
2025年の投稿記事
男性不妊のリスクチェック!質問でわかる不妊の兆候とは?
ご主人に質問するだけでわかる男性不妊リスク!男性不妊のセルフチェック
妊活というと女性が主体となって取り組むイメージがありますが、実際には不妊の原因の約半数は男性側にも関係していると言われています。男性不妊の原因には、精子の質や数の低下、精子の通り道の問題、ホルモンの異常などさまざまな要因があります。
しかし、男性不妊は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに妊娠の妨げになっていることも…。そこで、奥さんがご主人に質問するだけで簡単にチェックできる方法を紹介します!
🔍 ご主人に聞いてみよう!男性不妊リスクをセルフチェック ✅
1.「睾丸の大きさ、小さくない?硬くない?」
➡ 精子を作る能力に関係するポイント!
精巣(睾丸)の大きさや質は、精子を作る機能に直結します。正常な睾丸の大きさは3〜5cm程度とされ、小さすぎる場合は精子の生産能力が低下している可能性があります。また、硬すぎる場合も異常のサインかもしれません。
2.「子どもの頃、停留睾丸って言われた?」
➡ 生殖機能の低下と関係することがある
停留睾丸とは、本来なら生まれる前に陰嚢へ降りてくるはずの睾丸が、お腹の中や鼠径部にとどまったままの状態を指します。放置されると精巣の温度が高いままとなり、精子の生産能力が低下することがあります。
3.「鼡径ヘルニアの手術したことある?」
➡ 手術後の影響で精子の通り道が狭くなっていることも
鼡径(そけい)ヘルニアとは、腸の一部が筋膜の隙間から飛び出してしまう状態で、手術で治療することが一般的です。ただし、鼡径ヘルニアの手術後に精管がダメージを受け、精子の通り道が狭くなることがあるため、不妊の原因になることがあります。
4.「おたふく風邪で睾丸が腫れたことある?」
➡ 思春期以降のおたふく風邪が原因で精巣がダメージを受けることも
思春期以降におたふく風邪にかかると、約30%の確率で睾丸炎を引き起こすと言われています。炎症が強いと、精子を作る細胞がダメージを受け、精子の生産能力が低下する可能性があります。
5.「副睾丸炎や前立腺炎になったことある?」
➡ 精子の通り道に影響することがある
副睾丸や前立腺に炎症が起こると、精子の通過が妨げられたり、精液の質が低下することがあります。
6.「精液の色や粘り気が気になったことある?」
➡ 精液の色や粘性の異常は不妊のサインかも!
正常な精液の色は乳白色から灰白色ですが、以下のような色の変化が見られた場合は何らかの異常のサインかもしれません。
- 黄色みが強い場合:感染症の可能性
- 赤みや茶色みがある場合:出血の可能性
- 透明に近い場合:精子濃度が低い可能性
また、精液の粘性も重要です。射精直後はやや粘り気がありますが、15〜30分程度で液状化します。
- 射精直後から水のように薄い → 精子濃度が低い可能性
- 固まりすぎている → 精子がうまく運ばれない可能性
- 30分以上たっても液状化しない → 精子の運動に影響する可能性
7.「精索静脈瘤って言われたことある?」
➡ 精巣周辺の血流が悪くなると、精子の質や数が低下することも。
8.「抗がん剤や放射線治療を受けたことある?」
➡ 精巣の細胞にダメージを与えることがある
抗がん剤や放射線治療はがん細胞だけでなく、精子を作る細胞にもダメージを与えるため、一時的または永続的に精子の生産が低下することがあります。
1つでも当てはまるなら専門医に相談を!精液検査で精子の状態を確認しましょう。妊活は夫婦で協力することが大切です!


参考文献
- ・男性不妊.pdf, 『腎と透析 Vol. 97 増刊号 2024』, 白石晃司, 山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学講座
- ・日本生殖医学会, 男性不妊の診断と治療ガイドライン
- ・WHO精液検査基準(2021年版)
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妊娠しやすい月経としにくい月経の違いとは?
妊娠を希望する方にとって、月経の状態は重要な健康指標となります。月経の周期や量、色、そして生理痛の程度などは、ホルモンバランスや全身の健康状態を反映しています。今回は、信頼できる情報源をもとに、妊娠しやすい月経の特徴と、鍼灸によるサポートについてご紹介します。
妊娠しやすい月経の特徴
月経周期が安定していること
理想的な月経周期は25~38日とされています。この範囲内で安定していることが、ホルモンバランスが整っているサインです。一方、周期が不規則であったり、極端に短い(24日以内)または長い(39日以上)場合は、ホルモンの乱れや他の健康問題が考えられます。
月経量が適切であること
正常な月経血量は1回の月経で25~80ml程度とされています。これは、ナプキンを2~3時間ごとに交換する程度の量に相当します。月経量が極端に少ない(25ml未満)場合や、多すぎる(80ml以上)場合は、エストロゲンの不足や過多月経などの可能性が考えられます。
月経血の色が正常であること
明るい赤色からやや暗めの赤色が健康的な月経血の色とされています。ピンク色すぎる場合は月経量が少ない可能性、黒っぽい色や血の塊が多い場合は、血流の滞りや冷えが原因と考えられます。
生理痛が軽度であること
軽い下腹部の痛みは一般的ですが、痛み止めが必要なほどの強い生理痛は、ホルモンバランスの乱れや血流不全などのサインかもしれません。
鍼灸によるサポート
鍼灸は、東洋医学の一環として、体内のエネルギーの流れを整え、自然治癒力を高める療法です。以下のような効果が期待できます。
- 血流の改善
鍼灸は全身の血流を促進し、子宮や卵巣への血流も改善します。これにより、月経不順や生理痛の軽減が期待できます。
- ホルモンバランスの調整
自律神経系に働きかけることで、ホルモンの分泌を調整し、月経周期の安定化をサポートします。
- 冷えの改善
体の冷えは血流を悪化させ、月経トラブルの原因となります。鍼灸は体を温め、冷え性の改善に寄与します。
- ストレスの軽減
リラクゼーション効果により、ストレスを軽減し、全身の健康維持に役立ちます。
月経の状態を整えることは、妊娠しやすい身体づくりの第一歩です。自身の月経の状態を定期的にチェックし、気になる症状がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。また、鍼灸などの代替療法を取り入れることで、より良いコンディションを目指すことができます。


参考文献
- Hoka, C., Tamakuma, K., & Kasai, A. (2025). Application of a stages of change model to female students’ behavior toward the continuation of medical examination due to menstrual abnormalities. Maternal Hygiene, 65(4), 357-367.
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睡眠不足でも整える!妊活中の体調管理法
忙しくて睡眠時間が取れない時の体調管理法
忙しい日々が続くと、どうしても睡眠時間が削られがちです。しかし、睡眠不足が続くと集中力の低下や免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れなど、身体に悪影響を及ぼすことが分かっています。今回は、睡眠時間が確保できないときでも体調を維持するための具体的な対策を紹介します。
食事でエネルギーを補う
タンパク質とビタミンB群を意識する
タンパク質は身体の修復やエネルギーの維持に重要な役割を果たします。また、ビタミンB群はエネルギー代謝を助けるため、睡眠不足のときには特に摂取を心がけると良いでしょう。
🥗 おすすめの食材
卵、納豆、鶏肉、豆類、玄米(タンパク質+ビタミンB群)
鉄分・マグネシウムを摂る
睡眠不足が続くと、貧血や筋肉のこわばりが起こりやすくなります。特に鉄分が不足すると、疲れやすくなったり、頭がぼんやりしたりすることがあります。
🥗 おすすめの食材
レバー、ほうれん草、ひじき(鉄分)、ナッツ類、大豆製品、海藻(マグネシウム)
カフェインの摂り方を工夫
カフェインは眠気を抑えてくれますが、過剰摂取すると自律神経を乱し、さらに睡眠の質を悪化させる可能性があります。特に夕方以降のカフェイン摂取は控えめにしましょう。
💡 ポイント
‣朝はコーヒーや緑茶を活用する
‣午後はノンカフェインのハーブティーやルイボスティーに切り替える
光と温度で体内リズムを整える
朝に日光を浴びる
朝に日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜にメラトニン(睡眠ホルモン)が適切に分泌されるようになります。
✔️ 対策
‣起床後30分以内にカーテンを開けて朝日を浴びる
‣可能であれば軽い散歩をする
ブルーライトを減らす
寝る前のスマホやパソコンの使用は、メラトニンの分泌を抑えてしまい、睡眠の質を下げる原因になります。
✔️ 対策
‣ナイトモードやブルーライトカット眼鏡を活用
‣寝る1時間前にはデジタルデバイスを控える
寝る前にお風呂に浸かる
体温は一度上がった後に下がると眠気が強くなります。そのため、寝る90分前にぬるめのお風呂に入ると、短い睡眠でも深く眠ることができます。
効率的な睡眠をとる
90分サイクルを意識する
睡眠には「90分サイクル」があり、3時間(90分×2)や4.5時間(90分×3)などで区切ると、浅い眠りのタイミングで目覚めやすくなります。
深呼吸やストレッチを取り入れる
寝る前に軽くストレッチをすると、副交感神経が優位になり、短時間でも深い睡眠が得られます。
自律神経を整える
軽い運動をする(朝や昼)
適度な運動は血流を促し、交感神経と副交感神経のバランスを整えるのに役立ちます。
🌈 おすすめ
‣朝のストレッチやウォーキング
‣軽いヨガや深呼吸
寝る前に首元を温める
自律神経が乱れると、眠りの質が低下しがちです。ホットタオルなどで首元を温めると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。
まとめ
忙しくても、ちょっとした工夫で体調を保つことは可能です。
- 食事でエネルギーを補う(タンパク質・鉄分・マグネシウム)
- 朝に日光を浴びて体内リズムを整える
- 寝る前はお風呂に浸かる・ブルーライトを控える
- 90分サイクルで眠るようにする
- 軽い運動やストレッチで自律神経を整える
睡眠時間が取れないときでも、できることから取り入れてみてくださいね!


