治療院ブログ

【胚移植後の食事】着床を助ける食べ物はある?控えたいものと栄養の考え方

 更新日:

「胚移植後、何を食べたらいいんだろう?」

「着床を助ける食べ物はあるの?」

「食べてはいけないものを食べてしまったら、着床に影響するのでは…」

胚移植後から判定日までの期間は、少しの食事や生活習慣も気になりやすい、とてもデリケートな時期です。

まず大切なのは、特定の食べ物だけで着床が決まるわけではないということです。

「これを食べれば必ず着床する」「これを食べたから着床しない」というものは、基本的にはありません。

一方で、妊娠初期の身体を支えるためには、栄養バランスを整え、過度な飲酒やカフェインの摂りすぎ、極端な食事制限を避けることは大切です。

この記事では、胚移植後に意識したい食事、着床期に大切にしたい栄養素、控えたいものについて、医学的に誤解のないように解説します。

この記事の要点まとめ
  • 胚移植後の食事は、特定の食べ物で着床を左右するものではなく、妊娠の可能性に備えて身体の土台を整えることが大切です。
  • 葉酸、鉄、ビタミンD、タンパク質、オメガ3脂肪酸などを、普段の食事の中でバランスよく摂ることを意識しましょう。
  • 魚、卵、大豆製品、野菜、きのこ、海藻、果物、全粒穀物などを組み合わせた食事がおすすめです。
  • アルコールは控え、カフェインは摂りすぎないように注意しましょう。
  • 冷たいものや甘いものを少し食べたからといって、すぐに着床へ悪影響が出るわけではありません。気にしすぎず、翌食から整えることが大切です。

体外受精・胚移植後に妊娠しやすい体をつくるための食事と栄養を紹介するイメージイラスト

胚移植後に意識したい栄養素

葉酸|妊娠前から妊娠初期に大切な栄養素

葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低減に関わる栄養素です。

妊娠を希望する時期から意識したい栄養素であり、食事だけでなく、必要に応じてサプリメントを活用することもあります。

葉酸を多く含む食品には、次のようなものがあります。

  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • 小松菜
  • 枝豆
  • アスパラガス
  • アボカド
  • いちご
  • 納豆

