治療院ブログ

妊活しやすい身体づくり

ART児は自然妊娠児よりもリスクが高い

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ART児は自然妊娠児よりも早産リスクが高い

不妊治療を進めている多くの方にとって、体外受精(ART: Assisted Reproductive Technology)は希望の光です。しかし、ARTによって生まれた子ども(ART児)は、自然妊娠児と比べていくつかのリスクがあることが知られています。その中でも特に「早産」のリスクが高まることが報告されています。この記事では、そのリスクと背景について詳しく見ていきましょう。

ART児と早産リスクの関係

さまざまな研究が示すところによると、ARTで生まれた子どもは、自然妊娠で生まれた子どもと比較して「早産」のリスクが高まることがわかっています。特に、新鮮胚移植によって生まれた子どもは、低出生体重児(LBW)や在胎週数に対して小さい赤ちゃん(SGA)のリスクが高い傾向にあります。また、凍結融解胚移植によって生まれた子どもは、逆に大きめの赤ちゃん(LGA)として生まれることが多いですが、それでも早産のリスクは依然として残っています。

Elias et al. (2020) の研究によれば、ART児は自然妊娠児に比べて早産や低出生体重のリスクが高いことが確認されています。また、凍結融解胚移植児はLGAのリスクが高まる一方、新鮮胚移植児はLBWやSGAのリスクが高まる傾向が見られます​

日本におけるARTの現状

2021年の日本産婦人科学会による最新のARTデータによれば、ARTによって年間69,797人の子どもが生まれています。この数は過去最多であり、全出生児数の約11.6人に1人がARTによる出生であることを示しています​。特に、凍結融解胚移植による出生が大多数を占めています。

凍結融解胚移植による出生児は、大きめの赤ちゃん(LGA)のリスクが高い一方、新鮮胚移植による出生児は早産や低出生体重、SGA(在胎週数に対して小さめの赤ちゃん)のリスクが高い傾向があります。

早産リスクを理解した上での選択

ARTによる妊娠は、不妊治療を受ける多くのカップルにとって貴重な選択肢です。しかし、治療方法によっては、周産期におけるリスクが増加する可能性があることも理解しておくことが重要です。特に、早産や低出生体重といったリスクは、出産のタイミングや赤ちゃんの健康状態に影響を与えるため、妊娠中の適切な管理が欠かせません。

主治医としっかりと話し合い、治療の選択肢を理解した上で、リスクを軽減するための最善の方法を選択しましょう。凍結融解胚移植が適しているのか、新鮮胚移植が良いのか、それぞれのケースに応じて異なるため、医療チームとの連携が重要です。

まとめ

不妊治療は、多くの方にとってかけがえのない希望となる手段です。しかし、ARTによる妊娠では、自然妊娠に比べて早産のリスクが高まることを理解し、そのリスクに備えた対策を講じることが重要です。妊娠中は適切なケアを受け、早産のリスクをできるだけ軽減するために、医療チームと緊密に連携して進めていくことが推奨されます。

参考文献

  • Elias et al., Archives of gynecology and Obstetrics, 2020
  • 日本産婦人科学会, ARTデータブック 2021​

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妊娠前後の母体の状態が胎児に与える影響

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DOHaD学説に基づく病気のリスク

DOHaD:胎児期の環境が生涯の健康に与える影響

DOHaD(ドーハッド)という概念は、胎児期から幼少期にかけての環境が、将来の健康や疾患リスクに強く影響を与えるという理論です。この考え方は、現代医学において注目されており、特に不妊治療や妊娠に関連する分野で重要視されています。

DOHaDの基本的な考え方は、胎児や新生児の発育が母親の健康状態や食生活、さらには環境要因によって左右され、これが成人期の生活習慣病や心疾患、糖尿病、肥満などのリスクに影響を与えるというものです。この理論に基づき、妊娠期の母親のケアや栄養状態が、胎児の長期的な健康を左右することがわかってきています。

胎児期の影響と長期的な健康リスク

胎児期の栄養不足やストレス、母親の喫煙、環境汚染などの影響は、胎児の発達に直接的な影響を及ぼします。例えば、胎児が栄養不足の環境で成長すると、将来、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクが高まることが研究で示されています。

また、厚生労働省が発表しているように、妊娠中の栄養や環境管理は、出生体重や発育に影響を与えるだけでなく、長期的な健康に深い影響を与える可能性があることが示唆されています。母体の健康管理が重要であると同時に、出生後の乳幼児期の栄養や育成環境も非常に重要です。