参考文献
- ・Chennaoui, M., Arnal, P. J., Sauvet, F., & Léger, D. (2015). “Sleep and exercise: A reciprocal issue?” Sleep Medicine Reviews, 20, 59–72.
- ・St-Onge, M. P., Mikic, A., & Pietrolungo, C. E. (2016). “Effects of diet on sleep quality.” Advances in Nutrition, 7(5), 938–949.
- ・Goel, N., Basner, M., Rao, H., & Dinges, D. F. (2013). “Circadian rhythms, sleep deprivation, and human performance.” Progress in Molecular Biology and Translational Science, 119, 155–190.
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男性不妊とカフェイン摂取の関係とは?
男性の妊娠させる力に影響を与える要因とは?
妊活中、どんな飲み物を選ぶかなんて気にしていない男性は多いかもしれません。でも実は、「飲み物」が妊娠の成功率に関係しているかもしれない、という興味深い研究結果が発表されました!普段何気なく飲んでいるコーヒーやお酒が、将来の家族計画に影響を与えるかも?今回は、最新の研究結果をもとに妊活中に知っておきたい飲み物の選び方をご紹介します。
飲料の摂取量と治療成績の関連を調査
ハーバード公衆衛生大学院の研究グループが、2007年から2019年にかけてART(体外受精や顕微授精)治療を受けたカップルを対象に行われたものです。この研究では、男性パートナーに対して飲料摂取量に関するアンケートを実施し、以下の4種類の飲料について摂取量を調査しました。
- カフェイン入り飲料(コーヒー、紅茶など)
- アルコール飲料(ビール、ワイン、高アルコール度数酒類)
- 砂糖入り飲料
- 人工甘味料入り飲料
アンケート結果をもとに、摂取量によって4つのグループに分け、それぞれの精液検査結果や治療成績(受精率、着床率、臨床的妊娠率、生児獲得率)との関連が分析されましたが、関連していませんでした。
主な結果と注目すべきポイント
☕カフェイン入り飲料の影響
結果は意外なもので、すべての飲み物が妊娠や精子の質に影響するわけではなく、特定の飲み物が関係していることが分かりました。カフェイン入り飲料(コーヒーや紅茶)の摂取量が多い男性は、生児獲得率が低いことが判明しました。
コーヒー
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率49%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率33%
紅茶
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率49%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率31%
🍺アルコール飲料の影響
アルコール飲料についても興味深い結果が得られました。
高アルコール度数酒類
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率45%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率32%
ビール
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率32%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率51%
ワインや蒸留酒など、度数の高いお酒をよく飲む男性も同様に生児出生率が低下しました。驚いたことに、ビールについては逆の結果が!ビールをたくさん飲む男性ほど成功率が高く、成功率は32%から51%に増加するという意外な結果が出ています。
※この研究での結果です
🧃その他の飲料
砂糖入り飲料や人工甘味料入り飲料に関しては、精液検査結果や治療成績との関連は見られませんでした。
妊活中の男性が今すぐできること
今回の研究結果から分かるのは、「飲み物の選び方次第で妊娠の成功率が変わる可能性がある」ということ。妊活中の男性は、次のポイントを意識すると良いでしょう。
- カフェイン飲料を減らす:コーヒーや紅茶は控えめに。
- 蒸留酒を避ける:ウイスキーやウォッカなどのアルコール度数が高いお酒を減らしましょう。
- 適量のビールを楽しむ:節度を守ったビールの摂取は良い影響があるかもしれません。
まとめ
この研究結果から、特に体外受精治療を受ける男性において、日常的な飲料の選択が妊孕能や不妊治療成績に影響を与える可能性が示唆されました。特にカフェイン入り飲料や高アルコール度数酒類は摂取量を控えることが望ましい一方で、適量のビール摂取がむしろポジティブな影響を与える可能性が示されました。
妊活は女性だけの努力ではありません。男性も生活習慣や食事、そして飲み物の選び方を見直すことで、妊娠の成功率を上げることができるかもしれません。パートナーと一緒に健康的な生活を心がけ、未来の家族を迎える準備を整えてみてはいかがでしょうか?


参考文献
- Andrology. 2024 Nov 13. doi: 10.1111/andr.13795. Online ahead of print.
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妊活中「ストレスを減らそう」が逆効果に?
「ストレスを減らそう」がストレスに?妊活と皮肉過程理論
妊活中、「ストレスは妊娠に良くないから、できるだけリラックスしよう」と考えることはありませんか?しかし、実はこの「ストレスをなくそう!」という意識そのものが、かえってストレスを増やしてしまうことがあります。これは心理学の「皮肉過程理論(アイロニック・プロセス理論)」によって説明できます。
皮肉過程理論とは?
皮肉過程理論とは、「○○しないようにしよう」と思えば思うほど、そのことが頭から離れなくなる心理現象です。例えば、「ストレスを感じないようにしよう」と意識するほど、「今ストレスを感じていないかな?」「ちゃんとリラックスできているかな?」と気にしてしまい、かえってストレスが増してしまいます。
これは、「白クマ実験」として有名な心理学の研究で実証されています。実験では、「白クマのことを考えないでください」と指示された人々が、逆に白クマのことを考えてしまうという結果が出ました。
妊活とストレスの悪循環
妊活において、ストレスは大敵とされています。しかし、ストレスをなくそうと意識しすぎると、次のような悪循環が生まれることがあります。
- 「ストレスを感じないようにしなきゃ」と思う
- 「本当にリラックスできているかな?」と気にする
- 「まだ妊娠しないのはストレスのせいかも」と焦る
- ストレスがさらに増える
このように、「ストレスを減らさなきゃ!」という意識が、逆にストレスを増やす結果を招くことがあります。
妊活中のストレスとうまく付き合う方法
では、この悪循環から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか?
①「ストレスゼロ」を目指さない
まず、「ストレスをなくさなきゃ」と思うこと自体が逆効果になるため、「多少のストレスがあっても大丈夫」と受け入れることが大切です。むしろ、適度なストレスは生活に張りを与えることもあります。
②「ストレスを感じている自分」を責めない
「リラックスしなきゃ」と焦るほど、うまくいかないものです。ストレスを感じていることに気づいたら、「そっか、今ちょっと緊張してるな」と軽く受け止めましょう。それだけでも、気持ちが少し楽になります。
③ 気をそらす習慣を持つ
皮肉過程理論によると、「考えないようにする」よりも、別のことに意識を向ける方が有効です。例えば、好きな映画を観たり、ウォーキングをしたりすることで、自然とストレスから意識をそらすことができます。
④「リラックスしなきゃ」より「楽しいことをしよう」
「リラックスしよう」と思うと、それ自体がプレッシャーになってしまいます。それよりも、「楽しいことをしよう」と考える方が、結果的にリラックスにつながります。例えば、友達とおしゃべりをする、お気に入りのカフェに行く、趣味に没頭するなど、自分が楽しいと感じることを積極的に取り入れましょう。
まとめ
妊活中、「ストレスを減らそう」と意識しすぎることで、逆にストレスが増してしまうことがあります。これは心理学の皮肉過程理論によるもので、無理にストレスをなくそうとするよりも、「ストレスがあっても大丈夫」と受け入れつつ、楽しいことに意識を向けるのが効果的です。
妊活はゴールが見えにくく、不安を感じやすいものですが、自分なりのリラックス方法を見つけて、少しでも気楽に取り組めるようにしていきましょう。


参考文献
- 田中美吏・柄木田健太. 2019. 「運動パフォーマンスへの皮肉過程理論の援用-皮肉エラーと過補償エラーの実証とメカニズム-」『スポーツ心理学研究』46 (1): 27-39.
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続発性不妊の原因と鍼灸でできること
続発性不妊と鍼灸
続発性不妊(2人目不妊)とは、過去に妊娠経験のあっても、その後妊娠しにくくなる状態を言います。この定義には、流産も過去の妊娠に含まれます。一人目のお子さんを自然妊娠で授かった場合でも、二人目不妊となることがあります。
続発性不妊になる原因
1. 加齢による影響
1人目の出産から時間が経過することで、卵子の老化が進み、妊娠しにくくなることがあります。特に35歳を過ぎると卵子の質が低下し、排卵や受精、着床がうまくいかないケースが増えます。
2. 男性側の原因
男性の加齢や生活習慣の変化により、精子の質が低下することもあります。また、1人目の出産後に仕事のストレスや体調変化で精子の運動率が落ちるケースも少なくありません。
3. 出産時の影響
帝王切開や分娩時のトラブルにより、子宮や卵管にダメージが生じることがあります。例えば以下のような場合があります。
- 帝王切開後の子宮瘢痕(はんこん) → 着床不全や流産のリスクが上がる
- 子宮内膜炎 → 子宮内環境が悪化し、着床しづらくなる
- 卵管閉塞 → 分娩時の感染症などにより卵管が詰まり、精子と卵子が出会えなくなる
4. ホルモンバランスの変化
妊娠・出産を経験すると、体のホルモンバランスが変化し、排卵障害や高プロラクチン血症(母乳分泌ホルモンの過剰分泌)などが起こることがあります。特に授乳中はプロラクチンが高くなり、排卵が抑制されやすくなります。
5. 生活習慣の変化
1人目の育児や仕事によるストレス・睡眠不足・過労が続くと、ホルモンバランスが乱れたり、妊娠しにくい体質になることがあります。また、体重増加・肥満・過度なダイエットなども排卵に影響を与える可能性があります。
6. 免疫系の変化
妊娠や出産を経験すると、体の免疫機能が変化し、自己抗体が精子や受精卵を攻撃するケースも報告されています(例:抗精子抗体、抗核抗体など)。
7. 不妊治療を受けなかったために気づいていなかった原因
1人目は「自然に妊娠できた」と思っていたが、実は元々軽度の不妊要因(軽度の卵管狭窄、ホルモンバランスの乱れなど)があり、1人目の妊娠後にその要因が悪化して顕在化することもあります。
「1人目は自然に妊娠できたから2人目もすぐできるはず」と考えがちですが、時間の経過とともに不妊のリスクが上がるため、早めに検査・治療を検討することが重要です。

