
妊活中の水分補給はどれくらい?1日の目安と飲み方・飲み物の選び方
妊活中は、「水をたくさん飲むと血流によい?」「1日2Lは必ず飲んだ方がいい?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
水分は、体温調節や栄養素の運搬、体内の老廃物を尿として排出するために欠かせません。ただし、妊活中だからといって、全員が同じ量の水を飲む必要はありません。
この記事では、妊活中の水分補給の目安や飲むタイミング、コーヒー・お茶・炭酸水などの選び方について、分かりやすく解説します。
- 妊活中だけに決められた特別な水分摂取量はありません。
- 飲み物としては、1日1.2〜1.6L程度を一つの目安にし、体格や食事、季節、発汗量に合わせて調整しましょう。
- 一度に大量に飲むのではなく、起床後や食事、休憩、入浴前後などに分けてこまめに補給することが大切です。
- 水や白湯、麦茶などを中心にし、コーヒーや紅茶はカフェインの総量に注意しましょう。
- 冷たい水を必ず避ける必要はなく、胃腸の状態や季節に合わせて飲みやすい温度を選んで構いません。
- 水を多く飲むだけで妊娠率や子宮内膜の状態がよくなるとはいえません。
- 持病がある方や採卵後などで医療機関から指示を受けている方は、その指示を優先してください。
妊活中の水分補給に決まった量はある?
妊活中の方だけを対象にした、一律の水分摂取量は定められていません。必要な量は、体格、食事内容、運動量、気温、発汗量、体調などによって変わります。
また、「1日に必要な水分」と「水として飲む量」は同じではありません。私たちは、飲み物だけでなく、ご飯、みそ汁、野菜、果物などの食事からも水分を摂っています。
厚生労働省の啓発資料では、体重60kgの成人男性の一例として、1日に必要な水分約2.5Lのうち、食事から約1.0L、体内でつくられる水が約0.3L、飲み水から約1.2Lと紹介されています。
この2.5Lを、すべて水やお茶として飲むという意味ではありません。
妊活中に飲む水分量の目安
まずは1日1.2〜1.6L程度を出発点にする
健康状態に問題のない成人であれば、飲み物としては、200mL程度のコップで6〜8杯、約1.2〜1.6Lを一つの目安にすると分かりやすいでしょう。
ただし、これは全員に当てはまる絶対量ではありません。食事から摂る水分量が多い方は飲み物が少なくても足りることがあり、汗を多くかく方は追加の水分が必要です。
- 起床後にコップ1杯
- 朝食・昼食・夕食のときに各1杯
- 午前と午後に各1杯
- 入浴の前後に必要に応じて補給
このように分けると、一度に大量に飲まなくても、自然に1日の水分を確保できます。
水分を増やした方がよい場面
次のような場合は、普段より水分が失われやすいため、のどの渇きや尿の状態を確認しながら追加しましょう。
- 暑い日や湿度の高い日
- 運動や立ち仕事で汗を多くかいたとき
- 入浴やサウナで発汗したあと
- 発熱、下痢、嘔吐があるとき
- 空調で室内が乾燥しているとき
大量に汗をかいたときや下痢・嘔吐が続くときは、水だけでなく電解質の補給が必要になることがあります。体調が悪い場合は、自己判断だけで対応せず医療機関へ相談してください。
自己判断で増やさない方がよい場合
腎臓病、心臓病、肝臓病などで水分量の指示を受けている方は、一般的な目安よりも医師の指示を優先してください。
不妊治療中に採卵後の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が疑われる場合や、クリニックから水分・塩分について指示を受けている場合も、治療施設の方針に従いましょう。
水分が足りているかを確認する方法
尿の色を一つの目安にする
日中の尿が薄い黄色であれば、水分が足りている一つの目安になります。濃い黄色の尿が続く、尿の量や回数が少ない、口の中が乾く、頭痛やだるさがある場合は、水分が不足している可能性があります。
ただし、ビタミン剤や医薬品、食べ物によって尿の色が変化することもあります。尿の色だけで判断せず、体調や発汗量などもあわせて確認しましょう。
無色透明になるまで飲む必要はない
尿を常に無色透明にするために、大量の水を飲み続ける必要はありません。
短時間に極端な量の水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下する「低ナトリウム血症」を起こすことがあります。水分は一気に飲むのではなく、時間を分けて補給することが大切です。
