりつけの産婦人科などに相談しましょう。
妊活中にインフルエンザになったら採卵や移植はできますか?
発熱や症状の程度、治療内容、採卵・胚移植の日程などによって対応が異なります。自己判断で治療を進めたり中止したりせず、まずは治療中の不妊クリニックへ連絡して確認してください。
足三里のお灸でインフルエンザを予防できますか?
足三里は昔から養生に用いられてきたツボですが、インフルエンザ感染を予防できると断定することはできません。手洗い・換気・ワクチンなどの代わりではなく、日々の体調管理の一つとして考えましょう。
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📚参考文献
- [1] 厚生労働省.インフルエンザ・急性呼吸器感染症に関するQ&A.
インフルエンザの症状、感染経路、ワクチン、手洗い、換気、湿度管理などの基本的な感染対策についてまとめられています。 - [2] 政府広報オンライン.インフルエンザの感染を防ぐポイント.
手洗いや咳エチケット、換気、適度な湿度、休養など、日常生活で行えるインフルエンザ対策について解説されています。 - [3] 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―産科編2023.
妊娠中のインフルエンザワクチン接種や、インフルエンザに感染した場合の抗ウイルス薬の使用などについて示されています。 - [4] Tellier R. Review of Aerosol Transmission of Influenza A Virus. Emerging Infectious Diseases. 2006;12(11):1657-1662.
インフルエンザウイルスのエアロゾルによる伝播について検討したレビュー論文です。 - [5] UMIN Clinical Trials Registry.足三里への鍼通電刺激が免疫応答に及ぼす影響に関する臨床研究.
足三里への鍼刺激と免疫応答との関連を検討する臨床研究として登録されています。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中の体調管理が気になる方へ
妊活中は、採卵や胚移植などの治療スケジュールがあるため、「体調を崩したくない」といつも以上に感染症が気になることもあります。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の方のお身体の状態を確認しながら、冷え、疲労、睡眠、胃腸の不調なども含めて、無理のない身体づくりをサポートしています。
鍼灸はインフルエンザそのものを予防・治療するものではありませんが、「最近疲れが抜けにくい」「妊活中の体調を整えておきたい」と感じている方は、日々の身体のケアについてお気軽にご相談ください。🍀







