
卵子の数は年齢とともにどう減る?胎児期・出生時・思春期から閉経までを解説
「卵子は、生まれたときから数が決まっていると聞いたことがある」
「年齢とともに卵子が減るというけれど、実際にはどれくらい減るの?」
妊活や不妊治療を始めて、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査を受けたことをきっかけに、卵子の数について気になった方も多いのではないでしょうか。
現在の医学では、女性の卵子のもととなる細胞は胎児期に最も多くなり、その後は年齢とともに減少していくと考えられています。
ただし、「卵子の数が少ない=妊娠できない」という単純な話ではありません。また、AMHの数値がそのまま卵子の残り個数を表しているわけでもありません。
この記事では、胎児期・出生時・思春期から閉経頃まで、卵子の数がどのように変化していくのか、妊活中に知っておきたいポイントとあわせて解説します。
- 卵子の数は胎児期に最も多く、その後は年齢とともに減っていく
- 胎児期には約600〜700万個、出生時には約100〜200万個、思春期には約30〜50万個が目安とされている
- 卵子は排卵した分だけ減るのではなく、多くの卵胞が自然に消失していく
- 卵巣予備能と「卵子の質」は別のものとして考える必要がある
- AMHは卵巣予備能を推測する指標であり、妊娠できるかどうかを直接判定する検査ではない
卵子はいつ作られる?
卵子についてまず知っておきたいのが、「卵子のもとになる細胞はいつ作られるのか」ということです。
一般的な臨床上の考え方では、女性は一生のあいだに使う卵子のもととなる細胞を、胎児期のうちに形成します。
つまり、生まれてから毎月新しい卵子を一から作っているわけではありません。
胎児の卵巣では妊娠20週頃に卵子の数が最も多くなり、その後は出生前からすでに減少が始まります。
卵子の数は年齢とともにどう減る?
ACOG(米国産科婦人科学会)は、卵子数のおおよその変化について次のように示しています。
- 胎児期(妊娠20週頃):約600〜700万個
- 出生時:約100〜200万個
- 思春期:約30〜50万個
- 37歳頃:約2万5,000個
- 51歳頃:約1,000個
これらはあくまで平均的な推定値です。実際の卵巣予備能には個人差があり、同じ年齢であっても残っている卵胞の数には違いがあります。
「30歳なら何個」「40歳なら何個」と、一人ひとりの卵子の残数を正確に数えることはできません。
なぜ毎月1個の排卵なのに卵子はたくさん減るの?
ここで疑問に思うのが、
「排卵する卵子が月に1個程度なら、どうして何十万個もの卵子が減ってしまうの?」
ということではないでしょうか。
実は、卵子が減る主な理由は排卵だけではありません。
卵子は「卵胞」という袋状の組織の中で存在しています。そのうち一部の卵胞が成長を始めますが、すべてが排卵まで育つわけではなく、多くは成長の途中で自然に消失していきます。
この現象を「卵胞閉鎖(アトレジア)」といいます。
そのため、実際に排卵される卵子の数よりもはるかに多くの卵胞が、生涯を通して減少していきます。
卵子の数だけでなく「質」も年齢の影響を受ける
妊活では、卵子の「数」と「質」を分けて考えることも大切です。
卵巣内に残っている卵子の量を「卵巣予備能」と呼びます。一方、卵子の質は、受精やその後の胚発育などに関係する別の概念です。
年齢とともに卵子の数が減少するだけでなく、残っている卵子では染色体の異常が起こる割合も高くなることが知られています。
そのため、女性の妊娠しやすさは年齢とともに徐々に低下し、特に30代半ば以降では低下がより明確になっていきます。
ただし、これは集団として見た傾向です。「○歳になったら妊娠できない」という境界線があるわけではありません。
AMHを測れば残っている卵子の数がわかる?
卵子の数について調べていると、よく出てくるのが「AMH(抗ミュラー管ホルモン)」です。
AMHは、卵巣内にある発育途中の小さな卵胞から分泌されるホルモンです。そのため、現在の卵巣予備能を推測するための指標として、不妊治療などで利用されています。
ただし、AMHの数値を見て、
「AMHが1.0だから卵子が○個残っている」
というように、卵子の残数を直接計算することはできません。
また、AMHは卵子の「質」を直接評価する検査でもありません。
AMHや超音波検査で確認するAFC(胞状卵胞数)は、採卵を行った際にどの程度の卵子が得られそうかを予測する際には役立ちますが、それだけで自然妊娠できるか、妊娠・出産できるかを判断することはできません。
AMHが低い=卵子がもうない、ではありません
AMHが低い結果だったとき、
「もう卵子がほとんどないのでは?」
と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、AMHが低いからといって、卵子がなくなったことを意味するわけではありません。
また、AMHが低い方でも排卵していることがありますし、妊娠する方もいます。
反対に、AMHが高ければ必ず妊娠しやすいというわけでもありません。
ASRM(米国生殖医学会)も、AMHなどの卵巣予備能検査は採卵時に得られる卵子数の予測には有用である一方、年齢とは独立して将来の妊娠可能性を正確に予測する検査ではないとしています。
卵子の数を増やすことはできる?
