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父親が40歳・50歳だと自閉症リスクは上がる?発達障害との関係を研究から解説

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晩婚化やライフスタイルの多様化により、40代・50代で父親になる男性は珍しくなくなっています。

その一方で、妊活中のご夫婦からは、「夫が40代だけど、子どもの発達に影響はある?」「旦那が50歳だと、子どもの自閉症や発達障害のリスクは高くなる?」「父親の年齢は、どのくらい気にした方がいい?」といった不安の声を聞くことがあります。

近年の研究では、父親の年齢が高くなるほど、子どもの自閉症スペクトラム症(ASD)のリスクが上昇する傾向が報告されています。

ただし、「父親が40歳なら○%、50歳なら○%」と、すべてのご夫婦に共通する確率を示すことはできません。研究によって父親の年齢区分や対象となる集団、診断基準などが異なるためです。

また、ここでいう「リスクが上がる」というのは統計上の話であり、父親が高齢だからといって、子どもが必ず自閉症や発達障害になるという意味ではありません。

発達に関わる特性は父親の年齢だけで決まるものではなく、遺伝的要因をはじめ、さまざまな生物学的・環境的要因が複雑に関係すると考えられています。

この記事では、40代・50代の父親について研究でどの程度のリスク上昇が報告されているのか、数字の受け取り方や妊活中に知っておきたいことも含めて整理します。

この記事の要点まとめ
  • 父親の年齢が高くなると、子どもの自閉症スペクトラム症(ASD)のリスクが上昇する傾向が複数の研究で報告されています。
  • 2024年のメタ解析では、高年齢の父親群でASDのオッズが若い父親群より高いことが示されました。
  • 約577万人を対象とした大規模研究では、父親が20〜29歳の場合と比べ、50歳以上ではASDの相対リスクが1.66と報告されています。
  • 「1.66倍」は「66%の確率で自閉症になる」という意味ではありません。
  • 40歳や50歳を境に急にリスクが高くなるわけではなく、年齢とともに連続的に変化すると考える方が適切です。
  • 父親の年齢だけから「子どもに何らかの障害が起こる確率」をひとつの数字で示すことはできません。
  • 年齢だけで妊活を判断せず、必要に応じて不妊治療クリニックや産婦人科、遺伝カウンセリングなどで相談することが大切です。

父親の年齢と自閉症・発達障害リスクについて

父親が40歳・50歳の場合、自閉症リスクはどのくらい?

自閉症スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションや対人関係、行動や興味の特徴などがみられる神経発達症のひとつです。

父親の年齢と子どものASDとの関連については、これまで多くの疫学研究が行われています。

2024年に発表された41研究を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析では、父親の年齢が高い群では、若い父親の群と比較して子どものASDのオッズが高くなることが示されました。高年齢の父親群をまとめた調整オッズ比は1.51でした。

また、デンマーク、イスラエル、ノルウェー、スウェーデン、西オーストラリアの約577万人の子どもを対象とした大規模研究では、父親が20〜29歳の場合と比較して、父親が50歳以上の場合のASDの相対リスクは1.66と報告されています。

ただし、ここで注意したいのが「1.51倍」「1.66倍」という数字の受け取り方です。

1.66倍という数字は、「66%の確率で自閉症になる」という意味ではありません。父親が20〜29歳のグループと比較したときの、相対的なリスクを表しています。

また、研究によって「高齢父親」の年齢区分は異なります。40歳以上、45歳以上、50歳以上など基準が統一されているわけではありません。

そのため、「40歳になった途端に危険になる」という明確な境界があるというより、父親の年齢が上がるにつれてリスクが連続的に変化する可能性があると理解する方が適切です。

さらに、「子どもの障害」という言葉には、自閉症、知的障害、先天性疾患、染色体疾患などさまざまな状態が含まれます。

そのため、父親の年齢だけから「40歳なら子どもに障害が起こる確率は○%」「50歳なら○%」と、ひとつの数字で示すことはできません。

当院でお伝えしていること

妊活中の方から「夫が40代・50代ですが、年齢だけで諦めた方がいいのでしょうか」とご相談いただくことがあります。当院では、父親の年齢というひとつの数字だけを見て、妊活の可否を判断する必要はないとお伝えしています。

年齢そのものを変えることはできませんが、精液検査などで現在の状態を確認したり、喫煙、飲酒、睡眠、食生活、体重管理など、妊娠前に見直せることもあります。子どもの遺伝的なリスクや発達について個別に詳しく知りたい場合には、不妊治療クリニックや産婦人科、遺伝カウンセリングなど専門の医療機関で相談することが大切です。

自閉症以外の神経発達・精神疾患との関連は?

