
生理中に食べたいものは?鉄分・たんぱく質を補う食事と妊活中のポイント
「生理中は何を食べたらいいの?」
「鉄分を摂った方がいいと聞くけれど、具体的にどんな食事にすればいい?」
「妊活中なので、生理中の食べ物にも気をつけた方がいいのでは?」
このように、生理中の食事について迷う方は少なくありません。
生理中だからといって、特別な食品だけを食べる必要はありません。大切なのは、月経によって失われやすい鉄分を意識しながら、たんぱく質・主食・野菜などを無理なく組み合わせることです。
この記事では、生理中に食べたいもの、食欲がないときの食事、妊活中に知っておきたい注意点について、医学的な考え方と東洋医学の見方を分けながら解説します。
- 生理中は、鉄分とたんぱく質を含む食品を意識しましょう。
- 肉や魚だけでなく、大豆製品や小松菜なども食事に取り入れられます。
- 植物性食品に含まれる鉄は、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂るのがおすすめです。
- 食欲がない日は、温かい汁物や雑炊、うどんなど、食べやすいものから補いましょう。
- 特定の食品を食べても、生理痛や貧血、妊娠しやすさが必ず改善するわけではありません。
- 出血量が多い、強いだるさや立ちくらみがある場合は、食事だけで対応せず婦人科や内科へ相談しましょう。
生理中に食べたいものは「鉄分・たんぱく質・主食」
生理中に意識したいのは、主に次の3つです。
- 鉄分を含む食品
- 血液や身体の材料になるたんぱく質
- 活動するためのエネルギー源となる主食
「鉄分が大切」と聞くと、レバーやサプリメントをたくさん摂らなければならないように感じるかもしれません。
しかし、生理中の食事は鉄分だけで考えるのではなく、ご飯やパンなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜や海藻などの副菜を組み合わせることが基本です。
なぜ生理中は鉄分を意識した方がよいの?
鉄は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために必要な栄養素です。
月経のある女性は、経血とともに鉄を失います。そのため、月経のない女性や男性と比べて、食事から必要とされる鉄の量が多く設定されています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、月経のある女性の鉄の推奨量は、18〜29歳で1日10.0mg、30〜64歳で1日10.5mgです。
ただし、生理がある方全員が鉄欠乏や貧血になるわけではありません。また、鉄を多く摂れば摂るほどよいわけでもありません。
出血量や食事内容、消化吸収の状態などによって必要な対応は異なります。疲れや立ちくらみが続く場合は、食事だけで判断せず、ヘモグロビンやフェリチンなどを血液検査で確認することが大切です。
生理中に取り入れたい食べ物
1.赤身の肉や魚
牛肉や豚肉の赤身、カツオ、マグロ、イワシ、サバ、アサリなどには、鉄とたんぱく質が含まれています。
肉や魚に含まれる鉄は「ヘム鉄」と呼ばれ、植物性食品に含まれる非ヘム鉄と比べて、食事中のほかの成分による影響を受けにくい特徴があります。
ただし、毎日同じ食品に偏る必要はありません。肉・魚・卵・大豆製品を交代で取り入れると、さまざまな栄養素を補いやすくなります。
2.卵・納豆・豆腐などのたんぱく質食品
生理中は、疲れやだるさから料理をする気力がなくなることもあります。
そのような日は、卵、納豆、豆腐、豆乳、サバ缶、ツナ缶など、準備の負担が少ない食品を活用しましょう。
おにぎりやパンだけで食事を終えるよりも、卵や納豆、豆腐などをひとつ加えることで、たんぱく質を補いやすくなります。
3.小松菜・大豆・海藻などの植物性食品
小松菜、大豆、納豆、豆腐、枝豆、海藻などにも鉄が含まれています。
植物性食品に多い「非ヘム鉄」は、ヘム鉄と比べて吸収されにくい性質がありますが、ビタミンCを含む食品と一緒に食べることで吸収が助けられます。
4.ビタミンCを含む野菜や果物
ビタミンCは、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収を助けます。
次のような食品を組み合わせてみましょう。
- 小松菜とパプリカの炒め物
- 豆腐とブロッコリーのサラダ
- 納豆ご飯と野菜入りの味噌汁
- 魚料理とキャベツやピーマンの副菜
- 食後にキウイ、いちご、みかんなどを添える
特別な健康食品を用意しなくても、普段の食事の組み合わせで取り入れられます。
5.ご飯・パン・麺などの主食
生理中に食欲が落ちると、主食を抜いてしまう方もいます。
しかし、主食は身体を動かすための大切なエネルギー源です。主食を極端に減らすと、だるさや集中力の低下を感じやすくなることがあります。
一度にたくさん食べられない日は、おにぎり、雑炊、うどん、スープに入れたご飯など、少量でも食べやすい形にするとよいでしょう。
生理中の食事メニュー例
しっかり食べられる日のメニュー
- ご飯・牛肉とパプリカの炒め物・小松菜の味噌汁
- ご飯・カツオのたたき・ブロッコリーのおかか和え
- 豚肉と野菜の生姜焼き・豆腐の味噌汁・ご飯
- サバの塩焼き・納豆・野菜の煮物・ご飯
料理をする気力がない日のメニュー
- 納豆卵ご飯とインスタントの具だくさん味噌汁
- おにぎりとサバ缶、カット野菜
- 冷凍うどんに卵、鶏肉、わかめを加える
- パンとゆで卵、野菜スープ
- 豆腐入りの雑炊
食欲がない日のメニュー
- 卵雑炊
- 鶏肉や卵を加えたうどん
- 豆腐と野菜のスープ
- おにぎりと温かい味噌汁
- 果物とヨーグルト、少量のパン
毎食を完璧に整える必要はありません。まずは「主食だけで終わらず、たんぱく質をひとつ足す」と考えると続けやすくなります。
黒い食べ物や赤い食べ物を食べると「血が増える」?
