
2025年の投稿記事
33歳 1人目に続いて2人目妊活も鍼灸とタイミング法で妊娠
大阪市からお越しのMさん(33歳)が妊娠されました。
患者情報
- 来院の動機:体質の改善、不妊症
- 鍼灸の経験:あり(1人目妊活の時、当院で鍼灸を受けて妊娠・出産。今回も2人目妊活で来院。)
- 体調:良好
- 体質:肩こり、冷え性、むくみ
- 睡眠:23時~6時(平均7時間)
- 生理:順調で25~30日で規則的、生理痛・PMSはなし。経血の色は赤色。
- 食生活:1日3食、食の趣向は甘いものを好む。飲み物はお茶、ジュース(1日3杯ほど)、お酒とたばこはなし。
- 運動:あまりしない(子育てで時間が確保しにくい)
- 入浴:全身浴
- 現在服用している薬・サプリメント:エタネルセプト(1人目産後から関節リウマチを発症)、葉酸(ドリンクタイプ)。
- ご主人は31歳。男性不妊の原因は不明。(検査を受けたことがない)
- ご自身で行っているセルフ妊活は、自宅でお灸をする。(火を使わないタイプ)
当院にお越しになるまでの経緯
Mさんは、以前1人目妊活の際にも当院で鍼灸を受けられてれ、自然妊娠されました。出産から1年が経過し、今回も2人目妊活のために再びお越しになりました。
現在はクリニックへの通院はされておらず、自己流タイミングを続けているとのことでした。過去の検査では左側卵巣嚢腫(3.5cm)があり、経過観察中です。鍼灸による体質改善と自然妊娠をご希望でした。
不妊鍼灸を始めてから、妊娠に至るまで
鍼灸は、肩こり・腰痛・便秘などその日の体調に応じた施術に加え、タイミングで妊活されているので卵巣の血流を促進し、質の良い卵子が育つように目指す施術を毎回行いました。
当院は、卵巣や子宮の生殖機能の向上だけでなく、体のさまざまな不定愁訴(心身の不調)にも徹底して施術をしています。心と身体が健康な状態は妊娠しやすいシステムがはたらきやすくなります。しかし、実際には、妊活中の方の多くが、心と体の不調を抱えていることがあります。これは、妊娠しやすいシステムがうまくはたらいていないということが考えられます。
なぜなら、人間の体は「ホメオスタシス(生体恒常性維持)」によって健康を保っています。これは、自律神経(交感神経と副交感神経)、内分泌系(女性ホルモンなど)、免疫系(細菌・ウィルスから体を守る)などがバランスよくはたらいている状態が健康と呼ばれます。このホメオスタシスは、さらに多様な器官や内臓など全身に複雑に関連して生命を維持しています。
人間は体のどこかの機能が低下しホメオスタシスが乱れると、その機能低下を回復させ、健康な状態に戻そうとするため、その代償として最初に「生殖能力活動」を低下させる若しくは止めてしまい、妊娠しづらい状態になると考えられています。
そのため当院では、卵巣・子宮の血流促進を図り、卵胞の発育促進や薄かった内膜が厚く成長できるよう目指して鍼灸施術を行っています。また、スーパーライザー(直線偏光近赤外線)を使用し、過緊張をおこしている交感神経を正常な状態に調整し、卵巣の血流をより良い状態に目指します。
不妊鍼灸では、卵巣・子宮や自律神経が注目されがちですが、実際には全身の器官が複雑に連携しているため、体全体の健康状態も同時に整えるようアプローチしています。そのため、首肩こり、頭痛、腰痛、便秘、冷え性など体の不調にも対応し、心と体が楽になっていただけるように施術を行っています。
Mさんの場合も、日頃から首や肩腰の痛み、便秘、むくみなどがあり、「仕事と育児で大変」と仰っていました。毎回、問診で伺った不調に合わせた施術を行い、体が楽になるように努めました。鍼灸を続ける中で、月経周期が28~30周期と安定するようにもなりました。お仕事はデスクワークと立ち仕事の両方があり、加えて育児もあるため、1人目妊活と比べて、タイミングが思うようにとれないことがお悩みでした。
鍼灸を始めて半年ほど経過した頃、ご本人は人工授精をお考えでしたが、ご主人は望んでおらず、精液検査も受けたことがないとのことでした。そのため、施術中にはご主人が検査に行ってくれるように、必要性をお話させていただき、Mさんもご主人に何度も訴えかけられました。
その結果、2024年8月にご主人が初めてクリニックの検査(血液検査)を受けられました。結果は問題なく、「今後は人工授精も良いかも。」と前向きな姿勢になっていただけました。そして、その次の周期でなんと自然妊娠していることが分かりました。胎嚢・心拍も確認できました。
その後、マタニティ鍼灸を32週まで受けられ、妊娠維持を目的とした施術に加え、つわりや腰痛、便秘などにも対応しました。28週の時には逆子だったため、3回の逆子鍼灸とご自宅のお灸と逆子体操で無事元通りになりました。妊娠32週で当院の鍼灸は卒業されました。
ご主人がクリニックの検査を受けられたことや人工授精を前向きになったことが、Mさんの精神面への安心につながり、妊娠するきっかけになったのかもしれません。また、約1年間鍼灸を続けたことで妊娠・出産できる良質な卵子が育ってくれたのかもしれません。
Mさん、この度は本当におめでとうございます。もうすぐ出産ですね。無事出産されることを願っております。「目標は3人」と仰っておられましたので、3人目妊活の時もサポートさせていただきますのでまたよろしくお願いいたします。
Mさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください
半年ほど自己流でしていましたが、体を整えようと思って通いはじめました。また、1人目も通いはじめてすぐ妊娠したので、効果があると思っていました。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください
タイミング(病院で排卵日を見てもらって、タイミングを取っていました。)
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください
自宅灸・レーザー・温活
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください
鍼灸施術を受けて、生理周期が整ったのがいちばん良かったと思います。また、足の冷えや腰の張りも見てもらえて、体が楽になりました。他にも体に良いものや、気をつけた方がいいコト等、アドバイスをいただけるのもとても助かりました。
▢ 同じように悩まれている方へアドバイスに自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)やメッセージがあればお願いいたします。
自分で火のいらないお灸をしていたのですが、リラックスできてよかったと思います。ツボは教えてもらって、そこに家でお灸をしていました。2人目妊活は、子どもがいる分、1人目とは生活が変わってしまっていて、思うようにいかないコトが多かったですが、リラックスできる時間を取るコトは大切だと思いました。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。
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フェロモンとホルモンの違いとは?妊活にも関わる”におい”の科学
「フェロモンが多い人は、女性ホルモンも多いの?」
妊活中の方や体質改善に取り組む方から、このようなご質問をよくいただきます。一見似ているようで、実は全く異なる役割を持つ「フェロモン」と「ホルモン」。その違いを理解することは、妊活だけでなく、日々の健康管理にも役立ちます。
この記事では、フェロモンとホルモンの科学的な違い、その関係性、そして東洋医学の視点も交えながら、魅力を引き出す身体づくりについて詳しく解説します。
ホルモンとは?体内で働く情報伝達物質
ホルモンは、体内の特定の臓器(内分泌腺)でつくられ、血液に乗って全身を巡り、特定の細胞や器官に作用して、身体のさまざまな生理機能を調節する化学伝達物質です。いわば、身体の各部署に指示を出す「指令役」のような存在です。
- 女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン): 月経周期、排卵、妊娠、出産、骨の健康、皮膚の状態などに深く関わります。妊活においては、そのバランスが極めて重要です。
- 甲状腺ホルモン: 代謝や成長、エネルギー消費を調節します。
- ストレスホルモン(コルチゾールなど): ストレス反応に関与し、血糖値や免疫機能を調節します。
ホルモンは、身体の内部で完結する情報伝達システムであり、意識することなく、私たちの生命活動を維持するために不可欠な役割を担っています。
フェロモンとは?体外で情報を伝える化学物質
一方、フェロモンは、身体の外に分泌され、同じ種の他の個体に特定の情報(行動や生理反応)を伝える化学物質です。主に汗、皮脂、尿などから分泌され、空気中を介して相手に届きます。
動物の世界では、フェロモンは繁殖行動の誘発、なわばりの主張、危険信号の伝達など、生存や種の保存に不可欠な役割を担っています。例えば、昆虫が性フェロモンで異性を誘引する現象はよく知られています。
ヒトにおけるフェロモンの存在とメカニズム
ヒトにおいても、フェロモン様の化学物質が、意識することなく感情や行動に影響を与える可能性が指摘されています。特に、「ヒトフェロモン」として研究されているのが、体臭に含まれるステロイド系の物質や、腋窩(脇の下)から分泌される特定の揮発性物質などです。
ただし、動物のように明確な繁殖行動を誘発する「性フェロモン」がヒトに存在するかどうかについては、まだ未解明な部分が多く、現在も活発な研究が続けられている分野です。しかし、特定の体臭が他者に無意識のうちに魅力や不快感を与えることは経験的に知られています。
フェロモンと女性ホルモンの関係性:直接的ではないが関連性あり
「フェロモンが多い人は、女性ホルモンも多いのですか?」という問いに対し、フェロモンと女性ホルモンは直接的な相関関係にあるわけではありません。 フェロモンは体外に分泌される化学物質であり、ホルモンは体内を巡る情報伝達物質だからです。
しかし、両者には間接的な関連性があると指摘されています。
例えば、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が活発になる排卵期には、皮膚の状態や体臭に変化が現れ、フェロモンがより強く感じられるという研究報告があります。
ある研究では、排卵期の女性の体臭に男性がより魅力を感じるという結果が報告されており、これはホルモンの変化がフェロモンの表れ方に影響する可能性を示唆しています。つまり、ホルモンバランスが整っていることは、フェロモンが魅力的にあらわれやすい身体環境をつくると言えるでしょう。
フェロモンの「多い・少ない」とピークは?
フェロモンは、誰にでも分泌されているものですが、その量や「にじみ出かた」には個人差があると考えられています。
フェロモンの質に影響を与える要因
- ストレス: 交感神経が過剰に働き、心身のバランスが崩れると、皮膚のコンディションや分泌物にも影響が出ることがあります。
- 生活習慣の乱れ: 寝不足、過労、偏った食生活なども、身体のバランスを崩し、フェロモンの質に影響を与え得ます。
これらは、東洋医学でいうところの「気血津液(きけつしんえき)の乱れ」にも対応します。身体全体のバランスが崩れることで、汗や皮脂といった「外に出るサイン」にも変化が現れ、結果的にフェロモンが持つ魅力が弱まると考えられます。
フェロモンのピーク
一般的には、ホルモンバランスや皮脂腺の働きが最も活発な20代前半がフェロモンの分泌のピークであると言われています。
しかし、これはあくまで一般的な傾向です。年齢を重ねても、心身のバランスが整っている人は、年齢に関係なく魅力的なフェロモンを放つと言われています。よく笑う人、前向きな人、自然体でいる人に魅力を感じるのは、まさに内面の整いが外に「にじみ出ている」からかもしれません。
鍼灸でフェロモンを引き出す「身体づくり」
東洋医学では、「内側の調和が外側にあらわれる」という考え方があります。これは、心身のバランスが整うことで、肌のツヤや血色、そして香りといった「外に出るサイン」も自然に高まる、ということを意味します。
鍼灸治療は、以下のようなアプローチでフェロモンを引き出す身体づくりをサポートします。
- 自律神経の調整: 現代社会で多くの人が抱えるストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスや体臭にも影響を与えます。鍼灸は、自律神経のバランスを整え、心身のリラックスを促します。
- ホルモンバランスの調整: 鍼灸は、婦人科系疾患や不妊治療において、ホルモン分泌を司る内分泌系に間接的に働きかけ、バランスを整える効果が期待できます。これにより、排卵期のエストロゲン分泌がスムーズになり、フェロモンの表出にも良い影響を与える可能性があります。
- 気血津液の巡り改善: 東洋医学の根幹である「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「津液(体液)」の巡りを整えることで、身体全体の機能が高まります。これにより、皮膚の状態が改善され、健康的な体臭が促されます。
「フェロモン」という言葉には特別なイメージがあるかもしれませんが、実は「整った身体と心」こそが、その人本来の魅力を最大限に引き出す、最高の「フェロモン」と言えるでしょう。
妊活中の方も、そうでない方も、日々の生活習慣を見直し、鍼灸を上手に取り入れることで、内側から輝く魅力的な身体づくりを目指しませんか?
