
43歳(低AMH0.9)PGT-Aクリア胚・胚盤胞4BBの移植で妊娠
大阪市からお越しのYさん(43歳)が、鍼灸・レーザーを併用しながら体外受精を続け、PGT-Aで正常胚と判定された4BBの胚盤胞を移植し、妊娠されました。
YさんはAMH0.9で、複数回の採卵を重ねながらPGT-Aに提出できる胚盤胞を確保し、最終的に正常胚を得て移植に進まれました。
※この記事は一患者様の治療経過をご紹介した症例です。AMHの値、胚盤胞のグレード、PGT-Aの結果のみから妊娠の可能性を判断できるものではなく、同じ経過や結果を保証するものではありません。
43歳でAMHが0.9だったYさん
Yさんが当院にお越しになったのは、2023年4月。すでに2年の不妊期間があり、不妊治療専門クリニックで体外受精(保険適用)の治療中でした。
- 過去の経験:一度妊娠したものの、8週で流産を経験。
- 鍼灸開始時の状況:3回の初期胚移植を行うも、結果は陰性。
初期胚が減っていく中で、Yさんは「次に移植するか、採卵するか」という大きな決断に迫られていました。
過去に着床したときは胚盤胞だったため、できればPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)にも挑戦し、移植できる胚盤胞を凍結したいという希望がありました。
一方で、43歳という年齢やAMH0.9という結果から、一度に多くの卵子を採れるとは限らないこともあり、初期胚で凍結するか、胚盤胞まで培養してPGT-Aを行うかについて迷いもあったそうです。
AMHは卵巣予備能や採卵時の卵巣反応を予測する際に参考にされる指標ですが、卵子の質や妊娠できる・できないをAMHだけで判断することはできません。
凍結融解胚盤胞(PGT-A正常胚)移植で妊娠
Yさんの希望や身体の状態に合わせ、当院でもその時々の体調を確認しながら鍼灸・レーザー施術の内容を調整しました。
その後、クリニックの先生と相談し、PGT-Aに提出する胚盤胞を確保するため、採卵を続ける方針となりました。
採卵を重ねてPGT-A正常胚を確保
- 最初の採卵周期:1回目は5個の受精卵から胚盤胞1個、2回目は4個の受精卵から胚盤胞1個を凍結。
- 次の採卵周期:1回目は2個の受精卵から胚盤胞1個、2回目は5個の受精卵から胚盤胞2個を凍結。
- その後の採卵周期:2個の受精卵が得られましたが、胚盤胞の凍結には至りませんでした。
それまでに凍結できた胚盤胞をPGT-Aに提出した結果、正常胚と判定された胚を1個得ることができました。
連続した採卵で身体への負担もあったことから、Yさんは次の周期をお休み周期とし、クリニックで子宮内膜に関する検査(いわゆるTRIO検査)も受けられました。
その後も採卵を行い、さらに2個の胚盤胞を凍結。PGT-Aを経て、最終的に移植候補となる正常胚を確保することができました。
4BBの胚盤胞とは?
今回移植された胚盤胞のグレードは4BBでした。
胚盤胞の評価には複数の方法がありますが、広く用いられているGardner分類では、数字と2つのアルファベットを組み合わせて胚盤胞の形態を評価します。
- 「4」:胚盤胞が拡張している段階
- 最初の「B」:赤ちゃんになる部分である内部細胞塊の形態評価
- 2つ目の「B」:将来胎盤になる栄養外胚葉の形態評価
ただし、4BBというグレードは胚を見た目の形態から評価したもので、染色体が正常かどうかを示すものではありません。
また、同じ4BBでも年齢、培養日数、胚の染色体の状態、子宮内膜の状態などさまざまな要因が関係するため、「4BBなら何%妊娠する」とグレードだけで判断することはできません。
PGT-A正常胚なら必ず妊娠するわけではありません
PGT-Aは、胚盤胞から採取した一部の細胞を調べ、主に染色体数の異常がないかを確認する検査です。
PGT-Aで正常胚と判定された胚であっても、移植すれば必ず着床・妊娠・出産に至るわけではありません。
一方で、年齢やこれまでの治療歴などによっては、クリニックでPGT-Aについて提案される場合があります。検査を行うかどうかは、メリットだけでなく検査の限界や費用なども含め、担当医と相談して決めることが大切です。
4BBのPGT-A正常胚を移植
約6か月にわたって採卵を続けた後、いよいよ移植周期に入りました。
「移植後はあまり気にしすぎないように…」と思い、お仕事をしながら普段通りの生活を送られていましたが、判定日まではやはりソワソワしてしまったそうです。
そして、凍結融解胚盤胞移植(PGT-A正常胚・グレード4BB)の結果は陽性となりました。
Yさんは「結果を聞いてホッとした」と、安堵の表情を見せてくださいました。
記事作成時点では、その後もマタニティ鍼灸で通院され、以前流産を経験された8週を越えて安定期を迎えられていました。
Yさん、この度は本当におめでとうございます。
Yさんの症例から考えられること
1.AMHだけで妊娠の可能性は決まりません
AMHは卵巣に残っている卵胞数や採卵時の反応を考える際の参考になりますが、卵子の質や妊娠可能性を直接示す検査ではありません。
