治療院ブログ

2024年10月の投稿記事

不妊の検査:正確な診断が妊娠への第一歩

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不妊の検査:正確な診断が妊娠への第一歩

不妊症の原因を明確にするためには、男女ともにしっかりとした検査が必要です。適切な検査を行うことで、原因を特定し、最適な治療を受けることができます。特に女性においては、卵巣機能やホルモンバランスの確認が重要です。

女性の不妊検査

女性側の不妊検査には、いくつかの重要なステップがあります。

  1. 基礎体温の測定
    基礎体温を記録することで、排卵が正常に行われているか確認します。排卵後の体温上昇を見て、低温期と高温期がしっかりと分かれているかをチェックします。

  2. 頸管粘液検査
    頸管粘液が精子をサポートするかを確認します。クラミジアなどの感染症も調べられます。

  3. フーナーテスト
    排卵期に性交後、頸管粘液中の精子の運動性を確認し、精子が子宮内に進むことができているかを調べる検査です。

  4. 子宮卵管造影
    卵管の通過性や子宮の形態に異常がないかを確認します。卵管閉塞や狭窄が不妊の原因となっていないかをチェックします。

  5. 経膣超音波検査
    超音波を用いて子宮や卵巣の状態を確認します。卵胞の発育や子宮内膜の厚さを観察し、排卵のタイミングを把握することが可能です。

  6. ホルモン検査
    脳下垂体や甲状腺から分泌されるホルモンの状態を確認し、ホルモンバランスに問題がないかをチェックします。

  7. AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査
    AMHは、卵巣内にどれくらいの卵子が残っているかを測定する検査です。卵巣予備能の指標となるため、年齢や月経周期に関係なく、卵巣の機能を客観的に把握するための重要な検査です。特に、卵巣の機能低下や早発閉経のリスクを確認する際に有用です。

排卵と卵胞発育の確認
排卵が実際に起こっているか、卵胞が正常に発育しているかを確認することも不妊診断において欠かせません。経膣超音波を使って、排卵の兆候や卵胞の大きさを測定し、タイミングを正確に把握します。これにより、排卵障害や無排卵の原因を特定することが可能です。

男性の不妊検査

男性側では、精液検査が一般的ですが、これだけでは不十分な場合があります。精索静脈瘤や精子のDNA損傷といった精液検査で検出しにくい問題も存在します。したがって、精液検査に加え、触診を行ってくれる医療機関を選ぶことが重要です。

触診の重要性

男性の不妊症の診断において、触診は欠かせないステップです。精索静脈瘤や精管の異常は触診で初めて発見されることが多く、精液所見だけでは見つからない異常を発見できるため、触診を行ってくれる医療機関を推奨します。

まとめ

不妊症の検査は、正確な診断と早期の対応が妊娠への大切なステップです。女性はホルモンバランスや卵巣機能の確認を含め、男性は精液検査に加え、触診も含めた包括的な検査を行うことが重要です。適切な医療機関を選び、最適な治療を受けることが成功のカギとなります。

 

参考

日本産婦人科学会

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低AMH0.9 鍼灸レーザーでPGT-Aクリア胚を得て妊娠 43歳

投稿日:
大阪市からお越しのYさん(43歳)が妊娠されました。

2年の不妊期間

Yさんが初めて宇都宮鍼灸良導絡院にお越しなったのは、2023年4月でした。
それまでに2年の不妊期間があり、妊娠しにくい原因は低AMH(値0.9)がありました。
不妊治療専門クリニックで体外受精(保険適用)の段階で、一度妊娠後に8週で流産を経験されています。
流産後、クリニックを転院されて、採卵を2回されて初期胚10個が凍結されていました。
(採卵では、低AMHと年齢を考慮し、初期胚凍結する方針ですが良好な胚盤胞を凍結したいというお悩みがありました。)
鍼灸を始められた時、不妊治療は移植周期に入っていました。5月、6月、7月と3回にわたり初期胚移植を行いましたが、結果は陰性でした。
初期胚が減り、今後できる移植もあと数回になってきて、これから移植するか採卵するか迷われていました。
胚盤胞を凍結したいが、低AMHで一度に採れる卵も多くないため胚盤胞を目指して成長がストップするのが怖いため初期胚凍結をお考えでした。
過去に着床されたときは胚盤胞だったため、胚盤胞凍結を希望されていました。
そのため、ご希望にお応えできるよう鍼灸レーザー施術内容の一部をYさんの身体に合った方法に変更さていただきました。