ご自身の魅力を最大限に引き出し、心身ともに健やかな毎日を送るために、何かお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。
📚参考文献
- Shaw LJ.Emotional processing of natural visual images in brief exposures and compound stimuli: fMRI and behavioural studies.博士論文(PhD). ブルネル大学(英国); 2008年.
- Miller GF. How Mate Choice Shaped Human Nature: A Review of Sexual Selection and Human Evolution. In: Crawford C, Krebs DL, editors. Handbook of Evolutionary Psychology: Ideas, Issues, and Applications. Mahwah, NJ: Lawrence Erlbaum Associates; 1998. p.87–130. Available from:
ミネラルってなに?五大栄養素のひとつとしての大切な役割
ミネラルってなに?五大栄養素のひとつとしての大切な役割
妊活中の方、体質改善をしたい方にこそ知っておいてほしい「ミネラル」と「五大栄養素」のお話を、根拠に基づいてわかりやすく解説します🧠✨
🌱五大栄養素とは?
五大栄養素とは、私たちの身体をつくり、動かし、整えるために欠かせない栄養素の総称です。以下の5つが含まれます。
- 糖質(炭水化物)
体や脳を動かすエネルギー源 - 脂質
細胞膜・ホルモンの材料。エネルギー源としても重要 - たんぱく質
筋肉、臓器、酵素、ホルモンなど身体の構成要素 - ビタミン
代謝を助け、身体の機能調整をサポート - ミネラル
骨・歯の構成、神経や筋肉の調整、体内環境の維持
🧂ミネラルとは?
ミネラルは体内で合成できないため、食事からの摂取が必須の栄養素です。五大栄養素の中でも特に「身体を整える」働きが強く、少量でも生命維持に重要な役割を果たします。
ミネラルの種類と主な働き
- カルシウム(Ca)
骨や歯の形成、神経伝達、筋肉収縮 - リン(P)
骨・歯の成分、エネルギー代謝の補助 - マグネシウム(Mg)
酵素の働きを助ける、筋肉と神経の調整 - ナトリウム(Na)
血圧や水分バランスの調整、神経の伝達/li> - カリウム(K)
細胞の浸透圧調整、血圧の調節、筋肉の動き - 鉄(Fe)
ヘモグロビンの構成成分、酸素運搬 - 亜鉛(Zn)
免疫機能、味覚、妊娠・出産・成長に関与 - 銅(Cu)
鉄の代謝、酵素の活性化 - マンガン(Mn)
骨の形成、エネルギー代謝 - ヨウ素(I)
甲状腺ホルモンの構成要素 - セレン(Se)
抗酸化作用、免疫サポート - クロム(Cr)
糖代謝、インスリン作用の補助 - モリブデン(Mo)
酵素の補因子として働く
🌸妊活や体質改善においてなぜ大切?
ミネラルや五大栄養素が不足すると…
- ホルモンバランスの乱れ
- 排卵障害・月経不順
- 着床環境の悪化
- 疲れやすさ・冷え・むくみ
- 精神的な不安定さ
といった、不妊の原因や妊娠しづらい体質につながってしまいます。特に亜鉛、鉄、マグネシウムは、妊活中の女性にとって意識したいミネラルです。
📝参考文献
- ・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- ・Institute of Medicine. Dietary Reference Intakes for Calcium and Vitamin D, National Academies Press, 2011.
- ・WHO. Vitamin and Mineral Requirements in Human Nutrition, 2nd edition, 2004.
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胚盤胞まで育たない原因は栄養不足が原因かも?
胚盤胞にならない…もしかしたら「栄養不足」かもしれません
体外受精において「胚盤胞にならない」「胚盤胞が育たない」と悩まれている方はとても多くいらっしゃいます。複数回の採卵でも胚盤胞まで育たず、「もう無理なのかも…」「私の身体がどこか悪いの?」と落ち込まれてしまう方も少なくありません。
ですが、その背景には見えない栄養不足関係していることもあるのです。
一見健康そうに見える方でも…実は栄養不足
当院でも、痩せ型の方や一見標準体型の方であっても、慢性的な栄養不足が胚盤胞に育たない原因の一つになっているケースをよく見かけます。
中でも注目すべきなのが「コレステロール値の低さ」。「コレステロールは低いほうが健康にいい」と思われがちですが、妊活中はむしろ少し高めの方が良い場合もあるのです。
コレステロール=悪者ではない?妊活中は「材料」に
コレステロールには、妊活において次のような大事な役割があります。
- 卵子の細胞膜の材料になる
- 性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロンなど)の材料になる
- ホルモン分泌や卵胞成熟、胚発育などの生殖機能全体に関与する
つまり、コレステロールが不足すると、卵子の成長に必要な“材料”が足りなくなるのです。これは特に低BMI(痩せ型)の女性に多く見られ、ホルモンバランスが崩れやすくなり、胚の発育にも影響します。
どうしたら胚盤胞が育ちやすくなるの?
大切なのは、「材料をしっかり身体に届けること」。特に意識したいのが以下の2点です。
- タンパク質をしっかり摂ること
- 筋肉を動かして、身体をつくること
筋肉を動かすことでコレステロールやリン脂質の合成が活性化し、血流も良くなります。その結果、卵巣や子宮への血流も安定し、胚が育ちやすい身体へと近づいていくのです。
鍼灸でのサポートも効果的
鍼灸には、自律神経を整えホルモン分泌を促す作用や、骨盤内の血流改善効果が期待できます。実際に、鍼灸と栄養改善を並行して行った方で「初めて胚盤胞まで育った」というケースもあります。“身体づくり”を見直すことが、次の一歩につながる大きなきっかけになるかもしれません。
まとめ
- 胚盤胞が育たない原因のひとつに栄養不足・低コレステロールがある
- コレステロールは卵子やホルモンの重要な材料
- タンパク質摂取・筋肉の維持で材料を整え、血流もアップ
- 鍼灸による体質改善も併せて行うことで、効果的な妊活サポートに
参考文献
Chavarro JE et al. (2008). Protein intake and ovulatory infertility. Human Reproduction, 23(4), 865–872.
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妊活中に必要なタンパク質と摂り方のポイント
妊活や妊娠中の栄養で「たんぱく質」が大切、という話はよく聞くけれど…「実際どのくらい摂ればいいの?」「プロテインって飲んでもいいの?」そんな疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
今回は、妊活と妊娠におけるタンパク質の役割と、プロテイン選びの注意点を、最新の研究も交えてわかりやすく解説します。
タンパク質は「妊娠の土台」になる栄養素
たんぱく質は、筋肉・内臓・ホルモン・酵素など、身体をつくるすべての材料。特に妊娠を希望する女性にとっては、以下のような点で欠かせません。
- 女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の材料
- 卵子や子宮内膜の質を左右する
- 着床・妊娠維持にかかわる免疫バランスにも関与
- 妊娠中は胎児の筋肉・血液・臓器の発育に必要
厚生労働省の『妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針』でも、「肉・魚・卵・大豆製品を組み合わせて、たんぱく質を十分に摂る」ことが明記されています。
1日にどれくらいのたんぱく質が必要?
一般的には、体重1kgあたり1.0~1.2gのたんぱく質が推奨されています。例えば、体重50kgの方なら、50~60g/日が目安。ただし、1回の食事で吸収できるのは20〜30g程度とされており、朝・昼・夜と分けて摂ることが大切です。
プロテインは必要?どれを選べばいい?
基本は“食事から”が原則!
まずは、肉・魚・卵・大豆製品などの食材でたんぱく質をしっかり摂るのが理想的です。でも…
- 食事が不規則な方
- 食が細い方
- 妊娠中で必要量が増える方
などは、補助的にプロテインを活用するのもおすすめです。
プロテインの種類と注意点
ホエイプロテイン(乳清)
特徴:吸収が早く、筋肉にも◎
向いている人:妊活中の男女、運動習慣のある人
ソイプロテイン(大豆)
特徴:吸収がゆるやか、女性ホルモン様作用あり
向いている人:妊活中の女性(ただし注意点あり)
【要注意】男性はソイプロテインの摂りすぎに注意!
ハーバード大学のChavarroらによる2008年の研究では、ソイ食品の摂取量が多い男性ほど、精子濃度が有意に低下することが示されました。この研究では、ソイ食品を1日あたり半食分(豆乳1カップなど)摂っていた男性の精子濃度が、摂取しない男性よりも平均4100万/ml少なかったという衝撃の結果が報告されています。特に、過体重または肥満の男性では影響が強く出る可能性があるとも言われています。
つまり、妊活中の男性はホエイプロテインを選んだほうが安心といえます。
まとめ
たんぱく質は妊娠の土台になる栄養で、基本は食事でしっかり摂りましょう。不足時は、無添加・信頼できるプロテインを補助に。男性はソイプロテインに注意(精子数への影響が示唆)しましょう。
参考文献
- 【Chavarro et al.,Human Reproduction,2008】
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妊活中に激しい運動は大丈夫?女性の卵子の質と運動の関係
「妊活中だからこそ運動をして体を整えたい!」と思う方は多いですが、実は運動のしすぎは卵子の質やホルモンバランスに悪影響を与えることがあります。
本記事では、妊活中の女性に向けて「運動と卵子の質の関係」「妊娠可能期の運動は安全か?」を、最新の研究をもとにわかりやすく解説します。
エネルギー利用可能性(EA)とは?
妊活中の運動を考えるうえで重要なのがエネルギー利用可能性(EA: Energy Availability)です。
EA = 摂取エネルギー - 運動で消費したエネルギー
つまり、運動をした後に体の働きを維持するために残るエネルギーのことを指します。
- EAが十分 → ホルモンバランスが整い、生殖機能や骨密度、免疫機能も正常に働く
- EAが低下(エネルギー不足) → 脳が「繁殖は後回し」と判断し、生殖機能を抑制する
EAが慢性的に不足すると、
- 月経不順や排卵障害
- 卵子の質の低下
- 着床しづらい子宮環境
などにつながるリスクがあります。
運動は卵子の質にどう影響する?
適度な運動は血流改善やホルモンの安定に役立ち、卵巣に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。その結果、卵子の質を保つサポートになります。
しかし、過度な運動でEAが不足すると、
- エストロゲン分泌が減少し卵胞発育が不十分になる
- 視床下部性無月経により排卵が止まる
- 黄体機能不全で着床しづらくなる
といった影響が生じることがあります。つまり、「運動=良い」ではなく、「適度」が重要なのです。
妊娠可能期(排卵期〜高温期)の運動は?
