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不妊治療のホルモン剤で頭痛がする?採卵周期・移植周期の副作用と相談の目安

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不妊治療を始めてから、「以前より頭痛が増えた」「ホルモン剤を使い始めてから頭が重い」と感じる方は少なくありません。

採卵周期や胚移植周期では、卵胞を育てる薬、排卵を調整する薬、子宮内膜を整えるエストロゲン製剤、妊娠の成立や維持を支える黄体ホルモン製剤など、複数の薬を使用することがあります。

これらの薬では頭痛が副作用として現れることがありますが、頭痛の原因がすべてホルモン剤とは限りません。不妊治療中は、ホルモンの変動に加えて、睡眠不足、緊張、首肩のこり、空腹、水分不足などが重なることもあります。

この記事では、不妊治療中に頭痛が起こる背景、採卵周期・移植周期で使われる薬との関係、自己判断で薬を中止してはいけない理由、クリニックへ相談した方がよい症状をわかりやすく解説します。

この記事の要点まとめ
  • 不妊治療で使われる排卵誘発剤、エストロゲン製剤、黄体ホルモン製剤などでは、頭痛が起こることがあります。
  • ホルモン剤だけでなく、睡眠不足、水分不足、空腹、緊張、首肩のこりなどが重なっている場合もあります。
  • 頭痛があっても、エストラーナテープや黄体ホルモン剤、自己注射などを自己判断で中止しないことが大切です。
  • 薬を開始した日、頭痛が出た日、痛みの強さ、吐き気や視覚症状などを記録すると、クリニックへ相談しやすくなります。
  • 突然の激しい頭痛、視界の異常、手足のしびれ、胸痛、息苦しさなどがある場合は、早めの受診が必要です。

不妊治療を始めてから頭痛が起こるのはなぜ?

不妊治療中の頭痛には、ひとつの原因だけでなく、複数の要因が関係していることがあります。

ホルモン量の変化

採卵周期やホルモン補充周期では、薬によって体内のエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン環境が変化します。

もともと生理前や排卵期に頭痛が出やすい方、片頭痛がある方は、ホルモン量の変化をきっかけに頭痛が起こることがあります。

治療による緊張やストレス

採卵できる卵子の数、受精結果、胚の成長、子宮内膜の厚さ、妊娠判定など、不妊治療中は結果を待つ場面が多くあります。

緊張が長く続くと、無意識に肩へ力が入ったり、食いしばりが強くなったりして、首肩の筋肉の緊張を伴う頭痛が起こることもあります。

睡眠不足や生活リズムの変化

自己注射の時間、朝早い診察、仕事との両立などによって、睡眠時間や食事のタイミングが不規則になることがあります。

寝不足だけでなく、休日の寝すぎ、朝食を抜くこと、水分不足、カフェイン摂取量の急な変化なども、頭痛のきっかけになる場合があります。

当院でお伝えしていること

当院でも、「採卵周期に入ってから頭痛が増えた」「エストラーナテープを貼り始めてから頭が重い」といったご相談をいただくことがあります。

頭痛だけで判断するのではなく、薬を開始した時期、月経周期、睡眠、食事、水分、首肩の緊張、冷えやのぼせなどを一緒に振り返ることが大切です。症状が強い場合や毎回同じ薬の使用中に起こる場合は、処方したクリニックへ伝えるようお話ししています。

採卵周期と移植周期では使用する薬が異なります

不妊治療中の頭痛を考えるときは、「どの薬を使っているか」だけでなく、「治療周期のどの段階にいるか」を確認することが重要です。

採卵周期で使用される主な薬

採卵周期では、複数の卵胞を育て、排卵のタイミングを調整するために、次のような薬が使われます。

  • 卵胞を育てるFSH製剤・hMG製剤
  • 排卵を抑えて採卵時期を調整するGnRHアゴニスト・GnRHアンタゴニスト
  • 卵子の最終成熟を促すhCG製剤などのトリガー注射
  • 採卵後に使用する黄体ホルモン製剤