高齢の父親については、自閉症スペクトラム症だけでなく、統合失調症や一部の神経発達症などとの関連も研究されています。

2017年のレビューでは、高齢父親と子どもの神経発達症との関連について複数の疫学研究が整理され、自閉症や統合失調症などとの関連が報告されていることがまとめられています。

ただし、「父親の年齢が高いと発達障害全般が増える」と一括りにすることはできません。疾患によって研究結果や関連の強さが異なるためです。

また、自閉症や神経発達症は父親の年齢だけを原因として起こるものではありません。遺伝的な要因をはじめ、さまざまな生物学的・環境的要因が複雑に関係すると考えられています。

「父親が高齢だから子どもに必ず問題が起こる」「50歳で父親になるのは避けるべき」という単純な話ではありません。

年齢によるリスクについて正しく理解しながら、ご夫婦それぞれの健康状態や家族歴、不妊治療の状況なども含めて考えることが大切です。

なぜ父親の年齢が子どもの発達に関係する可能性があるのか

1. 精子に新しい遺伝子変異が生じやすくなる

男性の精子は、思春期以降も継続して作られています。

その過程で、精子のもとになる細胞は繰り返し分裂します。年齢を重ねるほど細胞分裂の回数が増えるため、DNAをコピーする過程で新しく生じる遺伝子変異、いわゆるde novo変異が増える傾向があります。

de novo変異とは、両親からそのまま受け継いだ変異ではなく、精子や卵子、あるいは受精後の早い段階で新しく生じた遺伝子変化のことです。

父親の年齢が高いほど、子どもにみられるde novo変異の数が増えることが知られており、神経発達との関連について研究されています。

ただし、父親の年齢と自閉症との関連を、de novo変異だけですべて説明できるわけではありません。研究では、父親年齢との疫学的な関連には、それ以外の遺伝的・生物学的・社会的要因なども関係している可能性が指摘されています。

2. エピジェネティックな変化が関係する可能性

もうひとつ研究されているのが、エピジェネティックな変化です。

エピジェネティックとは、DNAの配列そのものが変わるのではなく、遺伝子の働き方を調節する仕組みのことです。代表的なものにDNAメチル化があります。

加齢に伴って精子のDNAメチル化パターンなどに変化がみられることが報告されており、胚発生や子どもの神経発達との関連について研究が進められています。

ただし、この分野についてはまだ明らかになっていない部分も多く、「特定のエピジェネティックな変化があるから自閉症になる」と断定できるものではありません。

3. 父親の年齢だけでは説明できない要因もある

父親の年齢とASDとの関連が報告されていても、それがすべて年齢そのものの生物学的作用によるものとは限りません。

遺伝的背景、両親の年齢の組み合わせ、健康状態、家族歴など、複数の要因が関係する可能性があります。

そのため、父親の年齢だけを見て、個人の子どもの発達を予測することはできません。

「1.5倍」「1.6倍」はどう考える?相対リスクと絶対確率の違い

「旦那が50歳だと、子どもの障害の確率はかなり高くなるの?」と検索されている方は、大きな不安を感じているかもしれません。

研究結果を見るうえで重要なのが、相対リスクと絶対リスクを分けて考えることです。

たとえば、先ほど紹介した研究の「1.66倍」という数字は、父親が20〜29歳のグループと比較した相対的なリスクを表しています。

「1.66倍=66%の子どもが自閉症になる」という意味ではありません。

また、ASDの診断頻度は、国や年代、診断基準、調査方法などによっても異なります。

そのため、ひとつの研究で示された相対リスクだけを使って「50歳の父親なら、子どもが自閉症になる確率は○%」と個人の絶対的な確率を計算することはできません。

研究からは父親年齢とASDリスクとの関連が示されていますが、父親が40代・50代だから妊娠を諦めるべき、ということを意味するものではありません。

ご夫婦の年齢や家族歴、既往歴などを含めて個別のリスクが気になる場合には、不妊治療クリニック、産婦人科、遺伝カウンセリングなどで相談するとよいでしょう。

高齢で父親になる場合に意識したいこと

1. 年齢の数字だけで判断しない

父親の年齢と子どもの自閉症リスクとの関連は、複数の研究で報告されています。

一方で、「何歳以上なら危険」「何歳までなら安全」と明確に線を引けるものではありません。

年齢による統計的なリスクは知っておきながらも、それだけで妊娠や出産について判断しないことが大切です。

2. 妊娠前の健康状態や生活習慣を見直す

妊娠を考えている場合は、男女ともに妊娠前から健康状態を確認し、生活習慣を整えておくことが大切です。

禁煙、過度な飲酒を控える、睡眠時間を確保する、栄養バランスを意識する、適度に運動する、適正体重を意識するといった基本的な健康管理を行いましょう。

ただし、これらの生活習慣を整えることで、自閉症や発達障害のリスクを確実に下げられると証明されているわけではありません。

あくまで妊娠前の健康管理、いわゆるプレコンセプションケアの一環として考えることが大切です。

3. 男性側の状態が気になる場合は検査も検討する

父親の年齢が気になる場合でも、年齢だけから精子の状態を判断することはできません。

妊活中であれば、必要に応じて精液検査などを受け、現在の男性側の状態を確認することも選択肢のひとつです。

男性の年齢と妊娠率、精子の状態、不妊治療への影響については、関連記事の「男性の年齢は妊娠率に影響する?高齢父親と妊活で知っておきたいこと」でも詳しく解説しています。

