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妊活中の便秘はなぜ起こる?腸内環境・冷え・自律神経との関係

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妊活中に「便秘が続いてお腹が張る」「腸内環境が妊活に関係すると聞いて不安」「便秘があると妊娠しにくくなるのでは?」と気になる方は少なくありません。

便秘は、それだけで不妊の原因になると断定できるものではありません。けれども、腸内環境、栄養の摂り方、自律神経、冷え、睡眠、ストレスなどは、妊活中の体づくりと深く関わっています。

つまり、妊活中の便秘は「妊娠できる・できない」と単純に結びつけるのではなく、体調を整えるうえで見直しておきたいサインのひとつとして考えることが大切です。

この記事では、妊活中に便秘が起こりやすい理由、腸内環境との関係、食べ物や生活習慣でできる便秘対策、鍼灸でできるサポートについて解説します。

この記事の要点まとめ
  • 便秘は排便回数だけでなく、硬い便、いきみ、残便感、お腹の張りなども含めて考える
  • 妊活中の便秘には、食生活、水分不足、運動不足、冷え、ストレス、自律神経の乱れ、薬の影響などが関係する
  • 便秘があるから妊娠できないと断定することはできない
  • ただし、腸内環境、栄養、睡眠、ストレス、生活の質を通じて、妊活の土台に影響する可能性はある
  • 便秘対策では、水溶性・不溶性食物繊維、発酵食品、オリゴ糖、水分、運動、トイレ習慣を整えることが大切
  • 便秘薬やサプリメントは、妊活中・妊娠の可能性がある時期には医師や薬剤師に相談する
  • 鍼灸は、自律神経、冷え、ストレス、お腹の緊張を整えるサポートとして活用できる

便秘とは?排便回数だけで判断しないことが大切

便秘というと「毎日出ないこと」と考えられがちですが、医学的には排便回数だけで判断するものではありません。

便秘では、次のような状態が続くことがあります。

  • 排便回数が少ない
  • 便が硬い
  • 強くいきまないと出ない
  • 便が残っている感じがする
  • お腹が張る
  • すっきり出た感じがしない

研究や診療で用いられるRome IV基準では、排便時のいきみ、硬い便、残便感、排便困難感、排便回数の少なさなどを総合的に見て便秘を判断します。

そのため、毎日出ていても「硬くてつらい」「出しきれない感じがある」場合は、便秘傾向と考えられることがあります。

妊活中に便秘が起こりやすい理由

妊活中の便秘には、食事だけでなく、ホルモン、自律神経、冷え、運動量、ストレスなど、いくつもの要因が関係します。

食物繊維や水分が不足している

忙しさやストレスで食事が簡単になったり、糖質中心の食事が続いたりすると、食物繊維が不足しやすくなります。

食物繊維は便のかさを増やしたり、腸内細菌のエサになったりして、便通を整える働きがあります。

また、水分が不足すると便が硬くなり、排便しにくくなることがあります。特に、食物繊維を増やしたのに水分が少ないと、かえってお腹が張ることもあります。

ストレスで自律神経が乱れやすい

腸の動きは、自律神経の影響を受けています。

妊活中は、通院、検査結果、採卵や移植の予定、仕事との両立などで、知らないうちに緊張状態が続くことがあります。

緊張やストレスが続くと交感神経が優位になりやすく、腸の動きが鈍くなったり、逆にお腹が張りやすくなったりすることがあります。

「妊活を頑張らなければ」と思うほど、身体が力み、呼吸が浅くなり、便意を感じにくくなる方もいます。

冷えや血流の低下でお腹が動きにくくなる

冷えそのものが不妊の直接原因になると断定することはできません。

ただ、身体が冷えると筋肉がこわばりやすくなり、血流や自律神経のバランスにも影響しやすくなります。

特に、下腹部、腰、骨盤まわりが冷えている方は、お腹の張りや便秘、月経痛、肩こり、睡眠の浅さなどを一緒に感じていることもあります。

妊活中は「子宮だけを温める」というより、全身の巡りを整え、お腹や骨盤まわりがリラックスしやすい状態をつくることが大切です。

運動不足で腸のぜん動運動が弱くなる

腸は、身体を動かすことで刺激を受けます。

長時間座りっぱなし、歩く量が少ない、腹筋や骨盤まわりの動きが少ない生活が続くと、腸のぜん動運動が弱くなり、便が停滞しやすくなります。

激しい運動をする必要はありません。妊活中は、ウォーキング、軽いストレッチ、骨盤まわりをゆるめる運動など、無理なく続けられる運動から始めることが大切です。

鉄剤や薬の影響

妊活中や妊娠に向けた体づくりで、鉄剤を処方される方もいます。

鉄剤は大切な治療のひとつですが、人によっては便秘や胃の不快感が出ることがあります。

また、一部の痛み止め、抗アレルギー薬、抗うつ薬、胃腸薬などでも便秘が起こることがあります。

薬を飲み始めてから便秘が強くなった場合は、自己判断で中止せず、処方医に相談しましょう。

便秘は妊活に影響する?