PGT-Aクリア胚を目指して

その後、クリニックの先生と相談し、胚盤胞を凍結・貯卵する方針になりました。
最初の採卵結果は、5個の受精卵から胚盤胞1個が凍結できました。Yさんの通院していたクリニックは卵の成長に合わせて、1周期に2回採卵を行う方針で2回目の採卵は4個の受精卵から胚盤胞1個が凍結できました。
さらに次の周期も採卵を行い、1回目の採卵で2個の卵から1個の胚盤胞が、2回目の採卵で5個の卵から胚盤胞2個が凍結できました。これらの胚盤胞をPGT-Aに提出しました。1回目と2回目の採卵から提出した胚からPGT-A正常胚1個を得ることができました。
次の周期も採卵では2個の卵が採れましたが凍結はできませんでした。連続の採卵により卵巣に負担がかかっているのかもしれません。
Yさんは次の周期はお休み周期でトリオ検査を受けられました。
3回目の採卵は1回目に3個、2回目に4個採れて、そのうち2個の胚盤胞が凍結でき、PGT-Aに提出されました。
これまでの採卵からPGT-Aクリア胚2個をえることができました。
約6カ月にわたる長い採卵が終わり、凍結融解胚盤胞移植(PGT-Aクリア胚4BB)で見事陽性反応が確認出来ました。
判定日までの間もお仕事されながら普段通りの生活を送られていました。
「移植後はあまり気にしすぎないようにと考えているがやっぱり少し気にしてしまう。」
と仰っていましたが、判定結果を聞いて「判定までソワソワしていたけど、結果を聞いてホッとした。」と仰っていました。
現在もマタニティ鍼灸で通われており、妊娠8週を乗り越えて無事に安定期を迎えられてます。
Yさん、この度は本当におめでとうございます。
出産まで安心安全なマタニティ生活を送っていただけるよう、今後もしっかりサポートさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

Yさん妊娠お喜びの声

▢お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
 高齢のため、原因不明不妊症で、採卵してもなかなか良好胚盤胞ができなかったため
▢鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
 体外受精 顕微授情 受精卵着床前検査(Pgt-a)
▢ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
 レーザー・ウオーキング・サプリメント
▢鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
 施術を受けるようになってからの採卵では、成熟卵が以前より多く採れるようになってきて、胚盤胞になる率も上がり、pgt-a正常胚を得ることができました。
いつも親身になって話を聞いて下さり、精神的にも楽になることがことかできました。
▢同じように悩まれている方へアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など) やメッセージがあればお願いいたします
 ネガティブなことを考えがちになりますが、一歩ずつ前に向くことで大きな喜びを得ることができました。
諦めずに続けることの大変さはありますがそこから先にある結果を信じて頑張って下さい!

【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。 

 

宇都宮鍼灸良導絡院

 

  下記の記事もご覧ください  

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卵子の老化を防ぐ!今すぐできる簡単な5つの対策

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卵子の老化を防ぐ!今すぐできる簡単な5つの対策

妊娠を希望する女性にとって、卵子の質は非常に重要です。年齢とともに妊孕力が低下することは広く知られていますが、いくつかの方法を取り入れることで、卵子の質を改善し、妊娠の可能性を高めることができます。以下に、卵子の質を上げるための5つの方法を紹介します。

1. ミトコンドリアの機能をサポートする

ミトコンドリアは卵子のエネルギー源であり、その機能が低下すると卵子の質も低下します。ミトコンドリアの機能をサポートするためには、抗酸化物質を豊富に含む食品を摂取し、酸化ストレスを減らすことが重要です。具体的には、ビタミンCやビタミンE、コエンザイムQ10などが効果的です。

2. 健康的な食生活を維持する

栄養バランスの取れた食生活は、卵子の質を向上させるために不可欠です。特に、DHEAやコエンザイムQ10などの栄養補助食品を適度に摂取することが推奨されます。また、高脂肪食を避け、カロリー摂取を適切に管理することで、卵子のミトコンドリア機能を改善することができます。

3. ストレスを管理する

ストレスは卵子の質に悪影響を与える可能性があります。リラクゼーションやヨガ、瞑想などのストレス管理方法を取り入れ、心身の健康を維持することが大切です。ストレスを軽減することで、卵子の質を向上させることが期待できます。

4. 適度な運動をする

適度な運動は血行を良くし、体全体の健康を促進します。特に、有酸素運動は体内の酸素供給を改善し、卵子の質を向上させる効果があります。無理のない範囲で、日常的に運動を取り入れることが推奨されます。

5. 睡眠の質を高める

十分な睡眠は体の回復とホルモンバランスの維持に不可欠です。質の高い睡眠を確保するために、規則正しい生活リズムを保ち、寝室の環境を整えることが重要です。良質な睡眠は卵子の質を向上させるための基本です。

以上の方法を実践することで、卵子の質を改善し、妊娠の可能性を高めることができます。日常生活に取り入れやすいアプローチから始め、継続的に実行することが成功への鍵です。

参考文献

齊藤隆和(2022)「生殖補助医療(ART)の立場から女性年齢の妊孕性に及ぼす影響―卵子のエイジング」『周産期医学』52巻3号,pp. 301-305.

