
妊活・妊娠中のヘアカラーやパーマは大丈夫?胎児への影響と注意点
「妊活中に髪を染めてもいいの?」
「胚移植後はヘアカラーを控えた方がいいの?」
「妊娠中にパーマをかけたいけれど、赤ちゃんへの影響は?」
結論からいうと、妊活中や妊娠中のヘアカラー・パーマは、必ずしも「絶対にしてはいけないもの」ではありません。現在の研究では、通常の使用で胎児に重大な悪影響を与えるという明確な証拠は示されていません。
ただし、妊娠初期や胚移植直後など、体調や治療のタイミングによっては、無理に行わず時期を調整した方が安心な場合もあります。この記事では、妊活中・妊娠中のヘアカラーやパーマについて、過度に不安になりすぎないための考え方と、安全に行うための注意点をわかりやすく解説します。
- 妊活中・妊娠中のヘアカラーやパーマは、必ずしも絶対に禁止ではありません。
- 通常の使用で胎児に重大な影響を与えるという明確な証拠は、現時点では示されていません。
- ただし、妊娠初期や胚移植直後などは、無理に行わず時期を調整すると安心です。
- 行う場合は、換気・パッチテスト・頭皮への薬剤付着を避けることが大切です。
- 不安が強い場合や治療中の場合は、主治医や美容師に相談して判断しましょう。


現時点での科学的知見
- 確定的なリスクは示されていない
これまでの研究では、妊娠中のヘアカラーやパーマが胎児へ直接的な大きな悪影響を与えるという明確な証拠はありません。 - ただしリスクゼロではない
染毛剤やパーマ液にはアレルギーを起こす成分や、動物実験で生殖細胞毒性が示された物質が含まれることがあります。2001年の調査では酸化染毛剤に「環境ホルモン作用」が確認され、2015年には消費者庁が注意喚起を行いました。 - 国際的なガイドライン
欧州産科婦人科学会(2022年)は「妊娠中のヘアカラーのリスクは非常に低い」としていますが、「低い」=「ゼロ」ではありません。妊活中や胚移植直後といったデリケートな時期は、不要な化学物質への暴露をできるだけ避けるのが望ましいとされています。
妊活中・妊娠中に気をつけたいポイント
- 妊娠初期(12週まで)は避ける
胎児の器官形成が進む時期の施術はできるだけ控えるのが安心です。 - 低刺激・植物由来の製品を選ぶ
ヘナやカラートリートメントなど、化学物質の刺激が少ない製品がおすすめです。 - パッチテストを必ず行う
妊娠中は肌が敏感になりやすく、アレルギーを起こしやすいので事前確認が必須です。 - 換気を徹底・吸入を避ける
揮発性物質を吸い込まないよう、通気の良い環境で施術を。美容室でも換気の確認をしましょう。 - 頭皮への薬剤付着を最小限に
地肌に直接薬剤をつけないように、美容師さんに相談すると安心です。 - 医師や美容師へ相談
不安が強い場合は、必ず担当の産婦人科医や不妊治療専門医に確認しましょう。
美容師さん自身へのリスクも
美容師は日常的にヘアカラー剤やパーマ液を扱うため、一般の人に比べて化学物質への暴露量が多くなります。そのため、以下のようなリスクが報告されています。
- 生殖への影響:美容師は不妊や月経不順のリスクがやや高まる可能性があるとされています。
- 妊娠経過への影響:流産、早産、低出生体重児のリスクが増える可能性が指摘されています。
- 胎児への影響:一部の研究では、先天性異常や周産期死亡の発生率上昇の可能性が報告されています。ただし因果関係はまだ確立されていません。
美容師が取るべき対策
- 換気設備を整える
- ゴム手袋やマスクを使用する
- 化学薬品の使用マニュアルを守る
自宅カラーと美容院カラーの違い
自宅でのヘアカラー
- メリット
・使用頻度を自分で調整できる
・施術時間を短く済ませやすい - リスク
・薬剤が頭皮に直接触れやすい
・換気不足の環境で使用すると、揮発物を吸い込みやすい
・使用方法の誤りによる皮膚炎リスク
美容院でのヘアカラー
- メリット
プロが頭皮に薬剤をつけないよう工夫してくれる
換気設備が整っているサロンが多い
髪質や体調に合わせて低刺激の薬剤を選んでもらえる - リスク
・美容師が日常的に多くの薬剤を扱うため、施術側にとっては蓄積リスクがある
・サロン内の薬剤濃度が家庭より高くなる場合がある
・妊婦が長時間滞在することで吸入リスクが増える
どちらが安全?