結論からいうと、便秘があるから妊娠できない、便秘を治せば妊娠する、という単純な話ではありません。

現時点では、「便秘そのものが不妊率を直接上げる」と断定できる質の高い研究は限られています。

ただし、便秘が続くことで、妊活の土台に間接的な影響を与える可能性はあります。

腸内環境と妊活の関係

腸には多くの腸内細菌が存在し、消化吸収だけでなく、免疫、炎症、代謝、ホルモンに関わる働きがあると考えられています。

近年は、腸内環境と女性の生殖機能、子宮内環境、卵巣機能との関連を検討する研究も増えており、「腸—子宮軸」「腸—卵巣軸」といった考え方も注目されています。

ただし、まだ研究段階の部分も多く、「腸内環境を整えれば必ず妊娠率が上がる」と断定することはできません。

大切なのは、腸内環境を整えることを妊娠のための特効法としてではなく、栄養、免疫、睡眠、ストレスケアを含めた体づくりの一部として考えることです。

栄養状態への影響

便秘が続くと、お腹の張りや食欲低下により、食事量や食事内容が偏りやすくなります。

妊活中は、葉酸、鉄、たんぱく質、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなど、身体づくりに関わる栄養素を意識したい時期です。

便秘によって食事が乱れると、結果的に栄養バランスが崩れやすくなります。

生活の質への影響

便秘が続くと、お腹の張り、不快感、眠りの浅さ、イライラ、気分の落ち込みにつながることがあります。

また、腹部の不快感があると、運動や夫婦生活が負担に感じられることもあります。

妊活中は、治療や検査だけでなく、毎日の体調を整えることも大切です。便秘を整えることは、生活の質を上げ、前向きに妊活を続けるための土台づくりになります。

妊活中の便秘対策|まず見直したい食べ物

妊活中の便秘対策では、薬に頼る前に、まず食事・水分・生活リズムを見直すことが基本です。

食物繊維を毎食少しずつ入れる

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

どちらか一方だけではなく、両方をバランスよく摂ることが大切です。

水溶性食物繊維を含む食べ物

  • オートミール
  • 大麦
  • 海藻類
  • オクラ
  • 納豆
  • りんご
  • キウイ
  • 豆類
  • もち麦

水溶性食物繊維は、便をやわらかくしたり、腸内細菌のエサになったりする働きがあります。

不溶性食物繊維を含む食べ物

  • 玄米
  • 全粒粉パン
  • ごぼう
  • きのこ類
  • さつまいも
  • ブロッコリー
  • 豆類
  • ナッツ類

不溶性食物繊維は、便のかさを増やし、腸の動きを促す働きがあります。

ただし、便が硬い方やお腹が張りやすい方が不溶性食物繊維ばかり増やすと、かえってつらくなることがあります。その場合は、海藻、オクラ、もち麦、果物などの水溶性食物繊維も意識してみましょう。

発酵食品を取り入れる

発酵食品は、腸内環境を整える食事の一部として取り入れやすい食品です。

  • みそ
  • 納豆
  • ヨーグルト
  • チーズ
  • ぬか漬け
  • キムチ
  • 甘酒

ただし、発酵食品をたくさん食べればよいというものではありません。塩分や糖分が多いものもあるため、毎日の食事に少しずつ取り入れるのがおすすめです。

オリゴ糖を含む食品も意識する

オリゴ糖は、腸内細菌のエサになりやすい成分です。

  • 玉ねぎ
  • ごぼう
  • アスパラガス
  • バナナ
  • 大豆製品
  • はちみつ

ヨーグルトにバナナを加える、みそ汁に玉ねぎやごぼうを入れるなど、普段の食事に組み合わせると続けやすくなります。

※はちみつは1歳未満の乳児には与えられませんが、妊活中の成人が通常量を食べることとは別に考えてください。

水分は「こまめに」が基本

便秘対策では、水分も大切です。

ただし、水だけを大量に飲めば便秘が改善するわけではありません。

食物繊維を摂りながら、こまめに水分をとることがポイントです。朝起きたとき、食事の前後、入浴後、運動後など、タイミングを決めて飲むと続けやすくなります。

冷たい飲み物でお腹が冷えやすい方は、常温の水や白湯、温かいお茶なども取り入れてみましょう。

妊活中の便秘におすすめの生活習慣

朝食後にトイレへ行く習慣をつくる

朝食後は、胃腸が動きやすいタイミングです。

便意がなくても、毎朝同じ時間にトイレへ行く習慣をつけることで、排便リズムが整いやすくなります。

ただし、長時間いきむのは避けましょう。強くいきみすぎると、痔や骨盤底への負担につながることがあります。

ウォーキングや軽い運動を続ける

便秘対策には、腹筋だけでなく、全身を動かすことが大切です。

妊活中は、次のような運動がおすすめです。

  • 20〜30分程度のウォーキング
  • 骨盤まわりのストレッチ
  • 深呼吸をしながら行う軽いヨガ
  • 階段を使う
  • 座りっぱなしを避けてこまめに立つ