鍼灸では以下のようなアプローチで改善をサポートできます
- 血流改善による卵巣・子宮の活性化
鍼灸によって骨盤内の血流を促し、卵巣の機能を高めることで質の良い卵子の排卵をサポートします。また、子宮の血流を改善することで、子宮内膜の厚みや質を向上させ、着床しやすい環境を作ります。 - ホルモンバランスの調整
鍼灸施術は自律神経を整え、ホルモン分泌を正常化させる効果があります。特に、排卵障害や高プロラクチン血症などのホルモンバランスの乱れに対して、視床下部-下垂体-卵巣系の働きを整えることが期待できます。 - ストレスの軽減と自律神経の安定
1人目の育児や仕事のストレス、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、妊娠しにくい状態を作ります。鍼灸のリラックス効果により、交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経を優位にすることで、妊娠しやすい体質へ導きます。 - 卵管や子宮環境の改善
帝王切開後の子宮瘢痕(ニッチ)や、子宮内膜炎、卵管のつまりなどによる不妊に対して、鍼灸は血流促進・炎症の軽減・組織の修復を促す働きがあります。これにより、子宮内環境の改善や卵管の通りを良くすることが期待できます。 - 男性不妊のサポート
男性側の精子の質の低下にも、精巣の血流促進・自律神経調整・ストレス軽減のアプローチが有効です。鍼灸を受けることで、精子の運動率向上・酸化ストレスの軽減・テストステロン分泌の安定が期待できます。
東洋医学からみた続発性不妊の原因
- 腎虚証(じんきょ) → 加齢や疲労で「腎」が弱り、妊娠しづらくなる
- 血瘀証(けつお) → 帝王切開や出産の影響で血流が滞り、子宮の働きが低下
- 気血両虚証(きけつふそく) → 産後の疲労・育児ストレス・睡眠不足で「気」と「血」が足りなくなる
- 肝気鬱結(かんきうっけつ) → ストレスで「肝」の働きが低下し、ホルモンバランスが乱れる
鍼灸でできるサポート
- 腎を補い、妊娠しやすい体へ
- 瘀血を改善し、子宮の血流を促進
- 気血を巡らせて、排卵や着床をサポート
- ストレスを和らげ、自律神経を整える
「1人目は自然に妊娠できたから大丈夫」と思っても、体は変化していきます。東洋医学の視点で体のバランスを整え、妊娠しやすい状態に戻していきましょう。
鍼灸は続発性不妊の原因に多角的にアプローチし、自然な妊娠力を高めるサポートが可能です。1人目を妊娠したときと同じ方法で妊活してもうまくいかない場合、体の変化に合わせたケアが必要になります。鍼灸を取り入れることで、心身ともに妊娠しやすい状態を整えることが期待できます。
「2人目がなかなかできない…」と感じたら、お気軽にご相談ください!
参考文献
- 武田茉莉亜, 武内享介, 白國あかり, 浅見里紗, 吉田愛, 杉本誠. 続発性不妊症 – 分娩様式と次子妊娠にむけての取り組み –. 産科と婦人科. 2023;90(10):1159-1163.
- 三宅達也. 続発性不妊症 – 分娩様式と次子妊娠にむけての取り組み –. 産婦人科の進歩. 2020;72(4):440.
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やせすぎは妊娠の妨げに?健康的な体重増加で妊娠力を高める方法
やせすぎは妊娠を妨げる原因になる?
やせすぎは体脂肪の不足によりホルモンバランスが乱れ、排卵障害や卵子の質の低下を引き起こすことがあります。特にBMIが18.5未満の場合は、排卵障害のリスクが高まります。


やせすぎが及ぼす主な影響
- ホルモンバランスの乱れ:エストロゲン不足で月経不順や無月経を招く。
- 視床下部性無月経:過度なやせやストレスで視床下部がGnRH分泌を低下させ、排卵が止まる。
- 黄体機能不全:プロゲステロン不足により子宮内膜が薄くなり着床しにくくなる。
- 卵子の質低下:ビタミンD、鉄分、亜鉛不足など栄養不足が卵子の質を低下させる。
卵子の質を高める脂質の重要性
脂質は女性ホルモンの原料であり、卵子の成熟や細胞膜の材料となります。特に妊活中は脂質の“質”を意識することが大切です。
✔️ 良質な脂質(積極的に摂取)
- オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):青魚、亜麻仁油、えごま油
効果:抗炎症作用で卵巣の働きをサポート。 - 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸):オリーブオイル、アボカド、ナッツ類
効果:ホルモンバランスを整える。 - リン脂質(ホスファチジルコリン):卵黄、大豆、レバー
効果:卵子の細胞膜を強化し、受精率を高める。
🚫 避けるべき脂質(摂りすぎ注意)
- トランス脂肪酸(マーガリン、スナック菓子):卵子の質低下、排卵障害の原因に。
- 過剰な飽和脂肪酸(脂身の多い肉、ラード):炎症を悪化させ、ホルモンバランスを乱す。
健康的に体重を増やすためのポイント
- 1日+300〜500kcalを目安に摂取増加(急激な体重増加は避ける)
- PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)の最適化
タンパク質:30% 脂質:30% 炭水化物:40% - 筋トレ重視の運動(スクワットや体幹トレーニング)
- 間食を効果的に取り入れる(高栄養・高カロリーな食品を選ぶ)
💡 高栄養価食品
- 良質な脂質:オリーブオイル、アボカド、ナッツ、卵黄、亜麻仁油
- 高タンパク質:鶏むね肉、卵、サーモン、豆腐、ギリシャヨーグルト
- 炭水化物源:玄米、さつまいも、オートミール、全粒粉パン
- 間食のエネルギー補給:バナナ+ピーナッツバター、プロテインバー、ナッツミックス
まとめ
やせすぎは妊娠しにくさの原因となりますが、脂質の質を意識した食事、バランスの取れたPFC摂取、筋肉をつける運動を組み合わせることで、ホルモンバランスが改善され、妊娠力が向上します。将来の赤ちゃんのためにも、今から健康的な体づくりを始めましょう。
参考文献
- Gaskins AJ et al., Fertility and Sterility, 2019
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卵子の質を高めたい方へ【妊活中に摂りたい栄養素とサプリ・食事法】
卵子を育てるためのサプリメントと食事から摂取できる栄養素
卵子の質を向上させるためには、適切な栄養摂取が重要です。今回は、卵子の健康に寄与するとされるサプリメントと、それらを食事から摂取できる食材について解説します。


卵子の質を高める主要な栄養素と食材
- 1. 葉酸(ビタミンB9)
- ✔️ DNA合成や細胞再生を助けるビタミンで、妊娠前からの摂取が推奨されます。
- ✔️ 胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減し、卵子の質を高める可能性があります。
- 【食品】ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、レンズ豆
- 2. ビタミンD
- ✔️ カルシウムの吸収を促進し、卵胞の発育や着床環境を整える作用があります。
- 【食品】鮭、サバ、イワシ(青魚類)、卵黄、きのこ類
- 3. ビタミンE
- ✔️ 強力な抗酸化作用があり、卵子の老化を防ぎ、生殖機能を維持します。
- 【食品】アーモンド、ひまわりの種、ひまわり油
- 4. 亜鉛
- ✔️ DNA合成や細胞分裂をサポートし、卵子の質や着床力を高めます。
- 【食品】牡蠣、牛肉、豚レバー、鶏肉
- 5. イノシトール
- ✔️ ホルモンバランスを整え、特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善に効果的です。
- 【食品】オレンジ、グレープフルーツ、豆類(大豆、レンズ豆)、玄米
- 6. DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
- ✔️ 卵巣機能低下の改善が期待され、高齢の女性や卵巣機能が低下している方に有用です。
- 【食品】魚類(特に青魚)、鶏肉、牛肉、アボカド
- 7. メラトニン
- ✔️ 抗酸化作用により卵子の質向上や、体外受精の成功率を高める可能性があります。
- 【食品】赤身の魚や肉類、大豆製品、乳製品
- 8. コエンザイムQ10(CoQ10)
- ✔️ ミトコンドリアのエネルギー産生を助け、卵子の質を改善します。
- 【食品】牛肉、豚肉(特に心臓部位)、イワシ、サバ、マグロ
- 9. レスベラトロール
- ✔️ 抗酸化作用により卵子のミトコンドリアを保護します。
- 【食品】ブドウ(特に皮つき)、カカオ(ダークチョコレート)、ベリー類
- 10. カルニチン
- ✔️ 脂肪をエネルギーに変換し、卵子や精子の質向上に効果があります。
- 【食品】牛肉(特に赤身肉)、羊肉、鶏肉、魚類(タラ、サケ)
- 11. PQQ(ピロロキノリンキノン)
- ✔️ 細胞の老化を防ぎ、ミトコンドリアの活性を高めます。
- 【食品】納豆、ピーマン、ほうれん草、キウイ、パパイヤ
サプリメントの過剰摂取による肝臓・腎臓への影響
サプリメントは適量を守らないと、肝臓や腎臓に負担をかけることがあります。特に注意すべき成分は以下の通りです。
肝臓に負担をかけるサプリメント
- ビタミンA(レチノール):過剰摂取は肝障害を引き起こす可能性があります。
- 鉄分:過剰な鉄は肝臓に蓄積し、肝機能障害を招く恐れがあります。
- DHEA:ホルモン様作用により肝臓に負担がかかる場合があります。
- ハーブ系サプリメント(例:カバ、ブラックコホシュ):肝障害の報告があります。
腎臓に負担をかけるサプリメント
- ビタミンC:過剰摂取は腎結石の原因になります。
- ビタミンD:高カルシウム血症を引き起こし、腎臓に影響を与えます。
- カルシウム:過剰摂取は腎結石のリスクを高めます。
- 高用量のプロテイン:腎機能が低下している場合は特に注意が必要です。
サプリメント摂取で注意すべきポイント
- 上限量を守る:脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は体内に蓄積されやすいので、用量を守りましょう。
- 信頼できる製品を選ぶ:成分表示が明確で、安全性が確認されたものを選びましょう。
- サプリメントの併用に注意:複数の製品に同じ成分が含まれている場合があります。
- かかりつけ医や専門家に相談する:特に不妊治療中は専門家のアドバイスを受けることが重要です。
まとめ
卵子の質を高めるためには、栄養バランスを意識した食事とともに、必要な場合に限りサプリメントを補助として取り入れることが効果的です。しかし、過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかけ、健康リスクを招く可能性があります。安心して妊活を進めるためにも、正しい知識を持ち、自分に合った方法で健康管理を心がけましょう。
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精子の質は健康寿命のバロメーター?男性不妊と身体のサイン
精子の質と健康寿命の関係:男性も知るべき重要な事実
不妊治療は夫婦で取り組むものですが、現実には男性が非協力的なケースも少なくありません。しかし、精子の質は単に妊娠の可能性に影響するだけでなく、男性自身の健康や寿命とも密接に関わっていることが分かっています。今回は、最新の研究をもとに「精子の質と健康」の関係について詳しく解説します。