妊活中の水分補給で意識したい飲み方
一度にまとめて飲まず、こまめに飲む
朝や夜にまとめて1L飲むよりも、起床後、食事、仕事の休憩、入浴前後などに分けて飲む方が続けやすくなります。
「のどが渇いたら一気飲みする」のではなく、手の届く場所に飲み物を用意し、少量ずつ飲む習慣をつけましょう。
常温や白湯にこだわりすぎなくてもよい
冷たい水と常温の水のどちらがよいかは、季節や体調、胃腸の状態によって異なります。
冷たい飲み物でお腹が痛くなる、下痢をしやすい、胃が重くなるという方は、常温の水や白湯を選ぶと飲みやすいでしょう。一方で、暑い日や運動後に冷たい水の方が飲みやすい場合は、無理に温める必要はありません。
大切なのは、温度だけにこだわることではなく、無理なく継続して必要な水分を補うことです。
食事中も適度に飲んでよい
食事中の水分を完全に控える必要はありません。みそ汁やスープ、食事中の水やお茶も、1日の水分補給に含まれます。
ただし、水分で食事を流し込むような飲み方や、胃が苦しくなるほど大量に飲むことは避けましょう。
妊活中の飲み物の選び方
水・白湯
水や白湯は、糖分やカフェインを含まず、日常の水分補給の中心にしやすい飲み物です。
水道水、浄水、ミネラルウォーターのいずれでも構いません。特定の水を飲むことで妊娠率が高くなるというものではないため、味や価格、入手しやすさで選びましょう。
麦茶・ノンカフェイン飲料
麦茶やカフェインを含まない飲み物も、日常の水分補給に取り入れやすい選択肢です。
市販のノンカフェイン飲料やハーブティーは、原材料や糖分を確認しましょう。妊娠の可能性がある時期や妊娠判明後は、使用しているハーブによって注意が必要な場合もあるため、成分が分からないものを大量に飲むことは避けてください。
コーヒー・紅茶・緑茶
コーヒーやお茶も水分摂取量には含まれます。ただし、カフェインが含まれるため、飲む量や時間帯には注意が必要です。
妊娠中は、カフェインを1日200mg以内とする海外機関の目安があります。妊活中で妊娠の可能性がある方も、1日200mg以内を意識すると管理しやすいでしょう。
カフェイン量は、豆や茶葉の種類、抽出方法、商品の容量によって変わります。コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、コーラ、チョコレート、エナジードリンクなどを合計して考えることが大切です。
夕方以降のカフェインで寝つきが悪くなる方は、デカフェや麦茶などに置き換えてみましょう。
無糖の炭酸水
砂糖やカフェインを含まない炭酸水も、水分補給に含めて構いません。
ただし、炭酸によってお腹が張る、げっぷが増える、胃が苦しくなる方は、量を減らすか通常の水に替えましょう。加糖タイプや香料入りの商品は、栄養成分表示を確認してください。
スポーツドリンク・経口補水液
スポーツドリンクや経口補水液は、日常的な水分補給として必ず必要なものではありません。
大量に汗をかいたときや、下痢・嘔吐などで水分と電解質を失ったときには役立つ場合がありますが、商品によって糖分や塩分が多く含まれます。
経口補水液は一般的な清涼飲料水ではなく、脱水時の水分・電解質補給を目的とするものです。持病がある方や症状が続く方は、医師や薬剤師に確認しましょう。
ジュース・加糖飲料
ジュース、加糖コーヒー、清涼飲料水などは水分には含まれますが、毎日の水分補給の中心には向いていません。
気づかないうちに糖分やエネルギーの摂取量が増えることがあるため、水、無糖のお茶、白湯などを中心にし、甘い飲み物は量や回数を決めて楽しみましょう。
エナジードリンク
エナジードリンクには、1本で多量のカフェインを摂取する商品があります。妊娠を予定している方や妊娠の可能性がある方は、表示を確認し、習慣的な摂取を避けた方が安心です。
硬水と軟水はどちらが妊活に向いている?
硬水と軟水の違いは、主にカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量です。どちらかを選ぶことで妊娠しやすくなるというものではありません。
日本の水道水や国産のミネラルウォーターには軟水が多く、口当たりが軽いため飲みやすい傾向があります。
硬水はミネラルを含みますが、商品や飲む量によっては、お腹がゆるくなることがあります。硬水で不足する栄養を補おうとするのではなく、食事全体のバランスを整えることを優先しましょう。
水をたくさん飲むと妊娠しやすくなる?