東洋医学では、黒豆、黒ゴマ、なつめ、クコの実などが「補血」の食養生として紹介されることがあります。
ただし、東洋医学でいう「血」は、西洋医学の血液やヘモグロビンとまったく同じ意味ではありません。
また、食品の色が赤い、黒いという理由だけで、医学的に貧血が改善したり、血液が増えたりするわけではありません。
黒豆や黒ゴマ、海苔、ナッツ、ドライフルーツなどを普段の食事に取り入れることはできますが、「黒いものだけを食べればよい」と考えず、食事全体のバランスを整えましょう。
生理中に控えた方がよい食べ物はある?
生理中に絶対に食べてはいけない食品は基本的にありません。
ただし、体調に合わせて次の点に注意しましょう。
甘いものや菓子パンだけで食事を済ませない
生理中は甘いものが欲しくなることがあります。少量を楽しむことは問題ありませんが、お菓子や菓子パンだけでは、たんぱく質や鉄、野菜などが不足しやすくなります。
チョコレートを食べる場合も、食事を抜いて置き換えるのではなく、普段の食事に追加する程度にしましょう。
塩分の多い食事に偏りすぎない
カップ麺、スナック菓子、加工食品などが続くと、塩分の摂取量が多くなりやすくなります。
むくみや喉の渇きが気になる方は、汁を全部飲まない、野菜やたんぱく質を加えるなど、無理のない範囲で調整しましょう。
カフェインやアルコールは体調に合わせる
コーヒーやお茶を必ずやめる必要はありませんが、胃の不快感、動悸、眠りにくさなどがある場合は量や時間を調整しましょう。
アルコールは睡眠の質や体調に影響することがあるため、生理中に体調が悪い日は控える方が安心です。妊娠の可能性がある時期については、飲酒を避けましょう。
鉄サプリは生理中だけ飲んだ方がよい?
生理中だからという理由だけで、鉄サプリを自己判断で追加する必要はありません。
鉄欠乏性貧血がある場合は、生理中だけでなく、医師の指示に従って一定期間治療することがあります。
一方で、必要量を大きく超える鉄を長期間摂ると、胃腸症状が起こったり、ほかのミネラルの状態に影響したりする可能性があります。
次のような症状がある方は、サプリメントを増やす前に血液検査について医療機関へ相談しましょう。
- 疲れやだるさが長く続く
- 立ちくらみやめまいがある
- 息切れや動悸がある
- 顔色が悪いといわれる
- 爪が割れやすい
- 経血量が多い
生理中の食事は妊活に影響する?
生理中に特定の食品を食べたからといって、卵子の質や次の周期の妊娠率が直接上がるわけではありません。
妊活中の身体づくりは、生理中の数日間だけで決まるものではなく、月経周期全体を通した食事、睡眠、運動、ストレス、体重、持病、不妊治療の内容など、さまざまな要因が関係します。
そのため、「生理中に何を食べたか」だけを心配するよりも、普段から欠食や極端な食事制限を避け、主食・主菜・副菜を組み合わせることが大切です。
生理中に食欲がなく、数日間いつもより食事量が減ることがあっても、それだけで妊活に大きな影響が出るとは限りません。体調が戻ってから、少しずつ普段の食事へ戻しましょう。
宇都宮鍼灸良導絡院では、月経の状態だけでなく、冷え、睡眠、胃腸の調子、ストレス、肩こり、頭痛などもあわせて確認しています。
良導絡測定や東洋医学的な体質の見方を取り入れながら、妊活中の方が無理なく続けられるセルフケアを一緒に考えています。
ただし、鍼灸は鉄欠乏性貧血や過多月経の原因そのものを診断・治療するものではありません。出血量が多い、貧血症状がある場合は、婦人科や内科での検査を優先しましょう。
食事だけで様子を見ず、婦人科へ相談したい症状
経血量が多い場合、鉄分を補うだけでは十分ではありません。子宮筋腫、子宮腺筋症、ホルモンの異常などが関係していることもあります。
次のような状態がある場合は、婦人科へ相談しましょう。
- ナプキンやタンポンを1〜2時間ごとに交換する必要がある
- 夜用ナプキンでも漏れてしまう
- 生理が8日以上続く
- 大きな血の塊が毎回たくさん出る
- 経血量が以前より明らかに増えた
- 強い生理痛がある
- 生理以外の時期にも出血する
- 立ちくらみ、息切れ、動悸、強い疲労感がある
過多月経による鉄欠乏性貧血では、食事だけでなく、鉄剤による治療や出血の原因に対する治療が必要になる場合があります。
まとめ
生理中に食べたいものは、鉄分だけに偏らず、たんぱく質・主食・野菜を組み合わせた食事です。
赤身肉、魚、卵、納豆、豆腐、小松菜などを取り入れ、植物性食品に含まれる鉄は、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂るとよいでしょう。
体調が悪い日は、雑炊やうどん、スープなど、温かく食べやすいものでも構いません。完璧を目指さず、「主食にたんぱく質をひとつ足す」ところから始めてみてください。
ただし、経血量が多い、強い疲労感や立ちくらみがある場合は、食事だけで様子を見ず、婦人科や内科で相談しましょう。
生理中は毎日レバーを食べた方がよいですか?