排卵を抑える薬を使用している期間には、一時的にエストロゲンが低い状態となり、ほてり、寝汗、気分の変化、頭痛などが起こることがあります。

卵巣刺激が始まってからも、ホルモン量の変化や通院による疲れ、睡眠不足などが重なり、頭痛を感じる場合があります。ただし、薬の種類や使用方法は治療方針によって異なるため、症状の出方を一律には判断できません。

移植周期で使用される主な薬

凍結胚移植には、大きく分けて自然排卵を利用する方法と、薬で子宮内膜を整えるホルモン補充周期があります。

ホルモン補充周期では、一般的にエストロゲン製剤で子宮内膜を育て、その後に黄体ホルモン製剤を追加します。

  • エストロゲン製剤:エストラーナテープ、内服薬、ジェル製剤など
  • 黄体ホルモン製剤:ルティナス腟錠、ワンクリノン腟用ゲル、内服薬、注射薬など

これらの薬では、頭痛、眠気、めまい、吐き気、乳房の張り、腹部膨満感などがみられることがあります。

同じホルモン補充周期でも、使用する薬の種類、量、投与経路は異なります。症状が気になる場合は、薬の名前と使用開始日を確認してクリニックへ相談しましょう。

エストラーナテープで頭痛が起こることはある?

エストラーナテープは、エストラジオールを皮膚から吸収させる貼付薬です。凍結融解胚移植のホルモン補充周期などで、子宮内膜を整える目的に使用されます。

添付文書には、頭痛、眠気、めまいなどが副作用として記載されています。また、もともと片頭痛がある方では、症状が悪化する可能性があるため、十分に観察することとされています。

ただし、頭痛が起きたからといって、テープを自分ではがしたり、貼る枚数を減らしたりしてはいけません。ホルモン補充周期では、子宮内膜の状態と移植日を合わせて薬が調整されているため、変更する場合は必ず処方した医師の指示を受けましょう。

プロゲステロンで頭痛が起こることはある?

プロゲステロンは、採卵後や胚移植周期に、子宮内膜の状態を整えて妊娠の成立や維持を支えるために使用されます。

腟錠、腟用ゲル、内服薬、注射薬などがあり、頭痛、眠気、めまい、吐き気、乳房の張り、腹部の張りなどが現れることがあります。

黄体ホルモン製剤は、移植日や胚の発育段階に合わせて使用開始日が決められています。使用時間や回数を自己判断で変更すると治療計画へ影響する可能性があるため、頭痛があっても勝手に中止しないことが重要です。

不妊治療中の頭痛はいつまで続く?

ホルモン剤による頭痛の続く期間には個人差があります。

薬を開始した直後や量が変わった時期に頭痛が出ても、体が変化に慣れるにつれて落ち着くことがあります。一方で、薬を使用している間ずっと続く方や、治療周期の特定の段階だけに起こる方もいます。

「数日たてば必ず治まる」「薬を終えればすぐに治る」とは限らないため、次のような場合は我慢せずクリニックへ相談しましょう。

  • 頭痛が数日続いている
  • 時間がたつほど痛みが強くなっている
  • 毎回同じ薬を使用すると頭痛が起こる
  • 頭痛薬を使う回数が増えている
  • 吐き気や視界の異常を伴う
  • 頭痛によって仕事や睡眠に支障が出ている

