
妊活中にインフルエンザ・コロナに感染したら?発熱が卵子・精子に与える影響と再開の目安
妊活中にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症にかかると、「今周期は妊活しても大丈夫?」「熱で卵子や精子に影響する?」「薬を飲んでもいいの?」と不安になる方は少なくありません。
特に発熱があると、妊娠の可能性や治療スケジュールへの影響が気になってしまいますよね。
結論からいうと、インフルエンザやコロナ、発熱による妊活への影響は、多くの場合一時的です。ただし、高熱が続いた場合や、採卵・移植・人工授精などの予定が近い場合、妊娠の可能性がある時期は、自己判断せず医師に相談することが大切です。
この記事では、妊活中のインフルエンザ・コロナと発熱の影響について、男性・女性それぞれの視点からわかりやすく解説します。
- 妊活中のインフルエンザ・コロナの影響は、多くの場合一時的です。
- 男性は高熱により精子の数・運動率・形態が一時的に低下する可能性があります。
- 精子はおよそ2〜3か月で新しく入れ替わるため、発熱後の精液所見は時間とともに回復することがあります。
- 女性は発熱や炎症反応により、排卵や月経周期が一時的に乱れることがあります。
- 妊娠の可能性がある時期の高熱は、我慢せず医師に相談することが大切です。
- 薬を使う場合は、妊娠の可能性があることを医師・薬剤師に伝えましょう。
- 採卵・移植・人工授精の予定がある場合は、感染した時点でクリニックへ確認しましょう。


目次
妊活中のインフルエンザ・コロナ|まず大切なのは「焦らず回復を優先すること」
妊活中は、排卵日や採卵日、移植日などの予定があるため、体調不良が起こると「この周期を無駄にしたくない」と感じる方も多いと思います。
しかし、インフルエンザやコロナに感染しているときは、発熱、脱水、睡眠不足、食欲低下、炎症反応などにより、身体全体に負担がかかっています。
その状態で無理に妊活を進めるよりも、まずはしっかり休み、解熱し、食事や睡眠が戻ってから再開する方が安心です。
「熱が出たからもう妊娠できない」ということではありません。多くの場合、影響は一時的で、体調の回復とともに整っていきます。
妊活中の発熱は精子に影響する?
男性の場合、発熱による影響で特に気になるのが精子です。
精子は熱に弱い性質があります。インフルエンザやコロナなどで高熱が続くと、精子の数、運動率、形態などに一時的な変化が出る可能性があります。
精子は毎日つくられていますが、精子が成熟するまでにはおよそ2〜3か月ほどかかります。そのため、高熱のあとすぐの精液検査で数値が下がっていても、そのままずっと悪い状態が続くとは限りません。
高熱後の精子はどれくらいで戻る?
発熱後の精子への影響は、熱の高さ、発熱期間、もともとの精液所見、睡眠や栄養状態によって個人差があります。
一般的には、発熱後2〜3か月ほどで新しくつくられた精子に入れ替わっていくため、徐々に回復していくことが多いと考えられます。
ただし、採卵や人工授精、体外受精の予定が近い場合は、「高熱が出たこと」をクリニックに伝えておくと安心です。必要に応じて精液検査を行い、今の状態を確認することができます。
コロナ感染後の精子への影響
新型コロナウイルス感染症についても、一部の研究では感染後に精液所見が一時的に低下する可能性が報告されています。
ただし、すべての男性に大きな影響が出るわけではありません。発熱や全身状態の悪化、炎症反応などが関係すると考えられており、回復とともに精液所見が改善していくケースもあります。
「コロナにかかったから妊娠できない」と決めつける必要はありませんが、治療予定が近い場合や精液所見が気になる場合は、主治医に相談しましょう。
女性の発熱は卵子や排卵に影響する?
女性の場合、「熱で卵子の質が悪くなるのでは」と心配される方も多いです。
インフルエンザやコロナによる発熱が、卵子そのものを直接大きく傷つけるとまでは言い切れません。一方で、感染による全身の炎症反応、睡眠不足、食欲低下、強い疲労などによって、排卵のタイミングや月経周期が一時的に乱れることはあります。
たとえば、排卵が遅れる、生理予定日がずれる、経血量がいつもと少し違うといった変化が起こることがあります。
多くの場合は一時的な変化で、次の周期以降に整っていくことが多いです。無理に予定通り進めようとせず、体調が戻ってから妊活を再開することが大切です。
採卵・移植周期に感染した場合
採卵周期や移植周期にインフルエンザやコロナに感染した場合は、必ず通院中のクリニックへ連絡しましょう。
発熱の程度、症状、感染時期、卵胞の育ち、内膜の状態、胚移植の予定などによって、予定通り進めるか、延期するかの判断は変わります。
自己判断で薬を中止したり、無理に通院したりせず、クリニックの指示を確認してください。
妊娠の可能性がある時期に高熱が出たらどうする?