「妊娠の可能性がある時期に運動をしていいの?」という疑問はとても大切です。
排卵期の運動
- 軽いウォーキングやストレッチ → 血流を促進し、排卵や受精にプラス
- 長時間のランニングや無酸素系の激しい筋トレ → 卵胞発育やホルモンに悪影響を及ぼす可能性
高温期(排卵後〜生理前)の運動
- 着床の準備をしている大切な時期
- 激しい運動は体温上昇や子宮環境に負担をかける可能性
- ヨガやストレッチなどリラックス効果のある運動が安心
研究でも、軽度〜中等度の運動は妊娠率を高める可能性がある一方で、過度な運動は妊娠率を下げることが報告されています。
女性特有のリスク:女性アスリートの三主徴
過剰な運動と食事制限が重なると、女性には「女性アスリートの三主徴」と呼ばれる症状が現れやすくなります。
- 低EA(エネルギー不足)
- 無月経
- 骨密度低下(骨粗鬆症)
これはアスリートに限らず、一般の女性でも起こる可能性があり、将来的な妊娠力低下につながるため注意が必要です。
妊活中におすすめの運動
◎ 取り入れたい運動
- ウォーキング(20〜30分/日):血流改善・基礎代謝UP
- ヨガ:自律神経を整え、ストレスを軽減
- ストレッチ:骨盤周りの血流改善
× 控えたい運動
- マラソンや長距離ランニング
- ハードな筋トレ
- サイクリング(骨盤周囲の温度上昇に注意)
まとめ
妊活中の女性にとって、運動は「体を整える味方」にも「卵子の質を損なうリスク」にもなりえます。
- エネルギー利用可能性(EA)を意識することが重要
- 卵子の質を守るには、適度な運動+十分な栄養+休養が必須
- 妊娠可能期は、激しい運動を避け、ウォーキングやヨガなどで血流を整える
「頑張りすぎない運動習慣」が、妊娠への近道になります。
📚参考文献
- Loucks AB. (2007). Energy availability and infertility. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes, 14(6), 470–476.
- De Souza MJ, et al. (2014). Hypothalamic amenorrhea in athletes. Semin Reprod Med, 32(6), 433–441.
- Wise LA, et al. (2012). Physical activity and fertility in women: prospective study. BMJ, 345, e4978.
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妊活中の血流改善が妊娠力アップの鍵
妊活中の身体のコンディションを整えるうえで、「血流の良さ」は非常に重要なポイントです。血液がドロドロの状態では、卵巣や子宮への血流が滞り、妊娠しにくい環境を作り出してしまう可能性があります。そこで今回は、妊活における血流の重要性と改善策について解説します。
血液がドロドロだと妊娠しにくい?
血液の状態が悪いと、妊娠にどのような影響を与えるのでしょうか?
- 卵巣の血流不足 → 健康な卵子が育ちにくくなる
- 子宮内膜の質が低下 → 受精卵が着床しにくい
- ホルモンバランスの乱れ → 生理不順や排卵障害を引き起こす
特に、ストレスや食生活の乱れ、運動不足が続くと血流が悪化し、これらの問題を引き起こす原因となります。
ストレスが血流に与える影響
「ストレス」は血液の状態を大きく左右する要因です。心の問題だと見過ごされがちですが、体に与える影響は甚大です。
- ストレスを受けると白血球の中のリンパ球の割合が減少する
- アドレナリンが大量に放出され、血管が収縮して血流が悪化する
- 血圧と心拍数が上昇し、血管や心臓に負荷がかかる
- 白血球がベタベタになり、血管の壁に張りついて血流を妨げる
- 活性酸素によって白血球が変質し、血管を劣化させる
日常に潜むストレスが血管・血液を痛めつける要因
- 精神的ストレス(悩み、不安、プレッシャー)
- 過労や寝不足
- 過度な運動
- 食生活の乱れ(過剰な糖分や脂質の摂取)
- カフェインやアルコールの過剰摂取
血流を改善する方法
妊娠しやすい身体を作るためには、血液の巡りを良くすることが欠かせません。以下の方法を取り入れることで、血液をサラサラに保ちましょう。
適度な運動を取り入れる
血流を促進するためには、適度な運動が効果的です。
- ウォーキング(1日30分)
- ヨガやストレッチ(骨盤周りをほぐす動きが効果的)
- スクワットや軽い筋トレ(下半身の血流を促す)
食生活を見直す
血流を良くするためには、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 鉄分を意識的に摂取(レバー、赤身肉、ひじきなど)
- EPA・DHAを含む魚を食べる(サバ、イワシ、サーモン)
- 血液をサラサラにする食材(納豆、玉ねぎ、にんにく)
水分補給をしっかりする
水分不足は血液の粘度を高める原因になります。
- 1日1.5〜2Lの水をこまめに摂る
- 冷たい飲み物ではなく、常温または温かい飲み物を選ぶ
ストレスを溜めない
ストレスが多いと自律神経が乱れ、血流が悪化します。
- 深呼吸や瞑想を取り入れる
- 好きな音楽を聴く、アロマを焚く
- 睡眠をしっかりとる(最低7時間)
鍼灸も血流改善に効果的
妊活において、鍼灸は血流を良くする有効な手段の一つです。
- 骨盤内の血流改善 → 卵巣や子宮の機能が向上
- 自律神経の調整 → ホルモンバランスが整う
- リラックス効果 → ストレス軽減につながる
妊活のための鍼灸は、血流を整え、妊娠しやすい身体づくりをサポートします。
まとめ
血流の良し悪しは、妊娠のしやすさに大きく関わっています。適度な運動、食生活の改善、水分補給、ストレスケアを意識することで、血液をサラサラに保ち、妊娠しやすい身体を作ることができます。さらに、鍼灸を取り入れることで、より効果的に血流を改善できるため、妊活中の方には特におすすめです。
健康的な生活習慣を心がけ、妊娠しやすい身体づくりを進めましょう!
参考文献
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40歳 左卵管狭窄 子宮筋腫 1回の採卵・移植でご懐妊
大阪市からお越しのMさん(40歳)が妊娠されました。
患者様情報
- 職業:会社員
- 来院の動機:体質の改善、不妊症
- 鍼灸の経験:なし
- 体調:ふつう
- 体質:腰痛、むくみ
- 睡眠:23時~7時(平均8時間)
- 生理:順調で29~30日と規則的、生理痛は左下腹部の痛み、月経前に胸の張り、イライラがある。経血の状態は赤色。D2で鎮痛剤を常用。
- 食生活:1日3食(外食少ない)、食の趣向は濃い味、甘いものが好き。飲み物は水、お茶、コーヒー。お酒とたばこはなし。
- 運動:ストレッチを時々する。
- 入浴:全身浴
- 現在服用しているサプリメント:鉄分、葉酸
ご主人は、40歳。男性不妊の原因はなし。お酒とたばこはなし。
ご自身で行っているセルフ妊活は、入浴(温活)、起床後にお白湯を飲む、添加物を控える、体重を増やす、階段を使ったり、ストレッチなど体を動かす、睡眠をたくさんとる、ストレスをためない。
当院にお越しになるまでの経緯
Mさんは、当院にお越しになるまでに1年が経過していました。その間、不妊治療専門クリニックでタイミング療法(保険適用)を2回受けておられました。
クリニックの検査で、高AMH(8.08、PCOSなどの所見はなし)、子宮卵管造影検査で左卵管狭窄、子宮筋腫(漿膜下筋腫で子宮の外側にあり5センチほど、良性のため経過観察)などが分かりました。
これからの不妊治療に向けて、体質の改善、妊活について教えて欲しい、などをご希望されました。
鍼灸を始めて妊娠に至るまで
2024年8月:タイミング周期
Mさんが鍼灸を始められた時はタイミング療法をされていました。
問診では、腰痛、目の疲れ、むくみといった不調を感じておられ、その症状に応じたツボを使いながら、妊娠しやすい身体づくりのために鍼灸レーザーで卵巣と子宮の血流促進を図る施術を行いました。
2024年9月:人工授精にステップアップ
次のステップとして人工授精にステップアップ。
Mさんは、毎回、生理痛がひどくのため鎮痛剤を服用されていましたが、鎮痛剤は排卵や血流に影響を及ぼし、身体を冷やしたりするので、できるだけ使用を控えるのが理想的です。特に生理中は骨盤内がうっ血しやすいので冷えを慢性化させてしまう原因にもなりかねません。
Mさん自身もお腹が冷えやすいと仰っていたので、腹巻の使用をお勧めし、鎮痛剤を飲まなくてもいいよう鍼灸で生理痛の施術を行いました。また、「普段、妊活の話を思った通りに話すことがないからここで何でも話せるのが心の支えになる。」と施術中は妊活についての悩みや日常の話をリラックスして話されていました。
2024年10月:採卵周期(1回目)
初めての採卵に向け、卵巣の血流促進を図る施術を実施。Mさんは高AMH(抗ミュラー管ホルモン)なので卵巣刺激の薬の量が少なめに調整されていました。採卵結果は、22個採れた卵から最終的に8個の胚盤胞(4AA1個、4AB2個など)が凍結できました。
2024年12月:移植周期(1回目)
移植に向けて、鍼灸とレーザーで子宮の血流を促進し、厚みのあるキレイな内膜を育てる施術を行いました。1回目の移植は凍結融解胚盤胞移植(1個戻し)。移植後は着床を誘導する施術も並行して実施。その判定結果は、見事陽性反応が確認できました。
2025年1月:胎嚢・心拍の確認、そしてクリニック卒業
無事に胎嚢と心拍が確認でき、産婦人科に転院。その後も、つわりの軽減や妊娠維持を目的としたマタニティ鍼灸を継続されています。妊娠12週の壁を越え、つわりも落ち着いて、現在もマタニティ鍼灸を受けながら安定したマタニティライフを送られています。
Mさん、本当におめでとうございます。いつも楽しくお話させていただき、私たちもMさんから元気をいただいています。ありがとうございます。もうすぐ東京へお引越しされますが、それまで安心安全なマタニティ生活を送っていただけるよう、しっかりサポートさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
Mさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください。
クリニックでの不妊治療スタート時から「妊娠力=健康な体」という考えがあり、西洋医学だけに頼る不妊治療は避けたいと思っていました。普段から食事や睡眠、温活、ストレス管理といった基本的なことを意識して生活していたのですが、年齢的にも早く授かりたい思いが強く「できることはなんでも試したい」と考えるえるように。その中で、東洋医学も取り入れることが、より効果的な治療に繋がるのではないかと思い、不妊鍼灸を調べ、ロコミが良く、家から近いこちらの鍼灸院に来院することにしました。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください。
体外受精 (顕微授精)
ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があれば教えてください。
レーザー・温活・ウオーキング
鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください。
鍼灸は初めてで、最初は鍼を身体に刺すことに抵抗がありましたが、実際に受けてみると全く問題なく、むしろリラックスできる時間でした。毎回施術前にじっくりとしたカウンセリングがあり、自分の体調や生活習慣を聞き取ってくれるので、不安もすぐに解消されました。
また、こちらのスタッフの方々がとても温かく、よりそってくださり、いつも心が軽くなる声かけをしてくださるので、不妊治療中のストレスを和らぎます。毎日帰る時は足先までぽかぼかして、体もスッキリしており、元気をもらった気になっています。不姓治療スタートから、今日までがんばってこれたのは、こちらの鍼灸院の温かく力強いサポートのおかげだと思っています。
私はタイミング法、人工授精、体外受精と経験しましたが、スケジュールに合わせた細やかなサポーと心のケアはとても重要だと感じています。その点においてこちらの鍼灸院はそれぞれの治療とその時の身体の状態に個別に調整された鍼灸とレーザー治療をしていただけるので、安心して治療を受けられました。
特に私は、3ヵ月近くレーザー治療を受けた後、初の採卵に臨みましたが、その時の採卵数や胚盤胞まで成長した卵の数とグレードも良く、1回目の移植で妊娠に至りました。個人的に、不妊鍼灸をするなら、レーザーもセットをおすすめします。レーザーを取り扱っていない所も多いので、その点においても、こちらの鍼灸院ならしっかりとサポートしていただけると心からおすすめできます。
▢ 同じように悩まれている方へアドバイスに自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ好活など)、 やメッセージがあればお願いいたします。
不妊治療は先が見えないことが多く、不安や焦りがつきものですし、さらに、時間やお金、身体的・精神的な負担がとも大きいと感じることもあります。その負担を1人で抱えるのはストレスになるので、話合わないといけない大事なことはパートナーにしっかりと話をする必要がありますが、それ以外のなんとなくもやもやすることや不安、焦りなどは、不妊治療に対する理解があり、適切な距離感で接してくれる人に話をする方が、 変にストレスをためずに治療を続けられると実感しました。
私が通ったいたクリニックはあまり話せる雰囲気ではなかったので、こちらの鍼灸院のみなさんに支えられて、前向きな気持ちが維持できました。自分のペースで、信頼できる人に支えてもらいながら治療を続けることが大切だと思います。
不妊治療を取りくまれているみなさまに、良い結果が訪れることを心よりお祈りしております。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。
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男性不妊のリスクチェック!質問でわかる不妊の兆候とは?