 

 

DOHaD学説に基づく病気のリスク

胎児期の環境要因、特に母親の栄養状態、ストレス、環境汚染などは、将来的に以下のような病気や障害のリスクを高める可能性があるとされています。

1. 生活習慣病

  • 糖尿病:胎児期に栄養不足や過剰摂取があると、インスリン抵抗性が高まり、成人期に2型糖尿病のリスクが上昇します。
  • 高血圧:胎児期の発育環境が不十分であると、血圧調節機能が影響を受け、成人期の高血圧リスクが増加します。
  • 肥満:胎児期に栄養過多やストレスがあると、肥満の傾向が強まり、成人期のメタボリックシンドロームのリスクが高くなります。

2. 心血管疾患

胎児期の低栄養や酸素不足、ストレスの影響は、将来的に動脈硬化や心筋梗塞といった心血管系の疾患リスクを高めるとされています。特に血管の弾力性が低下することで、血流や心臓に負担がかかることが考えられます。

3. 呼吸器疾患

母親の喫煙や空気汚染への暴露がある場合、胎児の肺の発達が影響を受け、出生後の呼吸器疾患(喘息や慢性閉塞性肺疾患など)のリスクが増加することが示されています。

4. 腎疾患

胎児期に栄養不足があった場合、腎臓の発達が阻害され、将来的に腎機能障害や腎不全のリスクが増えることが報告されています。

発達障害のリスク

DOHaDの理論は、身体的な疾患だけでなく、発達障害にも関連しています。特に胎児期の環境が脳の発達に影響を与え、発達障害のリスクを高める要因になると考えられています。

1. 自閉症スペクトラム障害(ASD)

母体が妊娠中に栄養不足や特定の栄養素(葉酸やオメガ3脂肪酸など)が不足している場合、胎児の脳の発達に影響を与え、ASD(自閉症スペクトラム障害)のリスクが増加することが示唆されています。また、母親が妊娠中にストレスを受けていると、胎児の神経系に影響を与えることも考えられます。

2. 注意欠陥・多動性障害(ADHD)

胎児期や幼少期に母親が喫煙やアルコール摂取をしていると、胎児の脳発達に影響を与え、注意欠陥・多動性障害(ADHD)のリスクが増加する可能性があります。研究によれば、これらの環境要因は胎児の神経系や行動制御能力に悪影響を与え、結果としてADHDの発症リスクを高めるとされています。

3. 知的障害

栄養不足、感染症、薬物使用、環境汚染物質への暴露などが胎児期に起こると、脳の発達に影響を与え、知的障害のリスクが高まります。特に胎児期の脳の急速な発達期間中にこれらの影響が強くなるため、妊娠期の母体のケアが非常に重要です。

まとめ

DOHaDの概念に基づくと、胎児期や幼少期の環境が成人期における生活習慣病や心血管疾患、腎疾患、さらには発達障害のリスクを高める可能性があります。特に、母体の栄養状態やストレス管理、生活環境が胎児の脳や体の発達に与える影響は大きく、長期的な健康に直結しています。

大事なこと:鍼灸でできること

鍼灸の役割に注目してください。鍼灸は、妊娠前に母体の健康を整え、ホルモンバランスの調整やストレス軽減を促すことで、妊娠しやすい身体づくりをサポートします。また、妊娠後においても、鍼灸は自律神経の調整を通じて妊娠中の不調を軽減し、母体の精神的・身体的な健康維持に貢献します。さらに、母体の健康が胎児の発育に良い影響を与えることが知られているため、鍼灸によるケアは胎児の健康にもプラスとなります。

厚生労働省も母体の栄養や生活習慣管理を強調しており、鍼灸を含む統合医療的なアプローチが、妊娠を希望する女性や妊娠中の方にとって、適切なケアを行う一つの選択肢として有益であることがわかります。鍼灸は、母体の健康を整え、胎児の発育をサポートするために重要な役割を果たすことができ、次世代の健康を守るための有力な手段の一つといえるでしょう。

 

参考

健やか親子21検討会報告書

https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/sukoyaka/tp1117-1_c_18.html

健やか21

https://sukoyaka21.cfa.go.jp/infographic/

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ドーハッド説 妊娠前の栄養が胎児の健康に与える影響とは?

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妊娠前の栄養が胎児の健康に与える影響とは?