精子の質は健康のバロメーター
精子の質が良好な男性は、全体的な健康状態が良い傾向にあることが研究で明らかになっています。例えば、精子の運動率が高い男性ほど、心血管疾患やがんのリスクが低いことが報告されています
また、2009年に発表されたAmerican Journal of Epidemiologyの研究では、精子の濃度や運動率が低い男性は、寿命が短い可能性が高いことが示唆されています。この研究は、精子の質が単なる生殖能力の指標ではなく、健康全般を反映していることを示しています。
精子の質が低下する原因と健康リスク
精子の質は、加齢だけでなく 生活習慣や健康状態 によっても大きく左右されます。特に以下の要因は精子の質を低下させることが分かっています。
- 喫煙・アルコールの過剰摂取
タバコや過度な飲酒は精子のDNA損傷を引き起こし、妊娠率を低下させます
- 肥満と運動不足
肥満の男性はホルモンバランスが乱れやすく、精子の数や運動率の低下が見られることが報告されています
- ストレスとメンタルヘルス
慢性的なストレスやうつ病は、精子の質を著しく低下させることが確認されています(Pasqualotto et al., Andrology, 2013)。
- 食生活の乱れ
地中海式食事(オリーブオイル・魚・野菜中心の食事)は精子の質を向上させるとされており、ジャンクフード中心の食生活は精子の数や質の低下につながります
精子の質を向上させるためにできること
- 禁煙・節酒を心がける
タバコをやめることで、精子のDNA損傷が減少し、質の向上が期待できます。アルコールも適量を守ることが重要です。
- 適度な運動を取り入れる
週に3~5回の適度な運動は、ホルモンバランスを整え、精子の運動率を高める効果があります
- 健康的な食生活を意識する
野菜・果物・魚を中心にした食事を心がけることで、精子の酸化ストレスを軽減し、質を向上させることができます。
- 睡眠をしっかりとる
睡眠不足は男性ホルモンの分泌を妨げ、精子の質を低下させます。1日7~8時間の睡眠を確保しましょう。
- ストレス管理を行う
瞑想やヨガ、適度な運動を取り入れ、リラックスする時間を作ることが大切です。ストレスが原因で精子の運動率が低下することが確認されています。
精子の質を改善することは、自分の健康を守ることでもある
男性の中には、「不妊治療は女性の問題」と考える人もいますが、それは大きな間違いです。 精子の質を改善することは、単に妊娠率を上げるだけでなく、がんや生活習慣病のリスクを下げ、自分自身の健康と寿命を守ることにつながります。
不妊治療に協力することは、将来の家族のためだけでなく、自分の健康にも大きなメリットがあります。今日からできることを少しずつ始めて、より健康な未来を目指しましょう!
参考
American Journal of Epidemiology, July 27, 2009.
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「夜更かし」が妊娠を遠ざける?就寝時間と妊活の関係
「妊活を頑張っているのに、なかなか結果が出ない…」
そんな悩みを抱えているあなたは、日々の「就寝時間」を意識していますか?実は、最近の研究で、夜22時45分以降の就寝が不妊リスクを高める可能性があることが明らかになりました。さらに、肥満傾向があるとそのリスクがさらに増加し、朝の習慣が妊娠しやすい体づくりに繋がることも示唆されています。
この記事では、就寝時間と妊娠の密接な関係について、最新の科学的知見をもとに詳しく解説します。
夜更かしが妊娠に影響するって本当?最新研究が示すデータ
近年、睡眠と健康、特にホルモンバランスの関係が注目されています。妊娠も例外ではなく、十分な睡眠や適切な就寝時間は妊娠の可能性に深く関わります。
最新の研究では以下が報告されています。
- 22時45分以降に就寝する人は、不妊リスクが高まる傾向にある。
- 睡眠不足が続くと、排卵やホルモンバランスに悪影響。
- BMIが高い人(肥満傾向がある人)は、就寝時間の遅れによる不妊リスクがさらに増加。
- 朝食を摂ることや太陽光を浴びることが、体内リズムを整え、妊娠しやすい体づくりに役立つ。
つまり、単なる睡眠不足だけでなく、就寝時間が遅くなること自体が、妊娠しづらくなる要因となることが科学的に裏付けられてきているのです。
なぜ「遅寝」が不妊リスクを高めるのか?
就寝時間が遅くなることで、私たちの体には具体的にどのような影響があるのでしょうか?
1. メラトニンの分泌低下と卵子の老化
メラトニンは「睡眠ホルモン」としてよく知られていますが、実は強力な抗酸化作用も持っており、卵子の質を守る上で非常に重要な役割を果たしています。メラトニンは夜間に分泌が最大になりますが、就寝時間が遅くなると、その分泌量が減少してしまいます。メラトニンの不足は、卵子の酸化ストレスを増加させ、卵子の老化を早める可能性が指摘されています。
2. ホルモンバランスの乱れと排卵への影響
睡眠不足や不規則な就寝時間は、妊娠に必要なエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌リズムを乱します。これにより、正常な排卵が妨げられたり、月経不順や無排卵のリスクが高まることがあります。特に、夜更かしによる自律神経のバランスの崩れは、これらのホルモン調節に大きな影響を与えると考えられています。
3. ストレスホルモンの増加と妊娠しづらさ
夜遅くまで起きていると、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加します。コルチゾールが過剰に分泌されると、妊娠に必要な生殖ホルモンの分泌が抑制されることが分かっています。ストレスは妊活中の心身にとって大敵であり、質の良い睡眠習慣を確立することは、ストレス軽減にも直結します。
肥満と夜更かしの「ダブルパンチ」
今回の研究では、特にBMIが高い人(肥満傾向がある人)が、就寝時間の遅れによる影響をより強く受けることが示されました。肥満自体も妊娠に影響を与える要因であり、夜更かしがそれに拍車をかける形になります。
- インスリン抵抗性の上昇:排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群など)を引き起こす可能性があります。
- エストロゲンの過剰分泌:脂肪細胞からもエストロゲンが分泌されるため、過剰になるとホルモンバランスが乱れ、着床環境が悪化することがあります。
- 慢性的な炎症:体内の慢性的な炎症は、子宮内膜の環境を悪化させ、着床しづらくなる原因となります。
さらに、夜遅くに食事をすると、血糖値が上昇しやすくなり、これがホルモンの分泌リズムを狂わせる一因とも考えられます。
妊娠しやすい身体を作る「朝の過ごし方」
妊娠しやすい身体を作るためには、夜の睡眠習慣だけでなく、朝の過ごし方も非常に重要です。
- 朝日を浴びる:目覚めてすぐに太陽の光を浴びることで、脳内の体内時計がリセットされます。これにより、夜にはメラトニンが適切に分泌され、質の良い睡眠に繋がります。
- 朝食をしっかり摂る:規則正しい時間に栄養バランスの取れた朝食を摂ることで、血糖値が安定し、ホルモン分泌のリズムが整いやすくなります。
- 軽い運動を取り入れる:朝のウォーキングや軽いストレッチは、血行を促進し、代謝をアップさせます。
特に朝日を浴びることは、日中のセロトニン(幸せホルモン)の分泌を促し、これが夜にはメラトニンへと変化するため、睡眠の質全体を向上させる効果が期待できます。
妊活中にできる!快眠&早寝習慣の具体的なステップ
妊娠しやすい体づくりのために、今日から「早寝習慣」を取り入れてみましょう。
- 22時30分までにベッドへ:遅くとも22時45分以降の就寝を避けることを意識しましょう。
- 寝る1時間前はスマホ・PCを控える:スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。
- カフェイン・アルコールは控えめに:特に夕方以降は、カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)やアルコールの摂取を避けましょう。これらは睡眠を妨げる原因となります。
- 日中に軽い運動を取り入れる:ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心身をリラックスさせる中程度の運動を日中に取り入れると、夜間の睡眠の質が向上します。
- 寝室の温度と湿度を調整する:快適な睡眠環境を整えることも重要です。夏は涼しく、冬は暖かく、適切な湿度を保ちましょう。
まずは、「今より寝る時間を30分早める」といった小さな目標から始めてみてください。継続することで、身体は少しずつ変化していきます。
まとめ
最新の研究は、就寝時間が遅くなるほど、特に肥満傾向のある妊活中の女性にとって、不妊のリスクが高まる可能性を示しています。
- 夜22時45分以降の就寝は不妊リスクを高める可能性がある。
- メラトニンの分泌低下やホルモンバランスの乱れ、ストレスホルモンの増加がその理由。
- 朝食をしっかり摂り、朝日を浴びる習慣が体内リズムを整え、妊娠しやすい体づくりに役立つ。
- 規則正しい「早寝快眠習慣」を取り入れることが、妊娠の可能性を高める重要な一歩となる。
夜更かしを控えて、心身ともに健康な状態を保つことが、妊娠しやすい体をつくるための大きな助けとなります。今日からぜひ、ご自身の睡眠習慣を見直してみましょう。