ご主人に質問するだけでわかる男性不妊リスク!男性不妊のセルフチェック
妊活というと女性が主体となって取り組むイメージがありますが、実際には不妊の原因の約半数は男性側にも関係していると言われています。男性不妊の原因には、精子の質や数の低下、精子の通り道の問題、ホルモンの異常などさまざまな要因があります。
しかし、男性不妊は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに妊娠の妨げになっていることも…。そこで、奥さんがご主人に質問するだけで簡単にチェックできる方法を紹介します!
🔍 ご主人に聞いてみよう!男性不妊リスクをセルフチェック ✅
1.「睾丸の大きさ、小さくない?硬くない?」
➡ 精子を作る能力に関係するポイント!
精巣(睾丸)の大きさや質は、精子を作る機能に直結します。正常な睾丸の大きさは3〜5cm程度とされ、小さすぎる場合は精子の生産能力が低下している可能性があります。また、硬すぎる場合も異常のサインかもしれません。
2.「子どもの頃、停留睾丸って言われた?」
➡ 生殖機能の低下と関係することがある
停留睾丸とは、本来なら生まれる前に陰嚢へ降りてくるはずの睾丸が、お腹の中や鼠径部にとどまったままの状態を指します。放置されると精巣の温度が高いままとなり、精子の生産能力が低下することがあります。
3.「鼡径ヘルニアの手術したことある?」
➡ 手術後の影響で精子の通り道が狭くなっていることも
鼡径(そけい)ヘルニアとは、腸の一部が筋膜の隙間から飛び出してしまう状態で、手術で治療することが一般的です。ただし、鼡径ヘルニアの手術後に精管がダメージを受け、精子の通り道が狭くなることがあるため、不妊の原因になることがあります。
4.「おたふく風邪で睾丸が腫れたことある?」
➡ 思春期以降のおたふく風邪が原因で精巣がダメージを受けることも
思春期以降におたふく風邪にかかると、約30%の確率で睾丸炎を引き起こすと言われています。炎症が強いと、精子を作る細胞がダメージを受け、精子の生産能力が低下する可能性があります。
5.「副睾丸炎や前立腺炎になったことある?」
➡ 精子の通り道に影響することがある
副睾丸や前立腺に炎症が起こると、精子の通過が妨げられたり、精液の質が低下することがあります。
6.「精液の色や粘り気が気になったことある?」
➡ 精液の色や粘性の異常は不妊のサインかも!
正常な精液の色は乳白色から灰白色ですが、以下のような色の変化が見られた場合は何らかの異常のサインかもしれません。
- 黄色みが強い場合:感染症の可能性
- 赤みや茶色みがある場合:出血の可能性
- 透明に近い場合:精子濃度が低い可能性
また、精液の粘性も重要です。射精直後はやや粘り気がありますが、15〜30分程度で液状化します。
- 射精直後から水のように薄い → 精子濃度が低い可能性
- 固まりすぎている → 精子がうまく運ばれない可能性
- 30分以上たっても液状化しない → 精子の運動に影響する可能性
7.「精索静脈瘤って言われたことある?」
➡ 精巣周辺の血流が悪くなると、精子の質や数が低下することも。
8.「抗がん剤や放射線治療を受けたことある?」
➡ 精巣の細胞にダメージを与えることがある
抗がん剤や放射線治療はがん細胞だけでなく、精子を作る細胞にもダメージを与えるため、一時的または永続的に精子の生産が低下することがあります。
1つでも当てはまるなら専門医に相談を!精液検査で精子の状態を確認しましょう。妊活は夫婦で協力することが大切です!
参考文献
- ・男性不妊.pdf, 『腎と透析 Vol. 97 増刊号 2024』, 白石晃司, 山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学講座
- ・日本生殖医学会, 男性不妊の診断と治療ガイドライン
- ・WHO精液検査基準(2021年版)
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妊娠しやすい月経としにくい月経の違いとは?
妊娠を希望する方にとって、月経の状態は重要な健康指標となります。月経の周期や量、色、そして生理痛の程度などは、ホルモンバランスや全身の健康状態を反映しています。今回は、信頼できる情報源をもとに、妊娠しやすい月経の特徴と、鍼灸によるサポートについてご紹介します。
妊娠しやすい月経の特徴
月経周期が安定していること
理想的な月経周期は25~38日とされています。この範囲内で安定していることが、ホルモンバランスが整っているサインです。一方、周期が不規則であったり、極端に短い(24日以内)または長い(39日以上)場合は、ホルモンの乱れや他の健康問題が考えられます。
月経量が適切であること
正常な月経血量は1回の月経で25~80ml程度とされています。これは、ナプキンを2~3時間ごとに交換する程度の量に相当します。月経量が極端に少ない(25ml未満)場合や、多すぎる(80ml以上)場合は、エストロゲンの不足や過多月経などの可能性が考えられます。
月経血の色が正常であること
明るい赤色からやや暗めの赤色が健康的な月経血の色とされています。ピンク色すぎる場合は月経量が少ない可能性、黒っぽい色や血の塊が多い場合は、血流の滞りや冷えが原因と考えられます。
生理痛が軽度であること
軽い下腹部の痛みは一般的ですが、痛み止めが必要なほどの強い生理痛は、ホルモンバランスの乱れや血流不全などのサインかもしれません。
鍼灸によるサポート
鍼灸は、東洋医学の一環として、体内のエネルギーの流れを整え、自然治癒力を高める療法です。以下のような効果が期待できます。
- 血流の改善
鍼灸は全身の血流を促進し、子宮や卵巣への血流も改善します。これにより、月経不順や生理痛の軽減が期待できます。
- ホルモンバランスの調整
自律神経系に働きかけることで、ホルモンの分泌を調整し、月経周期の安定化をサポートします。
- 冷えの改善
体の冷えは血流を悪化させ、月経トラブルの原因となります。鍼灸は体を温め、冷え性の改善に寄与します。
- ストレスの軽減
リラクゼーション効果により、ストレスを軽減し、全身の健康維持に役立ちます。
月経の状態を整えることは、妊娠しやすい身体づくりの第一歩です。自身の月経の状態を定期的にチェックし、気になる症状がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。また、鍼灸などの代替療法を取り入れることで、より良いコンディションを目指すことができます。
参考文献
- Hoka, C., Tamakuma, K., & Kasai, A. (2025). Application of a stages of change model to female students’ behavior toward the continuation of medical examination due to menstrual abnormalities. Maternal Hygiene, 65(4), 357-367.
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睡眠不足でも整える!妊活中の体調管理法
忙しくて睡眠時間が取れない時の体調管理法
忙しい日々が続くと、どうしても睡眠時間が削られがちです。しかし、睡眠不足が続くと集中力の低下や免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れなど、身体に悪影響を及ぼすことが分かっています。今回は、睡眠時間が確保できないときでも体調を維持するための具体的な対策を紹介します。
食事でエネルギーを補う
タンパク質とビタミンB群を意識する
タンパク質は身体の修復やエネルギーの維持に重要な役割を果たします。また、ビタミンB群はエネルギー代謝を助けるため、睡眠不足のときには特に摂取を心がけると良いでしょう。
🥗 おすすめの食材
卵、納豆、鶏肉、豆類、玄米(タンパク質+ビタミンB群)
鉄分・マグネシウムを摂る
睡眠不足が続くと、貧血や筋肉のこわばりが起こりやすくなります。特に鉄分が不足すると、疲れやすくなったり、頭がぼんやりしたりすることがあります。
🥗 おすすめの食材
レバー、ほうれん草、ひじき(鉄分)、ナッツ類、大豆製品、海藻(マグネシウム)
カフェインの摂り方を工夫
カフェインは眠気を抑えてくれますが、過剰摂取すると自律神経を乱し、さらに睡眠の質を悪化させる可能性があります。特に夕方以降のカフェイン摂取は控えめにしましょう。
💡 ポイント
‣朝はコーヒーや緑茶を活用する
‣午後はノンカフェインのハーブティーやルイボスティーに切り替える
光と温度で体内リズムを整える
朝に日光を浴びる
朝に日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜にメラトニン(睡眠ホルモン)が適切に分泌されるようになります。
✔️ 対策
‣起床後30分以内にカーテンを開けて朝日を浴びる
‣可能であれば軽い散歩をする
ブルーライトを減らす
寝る前のスマホやパソコンの使用は、メラトニンの分泌を抑えてしまい、睡眠の質を下げる原因になります。
✔️ 対策
‣ナイトモードやブルーライトカット眼鏡を活用
‣寝る1時間前にはデジタルデバイスを控える
寝る前にお風呂に浸かる
体温は一度上がった後に下がると眠気が強くなります。そのため、寝る90分前にぬるめのお風呂に入ると、短い睡眠でも深く眠ることができます。
効率的な睡眠をとる
90分サイクルを意識する
睡眠には「90分サイクル」があり、3時間(90分×2)や4.5時間(90分×3)などで区切ると、浅い眠りのタイミングで目覚めやすくなります。
深呼吸やストレッチを取り入れる
寝る前に軽くストレッチをすると、副交感神経が優位になり、短時間でも深い睡眠が得られます。
自律神経を整える
軽い運動をする(朝や昼)
適度な運動は血流を促し、交感神経と副交感神経のバランスを整えるのに役立ちます。
🌈 おすすめ
‣朝のストレッチやウォーキング
‣軽いヨガや深呼吸
寝る前に首元を温める
自律神経が乱れると、眠りの質が低下しがちです。ホットタオルなどで首元を温めると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。
まとめ
忙しくても、ちょっとした工夫で体調を保つことは可能です。
- 食事でエネルギーを補う(タンパク質・鉄分・マグネシウム)
- 朝に日光を浴びて体内リズムを整える
- 寝る前はお風呂に浸かる・ブルーライトを控える
- 90分サイクルで眠るようにする
- 軽い運動やストレッチで自律神経を整える
睡眠時間が取れないときでも、できることから取り入れてみてくださいね!
