
妊活中の運動は何がおすすめ?ウォーキングの目安とやりすぎに注意したい理由
妊活中は、食事や睡眠だけでなく、適度な運動も身体づくりの大切な要素です。
ただ、「妊活中に運動しても大丈夫?」「どれくらい歩けばいいの?」「激しい運動は妊娠に悪いの?」と不安になる方も少なくありません。
結論からいうと、妊活中の運動は、無理のない範囲で続けられる軽〜中等度の運動がおすすめです。特にウォーキングやストレッチ、ヨガなどは取り入れやすく、血流や自律神経、ストレスケアの面でも役立ちます。
一方で、疲れが残るほどの運動や、急に強度を上げる運動は、かえって身体の負担になることもあります。妊活中は「頑張りすぎる運動」よりも、心地よく続けられる運動習慣を目指しましょう。
- 妊活中の運動は、血流・代謝・ストレスケアを支える大切な生活習慣のひとつです。
- おすすめは、ウォーキング・ストレッチ・ヨガ・軽い筋トレなど、無理なく続けられる運動です。
- 運動量の目安は、週3〜5回、1回20〜30分程度から始め、慣れてきたら少しずつ増やすとよいでしょう。
- 強度は「息が少し弾むけれど会話はできる」くらいが目安です。
- 疲労が強く残る運動や急な長距離ランニングなどは、妊活中の身体に負担となることがあります。
- 不妊治療中、とくに採卵前後・胚移植後・卵巣が腫れている時期は、医師の指示に合わせて運動量を調整しましょう。


目次
妊活中に運動が大切といわれる理由
妊活中の運動は、「運動すれば妊娠率が必ず上がる」という単純なものではありません。
しかし、適度に身体を動かすことは、妊娠を目指すうえで土台となる健康状態を整えるサポートになります。
血流を促し、冷えやこわばりのケアにつながる
ウォーキングやストレッチなどで身体を動かすと、全身の血流が促されます。
妊活中は、子宮や卵巣だけに意識が向きがちですが、実際には全身の代謝や血流、自律神経の働きが関係しています。
特に、長時間座りっぱなしの生活が多い方は、下半身の巡りが滞りやすくなります。まずは「少し歩く」「階段を使う」「こまめに立つ」など、日常の中で身体を動かす時間を増やすことから始めるとよいでしょう。
厚生労働省の身体活動・運動ガイドでも、成人では歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが推奨されています。
体重管理や代謝のサポートになる
妊活中は、体重が多すぎても少なすぎても、排卵や月経周期に影響することがあります。
適度な運動は、体重管理、血糖コントロール、筋肉量の維持に役立ちます。特にPCOS、多嚢胞性卵巣症候群の方では、生活習慣の見直しが排卵や月経周期の改善につながる場合があります。
ただし、体重を減らすことだけを目的にして、極端な食事制限や激しい運動を行うのはおすすめできません。妊活中は「痩せるため」よりも、身体のコンディションを整えるための運動として考えることが大切です。
ストレスケアや睡眠の質にも関係する
妊活中は、通院、検査、排卵日、判定日など、気持ちが張りつめやすい場面が多くあります。
適度な運動には、気分転換やストレス軽減、睡眠の質を整える効果が期待できます。特にウォーキングは、運動が苦手な方でも始めやすく、外の空気を吸いながら歩くことで気持ちの切り替えにもつながります。
「妊娠のために頑張らなきゃ」と気負いすぎるよりも、まずは自分の心と身体を整える時間として取り入れてみましょう。
妊活中の運動はどれくらいが目安?