📚参考文献
38歳(低AMH・P4低値)保険適用での移植6回陰性後に自然妊娠
大阪府大阪市からお越しのMさん(38歳)が妊娠されました。
終わりの見えない不妊治療との闘い
Mさん(38歳、看護師)が当院に初めてお越しになったのは、2023年1月でした。2年にわたる妊活期間を経て、すでに不妊治療専門クリニックで体外受精を進めている段階でした。
初診時のMさんは、ご自身では「体調は良好」と仰っていましたが、詳しくお話を伺うと、以下のような慢性的な不調を抱えていました。
- 身体的症状: 肩・首のこり、足のむくみ、だるさ、頭痛、目の疲れ
- 睡眠: 平均6時間と短めで、夢をよく見る
- 生理: 生理痛があり鎮痛剤を服用、経血量が多い
- 生活習慣: ストレス過多、便秘、冷え性
- クリニックの診断: 黄体ホルモン(P4)低値、甲状腺機能やや低値、低AMH(転院後の検査で判明)
これまでに2回の採卵、2回の胚移植(保険適用)を経験し、1回目の移植で陽性反応が出たものの、8週で流産。次の移植は陰性という結果でした。
「このまま治療を続けても良い結果が出るのだろうか…」
Mさんは、このような不安を抱えながら、体質改善と移植に向けて身体を整えたいと、当院での鍼灸治療を始められました。
2年間の不妊期間から始まった鍼灸治療
当院では、Mさんのその日の体調を詳しく伺い、上記の慢性症状や自律神経の乱れに対する鍼灸治療を行いました。加えて、不妊治療の段階に合わせ、子宮や卵巣への血流促進を目的とした鍼灸・レーザー治療を重点的に実施しました。
2023年1月:鍼灸開始とERA検査
鍼灸を始められたこの周期は、ERA検査(子宮内膜受容能検査)を予定していました。問診で判明した様々な慢性症状に対しての施術を実施。ERA検査後には、Mさんから「内膜がいつもより2ミリ厚くなっていて、前回の鍼が効いたのかも」という嬉しいご報告がありました。
2023年2~3月:移植周期(保険適用3回目/4回目)
翌月からの移植周期では、残念ながら2回連続で陰性という結果に。特に、移植後のP4値が低く、薬で補充してもなかなか上がらないという課題が浮き彫りになりました。凍結胚は初期胚が1個残っていましたが、Mさんは再度採卵を行うことを決断されました。
2023年4~5月:転院と採卵周期
パートタイムで職場を掛け持ちしていたMさんは、遅い時間まで診療しているクリニックへの転院を決意。新しいクリニックでは、一度タイミング療法を行ってから採卵に進む方針でした。
当院では、この採卵周期も引き続き卵巣への血流促進に注力し、卵子の質向上を目指した鍼灸・レーザー治療を行いました。その結果、採卵数11個中、初期胚1個、胚盤胞3個を凍結でき、Mさんは「今まででグレードが一番良かった」と喜ばれていました。
2023年6~7月:お休み周期
採卵後のお休み周期では、これまでギザギザだった基礎体温が安定。Mさんいわく「D2でしっかり低温期だったのが、今日から高温期みたいになった」とのこと。身体のホルモンバランスが整ってきている兆候が見られました。
2023年8月:移植周期(保険適用5回目)
自然周期での移植に臨み、子宮への血流促進を図る鍼灸・レーザーを強化。卵胞の成長はゆっくりでしたが、鍼灸の効果もあり、D16に9mmだった卵胞が翌週には17mmに成長。内膜も8.5mmから12.5mmまで厚くすることができました。
しかし、凍結融解胚盤胞移植の結果は、フライング検査でうっすら陽性反応が出たものの、血液検査のhCG値は10と低く、化学流産という結果に。Mさんは悔しさに涙を流されました。
2023年9~11月:検査と2度の採卵周期
化学流産後、Mさんは不育症検査、トリオ検査、そしてPGT-A(着床前遺伝子検査)を行いました。不育症検査は問題なしでしたが、EMMA検査で善玉菌ゼロが判明し、抗生剤を開始。
PGT-Aを見据えた1度目の採卵では、見えていた17個の卵胞から採れたのは7個、凍結に至ったのはゼロという厳しい結果に。クリニックからは卵巣刺激法の変更や卵子活性法が提案されましたが、Mさんは前回より悪くなった結果に納得がいかない様子でした。
続く2度目の採卵、D2の卵胞チェックでは左右に1個ずつしか見えませんでした。この時も卵胞の成長と体質改善を目指した鍼灸を継続。D13には11個の卵胞が見え、最大22mmに成長しました。
しかし、採卵数は見えていた卵胞の約半分である6個。その内、成熟卵は3個で、凍結できた1個(5BB)の胚盤胞をPGT-Aに提出されました。Mさんは涙を流し、「採卵を続けるごとに結果が良くない方に進む」現実に、深い疲労感と絶望を感じていました。この状況を受け、Mさんは再度クリニックを転院することを決断されました。
2023年12月:転院
新しいクリニックでの治療が始まり、まずタイミング療法と基本的な検査を再度受けました。この再検査で、今まで気づいていなかった「低AMH」が判明し、サプリメント(DHEA)の服用が追加されることになります。同時期に届いたPGT-Aの結果は残念ながら正常胚ではなかったため、破棄されました。
2024年2~3月:採卵周期/移植周期(保険適用6回目)
新しいクリニックでの最初の採卵(PPOS法)での結果は、見えていた7個の卵から6個の成熟卵が採れ、初期胚1個、胚盤胞5個が凍結できるという、これまでの採卵で過去最高の結果でした。Mさんも少しホッとされた様子でした。この間も、鍼灸による卵巣への血流促進は継続されていました。
そして、保険適用最後の移植はSEET法を選択、内膜の成長も順調に進みました。融解した胚盤胞は4ABから5ABに変化。しかし、結果は残念ながら陰性でした。
この時、Mさんは「今までは採卵後の移植は、いつもP4が低く薬を追加しても改善しなかったのに、今回はP4値がしっかりあった。薬の内容もシンプルだった」と、クリニックによって治療の考え方が全く違うことを実感されていました。
2024年5月:お休み周期で妊娠
最後の保険適用移植の陰性判定を受け、次周期に移植を予定していたMさん。この間に子宮収縮検査を受けることになり、さらに大好きな沖縄旅行を計画されていました。
そして、沖縄旅行に行かれる前日、Mさんから当院に自然妊娠をされたとのご報告が入りました。
体外受精の治療ステージにいたMさんにとって、全く予想外の結果で本人も驚かれていました。本人曰く、「なんとなく取ったタイミング」での妊娠だったそうです。
妊娠後も、当院でマタニティ鍼灸を継続し、妊娠8〜10週の壁を越え、つわりや便秘などのケアを行いながら安定期へと移行。2024年10月には妊娠21週で鍼灸を卒業されました。その後、妊娠30週で逆子が判明しましたが、鍼灸による逆子治療により無事治ったとのことです。
まとめ
Mさんのケースは、長期にわたる不妊治療の難しさ、そしてそれでも自然妊娠の可能性がゼロではないことを示しています。何が決め手となったのかは一つに断定できませんが、Mさんがされてきたこと全てが、この結果に繋がったのだと思います。
- 鍼灸による体質改善の継続: 週に1回の鍼灸レーザーによる子宮卵巣の血流促進と全身の体質改善が、卵子や内膜の状態、ホルモンバランスの改善に繋がったと考えられます。
- クリニック選びの重要性: クリニックによって治療の考え方やアプローチが異なるため、Mさんのように転院が成功の鍵となることもあります。ご自身に合ったクリニックを見つけることが、妊娠・出産までの道のりを大きく変える可能性があります。
- 心の健康の影響: 長引く不妊治療による精神的なダメージは計り知れません。Mさんの場合、転院によって状況が変わり、それが精神的に良い影響を与え、妊娠しやすい状態に繋がったのかもしれません。
- 「お休み周期」の思わぬ効果: 積極的に治療をしない「お休み周期」で心身がリラックスし、自然妊娠に至るケースは他の方にも見られます。
当院では、妊娠しやすい身体づくりはもちろん、患者さんの心の健康も重視し、些細な変化も見逃さないよう、お一人おひとりに寄り添ったサポートを心がけています。
Mさん、本当におめでとうございます。出産まであとわずかとなりましたが、無事にご出産されることを心より願っております。そして、ご家族3人で幸せなご家庭を築かれていかれることを願っております。
もしあなたが、Mさんのように不妊治療で悩んでいらっしゃるなら、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの「妊娠したい」という願いを、心身両面から全力でサポートさせていただきます。
Mさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください。
1回目の移植で稽留流産、2回目の移植が陰性となり、他に何か出来ることがないか探してい 時に鍼灸が良いと聞いたので挑戦してみようと思ったため。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください。
自然妊娠 次の移植を控えていた前の周期で自己タイミング法での自然妊娠
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください。
レーザー・温活・ウォーキング ・サプリメント
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください。
初めての鍼灸で最初は不安でしたが痛みもなくこれなら続けられそうと思い通わせて頂きました。毎回レーザーと鍼灸を受けていましたが、終わった後にはポカポカして身体が温まっているのを実感しました。自宅での温活と併せて冷え症は改善したと思います。
1番変化を感じたのは生理痛とドロッとした経血 がほとんどなくなったことでした。毎回その時の体調や治療のスケジュールに合わせた施術をして頂いたおかげで、便秘や腰痛などのマイナートラブルの改善や、採卵での凍結結果の改善、移植時の内膜が厚くなったりたりと通い始める前と比べて良くなったなと感じることがたくさんありました。
いつも正嗣先生にお願いしていたのですが、クリニックで聞けなかったことや疑問に思ったことを質問すると分かりやすく教えて下さり転院の相談にも乗って頂きました。施術中も世間話をしたり楽しく受けることが出来ました。
▢ 同じように悩まれている方ヘアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)、やメッセージがあればお願いいたします。
不妊治療を始めてから約2年半、保険での移植6回が上手くいかず、いつまで続けたらいいのか、でも諦められないからもう1回頑張ろうと思った矢先のまさかの自然妊娠でした。驚きしかなく、最初はまた流産してしまうかもしれないと不安ばかりでしたが、何とか安定期を迎えることが出来てひとまずホッとしているところです。不妊治療中は、先も見えないしいつまで続くのか分からない不安と恐怖で治療のことでいつも頭がいっぱいでした。周りに気軽に話せることでもなかったので、余計に一人で抱えこんでいた様に思います。
こちちに通うようになって、病院以外で治療について話せる場所があったのはとても大きいことでした。先生たちの豊富な知識と色んな方の経験談などを聞かせてもらって、自分の中の疑問が解決していくことで次はこうしてみようと前向きに治療に向かえたと思います。ありがとうございました。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。
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月経期のヨガはOK?妊娠しやすい体をつくるための注意点と実践法
月経中の身体の変化について
月経は、女性にとって毎月の自然な生理現象ですが、その過程でいくつかの複雑な身体の変化が起こります。その一例として、月経血が逆流して腹腔内に入ることがあります。これは稀な現象ではありますが、この期間中、子宮は内膜を排出するために収縮し、ホルモンバランスも変動します。そのため、適切なヨガの実践が重要になります。
月経血の逆流とは
月経血の逆流は、月経期間中に子宮内膜が子宮から排出される際、一部の血液や組織が卵管を通じて腹腔内に逆流する現象です。この現象は一般に「レトログレード月経」と呼ばれます。通常の月経では、子宮から膣を通じて外部に排出されるべき血液が、逆流してしまうことがあります。
逆流の原因
月経血の逆流の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
- 子宮の収縮:子宮筋の異常な収縮が逆流を引き起こす可能性があります。
- 卵管の形状や機能:卵管の閉塞や異常が原因となることがあります。
- ホルモンの影響:ホルモンのバランスが逆流に影響を与えることがあります。
※ヨガのポーズによっては逆流を促してしまうポーズがあります。
逆流による健康への影響
月経血が腹腔内に逆流すると、様々な健康問題が生じる可能性があります。
- 子宮内膜症:逆流した子宮内膜が腹腔内に着床し、炎症や痛みを引き起こします。
- 慢性的な骨盤痛:持続的な痛みや不快感が生じることがあります。
- 不妊症:子宮内膜症の進行によって不妊症の原因となることがあります。
対処法と治療
月経血の逆流に関連する問題に対処するための方法や治療法がいくつか存在します。
- 薬物療法:ホルモン療法や鎮痛剤の使用が一般的です。
- 手術療法:子宮内膜症の手術や卵管の処置が必要な場合があります。
- 生活習慣の改善:適切な運動や食事、ストレス管理が症状の緩和に役立ちます。
月経中にヨガをする利点
月経中にヨガを行うことで、以下のような利点があります。
- ホルモンバランスの調整
ヨガはホルモンバランスを整える効果があることが多くの研究で示されています。ヨガを習慣的に行うことで、副交感神経のバランスが整い、神経を静める脳内の神経伝達物質であるギャバ(GABA)の分泌が増加します。GABAは神経の興奮を抑え、ストレス、恐怖、抑うつ、不安を和らげる効果があります。 - メンタルの安定と幸福感の向上
ヨガはメラトニンの濃度を高めて睡眠を調整し、オキシトシン(「幸せのホルモン」として知られる)の濃度を高めることで幸福感を向上させます。さらに、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の分泌も増加し、天然の抗うつ剤として作用します。 - 血流促進
適切なポーズを行うことで骨盤内の血流が促進され、月経痛の軽減に役立つとともに、子宮や卵巣への酸素供給と栄養供給が増加し、妊娠しやすい身体作りに貢献します。 - ストレス軽減
ヨガのリラクゼーション効果により、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、ホルモンバランスを維持しやすくします。日本の研究では、ヨガのクラス後にセロトニンの分泌が上昇し、コルチゾールの抑制が確認されています。
避けるべきヨガのポーズ
一部の専門家は、月経血の自然な排出を妨げる可能性があるとして、以下のポーズを避けるべきだとしています一方で、医学的な明確な根拠は十分に確立されていません 。
- 太鼓橋のポーズ
- 肩立ちのポーズ
- 鋤のポーズ
- これらに類似するポーズ