毎日レバーを食べる必要はありません。レバーには鉄が含まれますが、ビタミンAも多く含まれています。
妊娠を希望している方は、レバーだけに偏らず、赤身肉、魚、貝類、卵、大豆製品などを組み合わせましょう。
生理中にチョコレートを食べても大丈夫ですか?
適量であれば問題ありません。生理中に甘いものを食べたくなることもあります。
ただし、チョコレートだけで食事を済ませず、主食やたんぱく質を含む食事も摂るようにしましょう。
黒豆や黒ゴマを食べると血が増えますか?
黒豆や黒ゴマは食事の一部として取り入れられますが、色が黒いという理由だけで血液が増えるわけではありません。
東洋医学の「補血」と、西洋医学の貧血治療は分けて考える必要があります。
鉄分を摂れば生理痛も軽くなりますか?
鉄分を摂ることで、生理痛が必ず軽くなるわけではありません。
強い生理痛には、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが関係することもあります。鎮痛薬が効きにくい、年々痛みが強くなる、日常生活に支障が出る場合は婦人科へ相談しましょう。
生理中に食欲がないときは、無理に食べるべきですか?
無理に一度にたくさん食べる必要はありません。雑炊、うどん、スープ、おにぎりなど、食べやすいものを少量ずつ摂りましょう。
水分も摂れない、吐き気が強い、強い腹痛がある状態が続く場合は、医療機関へ相談してください。
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📚参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」
月経のある女性の鉄推奨量、鉄吸収率、月経による鉄損失、鉄の過剰摂取に関する考え方を参照しました。 - 厚生労働省「妊娠前からはじめよう 健やかなからだづくりと食生活」
妊娠前から主食・主菜・副菜を組み合わせ、バランスのよい食事を摂る考え方を参照しました。 - National Institutes of Health, Iron: Fact Sheet for Health Professionals
ヘム鉄・非ヘム鉄の違い、鉄の吸収、鉄を含む食品について参照しました。 - National Institutes of Health, Vitamin C: Fact Sheet for Health Professionals
ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を助ける働きについて参照しました。 - 日本女性心身医学会「過多月経」
過多月経の考え方、月経期間、経血量と貧血について参照しました。 - 日本産婦人科医会「過多月経への対応」
過多月経による鉄欠乏性貧血の評価と、原因疾患に対する治療の必要性を参照しました。
この記事の監修者


院長:宇都宮 泰子
(うつのみや やすこ)
FEMICA認定妊活指導士/鍼灸学修士/MBA(経営管理修士)
はり師・きゅう師(国家資格)
- 日本フェムライフ統合ケア協会 代表理事
- 日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
- 日本生殖医学会会員
不妊・不育症を専門とし、東洋医学と生殖医療の両面から体質改善をサポート。大学院研究員としての研究活動も行いながら、臨床現場で妊活支援に従事している。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断・治療を目的とするものではありません。治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。
生理中のつらさや妊活中の体調について、ご相談ください
生理中のだるさや冷え、頭痛、胃腸の不調などは、食事だけで整えようとすると負担に感じることもあります。
大阪市都島区にある宇都宮鍼灸良導絡院では、月経周期や睡眠、冷え、ストレスなども確認しながら、妊活中のお身体の状態に合わせた鍼灸施術やセルフケアをご提案しています。
「生理中の不調について相談したい」「妊活中の体調を整える方法を知りたい」という方は、無理にひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください🍀








当院では、生理中に強いだるさ、冷え、頭痛、食欲低下を感じる方から、「何を食べればいいですか」と相談されることがあります。
その際は、特別な食材を増やすよりも、まず欠食を減らし、主食とたんぱく質を確保することをおすすめしています。余裕がある日は、鉄を含む肉・魚・大豆製品と、野菜や果物を組み合わせてみましょう。
生理中だけ頑張るのではなく、月経周期全体を通して無理なく続けられる食事にすることが大切です。