
妊活中は「冷やしてはいけない」と思いすぎていませんか?|夏の温めすぎと冷房冷え
妊活中の患者さまをみていると、夏でも次のようにお話しされる方が少なくありません。
- 「身体を冷やしたらいけないので腹巻きをしています」
- 「靴下は一年中履いています」
- 「クーラーが苦手なので、なるべく身体を温めています」
もちろん、冷房の中で足が冷える方に靴下を履くことも、お腹が冷えて不快なら腹巻きをすることも悪いことではありません。
ただし、
「妊活中だから、とにかく温めなければいけない」
となってしまうと、少し話が変わってきます。
私は夏の妊活では、
温めることよりも「身体を不快な状態にしないこと」の方が大切
だと考えています。


汗だくになってまで温める必要がありますか?
真夏なのに、
- 腹巻き
- 厚手の靴下
- レッグウォーマー
患者さまに理由を聞くと、
「冷えると妊娠しにくいと思って」
とおっしゃることがあります。
でも実際には、
- 「暑くて仕方がない」
- 「お腹が汗で蒸れている」
- 「靴下の中がずっと湿っている」
ということもあります。
身体は「気持ちいい」とは感じていません。
ここは一度考えてほしいところです。
妊活のための温活が、身体に新しいストレスをつくっていないでしょうか。
汗をかくこと自体は悪いことではありません
汗は悪者ではありません。
人間は体温が上がると、皮膚への血流を増やし、汗を出して、その汗を蒸発させることで身体の熱を逃がします。
発汗は自律神経によってコントロールされる、人間にとって非常に重要な体温調節機能です。
ですから、
「汗をかく=自律神経が乱れている」
ではありません。
むしろ暑いときに汗をかくことは正常な反応です。
ただし、問題は、
身体が熱を逃がそうとしているのに、さらに厚着をして温め続けることです。
全身への強い熱負荷では、心拍や循環、自律神経系にも大きな調節が必要になります。全身を強く温める研究では、心臓に対する副交感神経活動の低下や交感神経活動の増加を示した報告もあります。
もちろん、これは「腹巻きをしたら自律神経が乱れる」という意味ではありません。
しかし、
汗を大量にかきながら、暑いのを我慢してまで温め続けることが妊活に良い、という根拠もありません。
「温める=妊活に良い」ではありません
これは、当院でもよくお伝えしていることです。
冷たい身体を無理に我慢する必要はありません。
でも、暑い身体を無理に温める必要もありません。
人間の身体は、暑くなれば熱を逃がし、寒くなれば熱を逃がさないようにする仕組みをもっています。
その調節を担っているのが自律神経です。
そのため、
「妊活中だから一年中同じ温活をする」
というより、
その日の気温、冷房、汗の量、体調に合わせて変える方が、生理学的には自然です。
暑すぎることも、妊活中の身体には負担
たとえば、
- 腹巻きをしているお腹が汗でびっしょり
- 靴下の中が蒸れて気持ち悪い
- 暑くて夜中に何度も目が覚める
それでも、
「冷やしたくないから」
と我慢している。
私は、それでは身体づくりとして本末転倒だと思っています。
高い環境温度は睡眠の質や睡眠時間を悪化させる傾向があることが、2024年のシステマティックレビューでも報告されています。
妊活中だからこそ、
「温めること」より「きちんと眠れること」
を優先した方がよい場面もあります。
では、冷房で冷えるのは放置していい?
ここも反対側に振り切る必要はありません。
冷房の効いた職場で、
- 「足先が冷たい」
- 「肩がガチガチになる」
- 「お腹が冷えてつらい」
と感じているのに、
「夏だから仕方ない」
と一日中我慢する必要もありません。
身体が寒さを感じると、熱が逃げるのを防ぐために皮膚の血管を収縮させます。この反応にも交感神経が深く関わっています。
つまり、暑さにも寒さにも身体は対応し続けています。
だから私たちは、
「冷やさないこと」ではなく「冷えを我慢しないこと」
をおすすめしています。
夏の妊活は「足し算」より「調整」
- 暑ければ脱ぐ
- 冷房で寒ければ羽織る
- 汗をかいたら着替える
- 足だけ冷えるなら足元だけ覆う
- お腹が暑ければ腹巻きを外す
- 冷房の風が直接当たるなら、風向きを変える
とても当たり前のことですが、妊活を始めると、
「身体を温めないと」
という思いが強くなり、身体が発している「暑い」「気持ち悪い」という感覚より、温活のルールを優先してしまう方がいます。
でも本来、身体づくりとは逆です。
自分の身体がどう感じているかを無視しないこと。
これが大切です。
妊活中に大切なのは「快適に過ごせる身体」
夏だから身体を冷やしていい。
冬だから温めればいい。
そんな単純なものではありません。
私たちが妊活中の方におすすめしたいのは、
「暑すぎない、寒すぎない、心地よく過ごせる状態をつくること」
です。
暑くてイライラしているのに腹巻きをする必要はありません。
反対に、冷房で足が冷えてつらいのに我慢する必要もありません。
身体は毎日違います。
その日の身体に合わせて、
温める・冷ます・脱ぐ・着るを調整する。
それも妊活中の大切な身体づくりです。
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この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
夏の冷えや暑さに振り回されている方へ
「妊活中は冷やしてはいけない」と頑張りすぎて、汗や蒸れ、寝苦しさを我慢していませんか。一方で、冷房の中で足元やお腹の冷えがつらい方もいらっしゃいます。
夏の体調管理は、ただ温め続けるのではなく、その日の気温や冷房環境、汗の量、睡眠の状態に合わせて調整することが大切です。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、冷えやのぼせ、汗、睡眠、肩こりなどのお悩みも伺いながら、良導絡測定や東洋医学的な体質の見方を取り入れ、一人ひとりに合わせた施術やセルフケアをご提案しています。
夏の過ごし方や妊活中の身体の整え方に迷っている方は、暑さや冷えを無理に我慢せずご相談ください🍀