ヨガの実践時の注意点
- 無理をせず、自分の体調に合わせる。
- 深い呼吸を意識して、リラックスを重視。
- 強いストレッチや圧迫を避け、ゆったりと動く。
- 月経中のヨガは個々の体調や感覚に従い、無理のない範囲で行うことが推奨される。
まとめ
月経期のヨガは、身体に負担をかけず、リラックスを促すことが重要です。また、ヨガを習慣的に行うことでホルモンバランスが整い、血流が改善され、妊娠しやすい身体が作られます。適切なポーズを選ぶことで、月経期を快適に過ごし、健康的なライフスタイルを維持することができます。
参考文献
- 太田裕伊, 藤雅之, 長澤佳穂, 山本康嗣, 丸岡寛, 津戸寿幸, 加藤俊. 後腹膜腔に発生した子宮内膜症性嚢胞の1例. 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌. 2022; 38(2): 219-223. doi: 10.5180/jsgoe.38.2_219.
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不妊の検査でわかること【妊娠への第一歩は正確な診断から】
不妊症の原因を明確にするためには、男女ともにしっかりとした検査が必要です。適切な検査を行うことで、原因を特定し、最適な治療を受けることができます。特に女性においては、卵巣機能やホルモンバランスの確認が重要です。
女性の不妊検査
女性側の不妊検査には、いくつかの重要なステップがあります。
- 基礎体温の測定
基礎体温を記録することで、排卵が正常に行われているか確認します。排卵後の体温上昇を見て、低温期と高温期がしっかりと分かれているかをチェックします。 - 頸管粘液検査
頸管粘液が精子をサポートするかを確認します。クラミジアなどの感染症も調べられます。 - フーナーテスト
排卵期に性交後、頸管粘液中の精子の運動性を確認し、精子が子宮内に進むことができているかを調べる検査です。 - 子宮卵管造影
卵管の通過性や子宮の形態に異常がないかを確認します。卵管閉塞や狭窄が不妊の原因となっていないかをチェックします。 - 経膣超音波検査
超音波を用いて子宮や卵巣の状態を確認します。卵胞の発育や子宮内膜の厚さを観察し、排卵のタイミングを把握することが可能です。 - ホルモン検査
脳下垂体や甲状腺から分泌されるホルモンの状態を確認し、ホルモンバランスに問題がないかをチェックします。 - AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査
AMHは、卵巣内にどれくらいの卵子が残っているかを測定する検査です。卵巣予備能の指標となるため、年齢や月経周期に関係なく、卵巣の機能を客観的に把握するための重要な検査です。特に、卵巣の機能低下や早発閉経のリスクを確認する際に有用です。 - 排卵と卵胞発育の確認
排卵が実際に起こっているか、卵胞が正常に発育しているかを確認することも不妊診断において欠かせません。経膣超音波を使って、排卵の兆候や卵胞の大きさを測定し、タイミングを正確に把握します。これにより、排卵障害や無排卵の原因を特定することが可能です。 - 抗精子不動化抗体
抗精子不動化抗体とは、精子を不動化させる作用を持つ自己抗体の総称であり、精子の活動を阻害することで卵子との受精を妨げ、免疫性不妊の原因となる。
不妊の検査にはさまざまな種類がありますが、基本的には上記のような検査を受けることが重要です。これらの検査は、不妊の原因を包括的に評価し、適切な治療方針を立てるための基盤となります。追加の検査が必要な場合もありますが、まずはこれらの基本的な検査を行うことをおすすめします。


男性の不妊検査
男性側では、精液検査が一般的ですが、これだけでは不十分な場合があります。精索静脈瘤や精子のDNA損傷といった精液検査で検出しにくい問題も存在します。したがって、精液検査に加え、触診を行ってくれる医療機関を選ぶことが重要です。
触診の重要性
男性の不妊症の診断において、触診は欠かせないステップです。精索静脈瘤や精管の異常は触診で初めて発見されることが多く、精液所見だけでは見つからない異常を発見できるため、触診や超音波検査を行ってくれる医療機関を推奨します。
まとめ
不妊症の検査は、正確な診断と早期の対応が妊娠への大切なステップです。女性はホルモンバランスや卵巣機能の確認を含め、男性は精液検査に加え、触診も含めた包括的な検査を行うことが重要です。適切な医療機関を選び、最適な治療を受けることが成功のカギとなります。
参考文献
- ・日本産科婦人科学会:「不妊カップルに対する検査のアルゴリズム」(最終アクセス日: 2025年1月23日)
- ・厚生労働省:「不妊治療の実態に関する調査研究について」令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「不妊治療の実態に関する調査研究(概要版)
- ・厚生労働省:「生殖医療ガイドラインの考え方」東京大学大学院医学系研究科産婦人科学大須賀穣1 2021.11.17 中医協
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精液所見が悪いとどうなる?男性不妊に与える影響と改善法5選
主人の精液所見が悪い 何かできることある?
妊活をしている中で、パートナーの精液検査の結果が良くなかったというお話は珍しくありません。「濃度や運動率がギリギリだった」「結果が悪かった」など、不安に感じる方も多いと思います。しかし、精液検査の結果は一回の検査だけで結論を出すものではありません。
精液検査の結果について
精液検査は、1回の結果で全てを判断するものではありません。通常、最低でも3回程度の検査を行い、その平均値をもとに評価することが推奨されています。
たとえば、前日の睡眠不足やストレス、飲酒などが検査結果に影響することもあります。そのため、1回の結果が悪かったからといって落胆したり、ご主人を責めたりする必要はありません。
さらに、精液検査だけではわからない男性不妊の原因もあります。たとえば、精索静脈瘤という隠れた原因がある場合、精液検査では発見できないことがあります。このような場合は、追加の検査や触診を行ってくれる専門のクリニックや泌尿器科を受診することをお勧めします。


