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妊活中に運動しても大丈夫?激しい運動の影響と気をつけたいポイント

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妊活中は、「体を整えるために運動した方がいいのかな」「でも、激しい運動は妊娠に悪いのでは?」と迷う方が少なくありません。

実際、妊活中の運動は基本的には悪いものではなく、適度な運動は健康維持や体重管理、ストレス軽減に役立つと考えられています。一方で、長時間・高強度の運動を続けているうえに、食事量が足りていない状態では、月経や排卵に影響し、妊娠しにくさにつながることがあります。

この記事では、妊活中の運動について、

  • 妊活中に運動してよいのか
  • 「激しい運動」とはどのくらいなのか
  • 排卵期〜高温期はどう考えればよいのか
  • 妊活中におすすめの運動と注意点

を、研究や公的機関の情報をもとにわかりやすく解説します。

この記事の要点まとめ
  • 妊活中の運動は、基本的に悪いものではなく、ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は体調管理やストレス軽減に役立ちます。
  • 注意したいのは、長時間・高強度の運動そのものよりも、運動量に対して食事量が足りず、エネルギー不足の状態になることです。
  • 妊活中の「激しい運動」とは、息がかなり上がる運動や、長時間のランニング、追い込みの強い筋トレなど、体への負担が大きい運動を指します。
  • 排卵期〜高温期に運動を絶対に避ける必要はありませんが、妊活中は体調を乱しにくいよう、軽めの運動を中心にするのが安心です。
  • 月経不順、疲労感、体重減少などがみられる場合は、運動内容だけでなく、食事・睡眠・休養も含めて見直すことが大切です。

妊活中の女性が運動後に疲れを感じている様子

妊活中の運動は基本的に悪くない

まず大前提として、妊活中に運動すること自体が悪いわけではありません。WHOは成人に対して、健康維持のために週150〜300分の中等度の身体活動、または75〜150分の高強度の身体活動を推奨しています。CDCも同様に、成人では毎週150分の中等度運動、または75分の高強度運動を目安としています。

また、妊娠を希望する女性を対象とした前向きコホート研究では、中等度の身体活動は妊娠しやすさの改善と関連し、特に過体重・肥満の女性では身体活動全般がプラスに働く可能性が示されています。

つまり、妊活中は「運動をやめるべき」と考えるより、無理のない範囲で続けることが大切です。

妊活中の「激しい運動」とは?

「激しい運動」と言われても、どこからが該当するのか分かりにくいですよね。

CDCでは、高強度の運動について、呼吸がかなり速くなり、数語話すだけでも息継ぎが必要になる強さと説明しています。例として、ジョギング・ランニング、速いスピードの自転車、水泳の周回、シングルスのテニスなどが挙げられています。

妊活中に注意したい「激しい運動」は、単に一時的に息が上がる運動だけではありません。特に気をつけたいのは、次のような状態です。

  • 長時間のランニングや持久系トレーニングを頻回に行っている
  • かなりきつい筋トレや追い込みを習慣化している
  • 運動量のわりに食事量が足りていない
  • 体脂肪が大きく減っている、または月経が不安定になっている
  • 「疲れが抜けない」「基礎体温が乱れる」などの変化がある

妊活中に問題になりやすいのは、運動そのものというより、運動量に対してエネルギー摂取が不足している状態です。

妊活中に大切な「エネルギー利用可能性(EA)」とは

妊活中の運動を考えるうえで大切なのが、エネルギー利用可能性(EA:Energy Availability)です。

これは簡単にいうと、食事からとったエネルギーから、運動で使ったエネルギーを差し引いたあとに、体の機能を維持するために残るエネルギーのことです。EAが不足すると、身体は「今は生殖より生命維持を優先しよう」と判断し、ホルモン分泌や排卵機能を抑えることがあります。

この状態が続くと、

  • 月経不順
  • 排卵障害
  • 黄体機能の低下
  • 視床下部性無月経

などにつながることがあります。ここで大事なのは、「運動すると卵子の質がすぐ悪くなる」と単純に言えるわけではないということです。現時点でより確かに言えるのは、過度な運動とエネルギー不足の組み合わせが、月経や排卵など妊娠に必要な生殖機能へ悪影響を及ぼしうるという点です。

運動のしすぎは妊娠しにくさにつながる?

研究では、運動と妊娠しやすさの関係は「多ければ多いほど良い」ではなく、量や強度、体格、栄養状態によって変わることが示されています。前向きコホート研究では、中等度の運動は妊娠しやすさと良い関連がみられた一方、やせ型の女性では、非常に強い運動を多く行うほど妊娠しにくさと関連する傾向が報告されています。逆に、過体重・肥満の女性では身体活動が有利に働く可能性も示されています。

そのため、妊活中に大切なのは、

  • 適度な運動で血流や代謝を整えること
  • 食事制限と激しい運動を重ねすぎないこと
  • 月経周期が乱れていないかを確認すること

です。

排卵期〜高温期は運動してもいい?

