
45歳からの不妊治療~妊娠率の現実と、それでもできること~
「45歳ですが、不妊治療や不妊鍼灸を受けることはできますか?」
当院では、このようなご相談をいただくことがあります。
45歳前後で妊活を続けている方の多くは、「もう遅いのではないか」「不妊治療をしても妊娠できる可能性はあるのか」「年齢を理由に、クリニックや鍼灸院で断られた」といった不安を抱えておられます。
たしかに、45歳からの不妊治療では、妊娠率・出産率が大きく下がるという現実があります。日本生殖医学会でも、女性は35歳を過ぎると妊娠率が低下し、40歳以上ではその傾向がより顕著になると説明されています。
しかし、妊娠率が低いことと、「何もできない」ということは同じではありません。
この記事では、45歳から不妊治療を考えている方に向けて、妊娠率の現実、年齢によって妊娠が難しくなる理由、そして当院でできるサポートについて、できるだけわかりやすくお伝えします。
- 45歳からの不妊治療では、妊娠率・出産率が低下し、流産率が高くなる傾向があります。
- 妊娠率が低いことは事実ですが、「45歳だから絶対に妊娠できない」という意味ではありません。
- 年齢とともに卵子の数や質が変化し、採卵数・胚の発育・着床・妊娠継続に影響が出やすくなります。
- 45歳からの妊活では、まず不妊専門クリニックで現在の状態を確認し、治療方針を早めに整理することが大切です。
- 不妊鍼灸は妊娠を保証するものではありませんが、冷え・血流・自律神経・睡眠・ストレスなどを整え、治療に向き合う身体づくりをサポートします。


目次
45歳の不妊治療では妊娠率はどのくらい?
まず知っておきたいのは、45歳での妊娠率は、20代・30代と比べると大きく低下するということです。
日本産科婦人科学会のARTデータブック2023をもとにした解説では、45歳のART成績について、総治療あたりの妊娠率は約4.2%、胚移植あたりの妊娠率は約11.4%、妊娠した場合の流産率は約55.2%と紹介されています。
つまり、45歳で自分の卵子を用いて体外受精や顕微授精を行う場合、妊娠に至る可能性はゼロではありませんが、統計的にはかなり厳しい数字になります。
ただし、ここで大切なのは、統計はあくまで「集団全体の平均」であり、目の前の一人ひとりの結果を決めつけるものではないということです。
なぜ45歳を過ぎると妊娠率が下がるのか
年齢とともに妊娠率が下がる大きな理由は、卵子の数と質の変化にあります。
女性は生まれた時点で卵子のもとになる細胞の数が決まっており、年齢とともに卵巣予備能は低下していきます。また、卵子の質も加齢の影響を受けやすくなります。
ASRMでは、女性の年齢は妊娠・出産に大きく関わる要因であり、卵子の数と質は年齢とともに低下し、特に30代半ば以降にその低下が進みやすいと説明されています。
また、加齢により卵子の染色体分配エラーが起こりやすくなり、受精卵の染色体異常、流産、胎児の染色体異常につながる可能性が高まることも、日本生殖医学会で説明されています。
そのため、45歳前後では、次のような課題が出やすくなります。
- 卵胞が育ちにくい
- 採卵できる卵子の数が少ない
- 受精しても胚盤胞まで育ちにくい
- 移植しても着床しにくい
- 妊娠しても流産率が高くなる
これはとても厳しい現実ですが、決して「本人の努力不足」ではありません。年齢に伴う生殖機能の変化は、誰にでも起こりうる自然な変化です。
「45歳だから断られた」と感じる方へ
45歳前後で妊活をしている方の中には、クリニックや鍼灸院で「年齢的に難しいです」「妊娠率がかなり低いです」「治療をしても結果につながりにくいかもしれません」と言われ、深く傷ついた経験をお持ちの方もいらっしゃいます。
医療機関や施術院が慎重な説明をする背景には、妊娠率の低下、流産率の上昇、治療にかかる身体的・精神的・経済的負担があります。
CDCも、ARTの成功率は年齢、不妊原因、過去の妊娠歴、治療内容などによって変わり、平均的な成功率がそのまま個人の結果を示すわけではないと説明しています。
つまり、「年齢的に難しい」と言われることは、必ずしも「あなたには可能性がない」という意味ではありません。
大切なのは、厳しい現実を知ったうえで、今の自分にとって何ができるのかを整理することです。
45歳からの不妊治療で大切な考え方
45歳からの不妊治療では、「いつか自然に授かれたら」という考え方だけでは、時間的に選択肢が狭くなってしまうことがあります。
そのため、まずは不妊専門クリニックで、現在の身体の状態を確認することが大切です。
確認しておきたい項目としては、次のようなものがあります。
- AMHなどの卵巣予備能
- FSH・LH・E2などのホルモン値
- 子宮内膜の状態
- 子宮筋腫・内膜症・ポリープの有無
- 精液検査
- 過去の採卵・受精・胚発育・移植結果
45歳からの妊活では、「何となく続ける」のではなく、検査結果や治療歴をもとに、できるだけ効率よく進めることが重要です。