頭痛があってもホルモン剤を自己判断で中止しないでください

不妊治療で使用するホルモン剤は、卵胞の成長、排卵の調整、子宮内膜の準備、胚移植の日程などに合わせて処方されています。

頭痛がつらい場合でも、自己注射を飛ばす、エストラーナテープの枚数を減らす、黄体ホルモン剤の使用を中止するといった自己判断は避けてください。

薬を変更できるか、使用時間を調整できるか、痛み止めを併用できるかは、治療内容や妊娠の可能性によって異なります。処方したクリニックへ確認することが大切です。

妊活中に使う頭痛薬の種類や排卵期の注意点については、妊活中の頭痛薬はどうする?ロキソニン・排卵日の頭痛・安全な対処を解説もあわせてご覧ください。

クリニックへ相談するときに伝えたいこと

頭痛について相談するときは、次の内容を簡単に整理しておくと、薬との関係を判断しやすくなります。

  • 現在使用している薬の名前と使用量
  • 薬を開始した日、または使用量が変わった日
  • 頭痛が始まった日時
  • 頭のどの部分が痛むか
  • 締め付けられる痛みか、脈打つような痛みか
  • 吐き気、光や音への過敏、視界の異常があるか
  • 頭痛薬を飲んだ場合は、薬の名前と回数
  • 腹部の張り、体重増加、息苦しさなど、ほかの症状がないか

頭痛ダイアリーをつけてみましょう

毎日詳しく記録する必要はありません。スマートフォンのメモなどに、次の項目を残すだけでも役立ちます。

  • 日付と治療周期
  • 使用した薬
  • 頭痛の強さを0~10で記録
  • 頭痛が続いた時間
  • 睡眠時間
  • 食事や水分の状況
  • 飲んだ頭痛薬
当院でお伝えしていること

不妊治療中は複数の薬を使用することがあるため、「どの薬が原因なのか」をご自身だけで判断するのは難しいものです。まずは薬を変更せず、症状が出た時期と体調を記録して、処方したクリニックへ伝えるようお話ししています。

当院では、良導絡測定や東洋医学的な体質の見方も取り入れながら、首肩の緊張、睡眠、冷えとのぼせ、胃腸の状態、ストレスなども確認します。ただし、鍼灸で薬の副作用を判断したり、治療薬の変更を行ったりすることはできません。必要な場合は、婦人科や頭痛外来など医療機関での確認を優先します。

薬以外に確認したい頭痛の要因

頭痛がホルモン剤の使用と同じ時期に起こっていても、別の要因が重なっている可能性があります。

水分不足

通院や仕事が忙しく、水分をとる回数が減ると頭痛が起こることがあります。のどが渇く前に、少量ずつこまめに水分をとりましょう。

空腹や食事時間の乱れ

朝食を抜いたり、診察の待ち時間で食事が遅くなったりすると、空腹が頭痛のきっかけになることがあります。すぐに食べられる軽食を準備しておくのもひとつの方法です。

睡眠不足と寝すぎ

睡眠不足だけでなく、休日に長く寝すぎることも片頭痛のきっかけになる場合があります。可能な範囲で、就寝時間と起床時間を大きく変えないようにしましょう。

首肩のこりや食いしばり

長時間のスマートフォンやパソコン作業、通院や仕事による緊張、睡眠中の食いしばりなどによって、首肩の筋肉が緊張することがあります。

ただし、脈打つような片頭痛では、温めたり強く揉んだりすることで痛みが強くなる方もいます。頭痛の種類が分からない場合は、無理なマッサージを避けましょう。

鍼灸でできる不妊治療中の頭痛ケア

鍼灸では、不妊治療で使用している薬を変更するのではなく、頭痛と一緒に現れている首肩の緊張、睡眠の乱れ、冷え、ストレスなどを確認しながら施術を行います。

東洋医学では、同じ頭痛でも、痛む場所、痛み方、月経周期、冷えとのぼせ、胃腸の状態などによって体の見方が異なります。

医療機関での治療を続けながら、体調管理のひとつとして鍼灸を取り入れることは選択肢になりますが、強い頭痛やいつもと違う症状がある場合は、鍼灸より先に医療機関へ相談してください。

すぐにクリニックや医療機関へ相談したい症状

次のような症状がある場合は、単なるホルモン剤の副作用と自己判断せず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 突然起こった激しい頭痛
  • 今まで経験したことのない強い頭痛
  • 視界が欠ける、二重に見える、急に見えにくくなる
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい
  • 顔や手足のしびれ、力が入りにくい
  • 強いめまい、意識がぼんやりする
  • 胸の痛みや突然の息苦しさ
  • 片脚の痛み、腫れ、熱感

