
不妊鍼灸は週何回?通う頻度・期間をタイミング法、採卵、胚移植別に解説
「不妊鍼灸は週に何回通えばいいですか?」
「採卵や胚移植が近いときは、通う回数を増やした方がよいのでしょうか?」
「仕事や不妊治療クリニックへの通院もあり、毎週通えるか心配です」
妊活や不妊治療と並行して鍼灸を始める際、通院頻度について迷う方は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、宇都宮鍼灸良導絡院では、通常は週1回、または7~10日に1回程度を基本的な目安としています。
ただし、すべての方に同じ頻度が適しているわけではありません。タイミング法・人工授精・採卵・胚移植などの治療段階、月経周期、体調、通院の負担などを確認しながら、無理なく続けられるペースを一緒に考えていきます。
- 当院では、週1回または7~10日に1回程度を基本的な目安としています
- 不妊鍼灸の「医学的に確立された最適な頻度」は、現在のところ決まっていません
- 回数を増やせば、その分だけ妊娠率が高くなるとは限りません
- 採卵や胚移植の前後は、治療日程や体調に合わせて一時的に調整することがあります
- 毎週通えない場合も、無理のない頻度で続けることが大切です
- 不妊治療クリニックの検査・投薬・治療方針を優先し、鍼灸は補完的に取り入れます
不妊鍼灸は週何回通えばよい?
当院では、妊活中の身体づくりを目的とする場合、週1回、または7~10日に1回程度をご案内することが多くあります。
週1回前後であれば、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期といった周期の変化を確認しながら、その時期の体調に合わせて施術内容を調整しやすくなります。
ただし、これは「週1回通えば必ず妊娠しやすくなる」という意味ではありません。現在の医学研究では、不妊鍼灸について、すべての方に共通する最適な回数や頻度は確立されていません。
月経周期、冷え、肩こり、腰痛、睡眠、ストレス、胃腸の状態などを確認しながら、体調管理の一つとして無理なく取り入れることが大切です。
治療段階別|不妊鍼灸に通う頻度の目安
不妊鍼灸の通院頻度は、現在受けている不妊治療の段階によっても変わります。ここからは、一般的な目安を治療段階別にご紹介します。
自然妊娠・タイミング法の場合
自然妊娠やタイミング法に取り組んでいる方は、週1回または7~10日に1回程度が一つの目安です。
月経痛やPMS、排卵期の不調、冷え、睡眠不足、肩こり、ストレスなど、その周期に起きている変化を確認しながら施術を行います。
排卵日だけに集中して通うというよりも、月経周期全体を通して体調を確認していく考え方です。
人工授精の場合
人工授精を受けている方も、基本的には週1回または7~10日に1回程度を目安とします。
排卵誘発剤や注射を使用している場合は、卵胞の育ち方や人工授精の日程が周期ごとに変わることがあります。受診結果や人工授精の予定日が分かった段階でお知らせください。
薬の使用方法や人工授精の実施時期については、不妊治療クリニックの指示を最優先にしてください。
採卵を予定している場合
採卵に向けて鍼灸を取り入れたい場合は、可能であれば採卵の2~3か月ほど前から、週1回程度を目安に始める方法があります。
ただし、「3か月通わなければ意味がない」ということではありません。採卵まで時間がない方も、現在の体調や治療スケジュールに合わせて始められます。
採卵周期に入ったあとは、使用している薬、卵胞の育ち方、採卵予定日、腹部の張りなどを確認しながら通院日を調整します。採卵直前に必ず回数を増やさなければならないわけではありません。
採卵前の詳しい通い方については、以下の記事も参考にしてください。
胚移植を予定している場合
胚移植に向けて鍼灸を始める場合は、移植周期の前周期から、または移植周期が始まった頃から週1回程度で通う方法があります。
移植日が決まったあとは、自然周期かホルモン補充周期か、内膜の状態、使用している薬、通院中のクリニックの予定などを確認しながら施術日を調整します。
移植直前や移植当日の鍼灸を希望される方もいらっしゃいますが、移植当日の鍼灸が必ず必要というわけではありません。
移植前後の鍼灸と妊娠・出生結果については研究結果が一致しておらず、移植当日の鍼灸によって妊娠率や出生率が必ず高くなるとは断定できません。移動や時間の負担が大きい場合は、無理に予定を詰め込まないことも大切です。
移植期の詳しい通い方については、以下の記事をご覧ください。
胚移植後から判定日まで
胚移植後も、体調に問題がなく、不妊治療クリニックから特別な指示がなければ、通常のペースで鍼灸を受けられる場合があります。