参考文献
- ・Chennaoui, M., Arnal, P. J., Sauvet, F., & Léger, D. (2015). “Sleep and exercise: A reciprocal issue?” Sleep Medicine Reviews, 20, 59–72.
- ・St-Onge, M. P., Mikic, A., & Pietrolungo, C. E. (2016). “Effects of diet on sleep quality.” Advances in Nutrition, 7(5), 938–949.
- ・Goel, N., Basner, M., Rao, H., & Dinges, D. F. (2013). “Circadian rhythms, sleep deprivation, and human performance.” Progress in Molecular Biology and Translational Science, 119, 155–190.
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男性不妊とカフェイン摂取の関係とは?
男性の妊娠させる力に影響を与える要因とは?
妊活中、どんな飲み物を選ぶかなんて気にしていない男性は多いかもしれません。でも実は、「飲み物」が妊娠の成功率に関係しているかもしれない、という興味深い研究結果が発表されました!普段何気なく飲んでいるコーヒーやお酒が、将来の家族計画に影響を与えるかも?今回は、最新の研究結果をもとに妊活中に知っておきたい飲み物の選び方をご紹介します。
飲料の摂取量と治療成績の関連を調査
ハーバード公衆衛生大学院の研究グループが、2007年から2019年にかけてART(体外受精や顕微授精)治療を受けたカップルを対象に行われたものです。この研究では、男性パートナーに対して飲料摂取量に関するアンケートを実施し、以下の4種類の飲料について摂取量を調査しました。
- カフェイン入り飲料(コーヒー、紅茶など)
- アルコール飲料(ビール、ワイン、高アルコール度数酒類)
- 砂糖入り飲料
- 人工甘味料入り飲料
アンケート結果をもとに、摂取量によって4つのグループに分け、それぞれの精液検査結果や治療成績(受精率、着床率、臨床的妊娠率、生児獲得率)との関連が分析されましたが、関連していませんでした。
主な結果と注目すべきポイント
☕カフェイン入り飲料の影響
結果は意外なもので、すべての飲み物が妊娠や精子の質に影響するわけではなく、特定の飲み物が関係していることが分かりました。カフェイン入り飲料(コーヒーや紅茶)の摂取量が多い男性は、生児獲得率が低いことが判明しました。
コーヒー
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率49%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率33%
紅茶
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率49%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率31%
🍺アルコール飲料の影響
アルコール飲料についても興味深い結果が得られました。
高アルコール度数酒類
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率45%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率32%
ビール
🔽摂取量が最も少ないグループ:生児出生確率32%
🔼摂取量が最も多いグループ:生児出生確率51%
ワインや蒸留酒など、度数の高いお酒をよく飲む男性も同様に生児出生率が低下しました。驚いたことに、ビールについては逆の結果が!ビールをたくさん飲む男性ほど成功率が高く、成功率は32%から51%に増加するという意外な結果が出ています。
※この研究での結果です
🧃その他の飲料
砂糖入り飲料や人工甘味料入り飲料に関しては、精液検査結果や治療成績との関連は見られませんでした。
妊活中の男性が今すぐできること
今回の研究結果から分かるのは、「飲み物の選び方次第で妊娠の成功率が変わる可能性がある」ということ。妊活中の男性は、次のポイントを意識すると良いでしょう。
- カフェイン飲料を減らす:コーヒーや紅茶は控えめに。
- 蒸留酒を避ける:ウイスキーやウォッカなどのアルコール度数が高いお酒を減らしましょう。
- 適量のビールを楽しむ:節度を守ったビールの摂取は良い影響があるかもしれません。
まとめ
この研究結果から、特に体外受精治療を受ける男性において、日常的な飲料の選択が妊孕能や不妊治療成績に影響を与える可能性が示唆されました。特にカフェイン入り飲料や高アルコール度数酒類は摂取量を控えることが望ましい一方で、適量のビール摂取がむしろポジティブな影響を与える可能性が示されました。
妊活は女性だけの努力ではありません。男性も生活習慣や食事、そして飲み物の選び方を見直すことで、妊娠の成功率を上げることができるかもしれません。パートナーと一緒に健康的な生活を心がけ、未来の家族を迎える準備を整えてみてはいかがでしょうか?
参考文献
- Andrology. 2024 Nov 13. doi: 10.1111/andr.13795. Online ahead of print.
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妊活中「ストレスを減らそう」が逆効果に?
「ストレスを減らそう」がストレスに?妊活と皮肉過程理論
妊活中、「ストレスは妊娠に良くないから、できるだけリラックスしよう」と考えることはありませんか?しかし、実はこの「ストレスをなくそう!」という意識そのものが、かえってストレスを増やしてしまうことがあります。これは心理学の「皮肉過程理論(アイロニック・プロセス理論)」によって説明できます。
皮肉過程理論とは?
皮肉過程理論とは、「○○しないようにしよう」と思えば思うほど、そのことが頭から離れなくなる心理現象です。例えば、「ストレスを感じないようにしよう」と意識するほど、「今ストレスを感じていないかな?」「ちゃんとリラックスできているかな?」と気にしてしまい、かえってストレスが増してしまいます。
これは、「白クマ実験」として有名な心理学の研究で実証されています。実験では、「白クマのことを考えないでください」と指示された人々が、逆に白クマのことを考えてしまうという結果が出ました。
妊活とストレスの悪循環
妊活において、ストレスは大敵とされています。しかし、ストレスをなくそうと意識しすぎると、次のような悪循環が生まれることがあります。
- 「ストレスを感じないようにしなきゃ」と思う
- 「本当にリラックスできているかな?」と気にする
- 「まだ妊娠しないのはストレスのせいかも」と焦る
- ストレスがさらに増える
このように、「ストレスを減らさなきゃ!」という意識が、逆にストレスを増やす結果を招くことがあります。
妊活中のストレスとうまく付き合う方法
では、この悪循環から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか?
①「ストレスゼロ」を目指さない
まず、「ストレスをなくさなきゃ」と思うこと自体が逆効果になるため、「多少のストレスがあっても大丈夫」と受け入れることが大切です。むしろ、適度なストレスは生活に張りを与えることもあります。
②「ストレスを感じている自分」を責めない
「リラックスしなきゃ」と焦るほど、うまくいかないものです。ストレスを感じていることに気づいたら、「そっか、今ちょっと緊張してるな」と軽く受け止めましょう。それだけでも、気持ちが少し楽になります。
③ 気をそらす習慣を持つ
皮肉過程理論によると、「考えないようにする」よりも、別のことに意識を向ける方が有効です。例えば、好きな映画を観たり、ウォーキングをしたりすることで、自然とストレスから意識をそらすことができます。
④「リラックスしなきゃ」より「楽しいことをしよう」
「リラックスしよう」と思うと、それ自体がプレッシャーになってしまいます。それよりも、「楽しいことをしよう」と考える方が、結果的にリラックスにつながります。例えば、友達とおしゃべりをする、お気に入りのカフェに行く、趣味に没頭するなど、自分が楽しいと感じることを積極的に取り入れましょう。
まとめ
妊活中、「ストレスを減らそう」と意識しすぎることで、逆にストレスが増してしまうことがあります。これは心理学の皮肉過程理論によるもので、無理にストレスをなくそうとするよりも、「ストレスがあっても大丈夫」と受け入れつつ、楽しいことに意識を向けるのが効果的です。
妊活はゴールが見えにくく、不安を感じやすいものですが、自分なりのリラックス方法を見つけて、少しでも気楽に取り組めるようにしていきましょう。
参考文献
- 田中美吏・柄木田健太. 2019. 「運動パフォーマンスへの皮肉過程理論の援用-皮肉エラーと過補償エラーの実証とメカニズム-」『スポーツ心理学研究』46 (1): 27-39.
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続発性不妊の原因と鍼灸でできること
続発性不妊と鍼灸
続発性不妊(2人目不妊)とは、過去に妊娠経験のあっても、その後妊娠しにくくなる状態を言います。この定義には、流産も過去の妊娠に含まれます。一人目のお子さんを自然妊娠で授かった場合でも、二人目不妊となることがあります。
続発性不妊になる原因
1. 加齢による影響
1人目の出産から時間が経過することで、卵子の老化が進み、妊娠しにくくなることがあります。特に35歳を過ぎると卵子の質が低下し、排卵や受精、着床がうまくいかないケースが増えます。
2. 男性側の原因
男性の加齢や生活習慣の変化により、精子の質が低下することもあります。また、1人目の出産後に仕事のストレスや体調変化で精子の運動率が落ちるケースも少なくありません。
3. 出産時の影響
帝王切開や分娩時のトラブルにより、子宮や卵管にダメージが生じることがあります。例えば以下のような場合があります。
- 帝王切開後の子宮瘢痕(はんこん) → 着床不全や流産のリスクが上がる
- 子宮内膜炎 → 子宮内環境が悪化し、着床しづらくなる
- 卵管閉塞 → 分娩時の感染症などにより卵管が詰まり、精子と卵子が出会えなくなる
4. ホルモンバランスの変化
妊娠・出産を経験すると、体のホルモンバランスが変化し、排卵障害や高プロラクチン血症(母乳分泌ホルモンの過剰分泌)などが起こることがあります。特に授乳中はプロラクチンが高くなり、排卵が抑制されやすくなります。
5. 生活習慣の変化
1人目の育児や仕事によるストレス・睡眠不足・過労が続くと、ホルモンバランスが乱れたり、妊娠しにくい体質になることがあります。また、体重増加・肥満・過度なダイエットなども排卵に影響を与える可能性があります。
6. 免疫系の変化
妊娠や出産を経験すると、体の免疫機能が変化し、自己抗体が精子や受精卵を攻撃するケースも報告されています(例:抗精子抗体、抗核抗体など)。
7. 不妊治療を受けなかったために気づいていなかった原因
1人目は「自然に妊娠できた」と思っていたが、実は元々軽度の不妊要因(軽度の卵管狭窄、ホルモンバランスの乱れなど)があり、1人目の妊娠後にその要因が悪化して顕在化することもあります。
「1人目は自然に妊娠できたから2人目もすぐできるはず」と考えがちですが、時間の経過とともに不妊のリスクが上がるため、早めに検査・治療を検討することが重要です。

鍼灸では以下のようなアプローチで改善をサポートできます
- 血流改善による卵巣・子宮の活性化
鍼灸によって骨盤内の血流を促し、卵巣の機能を高めることで質の良い卵子の排卵をサポートします。また、子宮の血流を改善することで、子宮内膜の厚みや質を向上させ、着床しやすい環境を作ります。 - ホルモンバランスの調整
鍼灸施術は自律神経を整え、ホルモン分泌を正常化させる効果があります。特に、排卵障害や高プロラクチン血症などのホルモンバランスの乱れに対して、視床下部-下垂体-卵巣系の働きを整えることが期待できます。 - ストレスの軽減と自律神経の安定
1人目の育児や仕事のストレス、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、妊娠しにくい状態を作ります。鍼灸のリラックス効果により、交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経を優位にすることで、妊娠しやすい体質へ導きます。 - 卵管や子宮環境の改善
帝王切開後の子宮瘢痕(ニッチ)や、子宮内膜炎、卵管のつまりなどによる不妊に対して、鍼灸は血流促進・炎症の軽減・組織の修復を促す働きがあります。これにより、子宮内環境の改善や卵管の通りを良くすることが期待できます。 - 男性不妊のサポート
男性側の精子の質の低下にも、精巣の血流促進・自律神経調整・ストレス軽減のアプローチが有効です。鍼灸を受けることで、精子の運動率向上・酸化ストレスの軽減・テストステロン分泌の安定が期待できます。
東洋医学からみた続発性不妊の原因
- 腎虚証(じんきょ) → 加齢や疲労で「腎」が弱り、妊娠しづらくなる
- 血瘀証(けつお) → 帝王切開や出産の影響で血流が滞り、子宮の働きが低下
- 気血両虚証(きけつふそく) → 産後の疲労・育児ストレス・睡眠不足で「気」と「血」が足りなくなる
- 肝気鬱結(かんきうっけつ) → ストレスで「肝」の働きが低下し、ホルモンバランスが乱れる
鍼灸でできるサポート
- 腎を補い、妊娠しやすい体へ
- 瘀血を改善し、子宮の血流を促進
- 気血を巡らせて、排卵や着床をサポート
- ストレスを和らげ、自律神経を整える
「1人目は自然に妊娠できたから大丈夫」と思っても、体は変化していきます。東洋医学の視点で体のバランスを整え、妊娠しやすい状態に戻していきましょう。
鍼灸は続発性不妊の原因に多角的にアプローチし、自然な妊娠力を高めるサポートが可能です。1人目を妊娠したときと同じ方法で妊活してもうまくいかない場合、体の変化に合わせたケアが必要になります。鍼灸を取り入れることで、心身ともに妊娠しやすい状態を整えることが期待できます。
「2人目がなかなかできない…」と感じたら、お気軽にご相談ください!