妊活中の運動量の目安としては、まずは以下を意識するとよいでしょう。
- 週3〜5回
- 1回20〜30分程度から
- 慣れてきたら30〜60分程度
- 強度は「息が少し弾むけれど会話はできる」くらい
世界保健機関、WHOは成人に対して、週150〜300分の中等度の身体活動、または週75〜150分の高強度の身体活動を推奨しています。
ただし、妊活中の方が最初からこの量を完璧に目指す必要はありません。
運動習慣がない方は、まずは10分の散歩からでも十分です。大切なのは、急に頑張ることではなく、続けられる範囲で少しずつ増やしていくことです。
妊活中におすすめの運動
ウォーキング
妊活中にもっとも取り入れやすい運動のひとつがウォーキングです。
特別な道具がいらず、体力に合わせて時間や距離を調整しやすいことがメリットです。
目安としては、最初は1日10〜20分から始め、慣れてきたら30分程度を目指すとよいでしょう。少し息が弾むくらいのペースで、無理なく歩ける速さがおすすめです。
「毎日やらなきゃ」と考えると負担になるため、まずは週3回程度から始めてみてください。
ヨガ
ヨガは、身体を動かすだけでなく、呼吸を整えたり、緊張をゆるめたりする点でも妊活中に取り入れやすい運動です。
骨盤まわりや股関節まわりのこわばりをやわらげたい方、ストレスを感じやすい方にも向いています。
ただし、強いねじりや腹部を圧迫するポーズ、ホットヨガのように高温環境で行うものは、体調によって負担になることがあります。妊活中や不妊治療中の場合は、無理のないクラスや妊活向けの内容を選ぶと安心です。
ストレッチ
ストレッチは、運動が苦手な方でも始めやすい方法です。
特に、股関節、太もも、ふくらはぎ、背中、肩まわりをゆるめることで、血流や姿勢の改善につながります。
朝起きたとき、入浴後、寝る前など、短時間でも続けやすいタイミングに取り入れるのがおすすめです。
軽い筋トレ
筋肉量が少ないと、冷えや代謝の低下につながることがあります。
スクワット、かかと上げ、壁を使った腕立て、軽い体幹トレーニングなど、自宅でできる軽い筋トレも妊活中の身体づくりに役立ちます。
成人では、有酸素運動に加えて週2日程度の筋力トレーニングも推奨されています。
ただし、息を止めて強く力むような筋トレや、翌日まで強い疲労が残るトレーニングは避け、軽めから始めましょう。
スイミング
スイミングは全身運動として優れていますが、妊活中は「冷え」に注意が必要です。
水温が低いプールに長時間入ると、身体が冷えやすくなることがあります。温水プールを選ぶ、泳いだ後はすぐに身体を温める、長時間入りすぎないなどの工夫をしましょう。
妊活中に避けたい運動・注意したい運動
妊活中だからといって、すべての運動を制限する必要はありません。
ただし、以下のような運動は注意が必要です。
- 疲労が強く残るほどのハードな運動
- 急に始める長距離ランニング
- 極端な減量目的の運動
- 高温環境で長時間行う運動
- 睡眠不足や体調不良の中で無理に行う運動
- 採卵前後や移植後など、医師から制限を受けている時期の運動
身体活動と妊孕性の関係についてはさまざまな報告がありますが、運動の影響は体格、運動強度、既往歴、不妊原因などによって異なります。そのため、単純に「運動すれば妊娠しやすくなる」とは言い切れません。
妊活中は、運動量を増やすことよりも、自分の体調に合った運動を継続することが大切です。
不妊治療中の運動はどう考える?