「減っていくのであれば、食事やサプリ、運動、鍼灸などで卵子の数を増やすことはできないの?」
と思われるかもしれません。
現時点では、生活習慣やサプリメント、鍼灸などによって、減少した原始卵胞そのものを増やせることが確立されているわけではありません。
そのため、「卵子を増やす」「AMHを上げる」ことだけを妊活の目標にするのはおすすめできません。
一方で、妊娠を希望している期間をできるだけ健やかに過ごすために、睡眠、食事、適度な運動、ストレスへの対応など、身体全体のコンディションを整えておくことには意味があります。
宇都宮鍼灸良導絡院では、「卵子の数を増やす」という考え方ではなく、妊活や不妊治療を続ける身体全体のコンディションを見ることを大切にしています。月経周期だけでなく、冷え、睡眠、肩こり・腰痛、疲労、ストレス、自律神経の状態なども確認しながら、その方に合わせた身体づくりを考えていきます。治療の時期や検査結果については、必要に応じて生殖医療を行うクリニックで相談することも大切です。
卵子が減ると聞いて、焦りすぎる必要はありません
卵子の数が年齢とともに減っていくと知ると、
「早く妊娠しなければ」
「もう遅いのではないか」
と焦ってしまうかもしれません。
しかし、年齢だけで一人ひとりの妊娠の可能性を決めることはできません。
大切なのは、必要以上に不安になることではなく、自分の年齢や月経周期、これまでの妊活期間、婦人科疾患の有無などを踏まえて、必要なタイミングで検査や相談につなげることです。
一般的には、避妊せず妊娠を希望しているにもかかわらず妊娠に至らない場合、35歳未満では1年、35歳以上では6か月が不妊検査を検討する一つの目安とされています。40歳を超えて妊娠を希望する場合や、月経不順、子宮内膜症など妊娠に影響する可能性のある疾患がある場合には、より早めの相談が勧められています。
まとめ|卵子の数は年齢とともに減少する
卵子の数は胎児期に最も多く、その後は出生前から少しずつ減少していきます。
- 胎児期(妊娠20週頃):約600〜700万個
- 出生時:約100〜200万個
- 思春期:約30〜50万個
- 37歳頃:約2万5,000個
- 51歳頃:約1,000個
ただし、これらは平均的な推定値であり、卵巣予備能には個人差があります。
また、妊娠について考える際には「残っている卵子の数」だけを見るのではなく、年齢、卵子の質、排卵、卵管、子宮、精子の状態など、さまざまな要素を総合的に考える必要があります。
AMHが低かったとしても、その数値だけで妊娠の可能性が決まるわけではありません。
卵子の数について不安になったときは、「数字を上げること」だけにとらわれず、必要な検査や治療について専門医と相談しながら、今できることを一つずつ考えていきましょう。
卵子は毎月1個ずつ減るのですか?
いいえ。排卵される卵子は通常1個程度ですが、それとは別に多くの卵胞が自然に消失しています。そのため、実際には排卵する数よりもはるかに多くの卵子が年齢とともに減っていきます。
AMHが低いと妊娠できませんか?
AMHが低いことだけで妊娠できないとは判断できません。AMHは主に卵巣予備能を推測する指標であり、卵子の質や妊娠の可能性そのものを直接測る検査ではありません。
卵子の数を増やす方法はありますか?
現在のところ、減少した原始卵胞を食事やサプリメント、鍼灸などによって増やせることは確立されていません。「卵子を増やす」ことだけを目的にせず、必要な治療を受けながら身体全体の健康状態を整えていくことが大切です。
何歳から卵子は急に減りますか?
卵子はある年齢から突然減り始めるのではなく、胎児期以降ずっと減少しています。妊娠する力も年齢とともに低下し、一般的には30歳頃から徐々に低下し、30代半ば以降でその変化がより大きくなるとされています。ただし、卵巣予備能には個人差があります。
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📚参考文献
- American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Anticipatory Counseling Regarding Ovarian-Factor Fertility Decline」:胎児期から閉経頃までの卵子数の推移、年齢と卵巣機能低下について。
- American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「Testing and interpreting measures of ovarian reserve」:AMH・AFCなどの卵巣予備能検査の解釈について。
- American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Having a Baby After Age 35: How Aging Affects Fertility and Pregnancy」:年齢による妊孕性および卵子への影響について。
- American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「Fertility evaluation of infertile women」:年齢別の不妊検査開始時期の目安について。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
卵子の数やAMHが気になっている方へ
「卵子の数が減っていると聞いて不安になった」「AMHが低く、これからどう妊活を進めたらよいかわからない」など、検査結果や年齢をきっかけに焦りを感じる方は少なくありません。
大切なのは、数字だけで妊娠の可能性を判断するのではなく、年齢や治療歴、月経周期、現在の体調なども含めて、今できることを整理していくことです。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の状況を伺いながら、冷えや睡眠、疲労、ストレス、自律神経など身体全体の状態を確認し、一人ひとりに合わせた妊活中の身体づくりをサポートしています。
「今の治療と一緒にできることを考えたい」「採卵に向けて身体を整えたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。🍀








当院でも「AMHが低いと言われて、とても不安になりました」というご相談は少なくありません。ただ、AMHはあくまで卵巣予備能を見るための一つの指標です。AMHの数字だけを見て妊娠の可能性を決めつけるのではなく、年齢、月経周期、これまでの治療歴、採卵時の反応なども含めて考えることが大切だとお伝えしています。