
インプランテーションディップとは?高温期7日目・11日目の体温低下と着床の考え方
高温期に基礎体温をつけていると、「高温期7日目に体温が下がった」「11日目に急に下がった」「これは着床のサイン?」と気になることがあります。
妊活中は、高温期の1日ごとの体温変化がとても気になりやすい時期です。
結論からいうと、高温期7日目や11日目を含め、体温が1日下がっただけで、妊娠しているか、着床したかを判断することはできません。
「インプランテーションディップ」という言葉もありますが、医学的に着床や妊娠を確定するための診断基準ではありません。
基礎体温は、測定時間、睡眠、体調、室温、飲酒などによっても変動します。また、排卵日そのものが想定よりずれていることもあります。
この記事では、インプランテーションディップとは何か、高温期7日目・11日目に体温が下がったときにどう考えればよいのか、妊娠超初期の基礎体温の見方や妊娠検査薬を使う時期についてわかりやすく解説します。
- 高温期7日目・11日目に体温が下がっても、それだけで着床や妊娠の有無は判断できません。
- インプランテーションディップは、着床時期にみられる体温低下として語られることがありますが、医学的な妊娠判定法ではありません。
- 着床が起こり得る時期と、基礎体温が下がる日は同じものではありません。
- 基礎体温は測定時刻、睡眠不足、体調、飲酒、室温などでも変動します。
- 妊娠の確認は、適切な時期の妊娠検査薬や医療機関で行いましょう。


着床時期に体温が下がることはある?
妊娠が成立するためには、排卵、受精、受精卵の移動、着床という流れが必要です。
着床時期を調べた研究では、排卵後6〜12日の間にhCGが確認され、継続した妊娠の多くでは排卵後8〜10日に確認されています。[1]
この時期は高温期の途中から後半にあたるため、基礎体温をつけている方は、わずかな体温変化でも「着床したのでは?」と気になりやすくなります。
実際、高温期の途中で体温が一時的に下がることはあります。
ただし、その体温低下が着床によるものなのか、測定条件によるものなのか、通常の体温変動なのかを、基礎体温だけで見分けることはできません。
つまり、着床が起こり得る時期に体温が下がったとしても、「体温が下がった=着床した」と判断することはできません。
インプランテーションディップとは?着床のサインといえる?
インプランテーションディップとは、排卵後の高温期に基礎体温が一時的に下がる現象を、着床と関連づけて呼ぶことがある言葉です。
妊活アプリやSNSなどでは、「高温期7〜10日目ごろに体温が1日下がり、その後また上がると着床のサイン」と紹介されることがあります。
しかし、インプランテーションディップは、医学的に確立された妊娠の診断方法ではありません。
着床時期について調べた研究はありますが、それは尿中hCGなどを用いて着床時期を推定したものであり、「着床すると基礎体温が一度下がる」と証明したものではありません。[1]
高温期の途中で一時的に体温が下がることは、妊娠している周期でも、妊娠していない周期でも起こることがあります。
そのため、インプランテーションディップがあったから妊娠している、なかったから妊娠していない、とは言えません。
基礎体温の1日の変化は、あくまで身体のリズムを見るための一つの手がかりとして考えましょう。
高温期7日目・11日目に体温が下がる場合は?
高温期7日目に体温が下がった場合
高温期7日目ごろは、排卵日が正しく推定できていれば、着床が起こる可能性のある時期と重なることがあります。[1]
そのため、「高温期7日目に体温が下がったから、インプランテーションディップなのでは?」と期待する方もいるかもしれません。
ただし、高温期7日目に体温が下がったこと自体を、着床した証拠と考えることはできません。
基礎体温には日ごとの変動があり、睡眠時間、測定時間、体調、飲酒などでも上下します。また、基礎体温から推測した排卵日と、実際の排卵日がずれている可能性もあります。[2]
翌日以降に再び体温が上がった場合も、「妊娠した」と決めつけず、生理予定日や判定日まで経過を見ていきましょう。
高温期11日目に体温が下がった場合
高温期11日目ごろに体温が下がると、「生理が来るのでは」「妊娠していないのでは」と不安になる方も多いと思います。
妊娠が成立しなかった周期では、月経が近づくにつれてプロゲステロンの分泌が低下し、基礎体温が下がってくることがあります。
ただし、1日だけの体温低下では、その後月経が始まるのか、単なる一時的な体温変動なのかを区別することはできません。
高温期11日目であっても、1回の体温だけで妊娠の有無を判断せず、その後の推移や生理予定日、妊娠検査薬の結果を確認することが大切です。
体温が1日下がっただけで妊娠の有無はわかる?