近年、DOHaD説(発達起源健康と疾病の理論)に基づき、妊娠前の両親の栄養状態が胎児の長期的な健康に大きな影響を与えることが注目されています。特に、母親だけでなく父親の栄養状態も胎児の健康に関連していることが多くの研究で示されています。

父親の栄養と胎児への影響

父親の肥満や栄養不足は、精子の質に悪影響を与え、胚の発育にまで影響を及ぼします。研究によると、肥満の男性では胚の発育速度が遅くなり、胚盤胞形成が減少することが確認されています。また、精子の遺伝子やエピジェネティックな変化が次世代に影響を及ぼし、子供の代謝や心血管系のリスクが高まることも報告されています​

 

母親の栄養と胎児の健康

母親の妊娠前の栄養も重要です。例えば、母体の高脂肪食やグルコース不耐性は、胎児のエネルギー代謝に悪影響を与え、将来的な健康リスクを高める可能性があります。特に、妊娠初期の栄養管理が胎児の代謝や発育に深く関与することが知られています​

鍼灸によるサポート

さらに、鍼灸は妊活中の栄養改善と併用することで、体の血流を促進し、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。これにより、妊娠しやすい体作りをサポートし、妊娠前の健康管理に有効な方法として取り入れることができます。

まとめ

妊娠を希望する夫婦にとって、妊娠前の栄養状態は胎児の健康に大きく影響を与える重要な要素です。男性の栄養にも注意を払い、女性の栄養とともに適切に管理することで、健康な妊娠と将来の子供の健康を促進することができます。また、鍼灸を併用することで、より効果的な健康管理が可能です。


出典:

  1. Cambridge University Press. “Preconception nutrition and paternal programming” (2021)​
  2. Springer Link. “Maternal and paternal nutrition impacts on offspring health” (2019)​
  3. Cambridge Core. “Preconception nutrition: Building advocacy and social movements” (2024)​

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関西【和歌山県版】の妊活子宝スポット・神社とお寺

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関西【和歌山県版】の妊活子宝スポット・神社とお寺

妊活にお勧めのパワースポット

今回は、雄大な自然と神秘的な霊場が調和し、訪れる人々に深い癒しとご利益をもたらす

和歌山県の神社とお寺をご紹介いたします🌊🌿

1. 熊野本宮大社 ⛩️

熊野本宮大社は、熊野三山の一つで、古くから「子宝の神」として信仰されています。特に「子安石」が有名で、子授けや安産の祈願が行われています。

2. 淡嶋神社 🧸

淡嶋神社は、女性の守り神として知られる少彦名命を祀っており、子授けや安産祈願の参拝者が多く訪れます。また、境内には多数の人形が奉納されています。

  • 住所: 和歌山県和歌山市加太118
  • URL: 淡嶋神社

3. 紀三井寺 🌸

紀三井寺は、西国三十三所観音霊場の一つで、安産や子授けのご利益がある観音様が祀られています。特に、女性参拝者からの信仰が厚いです。

  • 住所: 和歌山県和歌山市紀三井寺1201
  • URL: 紀三井寺

4. 丹生都比売神社 🌿

丹生都比売神社は、世界遺産にも登録されている霊場で、子宝や安産祈願にご利益があるとされています。古くからの歴史と自然が調和する神社です。

5. 闘鶏神社 🐓

闘鶏神社は、安産祈願の神として知られており、特に子授けを願う夫婦に人気があります。紀州の歴史と深い関わりを持つ神社です。

6. 高野山 奥之院 🧘‍♀️

高野山の奥之院は、霊場として有名で、静かな環境で子授けや安産の祈願が行われます。弘法大師が祀られている神聖な場所です。

7. 伊太祁曽神社 🌳

紀の川市にある伊太祁曽神社は、木の神を祀り、子宝や安産にご利益があるとされています。境内の静かな雰囲気が魅力です。

8. 九度山慈尊院 🏞️

慈尊院は、空海(弘法大師)の母を祀った寺院で、子宝や安産祈願の参拝者が多く訪れます。母と子のご縁を大切にする場所です。

和歌山県の神秘的な神社やお寺で、心を込めて祈りを捧げてみてください✨

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関西【三重県版】の妊活子宝スポット・神社とお寺

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関西【三重県版】の妊活子宝スポット・神社とお寺

 

妊活にお勧めパワースポット

今回は、関西の豊かな自然に囲まれ、美しい海や歴史的な神社仏閣が多く点在する

三重県の神社とお寺をご紹介いたします⛩️🌿

 