4. 個別のリスクが心配なら専門機関で相談する

父親の年齢だけでなく、母親の年齢、妊娠歴、流産歴、既往歴、家族歴、不妊治療の状況などによって、必要な相談内容は変わります。

特に「家族に遺伝性疾患がある」「子どもの遺伝的なリスクを詳しく知りたい」といった場合は、産婦人科や不妊治療クリニック、遺伝カウンセリングなどで相談することをおすすめします。

まとめ

父親の年齢が高くなるほど、子どもの自閉症スペクトラム症(ASD)のリスクが上昇する傾向は、複数の研究で報告されています。

2024年のメタ解析では、高年齢の父親群でASDのオッズが高いことが示され、約577万人を対象とした別の大規模研究では、父親が20〜29歳の場合と比較して50歳以上ではASDの相対リスクが1.66と報告されています。

ただし、1.66倍という数字は「66%の確率で自閉症になる」という意味ではありません。

また、「40歳から危険」「50歳なら子どもに障害が起こる確率は○%」と一律に示すこともできません。

父親の年齢はあくまで関連する要因のひとつであり、それだけで子どもの発達が決まるわけではありません。

妊活では、年齢について正しい情報を知りながら、ご夫婦の健康状態や治療状況も含めて考え、必要に応じて医療機関などに相談することが大切です。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 父親の年齢が高いと、自閉症のリスクは本当に上がりますか?

はい。複数の疫学研究やメタ解析で、父親の年齢が高くなるほど、子どもの自閉症スペクトラム症(ASD)のリスクが上昇する傾向が報告されています。

ただし、これは統計的な関連を示したものであり、父親が高齢だからといって子どもが必ず自閉症になるという意味ではありません。

Q2. 旦那が50歳の場合、子どもの障害リスクはかなり高いのでしょうか?

父親が50歳以上の場合、若い父親と比べて子どもの自閉症スペクトラム症のリスクが高くなることは複数の研究で報告されています。

約577万人を対象とした大規模研究では、父親が20〜29歳の場合と比べて、50歳以上ではASDの相対リスクが1.66と報告されました。

ただし、1.66倍=66%の確率で自閉症になるという意味ではありません。

また、「何らかの障害が起こる確率」を父親の年齢だけからひとつの数字で計算することもできません。

年齢はリスクに関連する要因のひとつですが、それだけで子どもの発達が決まるわけではありません。家族歴なども含めて個別のリスクが気になる場合は、医療機関や遺伝カウンセリングで相談するとよいでしょう。

Q3. 父親は40歳を超えると急にリスクが高くなるのでしょうか?

「40歳から急に危険になる」という明確な境界が確認されているわけではありません。

研究によって「高齢父親」の定義は40歳以上、45歳以上、50歳以上など異なります。

そのため、父親の年齢が上がるにつれてリスクが連続的に変化していくと考える方が適切です。

40歳という数字だけで妊活の可否を判断するのではなく、ご夫婦それぞれの年齢や健康状態、家族歴、不妊治療の状況なども含めて考えることが大切です。

Q4. 自閉症や発達障害は父親の年齢が原因で起こるのでしょうか?

父親の年齢だけが原因というわけではありません。

自閉症スペクトラム症をはじめとする神経発達症には、遺伝的要因やさまざまな生物学的・環境的要因が複雑に関係すると考えられています。

父親の年齢は、その中で統計的な関連が報告されている要因のひとつです。

Q5. 高齢で父親になる場合、妊活前にできることはありますか?

妊娠前から健康状態を確認し、生活習慣を整えることは大切です。

禁煙、過度な飲酒を控える、睡眠を整える、栄養バランスを意識する、適度に運動する、体重管理を行うことなどが基本になります。

また、妊活中で男性側の状態が気になる場合は、必要に応じて精液検査などを受けることも検討できます。

ただし、これらによって自閉症や発達障害のリスクを確実に下げられると断定することはできません。子どもの遺伝的なリスクについて詳しく知りたい場合は、医療機関や遺伝カウンセリングなど専門機関へ相談してください。

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参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子 (うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から妊活中の体調管理をサポート。大学院研究員として研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。個別のリスクや治療方針については、医師などの専門家へご相談ください。

父親の年齢が気になる妊活中の方へ

父親の年齢と子どもの発達について調べていると、「自分たちの場合は大丈夫だろうか」と不安になることもあると思います。

父親の年齢はリスクに関連する要因のひとつですが、年齢だけで妊娠や子どもの発達が決まるわけではありません。また、父親の年齢や自閉症・発達障害のリスクそのものを、鍼灸によって下げられると断定することはできません。

一方で、妊活中には睡眠、ストレス、冷え、肩こりや腰痛など、日々の体調について悩まれている方も少なくありません。

大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療と並行しながら、妊活中のお身体の状態や生活習慣について一緒に整理し、その方に合わせた鍼灸施術を行っています。

子どもの遺伝的なリスクや発達について詳しく知りたい場合は、産婦人科や不妊治療クリニック、遺伝カウンセリングなどの専門機関へご相談ください。そのうえで、「妊活中の体調も整えておきたい」「治療と並行して身体のケアをしたい」という方は、お気軽にご相談ください🍀

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