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妊娠前のストレス 胎児に与える影響

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妊娠前のストレスが未来の赤ちゃんに与える影響

妊活中や妊娠前に経験するストレスが、将来の赤ちゃんの健康に深刻な影響を与える可能性があることをご存知ですか?最近の研究では、妊娠前16か月以内に強いストレスを受けることが、胎児の発育に悪影響を与える可能性があることが示されています。特に、脳や身体の発達に問題が生じ、奇形や早産、低出生体重のリスクが高まることが報告されています​

 

ストレスが胎児に与える具体的なリスク

妊娠前のストレスは、胎児の脳の発育に影響を及ぼし、特に感情や社会性を司る扁桃体に変化が生じることが分かっています。この影響により、将来的に子どもが感情面での問題を抱えるリスクが高まることも指摘されています。また、ストレスが原因で早産や低出生体重のリスクが増加し、赤ちゃんの健康に大きな影響を与えることもあります​。

ストレスを減らすための効果的な対策

妊活中のストレスを管理し、赤ちゃんの健康を守るために、以下の対策を取り入れることが大切です。

  1. リラックスする時間を持つ
    ヨガや瞑想、深呼吸など、心を落ち着かせる習慣を毎日の生活に取り入れましょう。鍼灸治療もリラックス効果があり、心身のバランスを整える助けとなります。

  2. 信頼できるサポートを得る
    ストレスや不安を感じたら、家族や友人、または専門家に相談することが重要です。話すことで気持ちが軽くなることが多く、ストレスを軽減する効果があります。

  3. 健康的な生活習慣を心がける
    バランスの取れた食事や適度な運動も、ストレス管理に効果的です。身体を整えることで心の健康も維持しやすくなります。

鍼灸治療でのサポート

鍼灸は、ストレスによる身体の緊張をほぐし、リラックス効果を高めることで妊活中の女性をサポートします。東洋医学では、心身のバランスが整うことで、より健康な状態を保ちやすくなり、将来の赤ちゃんの健康にも良い影響を与えると考えられています。妊娠を計画している方、妊活中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

最後に

妊娠前からのストレス管理は、将来の赤ちゃんの健やかな発育につながります。心と身体の準備をしっかり整え、安心して妊活に取り組みましょう。鍼灸治療も含め、ストレス軽減に向けたサポートを提供いたします。

 

参考文献

胎児脳発達における母体ストレスの影響: 福田敦夫 浜松医科大学

 

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妊娠初期・妊娠中の出血について

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妊娠初期・妊娠中の出血について:流産、切迫流産、不育症の真実

妊娠中に出血があると、多くの方が「流産してしまうのではないか」と不安に感じるのは当然のことです。特に、過去に何度も流産を経験している方にとっては、その不安はさらに大きくなるでしょう。「出血しましたが大丈夫でしょうか?」

「生理のような出血がありました」

といった相談が寄せられることも少なくありません。このようなケースでは、一般的に「安静にしてください」という指示が医師から出されることが多いです。しかし、実際には安静がどの程度有効なのか、以下でご説明します。

 

安静の効果を検証した研究の概要

信頼性の高いレビューで知られる「Cochrane Review」では、妊娠初期の出血が見られる場合の安静の効果についてメタアナリシスが行われています。2005年に発表されたこのレビューでは、流産のリスクがある妊娠において、安静がどのような影響を与えるのかを検討しました。

結果は以下の通りです

  • 安静群と非安静群の間で、流産率に有意差は認められませんでした。
  • また、入院しての安静と自宅での安静の間でも、流産率に差は見られませんでした。
  • さらに、安静にせずhCG注射を行った場合の方が、安静群よりも流産率が低かったという結果も報告されています。

これらの結果から、安静そのものが流産を防ぐ有効な手段ではないことが示唆されています。

流産と年齢、染色体異常の関係

流産は、妊娠22週未満(欧米では24週未満)に発生する妊娠の喪失であり、およそ10~15%の妊娠において見られます。その多くは胎児の染色体異常によるものであり、母体の年齢が上がるほど流産のリスクが高まります。例えば、35歳までの女性では、体外受精での流産率は17~20%ですが、40歳では35%、42歳では47%、そして45歳では65%に達します。これらは、卵子の老化が進むにつれて異常な受精卵が増加するためと考えられます。

心の安静の重要性

このように、妊娠初期の出血に対する「身体の安静」の効果は限定的であると考えられますが、一方で「心の安静」は非常に重要です。複数回の流産を経験した場合、染色体異常が原因であるケースが減少する傾向がありますが、流産回数が2~4回の場合は、依然として60%が染色体異常によるものです。医学的な原因を究明しつつも、「tender loving care」、すなわち心のケアが妊娠の継続に大きく寄与することが知られています。

過度な心配やストレスは、子宮内の血流を低下させ、胎児への影響を及ぼす可能性があります。妊娠中は、なるべく心配を避け、心を穏やかに保つことが大切です。しかし、心配すること自体を完全に避けるのは難しいことも理解しています。医療者としては、妊婦の方が安心できるような対応が求められています。

妊娠中の出血はすべてが危険なサインではない

人間と同じく、マウスなどでも妊娠初期に出血が見られることがあります。これは、胎盤が形成されているために起こる正常な現象であり、必ずしも流産のサインではありません。胎盤が子宮内膜に侵入していく過程で出血が起こることは自然なことであり、「胎盤が作られている証拠」と考えることができます。このような出血は、心配する必要がないことも多いのです。

妊娠中の出血に対して不安を感じることは当然ですが、必ずしもすべてが危険を意味するわけではないことを理解し、冷静に対処することが重要です。

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