悪い影響を与える要因
- 睡眠不足
- 暴飲暴食
- 喫煙や過度の飲酒
- ストレスや生活リズムの乱れ
- 睾丸を温めるサウナや長風呂
精子の質を改善するためには、まずこれらの要因を見直し、健康的な生活を送ることが大切です。
改善のためにできること
- 睡眠時間を確保する(1日7時間以上を目安)
- バランスの取れた食事を摂る(抗酸化作用のある食品や亜鉛、ビタミンEを意識的に)
- 適度な運動を取り入れる(ウォーキングや軽い筋トレ)
- ストレスを軽減する(リラックスできる時間を持つ)
- 禁煙・飲酒の制限
鍼灸や漢方、サプリメントの利用
鍼灸や漢方、サプリメントも精子の質改善をサポートしますが、結果がすぐに現れるわけではありません。身体に変化が反映されるには約3カ月かかると言われています。このため、長期的な視点で取り組むことが重要です。
たとえば…
- 鍼灸:血流改善やストレス軽減の効果が期待されます。
- 漢方薬:個々の体質に合った処方を選ぶことで、身体全体の調子を整えます。
- サプリメント:亜鉛、コエンザイムQ10、L-カルニチンなどが含まれるものが推奨されます。
二人三脚で妊活を進めましょう
ご主人の精液所見が思わしくない場合でも、生活習慣の見直しや適切なケアを行うことで改善する可能性があります。精子の状態を良くするには時間がかかることを理解し、焦らずに取り組むことが大切です。
二人で協力して健康的な生活を送りながら、専門医や鍼灸、漢方の力を借りることも検討してください。妊活は二人三脚で行うもの。共に努力することで、妊娠への近道になります!
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妊活に鉄分が必要な理由【不足が引き起こす症状とおすすめの食事法】
妊活と鉄分:貯蔵鉄の役割と不足による影響
妊活中の女性にとって、鉄分の重要性を改めて理解することは非常に重要です。鉄分は、エネルギーを作るために必要な酸素を全身に運ぶ役割を持つヘモグロビンの材料となるだけでなく、卵子の健康にも関与しています。ここでは、体内の鉄分の働きやその不足が妊娠にどのような影響を与えるかについて詳しく見ていきましょう。
鉄分の働きとフェリチンの役割
体内にある鉄分の約60〜70%は、ヘモグロビンとして血液に含まれており、酸素を全身に供給する大切な役割を果たしています。残りの20〜30%は「フェリチン」という形で肝臓や脾臓、骨髄に貯蔵されています。この貯蔵鉄は、体が酸素不足や出血などで鉄が不足したときに補うためのストックです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人女性(18〜49歳)に推奨される鉄の摂取量は、月経の有無により異なり、月経のある女性は10.5mg/日とされています。これは、毎月の月経により鉄が失われやすいことを反映した基準です。この摂取量を意識することで、鉄分不足を防ぎやすくなります。


隠れ貧血と妊娠の関連性
鉄分が不足すると、体はまずヘモグロビンの鉄を維持するために、貯蔵鉄であるフェリチンを優先的に消費します。しかし、フェリチンが減少し続けると、ヘモグロビン値は正常でも「隠れ貧血」という状態に陥ります。これは血液検査で発見されにくい貧血の一種で、症状としては疲労感、集中力の低下、肌のくすみなどが現れることがあります。
妊活中に鉄分が不足することは、卵子の質の低下を招く可能性があります。フェリチンが低い状態では、卵子の老化を防ぐための抗酸化酵素の働きが弱まり、妊娠しにくくなるリスクがあります。妊娠力を維持するためには、鉄分を十分に補い、血中フェリチン値を50ng/ml以上に保つことが推奨されます。
ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
鉄分は、食事から摂取する際にヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分けられます。
ヘム鉄は動物性食品に含まれ、体に吸収されやすい鉄です。牛肉やレバー、カツオやサバなどの魚に多く含まれており、特に妊活中の女性には積極的に取り入れたい栄養素です。吸収率は約15〜25%と高く、効率的に鉄分を補給することができます。
非ヘム鉄は植物性食品に含まれ、吸収率が低い(約2〜5%)鉄です。ほうれん草や納豆、海藻類に多く含まれますが、ビタミンCを一緒に摂ることで吸収率を上げることが可能です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、鉄分摂取に関する食事のバランスを取ることが重要であるとされています。鉄分を効率よく吸収するためには、ヘム鉄を優先しながらも、非ヘム鉄もビタミンCを含む食材と組み合わせてバランス良く摂取することが推奨されています。
鉄分が豊富な食材
鉄分を効率よく補うために、以下の食材を意識して取り入れましょう。
ヘム鉄が豊富な食材
- レバー(鶏・豚・牛)
- 赤身の肉(牛・豚)
- カタクチイワシ
- カツオ、サバ
非ヘム鉄が豊富な食材
- ほうれん草、小松菜
- 納豆、ひよこ豆
- ひじき、海苔
妊活と鉄分摂取のポイント
妊活中の方は、鉄分不足によるリスクを避けるために、定期的にフェリチン値を確認し、鉄分を意識して摂取することが重要です。鉄分不足は、貧血の他にも、妊娠しにくい体質や不定愁訴(疲れやすさ、体調不良)などの原因にもなります。食事での鉄分補給に加え、必要に応じてサプリメントの活用も検討すると良いでしょう。
結論
鉄分は、妊娠力を維持するために不可欠な栄養素です。特に月経のある女性や妊活中の方は、体内の鉄分が不足しないよう、日々の食事で意識的に鉄分を摂取し、フェリチン値の管理を行うことが大切です。バランスの良い食事と、鉄分補給を習慣化することで、健やかな妊娠力をサポートしましょう。
参考
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- eJIM「鉄(Fe)について」『海外情報ナビ』国立長寿医療研究センター、2025年1月23日取得、[https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html]
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30代からの自然妊娠は可能?妊娠力を高める鍼灸サポートの効果とは
30代の方の自然妊娠サポートについて
自然妊娠をご希望される30歳の方に向けた情報と当院でのサポートをご紹介します。
自然妊娠は可能?
30代前半の1周期あたりの妊娠率は約25~30%で、これは一般的に高いと感じられる数値ではないかもしれません。さらに35歳以降になると18%台まで下がるため、早めのアプローチが重要です。
ご夫婦ともに健康や生殖機能に問題のないカップルが正しい排卵日で夫婦生活を行った場合の1周期の妊娠の確率は以下の通りです。
- 20代:25~30%
- 30~34歳:25~30%
- 35~39歳:約18%
- 40~44歳:約5%
- 45歳:約1%
自然妊娠の確率は、思った以上に高くないのが現実です。そのため、今からできる妊娠しやすい身体づくりが非常に大切です。
タイミングを取り始めて半年経過しても妊娠に至らない場合、何らかの原因が隠れている可能性があります。そのため、当院では妊娠しやすい身体づくりをサポートしつつ、一度クリニックで検査を受けることをお勧めしています。
検査の重要性
妊娠しにくい原因として、女性だけでなく男性にも要因がある場合が少なくありません。検査を受けた方の中には、例えば以下のようなことが見つかることがあります。
- 排卵が規則的でない
- 卵管に詰まりがある
- 精子の運動率や量が基準値に満たない
これらの問題があると、どんなにタイミングを取っても妊娠が難しい場合があります。時間を無駄にしないためにも、まずご夫婦で検査を受けることが妊活の第一歩です。
検査で何を調べるべき?
検査で調べるべき主な項目は次の通りです。
女性の検査
- 排卵の有無(基礎体温やホルモン検査)
- 卵管の通り具合(卵管造影検査など)
- 子宮内の状態(超音波検査や内膜チェック)
- AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査による卵巣の予備能力の確認
男性の検査
- 精液検査(量、運動率、形態など)
- 精索静脈瘤の有無(触診や超音波検査)