1. 椿大神社 ⛩️

「日本最古の神社」の一つとして知られる椿大神社。安産や子授け祈願にご利益があり、多くの参拝者が訪れます。

2. 伊勢神宮 🍃

日本全国から参拝者が集まる伊勢神宮。子宝や安産祈願のために訪れる人も多く、特に内宮の豊受大神宮での祈願が有名です。

3. 松阪神社 🍀

松阪神社は、安産や子授けのご利益で知られる神社。特に境内にある「子授け石」は、子宝を授かりたい夫婦に人気です。

4. 金剛證寺 🧘‍♀️

伊勢志摩国立公園内に位置する金剛證寺。安産や子授けのご利益があるとされ、静かな山中での祈願が可能です。

  • 住所: 三重県伊勢市朝熊町上之山1238
  • URL: 金剛證寺

5. 猿田彦神社 🙏

猿田彦大神が祀られている猿田彦神社は、子宝や安産祈願のスポットとして有名。神社内には子授けに特化したお守りもあります。

6. 多度大社 🌿

多度大社は、古くから子授けや安産祈願で知られる神社。特に「子安石」が人気で、触れることで子宝に恵まれるとされています。

  • 住所: 三重県桑名市多度町多度1681
  • URL: 多度大社

7. 専修寺 🍁

専修寺は、安産や子宝のご利益があるとされる浄土真宗の寺院。広大な境内で、静かに祈りを捧げることができます。

  • 住所: 三重県津市一身田町2819
  • URL: 専修寺

8. 二見興玉神社 🏞️

「夫婦岩」で知られる二見興玉神社は、夫婦円満や子宝祈願で人気の神社。神社の境内は美しい海が広がり、心が洗われます。

三重県には多くの子授けや安産祈願のスポットが点在しています。ぜひ訪れて、心静かに祈りを捧げてみてください✨

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精液検査だけではわからない!男性不妊の隠れた原因とは?

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精液検査だけではわからない!男性不妊の隠れた原因とは?

精液検査は、精子の数や運動率、形態を評価する基本的な検査ですが、それだけでは隠れた問題を見逃してしまうことがあります。男性不妊の原因は多岐にわたり、精液検査だけでは把握できない要素もあります。今回は、精液検査でわからない問題について解説します。

 

精索静脈瘤

精索静脈瘤は、精巣の周りの静脈が拡張することで、精子の生産や質に悪影響を及ぼします。しかし、精液検査では精索静脈瘤の有無は確認できません。これは、身体的な診察や超音波検査などの追加検査が必要です。男性不妊の約40%に関与しているとも言われるこの疾患は、早期の発見と治療が重要です。

精子のDNA損傷

精子のDNA損傷は、精液検査で確認できるものではありません。精液検査で得られる情報は、精子の見た目や動きに限られており、DNAに関する情報は提供されません。精子のDNAが損傷していると、受精後の胚の発育に問題が生じ、流産のリスクが高まる可能性があります。DNA断片化検査などの専門的な検査が必要です。

酸化ストレスによるダメージ

精子は酸化ストレスによりダメージを受けることがありますが、これも通常の精液検査ではわかりません。酸化ストレスは、活性酸素によって引き起こされ、精子の質を低下させます。抗酸化物質の摂取や生活習慣の見直しが、酸化ストレスの軽減に効果的です。

精子形態異常の原因

精液検査で精子の形態異常が検出されることがありますが、その原因までは特定できません。形態異常は、精巣の炎症や環境要因、生活習慣によるものが多いため、原因を特定するには追加の検査が必要です。形態異常は、受精能力や胚の発育に影響を与えるため、慎重な対応が求められます。

ホルモンの異常

精液検査では、精子そのものに関する情報は得られますが、精子の生成に関わるホルモンバランスの異常まではわかりません。精子の生成にはテストステロンなどのホルモンが重要な役割を果たしており、ホルモンバランスの乱れが不妊の原因となることがあります。血液検査などでホルモンの状態を確認することが大切です。

精液検査は1回では不十分

精液の状態は体調や生活習慣により変動します。そのため、1回の精液検査だけで不妊の原因を特定するのは難しい場合があります。数週間の間隔を空けて3回程度の検査を行い、総合的に判断することが推奨されます。たまたま良い結果が出たり、逆に悪い結果が出たりすることがあるため、継続的な観察が重要です。

 