排卵後や胚移植後、生理予定日前など、妊娠の可能性がある時期に高熱が出ると、とても不安になると思います。
妊娠初期の高熱については、神経管閉鎖障害などとの関連が報告されています。ただし、これは「少し熱が出たら必ず問題が起こる」という意味ではありません。
大切なのは、高熱を我慢しすぎないことです。妊娠の可能性がある場合は、早めに医療機関へ相談し、必要に応じて解熱、補液、治療を受けましょう。
市販薬を使う場合も、妊娠の可能性があることを医師や薬剤師に伝えたうえで選ぶと安心です。
妊活中の解熱剤・インフルエンザ薬は使ってもいい?
妊活中や妊娠の可能性がある時期に薬を使うときは、「妊娠しているかもしれない」と伝えたうえで、医師や薬剤師に確認することが大切です。
解熱鎮痛剤について
妊娠の可能性がある時期や妊娠中の解熱鎮痛剤としては、一般的にアセトアミノフェンが選択されることが多いです。
ただし、「安全だからいくらでも飲んでよい」という意味ではありません。用法・用量を守り、必要な期間だけ使用することが大切です。
一方、イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、妊娠週数によって注意が必要な場合があります。妊娠の可能性がある場合は、自己判断で使用せず確認しましょう。
インフルエンザ治療薬について
インフルエンザは、妊娠中に重症化しやすい感染症のひとつとされています。そのため、妊娠中や妊娠の可能性がある時期でも、必要に応じて抗インフルエンザ薬が使われることがあります。
オセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)などは、妊娠中の使用経験もあり、医師の判断で使用されることがあります。
一方、バロキサビル(ゾフルーザ)については、妊娠中の安全性・有効性データが十分でないため、妊娠中は推奨されないとする情報もあります。妊活中で妊娠の可能性がある場合は、必ず医師に伝えたうえで薬を選んでもらいましょう。
コロナの治療薬について
新型コロナウイルス感染症の治療薬は、重症化リスク、妊娠の有無、持病、併用薬などによって判断が変わります。
妊活中・妊娠可能性がある時期にコロナ治療薬を使う場合は、自己判断せず、医師に「妊娠の可能性がある」ことを必ず伝えてください。
インフルエンザ・コロナ後、妊活はいつ再開していい?
妊活を再開するタイミングは、男女で少し考え方が異なります。
男性の場合
高熱が続いた場合、精子への影響を考えると、2〜3か月ほどで新しい精子に入れ替わっていくと考えられます。
ただし、これは「必ず2〜3か月避妊しなければいけない」という意味ではありません。自然妊活、人工授精、体外受精など、治療内容によって判断が変わります。
精液所見がもともと気になる方、採卵が近い方、高熱が数日続いた方は、精液検査で確認すると安心です。
女性の場合
女性は、解熱して体力が戻り、食事や睡眠が普段に近づいてきたら、妊活再開を検討できます。
ただし、排卵が遅れている、月経が大きく乱れている、咳や倦怠感が強く残っている、採卵や移植予定がある場合は、クリニックに確認しましょう。
「今周期に無理をするか」よりも、「次の周期以降により良い状態で臨めるか」という視点も大切です。
妊活中に感染したときのセルフケア
インフルエンザやコロナに感染したときは、妊活のことが気になっても、まずは感染症からの回復を優先しましょう。
- 水分をこまめにとる
- 食べられるものを少量ずつとる
- 睡眠時間を確保する
- 高熱を我慢しすぎない
- 妊娠の可能性があることを医師・薬剤師に伝える
- 採卵・移植・人工授精の予定がある場合はクリニックに連絡する
- 解熱後もしばらくは無理な運動や長時間の外出を避ける
体調が戻ってくると、基礎体温や月経周期も少しずつ整っていくことがあります。焦らず、身体の回復を待ちましょう。
Q1. 妊活中にインフルエンザになったら、その周期は妊娠をあきらめた方がいいですか?
必ずしもあきらめる必要はありません。ただし、高熱や強い倦怠感があるときは、身体の回復を優先しましょう。人工授精、採卵、移植などの予定がある場合は、クリニックに連絡して判断を仰ぐことが大切です。
Q2. 妊活中の発熱で精子は悪くなりますか?