妊娠中の女性にとっては 美容院でプロにお願いする方が比較的安心。ただし、美容師自身は日常的に化学物質へ暴露されるため、職業上の対策が必須です。自宅カラーを選ぶ場合は、換気を徹底し、薬剤が頭皮に触れないように注意しましょう。
まとめ
妊活中や妊娠中のヘアカラーやパーマは「絶対にNG」ではありませんが、「安全が完全に保証されているわけでもない」というのが最新の知見です。
特に妊娠初期や胚移植後は控えめにし、安定期以降は低刺激製品の選択・パッチテスト・換気・頭皮保護を徹底することでリスクを下げることができます。
妊活中にヘアカラーをしても大丈夫ですか?
妊活中のヘアカラーは、必ずしも避けなければいけないものではありません。通常の範囲で行うヘアカラーによって、妊娠しにくくなる、卵子に直接悪影響が出るといった明確な根拠は現時点では十分ではありません。
ただし、体調がすぐれない日や、採卵前・移植前後などで不安が強い時期は、無理に行わず予定を調整すると安心です。
妊娠中にヘアカラーやパーマをしても胎児に影響はありませんか?
現在のところ、一般的なヘアカラーやパーマを通常の範囲で行うことが、胎児に重大な影響を与えるという明確な証拠は示されていません。
ただし、妊娠中はにおいに敏感になったり、皮膚がかぶれやすくなったりすることがあります。換気のよい環境で行い、長時間の施術や体調が悪い日の施術は避けるようにしましょう。
妊娠初期のヘアカラーは避けた方がよいですか?
妊娠初期だからといって、ヘアカラーが必ず危険というわけではありません。ただし、妊娠初期はつわりや体調変化が出やすく、においや長時間同じ姿勢でいることが負担になることがあります。
不安が強い場合は、安定期以降に予定をずらす、根元を避けて染める、施術時間を短くするなどの工夫をするとよいでしょう。
胚移植後にヘアカラーをしても大丈夫ですか?
胚移植後のヘアカラーが着床に直接悪影響を与えると断定できる根拠はありません。ただし、移植後は体調や気持ちがとても敏感になりやすい時期です。
においや長時間の施術、疲労がストレスになる場合もあるため、心配な方は移植前に済ませておくか、判定日以降に予定を調整すると安心です。
自宅カラーと美容院カラーではどちらが安心ですか?
妊活中・妊娠中は、美容院で相談しながら施術を受ける方が安心な場合があります。美容師さんに妊活中・妊娠中であることを伝えることで、薬剤が頭皮につきにくい塗り方や、換気、施術時間への配慮をしてもらえることがあります。
自宅カラーは手軽ですが、薬剤が頭皮につきやすかったり、換気が不十分になったりすることもあります。行う場合は説明書を守り、換気をしっかり行い、体調のよい日に短時間で済ませるようにしましょう。
美容師として働いている場合、妊活中や妊娠中は注意が必要ですか?
お客様として一時的にヘアカラーを受ける場合と、美容師として日常的に薬剤を扱う場合では、薬剤に触れる頻度が異なります。
妊活中・妊娠中に美容師として働く場合は、手袋の着用、換気、薬剤に触れる時間を減らす、休憩をこまめに取るなど、できる範囲で曝露を減らす工夫が大切です。心配な場合は、勤務先や主治医に相談しながら無理のない働き方を考えましょう。
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📚参考文献
- Chua-Gocheco A, Bozzo P, Einarson A. A study on the safety of hair dyes and perms during pregnancy. J Occup Med Toxicol. 2010;5:24.
- European Society of Gynaecology. 欧州産科婦人科学会ガイドライン(2022年発表):妊娠中の美容に関する推奨事項.
- 消費者庁 消費者安全調査委員会. 毛染めによる皮膚障害に関する注意喚起. 2015年10月23日.
- NPO法人 食品と暮らしの安全(旧 日本子孫基金). ヘアカラー剤の成分と環境ホルモン作用に関する報告. 2001年.
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
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