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多嚢胞性卵巣症候群とは?症状と糖尿病リスクの関係

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月経不順が続いている、なかなか排卵しない、妊娠しづらい、ニキビや体重増加が気になる——。

このようなお悩みがある場合、原因のひとつとして考えられるのが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:Polycystic Ovary Syndrome)です。

PCOSは、排卵が起こりにくくなる代表的な内分泌疾患のひとつで、月経不順や不妊の原因になることがあります。また、ホルモンバランスだけでなく、血糖を調整するインスリンの働きとも関係しており、将来的な2型糖尿病リスクにも注意が必要とされています。

ただし、PCOSと診断されたからといって、必ず糖尿病になるわけではありません。大切なのは、体質を正しく理解し、必要な検査や生活習慣の見直しを早めに行うことです。

この記事の要点まとめ
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順や排卵障害、妊娠しづらさの原因になることがあります。
  • PCOSでは、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が関係している場合があります。
  • インスリン抵抗性があると、将来的に2型糖尿病のリスクが高まる可能性があるため、血糖管理にも注意が必要です。
  • PCOSと診断されたからといって、必ず糖尿病になるわけではありません。
  • 月経不順を放置せず、婦人科での検査や生活習慣の見直しを行うことが、妊活と将来の健康管理につながります。

多嚢胞性卵巣症候群のイメージ図と鍼灸での対応を表す図解

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣内に小さな卵胞が多くみられ、排卵がうまく起こりにくくなる状態を中心とした疾患です。

日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会の2024年の診断基準では、PCOSは「月経周期異常」「多嚢胞卵巣またはAMH高値」「アンドロゲン過剰症またはLH高値」の3つを満たし、似た病態を示す疾患を除外したうえで診断されます。

つまり、月経不順だけでPCOSと決まるわけではありません。超音波検査や血液検査を組み合わせて、ほかの病気が隠れていないかも確認しながら判断されます。

PCOSでみられやすい症状

PCOSでは、次のような症状がみられることがあります。

  • 月経周期が長い、月経がなかなか来ない
  • 排卵しにくい、または無排卵がある
  • 妊娠しづらい
  • ニキビや皮脂の増加
  • 口まわり、下腹部、背中などの多毛
  • 体重が増えやすい
  • お腹まわりに脂肪がつきやすい

ただし、すべての方に同じ症状が出るわけではありません。特に日本人では、欧米でよくみられる強い多毛や高度な肥満が目立たないケースもあります。

そのため、「太っていないからPCOSではない」と自己判断するのは避けたほうがよいでしょう。

月経不順が続く場合や、妊活中で排卵のタイミングがつかみにくい場合は、婦人科で相談することが大切です。

PCOSと糖尿病はどう関係している?

PCOSと糖尿病は、まったく同じ病気ではありません。しかし、両者のあいだにはインスリン抵抗性という共通点があります。

インスリンは、血液中の糖を細胞に取り込ませ、血糖値を調整するホルモンです。インスリン抵抗性とは、このインスリンの効きが悪くなっている状態をいいます。

インスリンの効きが悪くなると、体は血糖値を下げるためにより多くのインスリンを分泌しようとします。この状態が続くと、血糖値が上がりやすくなり、将来的に2型糖尿病のリスクが高まる可能性があります。

また、インスリン抵抗性は糖代謝だけでなく、卵巣のホルモン環境にも影響することがあります。インスリンが過剰に働くことで、男性ホルモンの産生が促され、排卵障害や月経不順につながる可能性があると考えられています。

肥満がなくても糖代謝には注意が必要

PCOSというと「肥満の人に多い」というイメージを持たれることがあります。確かに、体重増加や内臓脂肪はインスリン抵抗性を悪化させる要因になります。

しかし、PCOSは必ずしも肥満の方だけに起こるものではありません。やせ型や標準体重の方でも、PCOSによる月経不順や排卵障害がみられることがあります。

そのため、体重だけで安心するのではなく、必要に応じて血糖値、HbA1c、75g経口ブドウ糖負荷試験などで糖代謝を確認することが大切です。

PCOSの治療・改善で大切なこと

PCOSの治療は、症状や年齢、妊娠希望の有無によって変わります。

妊娠を希望している場合は、排卵を整える治療が中心になることがあります。一方、すぐに妊娠を希望していない場合は、月経周期を整えたり、子宮内膜を守ったりする目的でホルモン療法が検討されることもあります。

代表的な対応としては、次のようなものがあります。

  • 食事内容の見直し
  • 適度な運動
  • 体重管理
  • 排卵誘発剤による治療
  • 低用量ピルなどによる月経周期の管理
  • インスリン抵抗性がある場合の薬物療法