高熱が続くと、精子の数、運動率、形態などが一時的に低下する可能性があります。ただし、多くの場合は一時的な変化です。精子はおよそ2〜3か月かけて新しくつくられるため、時間とともに回復していくことがあります。
Q3. 夫がコロナに感染しました。妊活は何か月休むべきですか?
一律に何か月休むべきとは言えません。高熱が続いた場合や精液所見が気になる場合は、2〜3か月後を目安に精液検査で確認すると安心です。体外受精や人工授精の予定がある場合は、早めにクリニックへ相談しましょう。
Q4. 女性が発熱すると卵子の質が下がりますか?
発熱だけで卵子の質が大きく低下すると断定することはできません。ただし、感染による炎症、睡眠不足、食欲低下、強い疲労などで、排卵や月経周期が一時的に乱れることはあります。体調が戻れば整っていくことが多いです。
Q5. 妊娠しているかもしれない時期に高熱が出たらどうすればいいですか?
高熱を我慢せず、早めに医療機関へ相談してください。妊娠の可能性があることを伝えたうえで、解熱剤や治療薬を選んでもらうと安心です。水分補給も大切です。
Q6. 妊活中にアセトアミノフェンを飲んでも大丈夫ですか?
妊娠の可能性がある時期や妊娠中の解熱鎮痛剤として、アセトアミノフェンが選ばれることは多いです。ただし、用法・用量を守り、必要な期間だけ使用しましょう。持病や併用薬がある場合は、医師や薬剤師に確認してください。
Q7. コロナワクチンで不妊になることはありますか?
現時点で、新型コロナワクチンが不妊の原因になるという科学的根拠はないとされています。月経周期に一時的な変化が出ることはありますが、その後の周期で戻ることが多いとされています。不安がある場合は、主治医に相談しましょう。
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📚参考文献
- Carlsen E, Andersson A-M, Petersen JH, Skakkebaek NE. History of febrile illness and variation in semen quality. Human Reproduction. 2003.
発熱後に精子濃度・運動率・形態などの精液所見が一時的に変化する可能性について参考にしました。 - MotherToBaby. Fever / Hyperthermia. NCBI Bookshelf.
妊娠初期の高熱・高体温と胎児への影響、神経管閉鎖障害との関連について参考にしました。 - 国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター「インフルエンザについて」
妊娠中のインフルエンザワクチン、オセルタミビル、ザナミビルなどの安全性情報について参考にしました。 - American College of Obstetricians and Gynecologists. Influenza in Pregnancy: Prevention and Treatment.
妊娠中のインフルエンザ治療、抗ウイルス薬、バロキサビルに関する注意点について参考にしました。 - Centers for Disease Control and Prevention. Recommendations for Obstetric Health Care Providers: Use of Antiviral Medications for Influenza.
妊娠中・産後のインフルエンザ治療における抗ウイルス薬の考え方について参考にしました。 - 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
新型コロナワクチンと月経周期、不妊に関する科学的根拠について参考にしました。 - 国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター「妊娠・授乳中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種について」
妊娠中・妊娠可能性がある時期の新型コロナウイルス感染症、ワクチン、解熱鎮痛薬に関する情報を参考にしました。 - Chen X, et al. A Systematic Review and Meta-analysis of the Effect of SARS-CoV-2 Infection on Semen Quality. 2022.
新型コロナウイルス感染症後の精液所見への影響について参考にしました。 - StatPearls. Histology, Spermatogenesis. NCBI Bookshelf.
精子がつくられる過程と造精機能に関する基礎情報を参考にしました。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
感染後の妊活に不安がある方へ
インフルエンザやコロナ、発熱のあとに「このまま妊活を続けて大丈夫かな」「採卵や移植、タイミングに影響しないかな」と不安になる方は少なくありません。
多くの場合、発熱や感染による影響は一時的とされていますが、体調の回復具合や治療スケジュールによって、無理をしない方がよい時期もあります。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、妊活中の体調変化や自律神経の乱れ、冷え、睡眠、ストレスなども含めて、お一人おひとりの状態に合わせたサポートを行っています。
「今の体調で妊活を進めていいのかな」と迷うときは、ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください🍀








妊活中に発熱すると、「今まで頑張ってきたのに台無しになるのでは」と不安になる方が多くいらっしゃいます。当院では、まず体調の回復を最優先にしていただくようお伝えしています。発熱後は、睡眠、食事、水分補給、冷えの予防、自律神経の乱れを整えることも大切です。採卵や移植が近い場合は、鍼灸でできることと、クリニックに確認すべきことを分けながら、無理のない形でサポートしています。