不妊治療中は、治療の段階によって運動の注意点が変わります。
特に、排卵誘発中、採卵前後、胚移植後、卵巣が腫れているといわれた時期などは、激しい運動を控えるよう指示されることがあります。
自己判断で運動量を増やすよりも、治療中の方は主治医に確認しておくと安心です。
ウォーキング程度であっても、腹痛、出血、強いだるさ、めまいなどがある場合は無理をせず休みましょう。
運動と酸化ストレスの関係
妊活中は「酸化ストレス」や「抗酸化」という言葉を聞くこともあると思います。
適度な運動は、体内の抗酸化システムを整える働きがあると考えられています。一方で、過度な運動は活性酸素の産生を増やし、酸化ストレスにつながる可能性があります。
つまり、妊活中の運動は「多ければ多いほどよい」のではなく、適度な刺激として取り入れることが大切です。
抗酸化を意識する場合は、運動だけでなく、食事から以下のような栄養素をバランスよく摂ることも意識しましょう。
- ビタミンC
- ビタミンE
- βカロテン
- リコピン
- ポリフェノール
- コエンザイムQ10
- たんぱく質
- 鉄
- 亜鉛
ただし、サプリメントを自己判断で多量に摂る必要はありません。まずは食事全体のバランスを整えることが基本です。
妊活中の運動は「頑張る」より「整える」意識で
妊活中の運動は、妊娠率を直接上げる魔法の方法ではありません。
しかし、血流、代謝、体重管理、ストレスケア、睡眠の質など、妊娠を目指す身体づくりの土台を支える大切な習慣です。
特におすすめなのは、ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、軽い筋トレなど、無理なく続けられる運動です。
運動が苦手な方は、まずは10分歩くことからで大丈夫です。
「運動しなければ」とプレッシャーに感じるのではなく、自分の身体を整える時間として、できることから始めてみましょう。
不妊治療中の方や、体調に不安がある方は、必ず医師や専門家に相談しながら、ご自身に合った運動量を見つけてください。
妊活中に運動しても大丈夫ですか?
基本的には、体調に問題がなければ、妊活中に適度な運動を取り入れても大丈夫です。ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽〜中等度の運動は、血流や代謝、ストレスケアの面で身体づくりをサポートします。ただし、体調が悪い日や不妊治療中で医師から制限を受けている時期は、無理をせず休むことも大切です。
妊活中の運動はどれくらいが目安ですか?
まずは週3〜5回、1回20〜30分程度から始めるとよいでしょう。運動に慣れていない方は、1日10分の散歩からでも十分です。強度は「息が少し弾むけれど会話はできる」くらいが目安です。最初から完璧を目指すよりも、無理なく続けられることを優先しましょう。
妊活中はウォーキングだけでも効果がありますか?
ウォーキングだけでも、妊活中の身体づくりには十分役立ちます。歩くことで全身の血流が促され、気分転換やストレスケアにもつながります。特別な運動を始めるのが不安な方は、まずウォーキングから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、ストレッチや軽い筋トレを少しずつ組み合わせてもよいでしょう。
妊活中に避けた方がよい運動はありますか?
疲労が強く残るほどの激しい運動、急に始める長距離ランニング、極端な減量目的の運動、高温環境で長時間行う運動などは注意が必要です。運動そのものが悪いわけではありませんが、妊活中は身体への負担が大きくなりすぎないことが大切です。運動後に強い疲れやだるさが残る場合は、量や強度を見直しましょう。
胚移植後や採卵後も運動していいですか?
胚移植後や採卵後の運動については、治療内容や体調によって注意点が変わります。特に採卵前後や卵巣が腫れている時期は、激しい運動を控えるよう指示されることがあります。ウォーキング程度でも、腹痛・出血・強いだるさ・めまいなどがある場合は無理をせず、主治医に確認しましょう。
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📚参考文献
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」
- World Health Organization “Physical activity”
- Bull FC, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour.
- CDC “Adult Activity: An Overview”
- Mussawar M, et al. The effect of physical activity on fertility: a mini-review.
- Fertility Society of Australia. The role of exercise in improving fertility, quality of life and emotional wellbeing.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
妊活中の運動や体質づくりに不安がある方へ
妊活中の運動は、ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられるものから始めることが大切です。
一方で、「自分の体力だとどれくらい動いていいのか分からない」「冷えや疲れやすさがあり、運動を続けにくい」「不妊治療中で身体づくりも見直したい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
東洋医学では、運動だけでなく、冷え・血流・胃腸の働き・睡眠・ストレスなどを含めて、妊娠を目指す身体の土台を整えていくことを大切にします。
宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の方の体質や生活習慣、不妊治療の状況に合わせて、鍼灸による体質改善をサポートしています。
「運動を始めたいけれど不安がある」「妊活に向けて身体を整えたい」と感じている方は、無理のない方法を一緒に考えていきましょう🍀