体温が1日下がっただけでは、妊娠の有無はわかりません。
基礎体温は、次のような影響を受けます。
- 起床時間がいつもと違った
- 睡眠時間が短かった
- 夜中に何度も目が覚めた
- 測る前に身体を動かした
- 風邪気味だった
- 前日に飲酒した
- 寝室が寒かった、または暑かった
- 強いストレスや疲労があった
このような条件によって、体温が一時的に下がることがあります。
また、高温期の体温は毎日まったく同じ温度で保たれるわけではありません。
少し上下しながら推移することもあり、1日だけ低い日があっても、その後ふたたび高温を保つことがあります。
そのため、体温が1日下がっただけで「妊娠していない」「着床した」と判断しないことが大切です。
高温期の体温低下と月経前の体温低下の違い
高温期の終わりごろになると、月経前に体温が下がることがあります。
これは、妊娠が成立しなかった場合にプロゲステロンの分泌が低下し、月経が近づくためです。
一方で、妊娠している場合は、高温期が続くことがあります。
ただし、実際には基礎体温だけで、月経前の体温低下なのか、妊娠している周期の一時的な低下なのかを見分けることは難しいです。
特に次のような場合は、判断がつきにくくなります。
- 排卵日がずれている
- 高温期が何日目か正確にわからない
- 測定時間が日によって違う
- 体調不良や睡眠不足がある
- 月経周期が不規則
高温期の終わりごろに体温が下がると不安になりますが、1日の体温だけで結果を決めつける必要はありません。
生理予定日や判定日まで待ち、必要な時期に妊娠検査薬や医療機関で確認しましょう。
妊娠超初期症状と基礎体温はどこまで参考になる?
妊娠超初期には、さまざまな体調の変化を感じる方がいます。
たとえば、次のような症状です。
- 眠気
- だるさ
- 胸の張り
- 下腹部の違和感
- 腰の重だるさ
- 気分の変化
- おりものの変化
- 少量の出血
ただし、これらの症状は月経前にも起こることがあります。
妊娠超初期症状と月経前症状は似ているため、症状だけで妊娠しているかどうかを判断することはできません。
基礎体温についても同じです。
高温期が続いていることは妊娠の可能性を考える一つの手がかりにはなりますが、妊娠を確定するものではありません。
妊娠の確認には、妊娠検査薬や医療機関での検査が必要です。
妊娠検査薬はいつから使うのがよい?
妊娠検査薬は、尿中のhCGというホルモンを調べる検査です。
hCGは妊娠成立後に増えていくホルモンで、妊娠初期には徐々に増加していきます。
妊娠検査薬は製品によって使用できる時期が異なるため、使用する製品の説明書を確認することが大切です。
早すぎる時期に検査をすると、妊娠していてもhCGがまだ十分に増えておらず、陰性になることがあります。[4][5]