今回のYさんもAMH0.9でしたが、採卵を重ねながら胚盤胞を確保し、PGT-A正常胚の移植に進むことができました。
2.胚盤胞のグレードとPGT-Aは別の情報です
4BBなどの胚盤胞グレードは形態評価です。一方、PGT-Aでは胚の一部の細胞を用いて染色体数を調べます。
そのため、見た目のグレードだけで妊娠可能性や染色体の状態を判断することはできません。
3.治療方針は一人ひとり異なります
年齢、AMH、これまでの採卵数、胚の成長、流産歴などによって、初期胚を凍結するのか、胚盤胞を目指すのか、PGT-Aを行うのかといった選択は異なります。
Yさんもクリニックの先生と相談しながら、その時点で納得できる方法を選択して治療を続けられました。
Yさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
高齢のため、原因不明不妊症で、採卵してもなかなか良好胚盤胞ができなかったため
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
体外受精(顕微授精・受精卵着床前検査(PGT-A))
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
レーザー・ウォーキング・サプリメント
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
施術を受けるようになってからの採卵では、成熟卵が以前より多く採れるようになってきて、胚盤胞になる率も上がり、PGT-A正常胚を得ることができました。いつも親身になって話を聞いて下さり、精神的にも楽になることができました。
※上記は患者様ご本人の感想であり、施術による医学的な効果を保証するものではありません。
▢ 同じように悩まれている方へアドバイスやメッセージがあればお願いいたします
ネガティブなことを考えがちになりますが、一歩ずつ前に向くことで大きな喜びを得ることができました。諦めずに続けることの大変さはありますが、そこから先にある結果を信じて頑張って下さい!
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。治療経過や施術の感じ方には個人差があります。
4BBの胚盤胞でも妊娠できますか?
はい。4BBは移植対象となることのある胚盤胞グレードのひとつで、実際に4BB胚盤胞から妊娠・出産に至るケースがあります。
ただし、妊娠の可能性はグレードだけで決まるものではなく、年齢、染色体の状態、培養日数、子宮内膜の状態などさまざまな要因が関係します。
PGT-A正常胚なら必ず妊娠しますか?
PGT-Aで正常胚と判定されても、必ず着床・妊娠するわけではありません。PGT-Aは胚の染色体数について調べる検査であり、妊娠成立に関係するすべての要因を調べられる検査ではありません。
AMH0.9でも妊娠できますか?
AMH0.9という数値だけで「妊娠できない」と判断することはできません。AMHは主に卵巣予備能や採卵時の卵巣反応を予測する際に用いられ、妊娠の可能性は年齢や胚の状態などさまざまな要因によって異なります。
📚参考文献
- American Society for Reproductive Medicine. The use of preimplantation genetic testing for aneuploidy: a committee opinion. 2024.
- American Society for Reproductive Medicine. Testing and interpreting measures of ovarian reserve: a committee opinion.
- American Society for Reproductive Medicine. Gardner Grading Scale / Embryo Data Grading and Evaluation.
- ESHRE / ALPHA. The Istanbul Consensus update: oocyte and embryo morphology assessment.
- 日本産科婦人科学会「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)」関連資料。
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今回、Yさんは鍼灸・レーザーを受けながら採卵を続け、その後PGT-A正常胚を得て妊娠されました。
ただし、当院では採卵数や胚盤胞到達率、PGT-Aの結果などを鍼灸だけの効果と判断することはしていません。
不妊治療では年齢、卵巣予備能、精子、刺激方法、培養環境などさまざまな要因が関係します。当院では医療機関での治療を基本としながら、治療期間中の体調管理や心身の負担を少しでも軽減できるようサポートしています。