参考文献
- 武田茉莉亜, 武内享介, 白國あかり, 浅見里紗, 吉田愛, 杉本誠. 続発性不妊症 – 分娩様式と次子妊娠にむけての取り組み –. 産科と婦人科. 2023;90(10):1159-1163.
- 三宅達也. 続発性不妊症 – 分娩様式と次子妊娠にむけての取り組み –. 産婦人科の進歩. 2020;72(4):440.
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やせすぎは妊娠の妨げに?健康的な体重増加で妊娠力を高める方法
やせすぎは妊娠を妨げる原因になる?
やせすぎは体脂肪の不足によりホルモンバランスが乱れ、排卵障害や卵子の質の低下を引き起こすことがあります。特にBMIが18.5未満の場合は、排卵障害のリスクが高まります。
やせすぎが及ぼす主な影響
- ホルモンバランスの乱れ:エストロゲン不足で月経不順や無月経を招く。
- 視床下部性無月経:過度なやせやストレスで視床下部がGnRH分泌を低下させ、排卵が止まる。
- 黄体機能不全:プロゲステロン不足により子宮内膜が薄くなり着床しにくくなる。
- 卵子の質低下:ビタミンD、鉄分、亜鉛不足など栄養不足が卵子の質を低下させる。
卵子の質を高める脂質の重要性
脂質は女性ホルモンの原料であり、卵子の成熟や細胞膜の材料となります。特に妊活中は脂質の“質”を意識することが大切です。
✔️ 良質な脂質(積極的に摂取)
- オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):青魚、亜麻仁油、えごま油
効果:抗炎症作用で卵巣の働きをサポート。 - 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸):オリーブオイル、アボカド、ナッツ類
効果:ホルモンバランスを整える。 - リン脂質(ホスファチジルコリン):卵黄、大豆、レバー
効果:卵子の細胞膜を強化し、受精率を高める。
🚫 避けるべき脂質(摂りすぎ注意)
- トランス脂肪酸(マーガリン、スナック菓子):卵子の質低下、排卵障害の原因に。
- 過剰な飽和脂肪酸(脂身の多い肉、ラード):炎症を悪化させ、ホルモンバランスを乱す。
健康的に体重を増やすためのポイント
- 1日+300〜500kcalを目安に摂取増加(急激な体重増加は避ける)
- PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)の最適化
タンパク質:30% 脂質:30% 炭水化物:40% - 筋トレ重視の運動(スクワットや体幹トレーニング)
- 間食を効果的に取り入れる(高栄養・高カロリーな食品を選ぶ)
💡 高栄養価食品
- 良質な脂質:オリーブオイル、アボカド、ナッツ、卵黄、亜麻仁油
- 高タンパク質:鶏むね肉、卵、サーモン、豆腐、ギリシャヨーグルト
- 炭水化物源:玄米、さつまいも、オートミール、全粒粉パン
- 間食のエネルギー補給:バナナ+ピーナッツバター、プロテインバー、ナッツミックス
まとめ
やせすぎは妊娠しにくさの原因となりますが、脂質の質を意識した食事、バランスの取れたPFC摂取、筋肉をつける運動を組み合わせることで、ホルモンバランスが改善され、妊娠力が向上します。将来の赤ちゃんのためにも、今から健康的な体づくりを始めましょう。
参考文献
- Gaskins AJ et al., Fertility and Sterility, 2019
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卵子の質を高めたい方へ【妊活中に摂りたい栄養素とサプリ・食事法】
卵子を育てるためのサプリメントと食事から摂取できる栄養素
卵子の質を向上させるためには、適切な栄養摂取が重要です。今回は、卵子の健康に寄与するとされるサプリメントと、それらを食事から摂取できる食材について解説します。
卵子の質を高める主要な栄養素と食材
- 1. 葉酸(ビタミンB9)
- ✔️ DNA合成や細胞再生を助けるビタミンで、妊娠前からの摂取が推奨されます。
- ✔️ 胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減し、卵子の質を高める可能性があります。
- 【食品】ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、レンズ豆
- 2. ビタミンD
- ✔️ カルシウムの吸収を促進し、卵胞の発育や着床環境を整える作用があります。
- 【食品】鮭、サバ、イワシ(青魚類)、卵黄、きのこ類
- 3. ビタミンE
- ✔️ 強力な抗酸化作用があり、卵子の老化を防ぎ、生殖機能を維持します。
- 【食品】アーモンド、ひまわりの種、ひまわり油
- 4. 亜鉛
- ✔️ DNA合成や細胞分裂をサポートし、卵子の質や着床力を高めます。
- 【食品】牡蠣、牛肉、豚レバー、鶏肉
- 5. イノシトール
- ✔️ ホルモンバランスを整え、特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善に効果的です。
- 【食品】オレンジ、グレープフルーツ、豆類(大豆、レンズ豆)、玄米
- 6. DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
- ✔️ 卵巣機能低下の改善が期待され、高齢の女性や卵巣機能が低下している方に有用です。
- 【食品】魚類(特に青魚)、鶏肉、牛肉、アボカド
- 7. メラトニン
- ✔️ 抗酸化作用により卵子の質向上や、体外受精の成功率を高める可能性があります。
- 【食品】赤身の魚や肉類、大豆製品、乳製品
- 8. コエンザイムQ10(CoQ10)
- ✔️ ミトコンドリアのエネルギー産生を助け、卵子の質を改善します。
- 【食品】牛肉、豚肉(特に心臓部位)、イワシ、サバ、マグロ
- 9. レスベラトロール
- ✔️ 抗酸化作用により卵子のミトコンドリアを保護します。
- 【食品】ブドウ(特に皮つき)、カカオ(ダークチョコレート)、ベリー類
- 10. カルニチン
- ✔️ 脂肪をエネルギーに変換し、卵子や精子の質向上に効果があります。
- 【食品】牛肉(特に赤身肉)、羊肉、鶏肉、魚類(タラ、サケ)
- 11. PQQ(ピロロキノリンキノン)
- ✔️ 細胞の老化を防ぎ、ミトコンドリアの活性を高めます。
- 【食品】納豆、ピーマン、ほうれん草、キウイ、パパイヤ
サプリメントの過剰摂取による肝臓・腎臓への影響
サプリメントは適量を守らないと、肝臓や腎臓に負担をかけることがあります。特に注意すべき成分は以下の通りです。
肝臓に負担をかけるサプリメント
- ビタミンA(レチノール):過剰摂取は肝障害を引き起こす可能性があります。
- 鉄分:過剰な鉄は肝臓に蓄積し、肝機能障害を招く恐れがあります。
- DHEA:ホルモン様作用により肝臓に負担がかかる場合があります。
- ハーブ系サプリメント(例:カバ、ブラックコホシュ):肝障害の報告があります。
腎臓に負担をかけるサプリメント
- ビタミンC:過剰摂取は腎結石の原因になります。
- ビタミンD:高カルシウム血症を引き起こし、腎臓に影響を与えます。
- カルシウム:過剰摂取は腎結石のリスクを高めます。
- 高用量のプロテイン:腎機能が低下している場合は特に注意が必要です。
サプリメント摂取で注意すべきポイント
- 上限量を守る:脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は体内に蓄積されやすいので、用量を守りましょう。
- 信頼できる製品を選ぶ:成分表示が明確で、安全性が確認されたものを選びましょう。
- サプリメントの併用に注意:複数の製品に同じ成分が含まれている場合があります。
- かかりつけ医や専門家に相談する:特に不妊治療中は専門家のアドバイスを受けることが重要です。
まとめ
卵子の質を高めるためには、栄養バランスを意識した食事とともに、必要な場合に限りサプリメントを補助として取り入れることが効果的です。しかし、過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかけ、健康リスクを招く可能性があります。安心して妊活を進めるためにも、正しい知識を持ち、自分に合った方法で健康管理を心がけましょう。
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精子の質は健康寿命のバロメーター?男性不妊と身体のサイン
精子の質と健康寿命の関係:男性も知るべき重要な事実
不妊治療は夫婦で取り組むものですが、現実には男性が非協力的なケースも少なくありません。しかし、精子の質は単に妊娠の可能性に影響するだけでなく、男性自身の健康や寿命とも密接に関わっていることが分かっています。今回は、最新の研究をもとに「精子の質と健康」の関係について詳しく解説します。
精子の質は健康のバロメーター
精子の質が良好な男性は、全体的な健康状態が良い傾向にあることが研究で明らかになっています。例えば、精子の運動率が高い男性ほど、心血管疾患やがんのリスクが低いことが報告されています
また、2009年に発表されたAmerican Journal of Epidemiologyの研究では、精子の濃度や運動率が低い男性は、寿命が短い可能性が高いことが示唆されています。この研究は、精子の質が単なる生殖能力の指標ではなく、健康全般を反映していることを示しています。
精子の質が低下する原因と健康リスク
精子の質は、加齢だけでなく 生活習慣や健康状態 によっても大きく左右されます。特に以下の要因は精子の質を低下させることが分かっています。
- 喫煙・アルコールの過剰摂取
タバコや過度な飲酒は精子のDNA損傷を引き起こし、妊娠率を低下させます
- 肥満と運動不足
肥満の男性はホルモンバランスが乱れやすく、精子の数や運動率の低下が見られることが報告されています
- ストレスとメンタルヘルス
慢性的なストレスやうつ病は、精子の質を著しく低下させることが確認されています(Pasqualotto et al., Andrology, 2013)。
- 食生活の乱れ
地中海式食事(オリーブオイル・魚・野菜中心の食事)は精子の質を向上させるとされており、ジャンクフード中心の食生活は精子の数や質の低下につながります
精子の質を向上させるためにできること
- 禁煙・節酒を心がける
タバコをやめることで、精子のDNA損傷が減少し、質の向上が期待できます。アルコールも適量を守ることが重要です。
- 適度な運動を取り入れる
週に3~5回の適度な運動は、ホルモンバランスを整え、精子の運動率を高める効果があります
- 健康的な食生活を意識する
野菜・果物・魚を中心にした食事を心がけることで、精子の酸化ストレスを軽減し、質を向上させることができます。
- 睡眠をしっかりとる
睡眠不足は男性ホルモンの分泌を妨げ、精子の質を低下させます。1日7~8時間の睡眠を確保しましょう。
- ストレス管理を行う
瞑想やヨガ、適度な運動を取り入れ、リラックスする時間を作ることが大切です。ストレスが原因で精子の運動率が低下することが確認されています。
精子の質を改善することは、自分の健康を守ることでもある
男性の中には、「不妊治療は女性の問題」と考える人もいますが、それは大きな間違いです。 精子の質を改善することは、単に妊娠率を上げるだけでなく、がんや生活習慣病のリスクを下げ、自分自身の健康と寿命を守ることにつながります。
不妊治療に協力することは、将来の家族のためだけでなく、自分の健康にも大きなメリットがあります。今日からできることを少しずつ始めて、より健康な未来を目指しましょう!