ただし、サプリメントを使用する場合は、飲み合わせや摂取量に注意が必要です。すでに治療中の方は、主治医の指示に合わせて取り入れましょう。

タンパク質|ホルモンや身体の材料になる

タンパク質は、筋肉、血液、ホルモン、酵素などの材料になる栄養素です。

胚移植後だからといって特別に大量に摂る必要はありませんが、食事量が少ない方、朝食を抜きがちな方は不足しやすい栄養素です。

おすすめの食品は以下です。

  • 鶏肉
  • 赤身肉
  • 豆腐
  • 納豆
  • 豆乳
  • ヨーグルト

毎食、手のひら1枚分くらいのタンパク質源を意識すると、無理なく整えやすくなります。

鉄|妊娠初期から意識したい栄養素

鉄は、血液をつくるために必要な栄養素です。

妊娠すると血液量が増えるため、妊娠前から鉄の状態を整えておくことは大切です。

鉄を含む食品には、次のようなものがあります。

  • 赤身肉
  • レバー
  • あさり
  • かつお
  • まぐろ
  • 小松菜
  • ほうれん草
  • 大豆製品

ただし、鉄サプリは胃腸症状が出る方もいます。貧血やフェリチン値が気になる場合は、自己判断で過剰に摂らず、医師に相談しましょう。

ビタミンD|妊活中に不足しやすい栄養素

ビタミンDは、骨の健康だけでなく、免疫や生殖機能との関連も研究されています。

体外受精や妊娠率との関連についても報告はありますが、現時点では「ビタミンDを摂れば着床率が必ず上がる」と断定できる段階ではありません。

それでも、不足しやすい栄養素であるため、妊活中は意識しておきたい栄養素のひとつです。

ビタミンDを含む食品には、次のようなものがあります。

  • さば
  • いわし
  • さんま
  • きのこ類
  • きくらげ
  • 干ししいたけ

日光を浴びることで体内でも作られますが、日焼け対策や室内生活が多い方は不足しやすいことがあります。気になる場合は血液検査で確認するのも良いでしょう。

オメガ3脂肪酸|魚から摂りたい良質な脂質

オメガ3脂肪酸は、青魚に多く含まれる脂質です。

炎症や血管機能との関連が研究されており、妊娠期の栄養としても大切です。

おすすめの食品は以下です。

  • さば
  • いわし
  • さんま
  • ぶり
  • 亜麻仁油
  • えごま油
  • くるみ

ただし、妊娠の可能性がある時期は、水銀を多く含む大型魚の摂りすぎには注意が必要です。魚は種類を偏らせず、いろいろな魚を取り入れるのがおすすめです。

迷ったら「地中海型食生活」を参考にする

胚移植後に「何を食べればいいか分からない」と迷う場合は、地中海型食生活を参考にすると分かりやすいです。

地中海型食生活は、以下のような食品を中心にした食事です。

  • 野菜
  • 果物
  • 魚介類
  • 豆類
  • 全粒穀物
  • ナッツ類
  • オリーブオイル
  • 適量の乳製品

体外受精やARTにおける食事パターンの研究では、地中海型食生活と妊娠・出産成績との関連が報告されています。

ただし、研究によって対象者や条件が異なるため、「地中海型にすれば必ず成功する」という意味ではありません

食事バランスを整える参考として、無理のない範囲で取り入れるのが良いでしょう。

日本の食事に置き換えるなら、次のようなイメージです。

  • 白米だけでなく、雑穀米や玄米も取り入れる
  • 魚を週に数回食べる
  • 野菜、きのこ、海藻を増やす
  • 揚げ物や加工食品を続けて食べすぎない
  • 甘い飲み物やお菓子を習慣化しない
  • オリーブオイル、えごま油、青魚など良質な脂質を意識する

無理に洋食へ変える必要はありません。和食をベースに、魚・野菜・豆類・発酵食品を増やすだけでも取り入れやすいです。

胚移植後に控えたいもの・注意したいもの

アルコール

胚移植後は妊娠している可能性がある時期です。

そのため、アルコールは控えるのが基本です。

妊娠中の飲酒は胎児への影響があるため、妊娠の可能性がある時期から避けておくと安心です。

カフェインの摂りすぎ

カフェインは、完全にゼロにしなければいけないわけではありません。

ただし、摂りすぎには注意が必要です。

目安としては、コーヒーなら1日1杯程度にしておくと安心です。

紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートにもカフェインが含まれるため、合計量で考えましょう。

