婦人科疾患
東洋医学からみる生理痛の原因
東洋医学からみる生理痛の原因 2012/9/5
東洋医学では、月経前痛、月経期間痛、月経後痛で原因が異なるため分けて考えます。
①月経前痛・・・・・・「気血凝滞」といい、気が滞り血行が悪くなるものとされ、その中で痛みより張りが強いものの主な原因は「気滞」、 張りより痛みが強いものは「血瘀」(血行の悪さにより気も滞る)に分けられます。
②月経期間痛・・・・血の塊が排出されると疼痛が緩和されるものは「気滞」が原因です。
③月経後痛・・・・・・「気血両虚」といい、必要な気血が足りていないことが原因です。
このように東洋医学ではまず、どのタイプの生理痛かを詳しく分類し、患者さまの症状にあった治療法を見つけていきます。
まだ他にも、痛みの種類や場所によりもっと詳しく分類できるのですが、それはまた次回とさせていただきます。
生理痛の原因
生理痛
女性の方なら、多かれ少なかれ生理痛に悩まされていると思います。
生理痛の症状として、月経前、月経中、月経後に下腹部痛や頭痛が起こり吐き気を伴う場合もあります。日常生活に支障をきたすほど重い状態を月経困難症と呼んでいます。
原因は大きく二つに分けられます。
①器質性月経困難症
子宮筋腫や子宮内膜症などの生殖器の明らかな異常があるために痛みを引き起こすケースです。特に子宮内膜症のほとんどは月経困難症を伴います。しかしこのタイプはあくまでも病気が生理痛を誘発するわけですから、病気が治れば生理痛も楽になります。子宮内膜症は妊娠、出産後に症状が軽くなる場合が多いです。
②機能性月経困難症
月経困難症の大半を占めており、病気などの身体的な原因が存在しないにもかかわらず症状が出るタイプです。原因は、月経のたびに分泌される子宮を収縮させる働きのあるプロスタグランジンが過剰に分泌され強い子宮の収縮が起こり痛みを引き起こします。また他に、子宮が未発達で子宮口が狭いために月経血が上手く排出しにくく、その際、子宮を強く収縮させて月経血を押し流すため痛みを引き起こすケースもあります。出産を経験することで産道が広がり痛みが改善されるともいわれています。