参考
American Journal of Epidemiology, July 27, 2009.
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「夜更かし」が妊娠を遠ざける?就寝時間と妊活の関係
「妊活を頑張っているのに、なかなか結果が出ない…」
そんな悩みを抱えているあなたは、日々の「就寝時間」を意識していますか?実は、最近の研究で、夜22時45分以降の就寝が不妊リスクを高める可能性があることが明らかになりました。さらに、肥満傾向があるとそのリスクがさらに増加し、朝の習慣が妊娠しやすい体づくりに繋がることも示唆されています。
この記事では、就寝時間と妊娠の密接な関係について、最新の科学的知見をもとに詳しく解説します。
夜更かしが妊娠に影響するって本当?最新研究が示すデータ
近年、睡眠と健康、特にホルモンバランスの関係が注目されています。妊娠も例外ではなく、十分な睡眠や適切な就寝時間は妊娠の可能性に深く関わります。
最新の研究では以下が報告されています。
- 22時45分以降に就寝する人は、不妊リスクが高まる傾向にある。
- 睡眠不足が続くと、排卵やホルモンバランスに悪影響。
- BMIが高い人(肥満傾向がある人)は、就寝時間の遅れによる不妊リスクがさらに増加。
- 朝食を摂ることや太陽光を浴びることが、体内リズムを整え、妊娠しやすい体づくりに役立つ。
つまり、単なる睡眠不足だけでなく、就寝時間が遅くなること自体が、妊娠しづらくなる要因となることが科学的に裏付けられてきているのです。
なぜ「遅寝」が不妊リスクを高めるのか?
就寝時間が遅くなることで、私たちの体には具体的にどのような影響があるのでしょうか?
1. メラトニンの分泌低下と卵子の老化
メラトニンは「睡眠ホルモン」としてよく知られていますが、実は強力な抗酸化作用も持っており、卵子の質を守る上で非常に重要な役割を果たしています。メラトニンは夜間に分泌が最大になりますが、就寝時間が遅くなると、その分泌量が減少してしまいます。メラトニンの不足は、卵子の酸化ストレスを増加させ、卵子の老化を早める可能性が指摘されています。
2. ホルモンバランスの乱れと排卵への影響
睡眠不足や不規則な就寝時間は、妊娠に必要なエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌リズムを乱します。これにより、正常な排卵が妨げられたり、月経不順や無排卵のリスクが高まることがあります。特に、夜更かしによる自律神経のバランスの崩れは、これらのホルモン調節に大きな影響を与えると考えられています。
3. ストレスホルモンの増加と妊娠しづらさ
夜遅くまで起きていると、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加します。コルチゾールが過剰に分泌されると、妊娠に必要な生殖ホルモンの分泌が抑制されることが分かっています。ストレスは妊活中の心身にとって大敵であり、質の良い睡眠習慣を確立することは、ストレス軽減にも直結します。
肥満と夜更かしの「ダブルパンチ」
今回の研究では、特にBMIが高い人(肥満傾向がある人)が、就寝時間の遅れによる影響をより強く受けることが示されました。肥満自体も妊娠に影響を与える要因であり、夜更かしがそれに拍車をかける形になります。
- インスリン抵抗性の上昇:排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群など)を引き起こす可能性があります。
- エストロゲンの過剰分泌:脂肪細胞からもエストロゲンが分泌されるため、過剰になるとホルモンバランスが乱れ、着床環境が悪化することがあります。
- 慢性的な炎症:体内の慢性的な炎症は、子宮内膜の環境を悪化させ、着床しづらくなる原因となります。
さらに、夜遅くに食事をすると、血糖値が上昇しやすくなり、これがホルモンの分泌リズムを狂わせる一因とも考えられます。
妊娠しやすい身体を作る「朝の過ごし方」
妊娠しやすい身体を作るためには、夜の睡眠習慣だけでなく、朝の過ごし方も非常に重要です。
- 朝日を浴びる:目覚めてすぐに太陽の光を浴びることで、脳内の体内時計がリセットされます。これにより、夜にはメラトニンが適切に分泌され、質の良い睡眠に繋がります。
- 朝食をしっかり摂る:規則正しい時間に栄養バランスの取れた朝食を摂ることで、血糖値が安定し、ホルモン分泌のリズムが整いやすくなります。
- 軽い運動を取り入れる:朝のウォーキングや軽いストレッチは、血行を促進し、代謝をアップさせます。
特に朝日を浴びることは、日中のセロトニン(幸せホルモン)の分泌を促し、これが夜にはメラトニンへと変化するため、睡眠の質全体を向上させる効果が期待できます。
妊活中にできる!快眠&早寝習慣の具体的なステップ
妊娠しやすい体づくりのために、今日から「早寝習慣」を取り入れてみましょう。
- 22時30分までにベッドへ:遅くとも22時45分以降の就寝を避けることを意識しましょう。
- 寝る1時間前はスマホ・PCを控える:スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。
- カフェイン・アルコールは控えめに:特に夕方以降は、カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)やアルコールの摂取を避けましょう。これらは睡眠を妨げる原因となります。
- 日中に軽い運動を取り入れる:ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心身をリラックスさせる中程度の運動を日中に取り入れると、夜間の睡眠の質が向上します。
- 寝室の温度と湿度を調整する:快適な睡眠環境を整えることも重要です。夏は涼しく、冬は暖かく、適切な湿度を保ちましょう。
まずは、「今より寝る時間を30分早める」といった小さな目標から始めてみてください。継続することで、身体は少しずつ変化していきます。
まとめ
最新の研究は、就寝時間が遅くなるほど、特に肥満傾向のある妊活中の女性にとって、不妊のリスクが高まる可能性を示しています。
- 夜22時45分以降の就寝は不妊リスクを高める可能性がある。
- メラトニンの分泌低下やホルモンバランスの乱れ、ストレスホルモンの増加がその理由。
- 朝食をしっかり摂り、朝日を浴びる習慣が体内リズムを整え、妊娠しやすい体づくりに役立つ。
- 規則正しい「早寝快眠習慣」を取り入れることが、妊娠の可能性を高める重要な一歩となる。
夜更かしを控えて、心身ともに健康な状態を保つことが、妊娠しやすい体をつくるための大きな助けとなります。今日からぜひ、ご自身の睡眠習慣を見直してみましょう。
📚参考文献
38歳(低AMH・P4低値)保険適用での移植6回陰性後に自然妊娠
大阪府大阪市からお越しのMさん(38歳)が妊娠されました。
終わりの見えない不妊治療との闘い
Mさん(38歳、看護師)が当院に初めてお越しになったのは、2023年1月でした。2年にわたる妊活期間を経て、すでに不妊治療専門クリニックで体外受精を進めている段階でした。
初診時のMさんは、ご自身では「体調は良好」と仰っていましたが、詳しくお話を伺うと、以下のような慢性的な不調を抱えていました。
- 身体的症状: 肩・首のこり、足のむくみ、だるさ、頭痛、目の疲れ
- 睡眠: 平均6時間と短めで、夢をよく見る
- 生理: 生理痛があり鎮痛剤を服用、経血量が多い
- 生活習慣: ストレス過多、便秘、冷え性
- クリニックの診断: 黄体ホルモン(P4)低値、甲状腺機能やや低値、低AMH(転院後の検査で判明)
これまでに2回の採卵、2回の胚移植(保険適用)を経験し、1回目の移植で陽性反応が出たものの、8週で流産。次の移植は陰性という結果でした。
「このまま治療を続けても良い結果が出るのだろうか…」
Mさんは、このような不安を抱えながら、体質改善と移植に向けて身体を整えたいと、当院での鍼灸治療を始められました。
2年間の不妊期間から始まった鍼灸治療
当院では、Mさんのその日の体調を詳しく伺い、上記の慢性症状や自律神経の乱れに対する鍼灸治療を行いました。加えて、不妊治療の段階に合わせ、子宮や卵巣への血流促進を目的とした鍼灸・レーザー治療を重点的に実施しました。
2023年1月:鍼灸開始とERA検査
鍼灸を始められたこの周期は、ERA検査(子宮内膜受容能検査)を予定していました。問診で判明した様々な慢性症状に対しての施術を実施。ERA検査後には、Mさんから「内膜がいつもより2ミリ厚くなっていて、前回の鍼が効いたのかも」という嬉しいご報告がありました。
2023年2~3月:移植周期(保険適用3回目/4回目)
翌月からの移植周期では、残念ながら2回連続で陰性という結果に。特に、移植後のP4値が低く、薬で補充してもなかなか上がらないという課題が浮き彫りになりました。凍結胚は初期胚が1個残っていましたが、Mさんは再度採卵を行うことを決断されました。
2023年4~5月:転院と採卵周期
パートタイムで職場を掛け持ちしていたMさんは、遅い時間まで診療しているクリニックへの転院を決意。新しいクリニックでは、一度タイミング療法を行ってから採卵に進む方針でした。
当院では、この採卵周期も引き続き卵巣への血流促進に注力し、卵子の質向上を目指した鍼灸・レーザー治療を行いました。その結果、採卵数11個中、初期胚1個、胚盤胞3個を凍結でき、Mさんは「今まででグレードが一番良かった」と喜ばれていました。
2023年6~7月:お休み周期
採卵後のお休み周期では、これまでギザギザだった基礎体温が安定。Mさんいわく「D2でしっかり低温期だったのが、今日から高温期みたいになった」とのこと。身体のホルモンバランスが整ってきている兆候が見られました。
2023年8月:移植周期(保険適用5回目)
自然周期での移植に臨み、子宮への血流促進を図る鍼灸・レーザーを強化。卵胞の成長はゆっくりでしたが、鍼灸の効果もあり、D16に9mmだった卵胞が翌週には17mmに成長。内膜も8.5mmから12.5mmまで厚くすることができました。
しかし、凍結融解胚盤胞移植の結果は、フライング検査でうっすら陽性反応が出たものの、血液検査のhCG値は10と低く、化学流産という結果に。Mさんは悔しさに涙を流されました。
2023年9~11月:検査と2度の採卵周期
化学流産後、Mさんは不育症検査、トリオ検査、そしてPGT-A(着床前遺伝子検査)を行いました。不育症検査は問題なしでしたが、EMMA検査で善玉菌ゼロが判明し、抗生剤を開始。
PGT-Aを見据えた1度目の採卵では、見えていた17個の卵胞から採れたのは7個、凍結に至ったのはゼロという厳しい結果に。クリニックからは卵巣刺激法の変更や卵子活性法が提案されましたが、Mさんは前回より悪くなった結果に納得がいかない様子でした。
続く2度目の採卵、D2の卵胞チェックでは左右に1個ずつしか見えませんでした。この時も卵胞の成長と体質改善を目指した鍼灸を継続。D13には11個の卵胞が見え、最大22mmに成長しました。
しかし、採卵数は見えていた卵胞の約半分である6個。その内、成熟卵は3個で、凍結できた1個(5BB)の胚盤胞をPGT-Aに提出されました。Mさんは涙を流し、「採卵を続けるごとに結果が良くない方に進む」現実に、深い疲労感と絶望を感じていました。この状況を受け、Mさんは再度クリニックを転院することを決断されました。