当院でできるサポート
検査を受けた上で、自然妊娠が可能である場合、当院では以下のような方法で妊娠しやすい身体づくりをサポートしています。
東洋医学に基づく体質改善
鍼灸治療により、血流を促進し、ホルモンバランスを整えます。冷え性やストレスの解消を目指した施術を行います。ライフスタイルのアドバイス
食事や睡眠の質を改善するための具体的な提案をします。適切な運動習慣の導入をサポートします。ストレスマネジメント
ストレスは妊娠率に影響を与える要因の一つです。当院ではリラクゼーション効果を取り入れた妊活マッサージも取り入れています。
自然妊娠をご希望される場合、まずは検査を受けて妊娠可能な状態を確認することが重要です。その上で、妊娠しやすい身体づくりを進めていきましょう。当院では、東洋医学の知識と実績に基づき、皆さまの妊活を全力でサポートいたします。
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インフルエンザやコロナウイルス感染と妊活への影響について
妊活中にインフルエンザやコロナウイルスに感染すると、「赤ちゃんを授かれるのか」「薬を飲んで大丈夫なのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。特に発熱がある場合、体調や生殖機能への影響を理解し、適切に対応することが大切です。ここでは、感染症が妊活に与える影響と、その対策について詳しく解説します。
ご主人の発熱と精子への影響
精子は熱にとても弱い性質を持っています。38℃以上の高熱が2日以上続くと、精子の運動率や形態に一時的な低下がみられることが知られています。新しい精子がつくられるには約74日(2〜3か月)の造精サイクルが必要なため、発熱後は60日〜3か月程度で徐々に回復していくケースが一般的です。
一時的な影響であることが多いですが、個人差があります。気になる場合は精液検査を受け、精子の回復状況を確認するのも安心につながります。
奥様の発熱と卵子・排卵への影響
卵子は一度成熟すると質そのものが変わることはほとんどありません。ただし、感染や発熱による免疫反応や全身の炎症反応は、排卵や子宮内膜の状態に一時的な影響を与えることがあります。
卵子の質に直接ダメージが及ぶことは少ないとされていますが、周期のズレや内膜環境の揺らぎは起こり得ます。通常は次の周期には回復しますので、体力が戻ってから妊活を再開するのが安心です。
妊娠可能性がある時期の高熱について
受精から妊娠初期にかけての高熱は、神経管閉鎖障害などのリスク上昇と関連する可能性が報告されています。妊娠の可能性がある場合は、高熱を放置せず、早めに解熱や補液を行うことが重要です。
感染症の薬と妊活への影響
妊活中・妊娠可能性のある時期に薬を使う際は、種類に注意が必要です。
- 解熱鎮痛剤
妊娠可能性がある時期には、アセトアミノフェンが第一選択とされています。用法用量を守って短期間の使用であれば安全性は高く、発熱を我慢するよりリスクは低いと考えられています。 - インフルエンザ治療薬
オセルタミビル(タミフル)は妊娠中も使用可能とされており、妊活中にも推奨されます。
一方で、バロキサビル(ゾフルーザ)は妊娠中には推奨されません(データ不足のため)。妊活中も妊娠可能性がある場合は、主治医とよく相談して選択しましょう。
妊活を再開するタイミング
感染症や発熱のあとは、心身の回復を最優先にしてください。
- 男性:高熱の影響がある場合、2〜3か月後に精子が整ってくるのが一般的です。
- 女性:解熱して体力が戻れば再開可能。周期の乱れはあっても次の周期で改善することが多いです。
焦らずに回復を待つことで、より良い状態で妊活に臨むことができます。
心の安定を保つことの大切さ
妊活中は「熱が出たから妊娠できないのでは」と不安になりがちですが、多くの影響は一時的で回復します。むしろ、過度なストレスのほうがホルモンバランスや排卵に悪影響を与える可能性があります。
安心して休養をとり、心身の健康を取り戻すことが妊活の第一歩です。
まとめ
- 高熱は一時的に精子や卵子環境に影響を与えるが、ほとんどは回復する
- 男性は2〜3か月、女性は回復次第で妊活再開が可能
- 妊娠可能性のある時期の高熱は放置せず、適切な解熱を
- 薬はアセトアミノフェンやオセルタミビルが推奨され、必ず医師に相談すること


📚参考文献
- Carlsen E, Andersson A-M, Petersen JH, Skakkebaek NE. History of febrile illness and variation in semen quality. *Hum Reprod.* 2003;18(10):2089-2092.(高熱と精子所見の関連)
- Gollenberg AL, Liu F, Brazil C, et al. Semen quality in fertile men in relation to psychosocial stress. *Fertil Steril.* 2010;93(4):1104-1111.(ストレスや全身状態の影響)
- Patel DP, et al. COVID-19 and male fertility: a systematic review. *World J Mens Health.* 2021;39(4):1-13.(COVID-19後の精子所見の変化と回復)
- 日本産科婦人科学会「新型コロナウイルス感染症と妊娠に関するQ&A」(2024年更新版)(女性の感染と妊娠・妊活への影響)
- American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Influenza in Pregnancy: Prevention and Treatment. Committee Opinion No. 753, 2018.(インフルエンザ治療薬の使用に関する推奨)
- 厚生労働省「新型インフルエンザ(H1N1)診療ガイドライン」改訂版(妊婦におけるオセルタミビルの推奨)
- Andrews KW, et al. Maternal fever and risk of neural tube defects: a meta-analysis. *Epidemiology.* 2005;16(4):458–463.(妊娠初期の高熱と神経管閉鎖障害リスク)
妊娠しやすい身体づくりを始めませんか?
宇都宮鍼灸良導絡院では、感染症後の体調回復や免疫バランスの調整、不妊治療に伴う心身のケアを目的に、一人ひとりに合わせた鍼灸施術を行っています。妊活や体調管理について不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
妊活中のソワソワ期どう過ごす?【ジンクスの活用法】
ソワソワ期とは?
妊活中に多くの方が経験する「ソワソワ期」とは、排卵から妊娠判定までの約2週間を指します。「妊娠しているのかな」「今回もうまくいかなかったらどうしよう」と期待と不安が交錯し、心が落ち着かなくなる時期です。医学用語ではありませんが、妊活経験者の間ではよく使われる言葉です。
この時期はホルモンの影響もあり、眠気・情緒不安定・体の重さを感じやすいことも。だからこそ、心身をゆるめる工夫がとても大切です。
ジンクスは“心のお守り”
「木村さんを待ち受けにする」「パイナップルを食べる」など、妊活中にはさまざまなジンクスが語られます。科学的な裏付けはほとんどありませんが、安心感や前向きな気持ちにつながるのであれば、取り入れてみても良いでしょう。
例えば、ワタリガニには鉄分やビタミンB12、パイナップルには抗炎症作用が期待される酵素が含まれており、栄養的なメリットもあります。
妊娠しやすい体づくりに共通すること
ジンクス以上に大切なのは、妊娠に向けて体を整えることです。妊娠しやすい方にはこんな共通点があります。
- しっかり睡眠を取っている
- ストレスを抱え込みすぎない
- リラックスの時間を大切にしている
- 鍼灸やセルフケアを生活に取り入れている
鍼灸でソワソワ期をやさしくサポート
鍼灸は「妊活サポート」として注目されている東洋医学的アプローチです。
- 血流を促進し、子宮や卵巣の環境を整える
- 自律神経を整えて、ホルモンバランスを助ける
- ストレスを和らげ、リラックス効果を高める
実際に、体外受精と並行して鍼灸を受けることで妊娠率の改善を報告した研究もあり、ソワソワ期の不安な心をやわらげるケアとして選ばれる方が増えています。
「もし妊娠できなかったら…」と考える時間を、「今できるケアをしよう」という前向きな時間に変えられるのも鍼灸の魅力です。
セルフケアとしてのツボ押し
鍼灸院に通うのが難しい日も、セルフケアで心を落ち着けられます。
- 労宮(ろうきゅう):手のひら中央。不安や緊張を和らげる
- 内関(ないかん):手首の内側、中央から指3本分上。リラックス効果
- 大陵(だいりょう):手首の内側。気持ちを落ち着かせる
軽く押すだけでも気持ちがふっと楽になることがあります。
まとめ:安心して笑顔で過ごすために
ソワソワ期は誰にとっても落ち着かないものですが、ジンクスで心を支え、鍼灸で体と心を整えることで、少しずつ安心して過ごせるようになります。
鍼灸は「妊娠力を高める体づくり」と「心のリラックス」の両方をサポートするケア。「不安な時間を、安心できる時間に変えたい」そう思ったときに、鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。


妊娠しやすい身体づくりを始めませんか?
宇都宮鍼灸良導絡院は、大阪市都島区にある妊活専門の鍼灸院です。体質改善から不妊治療のサポートまで、患者様一人ひとりに合わせた施術をご提供しています。妊活や体調のお悩みなど、どうぞお気軽にご相談ください🍀
保険適用でも安心できない採卵後の注意点
保険適用 採卵でたくさんの卵が採れても安心できない?
保険適用内で体外受精や顕微授精を行う際、多くの方がまず採卵に進みます。しかし、採れた卵が「数」や「見た目のグレード」が良くても、それだけでは十分ではありません。
なぜなら、卵子の「質」と精子の質が赤ちゃんへと育つ可能性を決めるからです。
質の悪い卵がもたらすリスク
これまで多くの方と接してきた中で、以下のようなケースが多く見られます
- 一度の採卵でたくさんの卵が取れたものの、質が十分でないため移植を繰り返す
- 結果的に着床しないまま保険適用回数を使い果たしてしまう
- 自費治療に移行し、精神的にも経済的にも負担が増大する
このような状況を防ぐためには、採卵前に「卵活(卵子の質を高めるための準備)」を行うことが非常に重要です。
卵子の質を高めるために必要なこと
二次卵胞が成熟し排卵されるまでには約3か月かかります。この期間に身体の環境を整えることが、質の良い卵子を育むための鍵となります。
- 生活習慣の見直し
- 栄養バランスの取れた食事
抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、ベリー類、ナッツ)や、必須脂肪酸を含む魚類やオリーブオイルの摂取が効果的です。 - 十分な睡眠
質の高い睡眠は、ホルモンバランスを整え、卵子の質の維持に寄与します。 - 適度な運動
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、血流を改善し、卵巣機能をサポートします。 - ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱すため、リラクゼーション法や趣味を通じて適切に管理することが大切です。 - 鍼灸
採卵の前に鍼灸を受けていただくことで卵子の質を向上させることも可能です。


クリニック選びの重要性
クリニック選びは、不妊治療を成功させるための重要なステップです。以下のポイントを参考に慎重に選びましょう。
- 生殖医療専門医の在籍
不妊治療を専門とする医師が在籍し、生殖医療の専門資格を持つクリニックを選ぶことが大切です。特に、生殖医療専門医の資格を持つ医師がいるクリニックは、豊富な経験と最新の知識を活かした治療を提供してくれます。 - 治療実績と経験
通いやすさや診療時間も重要ですが、それ以上に治療実績と経験豊富な医師がいることが成功への鍵です。年間の治療件数や成功率を公開しているクリニックは信頼性が高いと言えます。 - その他のポイント
男性不妊への対応が可能かも確認してください。
保険適用内で治療を無駄にしないために
保険適用の治療には回数制限があります。そのため、早い段階で身体の準備を整えることが、無駄なく効果的な治療を受けるための鍵となります。
当院では、採卵前の身体づくりを全力でサポートしています。一人ひとりに寄り添いながら、妊娠への最短ルートを目指すお手伝いをいたします。
参考文献
- 高橋俊文(2021)「不妊治療を受ける前の心構え一 患者と医療者に知っておいて欲しいこと一」『日本遺伝カウンセリング学会誌』42号、p.415~418
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