また、体外受精や顕微授精を行う場合でも、採卵方法、刺激方法、移植のタイミング、胚の状態、子宮内膜の状態など、検討すべきポイントは多くあります。
当院では、必要に応じて不妊専門クリニックでの検査や治療をおすすめしながら、鍼灸で身体づくりをサポートしています。
不妊鍼灸でできること・できないこと
ここで誤解のないようにお伝えしたいのは、不妊鍼灸は「妊娠を保証する治療」ではないということです。
鍼灸を受けたから卵子が若返る、染色体異常がなくなる、必ず妊娠できる、というものではありません。
ASRMも、生活習慣を整えることは全身の健康に役立つ一方で、年齢による卵子の自然な変化そのものを止めたり、逆転させたりすることはできないと説明しています。
一方で、妊娠を目指すうえで、身体の状態を整えることには意味があります。
鍼灸では、冷え、血流、自律神経の乱れ、睡眠の質、身体の緊張、胃腸の働き、ストレス状態などを確認しながら、妊活を続けるための土台づくりを行います。
特に45歳前後の妊活では、治療そのものの負担も大きくなりやすいため、身体と心をできるだけよい状態に保ちながら治療に向き合うことが大切です。
当院でのサポート例
当院では、45歳以上で妊活を続けている方からご相談をいただくことがあります。
たとえば、次のようなお悩みです。
- 年齢を理由に不妊治療に前向きになれない
- 他院で難しいと言われた
- 体外受精と並行して、できることを増やしたい
- 採卵や移植に向けて身体を整えたい
当院では、年齢だけを理由に施術をお断りするのではなく、まず現在の状況を丁寧にお聞きします。
そのうえで、必要に応じて不妊専門クリニックでの検査や治療をおすすめし、クリニックでの治療と並行しながら鍼灸による体づくりを行います。
実際に、45歳というご年齢で不妊治療と鍼灸を併用され、妊娠・出産に至った方もいらっしゃいます。
ただし、これはあくまで一例であり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
大切なのは、「うまくいった例があるから大丈夫」と安易に考えることではなく、現実的な妊娠率を理解したうえで、自分にできることを一つずつ整理していくことです。
45歳から妊娠を目指す方に意識してほしいこと
45歳からの妊活では、時間を大切に使うことがとても重要です。
まずは、現在通院しているクリニックで治療方針を確認し、必要であればセカンドオピニオンを検討することも選択肢の一つです。
また、鍼灸を併用する場合は、採卵周期、移植周期、月経周期、体調、睡眠、冷え、ストレスなどをふまえて、無理のないペースで身体を整えていくことが大切です。
特に意識したいのは、次のような点です。
- 不妊専門クリニックで現在の状態を把握する
- 体外受精・顕微授精の治療方針を早めに相談する
- 睡眠・食事・血流・冷え・ストレスを整える
- 採卵や移植の時期に合わせて身体を整える
- 一人で抱え込まず、相談できる場所を持つ
45歳からの妊活は、数字だけを見ると不安が大きくなりやすいです。
だからこそ、正しい情報を知り、必要な検査を受け、今できることを一つずつ進めることが大切です。
統計は「可能性を否定するもの」ではなく「作戦を立てるためのもの」
45歳の妊娠率は、決して高い数字ではありません。
しかし、統計はあなた個人に対する宣告ではありません。
統計は、今後の治療方針を考えるための大切な材料です。
たとえば、次のような判断をするために役立ちます。
- どのくらい急いだ方がよいのか
- どの治療を優先すべきか
- どこまで治療を続けるのか
- 身体づくりとして何を整えるのか
こうした判断をするために、現実の数字を知ることはとても重要です。
不安をあおるためではなく、後悔の少ない選択をするために、妊娠率や流産率を正しく知ることが大切です。
まとめ|45歳からでも、できることを整理して進める
45歳からの不妊治療では、妊娠率・出産率が低下し、流産率が高くなるという現実があります。
これは医学的にも明らかな傾向であり、決して軽く考えることはできません。
しかし、「45歳だから何もできない」というわけではありません。
大切なのは、年齢による変化を正しく理解したうえで、クリニックでの検査・治療、生活習慣の見直し、鍼灸による体づくりを、自分に合った形で進めていくことです。
当院では、45歳以上の方の妊活相談にも対応しています。
不妊治療と並行しながら、採卵や移植に向けた身体づくり、冷えや血流、自律神経、睡眠、ストレスのケアを行い、妊活を続ける方をサポートしています。
「もう遅いのでは」と一人で悩んでいる方も、まずは今の状況を整理するところから始めてみてください。
年齢だけで可能性を決めつけるのではなく、現実を見ながら、できることを一緒に考えていきましょう。
45歳でも不妊治療で妊娠できる可能性はありますか?