ただし、移植後だからといって、通院回数を増やす必要はありません。判定日までの不安が強い方、眠れない方、肩や首の緊張が強い方などは、心身の負担を考えながら施術日を相談します。
強い腹痛、多量の出血、息苦しさ、急激なお腹の張りなどがある場合は、鍼灸院ではなく、まず不妊治療クリニックへ連絡してください。
妊娠判定後
妊娠判定後に鍼灸を継続する場合は、妊娠週数や体調に合わせて施術内容を変更します。
妊娠の可能性があること、判定結果、出血や腹痛の有無、使用している薬について、必ず担当の鍼灸師へお伝えください。
妊娠初期の出血や強い腹痛、つわりによる脱水などがある場合は、産婦人科や不妊治療クリニックへの相談が優先です。
通院頻度を一時的に調整することがあるケース
基本の通院頻度は週1回前後ですが、次のような場合には、一時的に予定を調整することがあります。
- 採卵日や胚移植日が決まったとき
- 月経痛、頭痛、腰痛、肩こりなどの症状が強いとき
- 睡眠不足や疲労が続いているとき
- 不妊治療の薬による腹部の張りや身体の負担を感じているとき
- 仕事やクリニック通院との両立が難しいとき
- 妊娠判定後など、身体の状態が変わったとき
回数を増やす場合も、身体への負担、時間、費用を考えたうえで決めることが大切です。施術を詰め込むことで疲れてしまう場合は、かえって妊活の負担が大きくなることもあります。
2週間に1回では少ない?
仕事、育児、不妊治療クリニックへの通院などにより、毎週通うことが難しい方もいらっしゃいます。
その場合、2週間に1回だから意味がないということではありません。無理をして途中で通えなくなるよりも、体調や予定に合わせて継続できるペースを選ぶ方が現実的です。
鍼灸に通えない期間は、睡眠、食事、軽い運動、身体を冷やしすぎない工夫など、自宅でできる体調管理も一緒に考えていきます。
「毎週通えないと意味がありませんか?」というご相談をよくいただきます。当院では、生活や不妊治療を圧迫してまで通院することはおすすめしていません。
まずは週1回前後を目安にしながら、難しい場合は10日に1回、2週間に1回など、続けやすい方法を相談しましょう。採卵や移植の日程が決まった際に、必要に応じて通院日を調整します。
セルフ灸をすれば通院回数を減らせる?
自宅でのセルフ灸は、通院できない日のセルフケアとして取り入れられる場合があります。
ただし、妊活中や妊娠の可能性がある時期は、自己判断でツボを選んだり、刺激量を増やしたりすることはおすすめできません。
使用するツボ、頻度、熱さ、休止する時期について、担当の鍼灸師から説明を受けたうえで行いましょう。皮膚に赤みや水ぶくれが出た場合は使用を中止してください。
不妊鍼灸の頻度に関する研究について
不妊鍼灸については、週1回程度の施術、複数周期にわたる施術、採卵・胚移植前後に行う施術など、さまざまな方法が研究されています。
一部の研究では、長期間または一定回数以上の施術と良好な妊娠結果との関連が報告されています。一方で、大規模な比較試験では、鍼灸と偽鍼の間で出生率に明確な差が認められなかったという報告もあります。
研究によって、対象者、施術するツボ、施術回数、実施時期、比較方法が異なるため、「週に何回通えば妊娠率が上がる」と一律に結論づけることはできません。
鍼灸は不妊治療そのものの代わりではなく、医療機関での検査や治療と併用しながら、妊活中の体調管理を支える補完的な方法として位置づけることが大切です。
不妊鍼灸に通う前に伝えていただきたいこと
初回の施術や治療周期が変わった際には、次の内容を担当者へお伝えください。
- 現在の治療段階
- 月経周期と直近の月経開始日
- 採卵、人工授精、胚移植の予定日
- 使用している薬や注射
- 不妊治療クリニックから受けている指示
- 妊娠の可能性や妊娠判定の結果
- 出血、腹痛、腹部の張りなどの症状
- 抗凝固薬の使用や治療中の病気
不妊治療の予定が変更になった場合も、分かった時点でお知らせいただくと、その時期に合わせて施術内容を調整しやすくなります。
まとめ|週1回前後を目安に、無理なく続けられる頻度を
不妊鍼灸の通院頻度は、週1回または7~10日に1回程度が一つの目安です。
ただし、医学的に確立された一律の頻度があるわけではありません。タイミング法、人工授精、採卵、胚移植などの治療段階、月経周期、体調、仕事や費用の負担を考えながら調整することが大切です。
「採卵まで時間がない」「毎週は通えない」「移植前後の予定をどう組めばよいか分からない」という場合も、現在の治療スケジュールを確認しながら、無理のない通い方を考えていきましょう。
Q.週2回通った方が早く身体が整いますか?