無理な運動は必要ありません。毎日少しでも身体を動かすことが、腸の動きや血流、自律神経の安定につながります。

お腹と腰まわりを冷やさない

妊活中の冷え対策では、厚着をしすぎるよりも、下腹部、腰、足首を冷やさない工夫が大切です。

  • 腹巻きを使う
  • 湯船につかる
  • 冷たい飲み物を摂りすぎない
  • 足首を冷やさない
  • 夏の冷房対策をする
  • 仙骨まわりを温める

冷えが気になる方は、温めるだけでなく、身体を動かして内側から巡りをつくることも意識しましょう。

ストレスをため込まない

便秘とストレスは関係しています。

妊活中は、気持ちが張りつめやすく、「結果を出さなければ」と自分を追い込みやすい時期です。

呼吸が浅い、肩やお腹に力が入りやすい、眠りが浅いという方は、自律神経が緊張しやすい状態かもしれません。

寝る前にスマートフォンを控える、深呼吸をする、湯船につかる、軽いストレッチをするなど、身体をゆるめる時間をつくってみましょう。

便秘薬や酸化マグネシウムは使ってもいい?

便秘がつらいときは、食事や生活習慣だけで無理をしすぎる必要はありません。

酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤は、便に水分を含ませてやわらかくする目的で使われることがあります。

ただし、妊活中、妊娠の可能性がある時期、持病がある方、腎機能に不安がある方、他の薬を飲んでいる方は、自己判断で常用せず、医師や薬剤師に相談してください。

また、市販の便秘薬や漢方薬、サプリメントも「妊活中だから安全」とは限りません。採卵前、移植前後、妊娠判定後などは、特に自己判断で増やさないようにしましょう。

妊活中の便秘で受診した方がよいサイン

次のような場合は、生活習慣の見直しだけで様子を見るのではなく、医療機関に相談しましょう。

  • 急に便秘がひどくなった
  • 強い腹痛がある
  • 血便がある
  • 体重が急に減っている
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 便が極端に細くなった
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 便秘薬を使わないと出ない状態が続いている

便秘の背景に、甲状腺機能低下症、子宮筋腫、内膜症、腸の病気、薬の副作用などが隠れていることもあります。

不安なときは、早めに医師へ相談することが大切です。

妊活中の便秘と鍼灸

妊活中の便秘に対して、鍼灸は自律神経の調整、冷えや血流のケア、ストレス緩和、お腹の緊張をゆるめることを目的に行われることがあります。

鍼灸で「便秘を治せば妊娠する」と考えるのではなく、腸の動きや自律神経、睡眠、冷え、ストレスを含めて、妊活の土台を整えるサポートとして考えるとよいでしょう。

特に、次のような方は鍼灸での体づくりが合う場合があります。

  • 便秘と冷えがある
  • お腹が張りやすい
  • ストレスで便通が乱れやすい
  • 肩こりや首こりも強い
  • 睡眠が浅い
  • 採卵前や移植前に体調を整えたい
  • 薬だけに頼らず、生活習慣も整えたい

妊活のステージは人によって異なります。タイミング法、人工授精、体外受精、採卵前、移植前後など、その時期に合わせて無理のないケアを行うことが大切です。

便秘は、妊活中の身体からの小さなサインかもしれません。

「たかが便秘」と我慢しすぎず、腸内環境や生活リズムを整えることから、妊娠に向けた身体づくりを始めていきましょう。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 妊活中の便秘は不妊の原因になりますか?

便秘そのものが不妊の直接原因になるとは断定できません。ただし、便秘が続くことで、腸内環境、栄養状態、睡眠、ストレス、生活の質に影響する可能性があります。妊活中は、体調を整える一環として便秘を見直すことが大切です。

Q2. 妊活中の便秘にはどんな食べ物がよいですか?

オートミール、大麦、もち麦、海藻、オクラ、納豆、きのこ、野菜、果物、豆類などがおすすめです。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を偏らずに摂ることが大切です。

Q3. ヨーグルトを食べれば便秘は改善しますか?

ヨーグルトが合う方もいますが、すべての方に同じように効くわけではありません。ヨーグルトだけに頼らず、食物繊維、発酵食品、オリゴ糖、水分、運動、睡眠を組み合わせて整えることが大切です。

Q4. 妊活中に便秘薬を飲んでも大丈夫ですか?

薬の種類や体調、妊娠の可能性の有無によって異なります。自己判断で常用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。特に移植前後や妊娠判定後は注意が必要です。

Q5. 鍼灸は妊活中の便秘に役立ちますか?

鍼灸は、自律神経の調整、冷えや血流のケア、ストレス緩和、お腹の緊張をゆるめる目的で行われることがあります。便秘だけを見るのではなく、妊活中の体調全体を整えるサポートとして考えるとよいでしょう。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

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