生もの・食中毒リスクのある食品

胚移植後は、妊娠している可能性がある時期として考えると安心です。

そのため、以下のような食品は注意しましょう。

  • 生肉
  • 加熱不十分な卵
  • 加熱不十分な魚介類
  • 加熱殺菌されていない乳製品
  • 長時間常温で置いた食品

「絶対にすべて避けなければいけない」と過度に不安になる必要はありませんが、食中毒を避けるために、加熱・保存・衛生管理を意識しましょう。

甘いもの・脂っこいものの摂りすぎ

胚移植後に甘いものを食べたからといって、それだけで着床に悪影響が出るわけではありません。

ただし、菓子パン、スイーツ、清涼飲料水、揚げ物、スナック菓子などが続くと、血糖の乱れや栄養バランスの偏りにつながりやすくなります。

食べてはいけないのではなく、毎日の中心にしないことが大切です。

冷たいものの摂りすぎ

「冷たいものを食べたら着床しない」という医学的根拠はありません。

ただし、冷たい飲み物やアイスを摂りすぎると、胃腸が冷えてお腹の不調につながる方もいます。

東洋医学では、胃腸の働きや巡りを整えることを大切に考えます。

胚移植後は、温かい味噌汁、スープ、煮物、おかゆ、温かいお茶など、身体がほっとする食事を選ぶのも良いでしょう。

水分は「多ければ多いほど良い」わけではない

胚移植後は、水分をしっかり摂った方が良いと聞くことがあります。

もちろん脱水は良くありませんが、必要以上に水を大量に飲む必要はありません。

水分は、喉の渇き、尿の色、汗の量、食事内容に合わせて調整しましょう。

水だけでなく、以下のようなものも水分補給に含まれます。

  • 味噌汁
  • スープ
  • 白湯
  • 麦茶
  • ノンカフェインのお茶

むくみや腎臓病、心疾患、高血圧などがある方は、水分や塩分の摂り方について医師の指示を優先してください。

持病がある方は自己判断で食事制限をしない

胚移植後は、妊娠の可能性がある時期です。

持病がある方は、インターネットの情報だけで食事を大きく変えるのではなく、主治医や管理栄養士に相談しましょう。

特に注意したいのは、以下のようなケースです。

  • 糖尿病、血糖値が高い
  • 甲状腺機能の異常がある
  • 高血圧がある
  • 腎臓病がある
  • 貧血が強い
  • サプリメントを複数飲んでいる
  • 不妊治療の薬を使用している

たとえば、甲状腺疾患がある方はヨウ素の摂りすぎ、貧血がある方は鉄の摂り方、糖尿病がある方は糖質の摂り方に注意が必要です。

胚移植後の食事で大切にしたい考え方

胚移植後は、どうしても「何か悪いことをしたら着床しないのでは」と不安になりやすい時期です。

でも、食事は結果をコントロールするためのものではありません。

食事は、今の身体を支え、妊娠が成立したときに備えるための土台づくりです。

完璧な食事を目指す必要はありません。

大切なのは、次のようなことです。

  • 欠食しない
  • タンパク質を毎食意識する
  • 野菜、きのこ、海藻を増やす
  • 魚や大豆製品を取り入れる
  • アルコールは控える
  • カフェインは摂りすぎない
  • 甘いものや脂っこいものを続けすぎない
  • 温かく消化にやさしい食事を選ぶ
  • 食事を気にしすぎてストレスにしない

「今日少し甘いものを食べてしまった」

「外食になってしまった」

「コーヒーを1杯飲んでしまった」

その程度で、すぐに着床が悪くなるわけではありません。

翌食から整えれば大丈夫です。

まとめ|胚移植後の食事は“完璧”より“安心して続けられること”が大切

胚移植後の食事では、「着床を助ける特別な食べ物」を探したくなる方が多いと思います。

しかし、特定の食べ物だけで着床が決まるわけではありません。

大切なのは、葉酸、鉄、ビタミンD、タンパク質、オメガ3脂肪酸などを意識しながら、身体全体の栄養バランスを整えることです。

地中海型食生活のように、魚、野菜、果物、豆類、全粒穀物、良質な油を取り入れる食事は、妊活中の食事の参考になります。

一方で、アルコールは控え、カフェインは摂りすぎないようにしましょう。

冷たいものや甘いもの、脂っこいものも「絶対にダメ」と考えるのではなく、続きすぎないように整えることが大切です。

胚移植後は、心も身体も緊張しやすい時期です。

食事を不安の原因にするのではなく、身体をいたわる時間として、できる範囲で整えていきましょう。

よくあるご質問(FAQ)

胚移植後に食べると着床しやすくなる食べ物はありますか?

「これを食べれば着床しやすくなる」と断定できる食べ物はありません。着床には、胚の状態、子宮内膜、ホルモン環境、年齢、治療内容などさまざまな要素が関わります。ただし、妊娠の可能性に備えて、葉酸・鉄・ビタミンD・タンパク質などを意識した食事で身体の栄養状態を整えることは大切です。

胚移植後に食べてはいけないものはありますか?