適切な水分補給は、体調管理や脱水予防のために大切です。しかし、水を多く飲むだけで卵子の質や子宮内膜がよくなったり、妊娠率が高くなったりすると断定することはできません。
水分補給は、睡眠、食事、運動、休養などと同じく、健康を保つための基本的な生活習慣の一つとして考えましょう。
まとめ
- 妊活中だけに決められた水分摂取量はない
- 飲み物として1日1.2〜1.6L程度を一つの出発点にする
- 食事に含まれる水分も1日の摂取量に含まれる
- 一度に大量に飲まず、時間を分けて補給する
- 暑さ、運動、発熱、下痢などがある日は追加する
- 水、白湯、麦茶などを日常の水分補給の中心にする
- 妊娠の可能性がある時期はカフェインの総量を確認する
- 持病や治療中の指示がある場合は、医師の指示を優先する
水分補給は、多ければ多いほどよいわけではありません。決められた量を無理に飲むのではなく、食事や体調、季節、発汗量に合わせて、こまめに補給することを心がけましょう。
Q.妊活中は毎日2Lの水を飲んだ方がよいですか?
一律に2Lの水を飲む必要はありません。食事に含まれる水分、体格、季節、運動量などによって必要量は変わります。まずは飲み物として1.2〜1.6L程度を目安にし、尿の色や発汗量、体調を見ながら調整しましょう。
Q.水を飲むと子宮内膜が厚くなりますか?
水を多く飲むだけで、子宮内膜が厚くなるとはいえません。子宮内膜の状態には、ホルモン、年齢、子宮の状態、治療方法など複数の要因が関係します。内膜の厚さについて気になる場合は、不妊治療クリニックへ相談しましょう。
Q.冷たい水は妊活中に避けるべきですか?
冷たい水を必ず避ける必要はありません。冷たい飲み物で腹痛や下痢が起こる方は、常温の水や白湯が向いています。季節や体調に合わせ、無理なく飲める温度を選びましょう。
Q.コーヒーを飲んではいけませんか?
完全に禁止する必要はありませんが、妊娠の可能性がある時期はカフェインの総量に注意しましょう。コーヒー以外のお茶やチョコレート、エナジードリンクなども合計し、気になる場合はデカフェへ置き換えてください。
Q.採卵後や胚移植後も同じ量でよいですか?
基本的には普段どおりの水分補給で構いませんが、治療内容や体調によって個別の指示が出る場合があります。採卵後に強いお腹の張り、急な体重増加、尿量の減少、吐き気、息苦しさなどがある場合は、早めに治療施設へ連絡してください。
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📚参考文献
- 厚生労働省「健康のため水を飲もう講座」
1日の水分の摂取と排出、水分補給の考え方について紹介されています。 - NHS「Water, drinks and hydration」
一般的な水分摂取量、飲み物の選び方、尿の色による確認方法について解説されています。 - National Academies「Dietary Reference Intakes for Water, Potassium, Sodium, Chloride, and Sulfate」
飲み物と食事を含む総水分摂取量や、水分必要量の個人差についてまとめられています。 - 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
妊婦や妊娠を予定している方のカフェイン摂取に関する各国の注意喚起が紹介されています。 - National Kidney Foundation「Healthy Hydration and Your Kidneys」
水分必要量の個人差、過剰摂取の注意点、腎臓病がある場合の水分制限について解説されています。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
水分を意識していても体調が整わないときは
「水分は足りているはずなのに、むくみや冷えが気になる」「便秘や疲れやすさが続いている」などのお悩みは、水分量だけでなく、食事、睡眠、運動量、ストレス、自律神経などが重なっていることがあります。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中のお身体の状態や治療周期を確認しながら、鍼灸や良導絡測定を取り入れ、一人ひとりに合わせた体調管理をサポートしています。
生活習慣をどこから見直せばよいか分からない方も、無理に一人で抱え込まず、気になることがあればご相談ください🍀








妊活中の方からは、「冷えが気になるので白湯を何リットルも飲んでいます」「水をたくさん飲んだ方が血流によいですか」と相談されることがあります。
当院では、決められた量を無理に飲むのではなく、尿の色、発汗量、便通、むくみ、胃腸の状態などを確認しながら、その方に合った量をこまめに摂るようお伝えしています。
冷えやむくみ、疲れやすさは、水分量だけで決まるものではありません。睡眠、食事、運動量、ストレス、月経周期、自律神経の状態なども含めて振り返ることが大切です。