45歳での妊娠率は、30代と比べると大きく低下します。特に自分の卵子を用いた体外受精や顕微授精では、妊娠率・出産率が低く、流産率も高くなる傾向があります。
ただし、妊娠率が低いことと、可能性がまったくないことは同じではありません。年齢だけで決めつけず、まずは不妊専門クリニックで現在の卵巣機能や子宮の状態、治療方針を確認することが大切です。
45歳から自然妊娠を目指すことはできますか?
45歳以降の自然妊娠は、一般的にはかなり確率が低くなります。卵子の数や質の変化により、排卵していても妊娠に至りにくくなったり、妊娠しても流産の可能性が高くなったりします。
自然妊娠を希望される場合でも、時間を大切にするために、まずは不妊専門クリニックで検査を受け、現在の状態を把握したうえで進めることをおすすめします。
45歳で体外受精をする場合、何を確認しておくべきですか?
45歳で体外受精を検討する場合は、AMHなどの卵巣予備能、ホルモン値、これまでの採卵数、受精率、胚盤胞到達率、移植結果、子宮内膜の状態などを確認しておくことが大切です。
また、治療をどのくらい続けるのか、採卵を優先するのか、移植のタイミングをどうするのかなど、主治医と早めに方針を相談しておくと、後悔の少ない選択につながりやすくなります。
45歳で不妊鍼灸を受ける意味はありますか?
不妊鍼灸は、妊娠を保証するものではありません。また、年齢による卵子の変化を止めたり、卵子を若返らせたりする治療でもありません。
一方で、冷え、血流、自律神経の乱れ、睡眠の質、ストレス、胃腸の働きなどを整えることで、不妊治療に向き合う身体づくりをサポートすることはできます。特に45歳前後では、治療の負担が大きくなりやすいため、身体と心を整えながら進めることが大切です。
45歳で妊活を続けるか迷っています。どう考えればよいですか?
45歳からの妊活では、妊娠率の低下や流産率の上昇という現実があるため、不安になるのは自然なことです。
大切なのは、数字だけで自分を責めたり、逆に現実を見ないまま続けたりすることではありません。検査結果や治療歴をもとに、主治医と相談しながら、どこまで治療を続けるのか、どの方法を選ぶのかを整理していくことが大切です。
一人で抱え込まず、医療機関や相談できる場所を活用しながら、自分にとって納得できる選択を考えていきましょう。
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📚参考文献
- 日本生殖医学会|女性の加齢と不妊症について
- 日本生殖医学会|加齢と卵子の質・染色体異常について
- 日本生殖医学会|女性の加齢と流産について
- CDC|ART Success Rates
- ASRM ReproductiveFacts|Does my age affect my fertility?
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
45歳からの妊活でお悩みの方へ
45歳からの不妊治療は、妊娠率や流産率の数字を見るほど、不安が大きくなりやすいものです。
しかし、年齢だけで「もう無理」と決めつける必要はありません。大切なのは、今の身体の状態を知り、クリニックでの治療方針を確認しながら、できることを一つずつ整理していくことです。
宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療と並行しながら、採卵や移植に向けた身体づくりをサポートしています。冷え・血流・自律神経・睡眠・ストレスなどを丁寧に確認し、お一人おひとりの状況に合わせた施術を行います。
「45歳でも鍼灸を受けられるのかな」「今からできることを相談したい」と感じている方は、まずはお気軽にご相談ください。
不安を一人で抱え込まず、今の状況に合わせて、できることを一緒に考えていきましょう🍀