薬物療法については、自己判断で始めたり中止したりするのではなく、必ず医師の診断と説明を受けたうえで進めることが大切です。

食事と運動はPCOSと糖尿病リスクの両方に関わる

PCOSの改善や糖尿病リスクの管理では、生活習慣の見直しがとても重要です。

特に意識したいのは、血糖値が急に上がりにくい食事と、無理のない運動習慣です。

食事では、甘い飲み物や精製された糖質をとりすぎないようにし、たんぱく質、野菜、海藻、きのこ類、良質な脂質を組み合わせることが大切です。

極端な糖質制限ではなく、血糖値の変動を穏やかにする食べ方を意識すると続けやすくなります。

運動では、ウォーキングや軽い筋力トレーニングなどを無理のない範囲で継続することが、インスリンの働きを助ける可能性があります。

体重が気になる方では、少しの減量でも月経周期や排卵の改善につながることがあります。ただし、妊活中に極端なダイエットを行うと、かえってホルモンバランスを乱すことがあるため注意が必要です。

PCOSは「体質だから仕方ない」とあきらめなくてよい

PCOSは、月経不順や妊娠しづらさに関わることがあるため、不安を感じる方も少なくありません。

しかし、PCOSは正しく診断し、状態に合わせて治療や生活習慣の見直しを行うことで、排卵や月経周期の改善が期待できる場合があります。

また、糖尿病リスクについても、「将来が必ず悪くなる」という意味ではありません。早い段階で自分の血糖状態や体質を知り、予防と管理を行うことで、健康を守ることにつながります。

東洋医学・鍼灸でできるサポート

東洋医学では、PCOSによる月経不順や妊娠しづらさを、卵巣だけの問題としてではなく、全身の巡り、冷え、胃腸の働き、ストレス、自律神経の乱れなどを含めて考えます。

鍼灸では、体の緊張をゆるめ、自律神経や血流のバランスを整えることを目的に施術を行います。

PCOSそのものを鍼灸だけで治すというよりも、医療機関での検査や治療、食事・運動などの生活習慣の見直しと並行して、体調を整えるサポートとして取り入れるとよいでしょう。

月経不順が続いている方、PCOSと診断されて妊活に不安がある方、体重管理や血糖値のことが気になっている方は、まずは婦人科や専門医に相談し、必要に応じて体質面からのケアも検討してみてください。

この記事のまとめ

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順や排卵障害、不妊の原因となることがある疾患です。

PCOSでは、インスリン抵抗性が関係することがあり、将来的な2型糖尿病リスクにも注意が必要です。ただし、PCOSと診断されたからといって、必ず糖尿病になるわけではありません。

大切なのは、月経不順や排卵障害を放置せず、婦人科で正しく診断を受けること。そして、必要に応じて糖代謝の検査を受け、食事・運動・体重管理・薬物療法などを組み合わせて、自分に合った方法で整えていくことです。

PCOSは「体質だから仕方ない」とあきらめるものではありません。早めに気づき、適切に向き合うことで、妊活や将来の健康管理につなげることができます。

よくあるご質問(FAQ)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは何ですか?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵巣内に小さな卵胞が多くみられ、排卵が起こりにくくなる状態を中心とした疾患です。月経不順、排卵障害、妊娠しづらさ、ニキビ、多毛、体重増加などがみられることがあります。

PCOSになると必ず糖尿病になりますか?

PCOSと診断されたからといって、必ず糖尿病になるわけではありません。ただし、PCOSではインスリン抵抗性が関係している場合があり、将来的に2型糖尿病のリスクが高まる可能性があります。必要に応じて血糖値やHbA1cなどを確認し、早めに生活習慣を整えることが大切です。

太っていなくてもPCOSになることはありますか?

はい、あります。PCOSは肥満の方だけに起こるものではなく、標準体重ややせ型の方でもみられることがあります。そのため、「太っていないから大丈夫」と自己判断せず、月経不順や排卵しにくさが続く場合は婦人科で相談しましょう。

PCOSではどのような検査を受けますか?

PCOSが疑われる場合は、月経周期の確認、超音波検査、ホルモン値の血液検査などが行われます。また、糖代謝が気になる場合には、血糖値、HbA1c、75g経口ブドウ糖負荷試験などで、糖尿病リスクを確認することがあります。

PCOSは生活習慣の見直しで改善できますか?

PCOSは体質やホルモンバランスが関係するため、生活習慣だけで必ず改善するとは言い切れません。ただし、食事内容の見直し、適度な運動、体重管理、睡眠やストレスケアは、インスリン抵抗性や排卵機能の改善をサポートする可能性があります。必要に応じて医療機関での治療と組み合わせることが大切です。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

PCOSによる月経不順や妊活のお悩みもご相談ください

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順や排卵のしづらさ、妊娠しづらさだけでなく、血糖や体重管理とも関係することがあるため、「何から整えればよいのかわからない」と不安になる方も少なくありません。

宇都宮鍼灸良導絡院では、病院での検査や治療を大切にしながら、東洋医学の視点から体質や生活習慣、自律神経のバランス、冷え、血流、胃腸の働きなどを確認し、妊娠しやすい身体づくりをサポートしています。

PCOSと診断された方、月経不順が続いている方、糖代謝や体重管理が気になる方は、ひとりで悩まずに一度ご相談ください。今の体の状態を一緒に整理しながら、無理なく続けられる妊活の方法を考えていきましょう🍀

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