通院回数を2倍にしたからといって、変化や妊娠の可能性が2倍になるわけではありません。症状や治療日程によって一時的に回数を調整することはありますが、基本的には無理なく継続できる頻度を優先します。
Q.生理中も鍼灸を受けられますか?
一般的には、生理中でも鍼灸を受けられます。月経痛、頭痛、腰の重さなど、その時期の状態に合わせて施術内容を調整します。ただし、出血量が非常に多い場合や体調が悪い場合は、婦人科への相談を優先してください。
Q.採卵の直前に初めて受けても意味はありませんか?
採卵までの期間が短くても、肩こり、腰痛、睡眠、緊張など、現在感じている不調に合わせて施術を行うことはできます。ただし、直前に1回受ければ採卵結果がよくなると保証できるものではありません。
Q.胚移植の当日は必ず鍼灸を受けた方がよいですか?
必須ではありません。移植当日の鍼灸と出生率の関係は、研究でも一定した結論が出ていません。移動時間や疲労が負担になる場合は、前日や数日前など無理のない日程を選びましょう。
Q.不妊治療クリニックと鍼灸は併用できますか?
併用している方は多くいらっしゃいます。ただし、検査、薬、注射、採卵、胚移植などについては、不妊治療クリニックの指示が優先です。治療内容や日程を鍼灸師にも共有してください。
Q.いつまで通えばよいですか?
治療段階、体調、目的によって異なります。採卵まで、移植まで、妊娠判定までなど、まずは一つの区切りを決め、身体の状態や負担を確認しながら継続するか相談しましょう。
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📚参考文献
- Different effectiveness of acupuncture treatment schedule on ART pregnancy outcomes: a systematic review and network meta-analysis
ARTにおける鍼灸の実施時期、期間、回数と妊娠結果との関連を検討した2025年のシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析です。 - Effect of Acupuncture vs Sham Acupuncture on Live Births Among Women Undergoing In Vitro Fertilization
IVFを受ける女性848名を対象とし、鍼灸と偽鍼で出生率に有意差が認められなかったランダム化比較試験です。 - Performing the embryo transfer: a guideline|American Society for Reproductive Medicine
胚移植前後の鍼灸について、出生率を改善する一貫した根拠は認められていないとするASRMのガイドラインです。 - Acupuncture: Effectiveness and Safety|NCCIH
鍼灸の作用、安全性、副作用などについてまとめた米国国立補完統合衛生センターの情報です。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
無理のない通院ペースからご相談ください
「週に何回通えばよいのか分からない」「採卵や胚移植の予定に合わせて相談したい」「仕事や通院と両立できるか心配」という方もいらっしゃると思います。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の段階や月経周期、お身体の状態、生活スケジュールを確認しながら、無理なく続けられる通院ペースをご提案しています。
毎週通うことが難しい場合も、まずは現在の治療予定や気になっていることをお聞かせください。ご自身に合った通い方を一緒に考えていきましょう🍀








通院回数を増やせば、その分だけ結果がよくなるとは限りません。当院では「たくさん通うこと」よりも、不妊治療の予定や体調に合ったペースで継続できることを大切にしています。
良導絡測定による自律神経の傾向や、その日の脈・お腹・冷え・筋肉の緊張なども確認し、一人ひとりに合わせて施術内容を調整します。