生理の正常と異常の違いは?一覧表でわかる婦人科受診の目安
「自分の生理は正常なのかな」と気になっても、何を基準に判断すればよいのか分かりにくいものです。最近はSNSで「正常な生理と異常な生理」を比べた表をよく見かけますが、日本の基準とは異なる数字が使われているものもあります。
この記事では、日本産科婦人科学会の定義をもとに、生理の「正常の目安」と「受診を考えたいサイン」を一覧表にまとめました。項目ごとのくわしい解説は、関連記事でご紹介しています。
- 日本の基準では、生理周期は25〜38日、出血が続く日数は3〜7日、1回の生理の経血量は20〜140mLが正常の範囲です
- SNSの表でよく見る「21〜35日」「80mL」は、海外の目安や研究で使われてきた数値で、日本の基準とは異なります
- 数値だけでなく、生活に支障が出ているかどうかも受診を考える大切な目安です
- 妊活中の方は、生理の記録をつけておくと婦人科での相談に役立ちます
正常な生理と受診を考えたいサインの一覧表
周期・日数・量の数値は、日本産科婦人科学会の定義にもとづいています(文献1)。ナプキンの交換頻度、痛み、血の塊は数値による定義がないため、受診を考える目安として掲載しています。
| 項目 | 正常の目安 | 受診を考えたいサイン |
|---|---|---|
| 生理周期 | 25〜38日(周期のずれは6日以内) | 24日以内/39日以上/毎回7日以上ずれる |
| 出血が続く日数 | 3〜7日 | 2日以内/8日以上 |
| 1回の生理の経血量 | 20〜140mL | 140mLを超える/20mL以下のごく少量 |
| ナプキンの交換 | 昼用ナプキンで日中を過ごせる | 1〜2時間もたない/昼間も夜用が必要 |
| 痛み | 市販の鎮痛剤で普段どおり過ごせる | 寝込む・仕事や学校を休む/鎮痛剤が効かない |
| 血の塊 | 小さな塊がときどき出る程度 | レバー状の大きな塊がたびたび出る |
| 生理がこない | ― | 妊娠以外の理由で3か月以上こない |
※生理周期は、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数です。
※初経から数年以内の時期や、40代以降の閉経が近づく時期は、周期が変動しやすくなります。
SNSの「生理チェック表」は日本の基準と違うことがあります
SNSで広まっている生理チェック表には、海外の目安や研究用の数値がそのまま使われているものがあります。日本の基準、国際的な基準と比べると、次のような違いがあります。
| 項目 | 日本産科婦人科学会(文献1) | 国際産婦人科連合 FIGO(文献2) | SNSでよく見る表 |
|---|---|---|---|
| 生理周期 | 25〜38日 | 24〜38日 | 21〜35日 |
| 出血が続く日数 | 3〜7日 | 8日以内 | 2〜7日 |
| 経血量の考え方 | 20〜140mL | 量よりも、生活への支障で判断 | 80mL以上を異常とする |
「21〜35日」という周期について
21〜35日は、海外の一般向け情報で以前からよく使われてきた目安です。日本の基準では25〜38日が正常の範囲で、国際的な基準でも24〜38日とされています(文献1〜3)。
そのため、36〜38日の周期であれば、日本の基準では正常の範囲に入ります。反対に、22日周期のように24日以内で生理がくる場合は、日本では「頻発月経」にあたります。
「80mL」という経血量について
80mLという数値は、1960年代にスウェーデンで行われた女性の経血量の調査をもとに、海外の研究で過多月経の基準として使われてきたものです(文献4)。日本の基準では、1回の生理で20〜140mLが正常の範囲とされています(文献1)。
また、FIGOは過多月経を「身体面や気持ち、仕事や生活に支障が出るほどの出血」と定義しています(文献2)。経血量はご家庭で測るのが難しいため、量の数字よりも、ナプキンの交換頻度や生活への影響を目安にするのが現実的です。
「年間回数」について
「年間9〜13回が正常」といった数字は、医学的な定義ではありません。周期から逆算した参考値と考えてください。
項目ごとのチェックポイント
ここでは各項目の見方を簡単にまとめます。原因やくわしい解説は、それぞれの関連記事をご覧ください。
生理周期
周期が24日以内の場合は「頻発月経」、39日以上の場合は「稀発月経」と呼ばれます(文献1)。毎月ぴったり同じ日数でなくても、ずれが6日以内であれば正常の範囲です。
関連記事:月経不順(生理不順)について
出血が続く日数
2日以内で終わる場合は「過短月経」、8日以上続く場合は「過長月経」と呼ばれます(文献1)。いつもより明らかに短い、または長いと感じたら、記録しておきましょう。
関連記事:生理が2日以内で終わる?「過短月経」の原因と注意点
経血量とナプキンの交換頻度
1回の生理の経血量は20〜140mLが正常の範囲です(文献1)。ナプキンが1〜2時間もたない、昼間も夜用が必要、服やシーツまで漏れるといった場合は、量が多いサインと考えられます。
関連記事:経血量の正常な目安とは?生理の量が多い・少ないときのチェックポイント
血の塊
小さな塊が出ること自体は、珍しいことではありません。レバー状の大きな塊がたびたび出る場合は、経血量が多いサインのひとつとして婦人科で相談しましょう。
関連記事:経血とは?月経血の成分・普通の血との違い|塊や色も解説
痛み
生理痛のために日常生活に支障が出る状態は「月経困難症」と呼ばれます(文献1)。「生理痛は我慢するもの」と考えず、寝込む、休む、鎮痛剤が効かないといった状態があれば受診を考えましょう。
関連記事:生理痛とストレスの関係|心理的要因で月経痛が強くなる理由
生理が3か月以上こない