精液検査で安心しないで

精液検査だけで安心せず、必要に応じて専門医に相談し、精密検査を受けることが重要です。男性不妊は、適切な診断と治療で改善することもあるため、早期のアプローチが妊娠成功への鍵となります。特に、精液検査に問題がなく、女性側にも大きな問題が見つからない場合、精液検査ではわからない男性側の隠れた問題がある可能性があります。精索静脈瘤などの問題は触診や超音波検査でしかわからないため、触診を行ってくれる男性不妊のクリニックや泌尿器科への相談が重要です。

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不妊の検査:正確な診断が妊娠への第一歩

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不妊の検査:正確な診断が妊娠への第一歩

不妊症の原因を明確にするためには、男女ともにしっかりとした検査が必要です。適切な検査を行うことで、原因を特定し、最適な治療を受けることができます。特に女性においては、卵巣機能やホルモンバランスの確認が重要です。

女性の不妊検査

女性側の不妊検査には、いくつかの重要なステップがあります。

  1. 基礎体温の測定
    基礎体温を記録することで、排卵が正常に行われているか確認します。排卵後の体温上昇を見て、低温期と高温期がしっかりと分かれているかをチェックします。

  2. 頸管粘液検査
    頸管粘液が精子をサポートするかを確認します。クラミジアなどの感染症も調べられます。

  3. フーナーテスト
    排卵期に性交後、頸管粘液中の精子の運動性を確認し、精子が子宮内に進むことができているかを調べる検査です。

  4. 子宮卵管造影
    卵管の通過性や子宮の形態に異常がないかを確認します。卵管閉塞や狭窄が不妊の原因となっていないかをチェックします。

  5. 経膣超音波検査
    超音波を用いて子宮や卵巣の状態を確認します。卵胞の発育や子宮内膜の厚さを観察し、排卵のタイミングを把握することが可能です。

  6. ホルモン検査
    脳下垂体や甲状腺から分泌されるホルモンの状態を確認し、ホルモンバランスに問題がないかをチェックします。

  7. AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査
    AMHは、卵巣内にどれくらいの卵子が残っているかを測定する検査です。卵巣予備能の指標となるため、年齢や月経周期に関係なく、卵巣の機能を客観的に把握するための重要な検査です。特に、卵巣の機能低下や早発閉経のリスクを確認する際に有用です。

排卵と卵胞発育の確認
排卵が実際に起こっているか、卵胞が正常に発育しているかを確認することも不妊診断において欠かせません。経膣超音波を使って、排卵の兆候や卵胞の大きさを測定し、タイミングを正確に把握します。これにより、排卵障害や無排卵の原因を特定することが可能です。

男性の不妊検査

男性側では、精液検査が一般的ですが、これだけでは不十分な場合があります。精索静脈瘤や精子のDNA損傷といった精液検査で検出しにくい問題も存在します。したがって、精液検査に加え、触診を行ってくれる医療機関を選ぶことが重要です。

触診の重要性

男性の不妊症の診断において、触診は欠かせないステップです。精索静脈瘤や精管の異常は触診で初めて発見されることが多く、精液所見だけでは見つからない異常を発見できるため、触診を行ってくれる医療機関を推奨します。

まとめ

不妊症の検査は、正確な診断と早期の対応が妊娠への大切なステップです。女性はホルモンバランスや卵巣機能の確認を含め、男性は精液検査に加え、触診も含めた包括的な検査を行うことが重要です。適切な医療機関を選び、最適な治療を受けることが成功のカギとなります。

 

参考

日本産婦人科学会

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妊娠前のストレス 胎児に与える影響

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妊娠前のストレスが未来の赤ちゃんに与える影響

妊活中や妊娠前に経験するストレスが、将来の赤ちゃんの健康に深刻な影響を与える可能性があることをご存知ですか?最近の研究では、妊娠前16か月以内に強いストレスを受けることが、胎児の発育に悪影響を与える可能性があることが示されています。特に、脳や身体の発達に問題が生じ、奇形や早産、低出生体重のリスクが高まることが報告されています​

 

ストレスが胎児に与える具体的なリスク

妊娠前のストレスは、胎児の脳の発育に影響を及ぼし、特に感情や社会性を司る扁桃体に変化が生じることが分かっています。この影響により、将来的に子どもが感情面での問題を抱えるリスクが高まることも指摘されています。また、ストレスが原因で早産や低出生体重のリスクが増加し、赤ちゃんの健康に大きな影響を与えることもあります​。

ストレスを減らすための効果的な対策

妊活中のストレスを管理し、赤ちゃんの健康を守るために、以下の対策を取り入れることが大切です。

  1. リラックスする時間を持つ
    ヨガや瞑想、深呼吸など、心を落ち着かせる習慣を毎日の生活に取り入れましょう。鍼灸治療もリラックス効果があり、心身のバランスを整える助けとなります。