2023年12月:転院
新しいクリニックでの治療が始まり、まずタイミング療法と基本的な検査を再度受けました。この再検査で、今まで気づいていなかった「低AMH」が判明し、サプリメント(DHEA)の服用が追加されることになります。同時期に届いたPGT-Aの結果は残念ながら正常胚ではなかったため、破棄されました。
2024年2~3月:採卵周期/移植周期(保険適用6回目)
新しいクリニックでの最初の採卵(PPOS法)での結果は、見えていた7個の卵から6個の成熟卵が採れ、初期胚1個、胚盤胞5個が凍結できるという、これまでの採卵で過去最高の結果でした。Mさんも少しホッとされた様子でした。この間も、鍼灸による卵巣への血流促進は継続されていました。
そして、保険適用最後の移植はSEET法を選択、内膜の成長も順調に進みました。融解した胚盤胞は4ABから5ABに変化。しかし、結果は残念ながら陰性でした。
この時、Mさんは「今までは採卵後の移植は、いつもP4が低く薬を追加しても改善しなかったのに、今回はP4値がしっかりあった。薬の内容もシンプルだった」と、クリニックによって治療の考え方が全く違うことを実感されていました。
2024年5月:お休み周期で妊娠
最後の保険適用移植の陰性判定を受け、次周期に移植を予定していたMさん。この間に子宮収縮検査を受けることになり、さらに大好きな沖縄旅行を計画されていました。
そして、沖縄旅行に行かれる前日、Mさんから当院に自然妊娠をされたとのご報告が入りました。
体外受精の治療ステージにいたMさんにとって、全く予想外の結果で本人も驚かれていました。本人曰く、「なんとなく取ったタイミング」での妊娠だったそうです。
妊娠後も、当院でマタニティ鍼灸を継続し、妊娠8〜10週の壁を越え、つわりや便秘などのケアを行いながら安定期へと移行。2024年10月には妊娠21週で鍼灸を卒業されました。その後、妊娠30週で逆子が判明しましたが、鍼灸による逆子治療により無事治ったとのことです。
まとめ
Mさんのケースは、長期にわたる不妊治療の難しさ、そしてそれでも自然妊娠の可能性がゼロではないことを示しています。何が決め手となったのかは一つに断定できませんが、Mさんがされてきたこと全てが、この結果に繋がったのだと思います。
- 鍼灸による体質改善の継続: 週に1回の鍼灸レーザーによる子宮卵巣の血流促進と全身の体質改善が、卵子や内膜の状態、ホルモンバランスの改善に繋がったと考えられます。
- クリニック選びの重要性: クリニックによって治療の考え方やアプローチが異なるため、Mさんのように転院が成功の鍵となることもあります。ご自身に合ったクリニックを見つけることが、妊娠・出産までの道のりを大きく変える可能性があります。
- 心の健康の影響: 長引く不妊治療による精神的なダメージは計り知れません。Mさんの場合、転院によって状況が変わり、それが精神的に良い影響を与え、妊娠しやすい状態に繋がったのかもしれません。
- 「お休み周期」の思わぬ効果: 積極的に治療をしない「お休み周期」で心身がリラックスし、自然妊娠に至るケースは他の方にも見られます。
当院では、妊娠しやすい身体づくりはもちろん、患者さんの心の健康も重視し、些細な変化も見逃さないよう、お一人おひとりに寄り添ったサポートを心がけています。
Mさん、本当におめでとうございます。出産まであとわずかとなりましたが、無事にご出産されることを心より願っております。そして、ご家族3人で幸せなご家庭を築かれていかれることを願っております。
もしあなたが、Mさんのように不妊治療で悩んでいらっしゃるなら、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの「妊娠したい」という願いを、心身両面から全力でサポートさせていただきます。
Mさん妊娠お喜びの声
▢ お悩みの症状またはご来院当初の目的をお聞かせください。
1回目の移植で稽留流産、2回目の移植が陰性となり、他に何か出来ることがないか探してい 時に鍼灸が良いと聞いたので挑戦してみようと思ったため。
▢ 鍼灸以外で妊娠(陽性反応)された方法に〇をつけてください。
自然妊娠 次の移植を控えていた前の周期で自己タイミング法での自然妊娠
▢ ご自身で「これは良かった!」「自分に合っていた!」と思われた妊活があればお教えください。
レーザー・温活・ウォーキング ・サプリメント
▢ 鍼灸施術を受けていただいた感想をお聞かせください。
初めての鍼灸で最初は不安でしたが痛みもなくこれなら続けられそうと思い通わせて頂きました。毎回レーザーと鍼灸を受けていましたが、終わった後にはポカポカして身体が温まっているのを実感しました。自宅での温活と併せて冷え症は改善したと思います。
1番変化を感じたのは生理痛とドロッとした経血 がほとんどなくなったことでした。毎回その時の体調や治療のスケジュールに合わせた施術をして頂いたおかげで、便秘や腰痛などのマイナートラブルの改善や、採卵での凍結結果の改善、移植時の内膜が厚くなったりたりと通い始める前と比べて良くなったなと感じることがたくさんありました。
いつも正嗣先生にお願いしていたのですが、クリニックで聞けなかったことや疑問に思ったことを質問すると分かりやすく教えて下さり転院の相談にも乗って頂きました。施術中も世間話をしたり楽しく受けることが出来ました。
▢ 同じように悩まれている方ヘアドバイス(ご自身でやって良かったこと、若しくは続けることが出来たセルフ妊活など)、やメッセージがあればお願いいたします。
不妊治療を始めてから約2年半、保険での移植6回が上手くいかず、いつまで続けたらいいのか、でも諦められないからもう1回頑張ろうと思った矢先のまさかの自然妊娠でした。驚きしかなく、最初はまた流産してしまうかもしれないと不安ばかりでしたが、何とか安定期を迎えることが出来てひとまずホッとしているところです。不妊治療中は、先も見えないしいつまで続くのか分からない不安と恐怖で治療のことでいつも頭がいっぱいでした。周りに気軽に話せることでもなかったので、余計に一人で抱えこんでいた様に思います。
こちちに通うようになって、病院以外で治療について話せる場所があったのはとても大きいことでした。先生たちの豊富な知識と色んな方の経験談などを聞かせてもらって、自分の中の疑問が解決していくことで次はこうしてみようと前向きに治療に向かえたと思います。ありがとうございました。
※【免責事項】すべての方にあてはまるものではありません。効果の実感には個人差があります。
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月経期のヨガはOK?妊娠しやすい体をつくるための注意点と実践法
月経中の身体の変化について
月経は、女性にとって毎月の自然な生理現象ですが、その過程でいくつかの複雑な身体の変化が起こります。その一例として、月経血が逆流して腹腔内に入ることがあります。これは稀な現象ではありますが、この期間中、子宮は内膜を排出するために収縮し、ホルモンバランスも変動します。そのため、適切なヨガの実践が重要になります。
月経血の逆流とは
月経血の逆流は、月経期間中に子宮内膜が子宮から排出される際、一部の血液や組織が卵管を通じて腹腔内に逆流する現象です。この現象は一般に「レトログレード月経」と呼ばれます。通常の月経では、子宮から膣を通じて外部に排出されるべき血液が、逆流してしまうことがあります。
逆流の原因
月経血の逆流の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
- 子宮の収縮:子宮筋の異常な収縮が逆流を引き起こす可能性があります。
- 卵管の形状や機能:卵管の閉塞や異常が原因となることがあります。
- ホルモンの影響:ホルモンのバランスが逆流に影響を与えることがあります。
※ヨガのポーズによっては逆流を促してしまうポーズがあります。
逆流による健康への影響
月経血が腹腔内に逆流すると、様々な健康問題が生じる可能性があります。
- 子宮内膜症:逆流した子宮内膜が腹腔内に着床し、炎症や痛みを引き起こします。
- 慢性的な骨盤痛:持続的な痛みや不快感が生じることがあります。
- 不妊症:子宮内膜症の進行によって不妊症の原因となることがあります。
対処法と治療
月経血の逆流に関連する問題に対処するための方法や治療法がいくつか存在します。
- 薬物療法:ホルモン療法や鎮痛剤の使用が一般的です。
- 手術療法:子宮内膜症の手術や卵管の処置が必要な場合があります。
- 生活習慣の改善:適切な運動や食事、ストレス管理が症状の緩和に役立ちます。
月経中にヨガをする利点
月経中にヨガを行うことで、以下のような利点があります。
- ホルモンバランスの調整
ヨガはホルモンバランスを整える効果があることが多くの研究で示されています。ヨガを習慣的に行うことで、副交感神経のバランスが整い、神経を静める脳内の神経伝達物質であるギャバ(GABA)の分泌が増加します。GABAは神経の興奮を抑え、ストレス、恐怖、抑うつ、不安を和らげる効果があります。 - メンタルの安定と幸福感の向上
ヨガはメラトニンの濃度を高めて睡眠を調整し、オキシトシン(「幸せのホルモン」として知られる)の濃度を高めることで幸福感を向上させます。さらに、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の分泌も増加し、天然の抗うつ剤として作用します。 - 血流促進
適切なポーズを行うことで骨盤内の血流が促進され、月経痛の軽減に役立つとともに、子宮や卵巣への酸素供給と栄養供給が増加し、妊娠しやすい身体作りに貢献します。 - ストレス軽減
ヨガのリラクゼーション効果により、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、ホルモンバランスを維持しやすくします。日本の研究では、ヨガのクラス後にセロトニンの分泌が上昇し、コルチゾールの抑制が確認されています。
避けるべきヨガのポーズ
一部の専門家は、月経血の自然な排出を妨げる可能性があるとして、以下のポーズを避けるべきだとしています一方で、医学的な明確な根拠は十分に確立されていません 。
- 太鼓橋のポーズ
- 肩立ちのポーズ
- 鋤のポーズ
- これらに類似するポーズ
ヨガの実践時の注意点
- 無理をせず、自分の体調に合わせる。
- 深い呼吸を意識して、リラックスを重視。
- 強いストレッチや圧迫を避け、ゆったりと動く。
- 月経中のヨガは個々の体調や感覚に従い、無理のない範囲で行うことが推奨される。
まとめ
月経期のヨガは、身体に負担をかけず、リラックスを促すことが重要です。また、ヨガを習慣的に行うことでホルモンバランスが整い、血流が改善され、妊娠しやすい身体が作られます。適切なポーズを選ぶことで、月経期を快適に過ごし、健康的なライフスタイルを維持することができます。
参考文献
- 太田裕伊, 藤雅之, 長澤佳穂, 山本康嗣, 丸岡寛, 津戸寿幸, 加藤俊. 後腹膜腔に発生した子宮内膜症性嚢胞の1例. 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌. 2022; 38(2): 219-223. doi: 10.5180/jsgoe.38.2_219.