「妊娠の可能性がある時期に運動しても大丈夫?」という不安はとても自然です。

この点については、排卵期や着床期だけを切り取って“この運動は危険”と断定できる強い基準はまだ十分ではありません。ただし、だからといって「どんな運動でも問題ない」とまでは言えません。妊活中に注意したいのは、排卵後の数日だけでなく、普段から高強度の運動を続け、慢性的なエネルギー不足やホルモンの乱れが起きている状態です。問題の中心は「その日1回の軽い運動」よりも、習慣としての過負荷にあります。

そのため、排卵期〜高温期は、

  • 軽いウォーキング
  • やさしいヨガ
  • ストレッチ
  • 会話ができる程度の軽い有酸素運動

を中心にし、息が切れるような追い込みや長時間の持久系トレーニングは控えめにする、という考え方が安心です。これは「着床を直接妨げると証明されているから」ではなく、妊活全体としてホルモンや体調を乱しにくい選択だからです。

女性アスリートの三主徴と妊活の関係

過剰な運動と食事制限が重なると、女性では女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad)が問題になります。これは、

  • 低エネルギー利用可能性(Low EA)
  • 月経異常・無月経
  • 骨密度低下

の3つが関連しあう状態です。アスリートだけでなく、一般の女性でも、ダイエットやトレーニングのしすぎで同じような状態になることがあります。

妊活中に月経が不規則になった、排卵していないかもしれない、体重が急に減った、疲労感が強いという場合は、運動内容だけでなく、食事量や睡眠、ストレスも含めて見直すことが大切です。

妊活中におすすめの運動

1. ウォーキング

1日20〜30分程度のウォーキングは、無理なく続けやすく、血流や気分転換にもつながります。

2. やさしいヨガ

呼吸を整えながら行うヨガは、ストレスの軽減や身体の緊張をやわらげるのに役立ちます。

3. ストレッチ

股関節まわりや背中、骨盤周囲を心地よく伸ばすストレッチは、デスクワーク中心の方にも向いています。

4. 軽めの筋トレ

きつく追い込まない範囲であれば、筋力維持や代謝維持の面でプラスです。息が上がりすぎるほどの高強度にしないことがポイントです。

妊活中に控えめにしたい運動

次のような運動は、全員に禁止というわけではありませんが、妊活中に月経不順や疲労感がある方、やせ気味の方、食事量が少ない方では慎重に考えたい内容です。

  • 長時間のランニングやマラソン
  • 毎回かなり追い込むHIITや無酸素トレーニング
  • 食事制限を伴う減量目的の運動
  • 疲労が強いのに休まず続ける運動習慣

大切なのは、「その運動が激しいかどうか」を他人と比べることではなく、自分の体調・月経・食事量に見合っているかを見ることです。

こんな場合は一度見直しを

妊活中に運動を続ける中で、次のような変化がある場合は、運動量や栄養状態を見直した方がよいサインかもしれません。

  • 月経周期が乱れてきた
  • 生理が来なくなった
  • 基礎体温が不安定になった
  • 体重が急に減った
  • 疲れやすく、回復しにくい
  • 食事量をかなり減らしている

こうした場合は、婦人科や不妊治療クリニックで相談しながら、必要に応じて運動量や食事内容を調整するのが安心です。

まとめ

妊活中の運動は、基本的には体を整えるうえでプラスに働きます。実際、中等度の運動は妊娠しやすさと良い関連が報告されています。

一方で注意したいのは、激しい運動そのものよりも、長時間・高強度の運動に食事不足が重なり、エネルギー不足の状態になることです。そのような状態では、月経異常や排卵障害、視床下部性無月経などにつながることがあります。

妊活中は、

  • 会話ができる程度の運動を中心にする
  • ウォーキング、ヨガ、ストレッチを基本にする
  • 疲労感や月経の乱れがあれば見直す
  • 運動だけでなく、食事・睡眠・休養も大切にする

という考え方が現実的です。

「頑張ること」よりも、続けられて、体調が整い、月経周期を乱さないことを目安にしてみてください。

よくあるご質問(FAQ)

妊活中は運動しない方がいいですか?

いいえ、妊活中だからといって運動をやめる必要はありません。むしろ、無理のない範囲で体を動かすことは、体重管理や気分転換、生活習慣の改善にもつながります。大切なのは、頑張りすぎず続けやすい内容にすることです。

妊活中の「激しい運動」とはどのくらいですか?

目安としては、息がかなり上がって会話がしづらい運動や、長時間のランニング、追い込みの強い筋トレなどです。ただし、同じ運動でも体力や体調によって負担の感じ方は違うため、「自分にとって無理がないか」を基準に考えることが大切です。

排卵期や高温期に運動しても大丈夫ですか?

軽いウォーキングやストレッチ、やさしいヨガなどであれば、過度に心配しすぎる必要はありません。妊活中は、排卵後だけを特別に気にするよりも、普段から体調や月経周期を乱さない運動習慣を意識することが大切です。

運動すると卵子の質が下がりますか?

適度な運動そのもので卵子の質が下がるとは言えません。注意したいのは、激しい運動を続けながら食事量が不足し、ホルモンバランスや排卵機能に影響が出るような状態です。運動の内容だけでなく、栄養や休養もあわせて考えることが重要です。

妊活中におすすめの運動は何ですか?

続けやすく、体への負担が少ない運動がおすすめです。たとえば、ウォーキング、ストレッチ、やさしいヨガ、軽めの筋トレなどが取り入れやすいでしょう。運動後に強い疲れが残らないことも、ひとつの目安になります。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

妊活中の運動が気になる方へ

妊活中は、「運動した方がいいのかな」「このくらいの運動なら大丈夫かな」と迷うことがあると思います。

実際には、運動が悪いというよりも、今の体調や月経周期、生活習慣に合った内容かどうかが大切です。頑張って体を整えようとしていても、疲れが抜けにくい、冷えやすい、月経周期が乱れやすいなど、気になるサインが出ていることもあります。

宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中のお身体の状態を丁寧にうかがいながら、運動・休養・冷え対策・生活習慣も含めて、無理のない整え方を一緒に考えています。

「自分の運動量は多すぎないかな」「今の体調に合う過ごし方を知りたい」と感じる方は、どうぞお気軽にご相談ください🍀

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