これまであった生理が、妊娠などの理由以外で3か月以上止まっている状態は「続発性無月経」と呼ばれます(文献1)。妊活中の方は特に、様子を見すぎずに婦人科で相談することをおすすめします。
妊活中の方こそ、生理の記録をつけておきましょう
生理の周期や状態は、排卵のリズムやホルモンの状態を知る手がかりになります。婦人科では、最終月経日や周期、出血の様子をくわしく聞かれることが多いため、記録があると状況を正確に伝えやすくなります。
記録しておきたい項目は、次のとおりです。
- 生理が始まった日と終わった日
- 出血の量(使ったナプキンの種類と交換の回数)
- 血の塊の有無と大きさ
- 痛みの強さと、鎮痛剤を使った回数
- 基礎体温(測っている方)
アプリや手帳など、続けやすい方法でかまいません。数か月分の記録がそろうと、ご自身の生理の傾向が見えやすくなります。
Q1. 生理周期が毎回36〜38日です。異常ですか?
日本の基準では25〜38日が正常の範囲なので、36〜38日の周期は正常の範囲に入ります(文献1)。ただし、39日以上の周期がくり返される場合や、毎回7日以上ずれる場合は、婦人科で相談しましょう。
Q2. 1か月に2回生理がきました。様子を見てもよいですか?
周期が24日以内でくり返す場合は「頻発月経」にあたります(文献1)。また、生理だと思っていた出血が、生理以外の出血(不正出血)であることもあります。出血した日を記録して、婦人科で相談しましょう。
Q3. どんなときは早めに受診したほうがよいですか?
生理が3か月以上こない、ナプキンが1〜2時間もたない、鎮痛剤を飲んでも痛みで動けないといった場合は、早めに婦人科を受診しましょう。急な強い痛みや、めまい・ふらつきを伴う大量の出血がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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📚参考文献
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[1] 日本産科婦人科学会 編.産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版.日本産科婦人科学会;2018.
日本における正常月経周期、月経持続日数、経血量、頻発月経、稀発月経などの定義の根拠として参照しています。 -
[2] Munro MG, Critchley HOD, Fraser IS; FIGO Menstrual Disorders Committee. The two FIGO systems for normal and abnormal uterine bleeding symptoms and classification of causes of abnormal uterine bleeding in the reproductive years: 2018 revisions. Int J Gynaecol Obstet. 2018;143(3):393-408.
doi:10.1002/ijgo.12666
国際産婦人科連合(FIGO)による正常・異常子宮出血の分類と、月経周期・出血期間・過多月経の考え方について示した文献です。 -
[3] Jain V, Munro MG, Critchley HOD. Contemporary evaluation of women and girls with abnormal uterine bleeding: FIGO Systems 1 and 2. Int J Gynaecol Obstet. 2023;162(Suppl 2):29-42.
FIGOの分類を用いた異常子宮出血の評価について解説し、月経の正常・異常を判断する国際的な考え方を整理した文献です。 -
[4] Hallberg L, Högdahl AM, Nilsson L, Rybo G. Menstrual blood loss: a population study. Variation at different ages and attempts to define normality. Acta Obstet Gynecol Scand. 1966;45(3):320-351.
月経血量の個人差や正常範囲を検討した研究で、海外における80mLという過多月経の基準の歴史的背景に関連する文献です。
この記事の監修者

院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
生理の変化や妊活中の体調について、気になることはありませんか?
生理周期や経血量、痛みなどの変化が気になる場合は、まず婦人科で原因を確認することが大切です。妊活中は、月経の状態だけでなく、排卵やホルモンの状態なども必要に応じて確認しましょう。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、婦人科や不妊治療の医療機関での診療と並行して、妊活中の身体づくりやコンディション調整をサポートしています。
生理の変化や冷え、睡眠、ストレスなど、日頃の体調についてもお話を伺っています。病院での治療と並行して身体を整えたい方も、お気軽にご相談ください🍀






一覧表の「受診を考えたいサイン」に当てはまる項目がある方は、まず婦人科で相談することをおすすめします。生理の変化には、検査をしないと分からない原因が隠れていることもあるためです。
当院では、婦人科や不妊治療の医療機関での診療と並行して、鍼灸を受けたいという方のご相談をお受けしています。生理のことで気になることがあれば、施術の際にお気軽にお話しください。