これを偽陰性といいます。
判定日より前に何度も検査をすると、陰性のたびに落ち込んだり、薄い線に悩んだりして、かえって不安が強くなることもあります。
妊娠検査薬は、説明書に記載された使用時期を守って使いましょう。
不妊治療中で判定日が決まっている場合は、クリニックの指示に従ってください。
判定日まで不安なときの過ごし方
高温期後半や判定日前は、どうしても不安になりやすい時期です。
少し体温が下がっただけで検索したり、症状の有無を何度も確認したりしてしまうこともあると思います。
そのようなときは、できるだけ次のことを意識してみましょう。
- 体温を何度も見返しすぎない
- 検索する時間を決める
- 早すぎる妊娠検査薬をくり返さない
- 睡眠を優先する
- 無理のない範囲で普段通りに過ごす
- 過度な飲酒を避ける
- 予定を詰め込みすぎない
- 不安な気持ちを一人で抱え込まない
判定日までの時間は、とても長く感じるものです。
体温や症状だけに振り回されすぎないようにしながら、できるだけ無理のない生活を続けていきましょう。
体温に一喜一憂しすぎないために
基礎体温は、身体のリズムを知るための一つの手がかりです。
しかし、妊活中は、体温の数字が気持ちに大きく影響してしまうことがあります。
高温期に体温が下がった日は、「もうだめかもしれない」と感じるかもしれません。
反対に、体温が上がった日は「妊娠しているかも」と期待が強くなることもあります。
ただ、基礎体温は睡眠や測定条件などさまざまな影響を受けます。
1日ごとの体温だけを見るのではなく、数日から周期全体の流れとして確認していくことが大切です。
そして、妊娠の有無は基礎体温ではなく、適切な時期の妊娠検査薬や医療機関で確認しましょう。
受診や相談を考えたいケース
高温期の体温低下だけで、すぐに受診が必要とは限りません。
ただし、次のような場合は、婦人科や不妊治療クリニックへの相談を検討しましょう。
- 高温期が毎回短いと感じる
- 排卵後すぐに月経が来るように感じる
- 月経周期が大きく乱れている
- 不正出血が続く
- 強い下腹部痛がある
- 妊娠検査薬が陽性で、出血や腹痛がある
- 妊活を続けているが妊娠に至らない
特に妊娠検査薬が陽性になった後に強い腹痛や出血がある場合は、基礎体温だけで判断せず、医療機関に相談してください。
また、妊活が長引いている場合は、基礎体温だけではなく、排卵、卵管、子宮、精子なども含めて確認していくことが大切です。
この記事のまとめ
高温期に体温が下がると、「着床のサイン?」「インプランテーションディップ?」「妊娠していないのかな」と不安になることがあります。
特に高温期7日目や11日目など、着床時期や生理予定日を意識する頃の体温変化は気になりやすいものです。
しかし、体温が1日下がっただけで、妊娠の有無や着床の有無を判断することはできません。
インプランテーションディップという言葉はありますが、医学的に妊娠を確定できるサインではありません。
高温期の体温低下は、測定条件、睡眠不足、体調、室温、飲酒などでも起こります。
大切なのは、1日の体温だけに振り回されず、生理予定日や判定日までの経過を見ながら、適切な時期に妊娠検査薬や医療機関で確認することです。
基礎体温は「妊娠しているかどうかを決めるもの」ではなく、「身体のリズムを知るための手がかり」として活用しましょう。
Q. インプランテーションディップがあれば妊娠していますか?
A. インプランテーションディップがあったからといって、妊娠しているとは限りません。高温期の一時的な体温低下は、妊娠している周期でも妊娠していない周期でも起こることがあります。妊娠の確認には、適切な時期の妊娠検査薬や医療機関での検査が必要です。
Q. インプランテーションディップがないと妊娠していませんか?
A. いいえ。インプランテーションディップがなくても妊娠していることはあります。ディップの有無だけで妊娠の可能性を判断することはできません。
Q. 高温期7日目に体温が下がったら着床のサインですか?
A. 高温期7日目ごろは着床が起こる可能性のある時期と重なることがありますが、体温が下がったこと自体を着床のサインと判断することはできません。測定条件や通常の体温変動でも下がることがあります。
Q. 高温期11日目に体温が下がったら妊娠していないのでしょうか?
A. 1日だけ体温が下がったからといって、妊娠していないとは判断できません。月経前に体温が下がる場合もありますが、一時的な変動の場合もあります。その後の体温や生理予定日、妊娠検査薬の結果を確認しましょう。
Q. 高温期に体温が下がったら妊娠検査薬を使ってもよいですか?
A. 早すぎる時期に検査すると、妊娠していてもhCGが十分に増えておらず陰性になることがあります。使用する妊娠検査薬の説明書に記載された時期を確認し、不妊治療中の場合はクリニックの判定日に従いましょう。
Q. 妊娠検査薬が陽性なのに体温が下がった場合はどうしたらいいですか?
A. 基礎体温だけで妊娠の経過を判断することはできません。陽性確認後に出血や強い腹痛がある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
📝こちらの記事もおすすめです
-
高温期に体温が下がる理由は?妊娠できないサインとは限りません
インプランテーションディップだけでなく、高温期全体の体温変動や測定条件、月経前の変化について詳しく知りたい方におすすめです。 -
排卵後の妊娠確率は?排卵日後に間に合うのか、卵子の受精可能時間をわかりやすく解説
高温期の体温変化が気になる背景に、「排卵日やタイミングは合っていたのかな」という不安がある方へ。排卵後の受精可能時間について解説しています。 -
高温期の飲酒は妊活に影響する?黄体期に気をつけたいこと
判定日までの高温期に、飲酒や睡眠、日常生活をどのように考えればよいか知りたい方におすすめです。
📚参考文献
- [1] Wilcox AJ, Baird DD, Weinberg CR. Time of implantation of the conceptus and loss of pregnancy. N Engl J Med. 1999;340(23):1796-1799.
排卵後の着床時期について、着床が排卵後6〜12日の範囲で確認され、継続妊娠の多くでは排卵後8〜10日に確認されたことを説明するために参考にしました。 - [2] Su HW, Yi YC, Wei TY, Chang TC, Cheng CM. Detection of ovulation, a review of currently available methods. Bioeng Transl Med. 2017;2(3):238-246.
基礎体温が排卵後のプロゲステロンの影響を受けることや、基礎体温による排卵日の推定には限界があることを説明するために参考にしました。 - [3] American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG). Fertility Awareness-Based Methods of Family Planning.
排卵後に基礎体温が上昇する仕組みや、基礎体温を妊娠しやすい時期の把握に利用する際の基本的な考え方を確認するために参考にしました。 - [4] Mayo Clinic. Home pregnancy tests: Can you trust the results?
妊娠検査薬の仕組みと、検査時期が早すぎる場合には妊娠していても陰性となる可能性があることを説明するために参考にしました。 - [5] Cleveland Clinic. Pregnancy Test: When To Take, Types & Accuracy.
尿中hCGを利用した妊娠検査の仕組みや、妊娠検査薬を使用する適切な時期について確認するために参考にしました。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
高温期や判定日前の不安を抱えている方へ
高温期に体温が下がったり、妊娠超初期の症状が気になったりすると、「着床しているのかな」「今回もだめなのかな」と気持ちが揺れやすくなります。
基礎体温の変化だけで妊娠の有無を判断することはできませんが、判定日までの体調や過ごし方について不安を感じる方は少なくありません。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、月経周期や治療状況、睡眠、冷え、ストレスなどを確認しながら、妊活中の身体づくりをサポートしています。
「判定日まで不安が強い」「妊活中の体調について一度相談してみたい」という方は、相談先の一つとしてお気軽にご利用ください🍀