基本的に、少量食べたからといってすぐに着床へ悪影響が出る食べ物は多くありません。ただし、妊娠している可能性がある時期として、アルコールは控えましょう。また、生肉、加熱不十分な卵や魚介類、加熱殺菌されていない乳製品など、食中毒リスクのある食品には注意が必要です。

胚移植後にコーヒーを飲んでも大丈夫ですか?

コーヒーを完全にやめなければいけないわけではありません。ただし、カフェインの摂りすぎには注意が必要です。目安としては、コーヒーなら1日1杯程度にしておくと安心です。紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンクにもカフェインが含まれるため、合計量で考えるようにしましょう。

胚移植後は冷たい飲み物を避けた方がいいですか?

冷たい飲み物を飲んだからといって、それだけで着床しなくなるわけではありません。ただし、冷たいものを摂りすぎると胃腸の不調や冷えを感じる方もいます。胚移植後は身体が緊張しやすい時期でもあるため、白湯、温かいお茶、味噌汁、スープなど、身体がほっとするものを選ぶのも良いでしょう。

胚移植後に甘いものを食べてしまいました。大丈夫ですか?

少し甘いものを食べたからといって、すぐに着床へ影響するわけではありません。大切なのは、甘いものや脂っこいものが毎日の中心にならないようにすることです。「食べてしまった」と不安になりすぎず、次の食事で野菜、タンパク質、温かい汁物などを意識して整えましょう。

📝こちらの記事もおすすめです

  • 胚移植後の朝ごはんは何を食べる?判定日までの栄養バランスと簡単メニュー
    ➤ 胚移植後の食事について知ったあとに、「では明日の朝は何を食べればいいの?」と感じる方におすすめの記事です。卵・魚・納豆・味噌汁など、朝食で取り入れやすい食材を中心に、葉酸・鉄・ビタミンD・タンパク質を無理なく摂る方法を紹介しています。判定日まで、食事を不安にしすぎず整えたい方に読みやすい内容です。
  • 胚移植後の外食・コンビニ食は大丈夫?選び方と避けたいメニューを解説
    ➤ 胚移植後は「自炊できない日はどうすればいい?」「コンビニ食は着床に悪いの?」と不安になりやすい時期です。この記事では、外食やコンビニを避けるのではなく、選び方を工夫して栄養バランスを整える考え方を解説しています。仕事や通院で忙しい方、完璧な食事を続けるのが難しい方におすすめです。
  • 胚移植後に便秘になりやすいのはなぜ?食事・水分・腸内環境の整え方
    ➤ 胚移植後はホルモン剤の影響や活動量の低下、緊張などで便秘やお腹の張りを感じる方もいます。「いきんでも大丈夫?」「便秘は着床に悪い?」と不安になりやすい方に向けて、食物繊維・発酵食品・水分・温かい食事など、無理なくできる整え方を紹介しています。胃腸の働きや身体の巡りが気になる方にもおすすめです。

📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

胚移植後の不安を、ひとりで抱え込まないために

胚移植後は、食事や過ごし方のひとつひとつが気になり、「これで大丈夫かな」と不安になりやすい時期です。

食事だけで着床が決まるわけではありませんが、身体の冷えや胃腸の働き、睡眠、ストレスの状態は、妊娠を目指す身体づくりと深く関わっています。

宇都宮鍼灸良導絡院では、東洋医学の視点からお一人おひとりの体質を確認し、胚移植後の大切な時期をできるだけ穏やかに過ごせるよう、鍼灸で身体の巡りや自律神経のバランスを整えるサポートを行っています。

「移植後の過ごし方が不安」「食事や冷え対策について相談したい」「判定日まで少しでも心身を整えて過ごしたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください🍀

24時間予約受付中

このページのトップへ