腹部の張りや息苦しさを伴う場合

採卵周期では、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)にも注意が必要です。

頭痛だけでOHSSと判断することはできませんが、強い腹部膨満感や腹痛、吐き気・嘔吐、急な体重増加、尿量の減少、息苦しさなどを伴う場合は、治療を受けているクリニックへ速やかに連絡してください。

まとめ:薬を中止せず、頭痛が出た時期と症状を伝えましょう

不妊治療で使用する排卵誘発剤、エストロゲン製剤、黄体ホルモン製剤などでは、頭痛が起こることがあります。

ただし、不妊治療中の頭痛には、ホルモンの変動だけでなく、睡眠不足、水分不足、空腹、首肩の緊張、ストレスなどが重なっている場合もあります。

頭痛があっても、エストラーナテープや黄体ホルモン製剤、自己注射などを自己判断で中止したり、使用量を変更したりしないことが大切です。

薬を開始した日、頭痛が起こった日、痛みの強さ、吐き気や視覚症状の有無を記録し、処方したクリニックへ相談しましょう。突然の激しい頭痛や視界の異常、しびれ、胸痛、息苦しさなどがある場合は、早めに医療機関を受診してください。

当院でよく受けるご相談

Q1.エストラーナテープを貼り始めてから頭痛がします。はがしてもよいですか?

自己判断ではがしたり、枚数を減らしたりしないでください。ホルモン補充周期では、子宮内膜の状態や移植日に合わせて使用量が決められています。頭痛が続く場合は、処方したクリニックへ症状を伝えましょう。

Q2.プロゲステロンの腟錠でも頭痛は起こりますか?

黄体ホルモン製剤では、頭痛、眠気、めまい、吐き気などがみられることがあります。ただし、別の原因が重なっていることもあるため、症状が強い場合や長引く場合は医師へ相談してください。

Q3.採卵周期の頭痛は、採卵が終われば治りますか?

採卵後に落ち着く方もいますが、頭痛が続く期間には個人差があります。黄体ホルモン剤の使用、睡眠不足、脱水、採卵後の体調変化などが関係している場合もあります。

Q4.ホルモン剤による頭痛に市販の頭痛薬を飲んでもよいですか?

使用できる薬は、採卵前、排卵期、胚移植後、妊娠判定待ちなどの時期や、現在使用している薬によって異なります。市販薬を自己判断で続けず、不妊治療のクリニックや薬剤師へ確認しましょう。

Q5.不妊治療中の頭痛に鍼灸を受けてもよいですか?

体調に問題がなく、治療を受けているクリニックから特別な指示がなければ、鍼灸を併用できることがあります。使用中の薬、採卵日や移植日、頭痛の状態を施術者へ伝えてください。強い頭痛や神経症状がある場合は、鍼灸より医療機関での確認を優先します。

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📚参考文献

この記事の監修者

宇都宮泰子 監修者写真

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)

FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)

  • 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
  • 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
  • 日本生殖医学会会員

不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。

※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

不妊治療中の頭痛や体調の変化を、一人で抱え込んでいませんか?

採卵周期や移植周期では、ホルモン剤による体調の変化に加えて、通院の緊張、睡眠不足、首肩のこりなどが重なり、頭痛を感じることがあります。

頭痛が続く場合や、いつもと異なる症状がある場合は、治療薬を自己判断で中止せず、まずは不妊治療のクリニックへご相談ください。

大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、不妊治療の内容や月経周期を伺いながら、首肩の緊張、睡眠、自律神経、冷えなども含めて、お身体の状態に合わせた鍼灸ケアを行っています。

「治療を続けながら体調も整えたい」「頭痛や肩こりについて相談してみたい」という方は、無理に我慢せず、お気軽にご相談ください🍀

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