  2. 信頼できるサポートを得る
    ストレスや不安を感じたら、家族や友人、または専門家に相談することが重要です。話すことで気持ちが軽くなることが多く、ストレスを軽減する効果があります。

  3. 健康的な生活習慣を心がける
    バランスの取れた食事や適度な運動も、ストレス管理に効果的です。身体を整えることで心の健康も維持しやすくなります。

鍼灸治療でのサポート

鍼灸は、ストレスによる身体の緊張をほぐし、リラックス効果を高めることで妊活中の女性をサポートします。東洋医学では、心身のバランスが整うことで、より健康な状態を保ちやすくなり、将来の赤ちゃんの健康にも良い影響を与えると考えられています。妊娠を計画している方、妊活中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

最後に

妊娠前からのストレス管理は、将来の赤ちゃんの健やかな発育につながります。心と身体の準備をしっかり整え、安心して妊活に取り組みましょう。鍼灸治療も含め、ストレス軽減に向けたサポートを提供いたします。

 

参考文献

胎児脳発達における母体ストレスの影響: 福田敦夫 浜松医科大学

 

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妊娠初期・妊娠中の出血について

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妊娠初期・妊娠中の出血について:流産、切迫流産、不育症の真実

妊娠中に出血があると、多くの方が「流産してしまうのではないか」と不安に感じるのは当然のことです。特に、過去に何度も流産を経験している方にとっては、その不安はさらに大きくなるでしょう。「出血しましたが大丈夫でしょうか?」

「生理のような出血がありました」

といった相談が寄せられることも少なくありません。このようなケースでは、一般的に「安静にしてください」という指示が医師から出されることが多いです。しかし、実際には安静がどの程度有効なのか、以下でご説明します。

 

安静の効果を検証した研究の概要

信頼性の高いレビューで知られる「Cochrane Review」では、妊娠初期の出血が見られる場合の安静の効果についてメタアナリシスが行われています。2005年に発表されたこのレビューでは、流産のリスクがある妊娠において、安静がどのような影響を与えるのかを検討しました。

結果は以下の通りです

  • 安静群と非安静群の間で、流産率に有意差は認められませんでした。
  • また、入院しての安静と自宅での安静の間でも、流産率に差は見られませんでした。
  • さらに、安静にせずhCG注射を行った場合の方が、安静群よりも流産率が低かったという結果も報告されています。

これらの結果から、安静そのものが流産を防ぐ有効な手段ではないことが示唆されています。

流産と年齢、染色体異常の関係

流産は、妊娠22週未満(欧米では24週未満)に発生する妊娠の喪失であり、およそ10~15%の妊娠において見られます。その多くは胎児の染色体異常によるものであり、母体の年齢が上がるほど流産のリスクが高まります。例えば、35歳までの女性では、体外受精での流産率は17~20%ですが、40歳では35%、42歳では47%、そして45歳では65%に達します。これらは、卵子の老化が進むにつれて異常な受精卵が増加するためと考えられます。

心の安静の重要性

このように、妊娠初期の出血に対する「身体の安静」の効果は限定的であると考えられますが、一方で「心の安静」は非常に重要です。複数回の流産を経験した場合、染色体異常が原因であるケースが減少する傾向がありますが、流産回数が2~4回の場合は、依然として60%が染色体異常によるものです。医学的な原因を究明しつつも、「tender loving care」、すなわち心のケアが妊娠の継続に大きく寄与することが知られています。

過度な心配やストレスは、子宮内の血流を低下させ、胎児への影響を及ぼす可能性があります。妊娠中は、なるべく心配を避け、心を穏やかに保つことが大切です。しかし、心配すること自体を完全に避けるのは難しいことも理解しています。医療者としては、妊婦の方が安心できるような対応が求められています。

妊娠中の出血はすべてが危険なサインではない

人間と同じく、マウスなどでも妊娠初期に出血が見られることがあります。これは、胎盤が形成されているために起こる正常な現象であり、必ずしも流産のサインではありません。胎盤が子宮内膜に侵入していく過程で出血が起こることは自然なことであり、「胎盤が作られている証拠」と考えることができます。このような出血は、心配する必要がないことも多いのです。

妊娠中の出血に対して不安を感じることは当然ですが、必ずしもすべてが危険を意味するわけではないことを理解し、冷静に対処することが重要です。

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経血が少ない原因と対策②—腎虚タイプ

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